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Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:
2004/12/17日版
 
【登録日】2004/12/16
【更新日】2004/12/17
詳細
HFR BBS会議室
 
深刻度
  1(緊急)
2(重要)
  3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
なし
対策
早期適用
再起動の必要性
必要
アンインストール
対象環境
サーバ
  クライアント
セキュリティ情報
MS04-042(日本)
MS04-042(US)
サポート技術情報
よく寄せられる質問
セキュリティ情報
fq04-042
含まれる過去の修正
なし
脆弱性識別番号
MS04-042/885249
Windows NT Server 4.0のDHCPリクエスト処理の脆弱性により、リモートでコードが実行される危険性
(DHCP の脆弱性により、リモートでコードが実行され、サービス拒否が起こる)

緊急対応度:適用作業の早期開始

危険性 脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用

 Windows NT Server 4.0のDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバにバッファ・オーバーフローの脆弱性が存在する。攻撃対象のサーバと通信するプログラムを作成し、ある細工したDHCPメッセージをサーバに送信することで攻撃が実行される。このようなメッセージを受け取ると、DHCPサービスが異常終了し、コードが実行されるか、サービス拒否が起きる。DHCPの接続を開始するために使用されるUDPポート67番/68番の受信が、ファイアウォールなどによってブロックされていない場合、インターネットからの攻撃を受ける可能性がある。なお、マイクロソフトによればDHCPが利用するこれ以外のポートが攻撃に悪用される可能性もあるとしている。ただし、現時点で最も攻撃の可能性が高いポートがUDPポートの67番/68番であるということだ。

 脆弱性が存在するのは、Windows NT Server 4.0でDHCPサーバ・サービスを起動している場合のみである。そのほかのWindows 2000 ServerやWindows Server 2003のDHCPサーバ・サービスには、MS04-042の脆弱性は存在しない。

 マイクロソフトによれば、MS04-042の脆弱性は非公開で報告されたとしており、実証コードや攻撃例は確認されていないという。ただし、最近では脆弱性が公開されると、1カ月程度で実証コードや悪用した攻撃が現れるので注意が必要だ。MS04-042の脆弱性は、インターネットを介したリモートによる攻撃が可能なものであるため、Windows NT Server 4.0でDHCPサーバを運用している場合は、早期に修正プログラムの適用を行っていただきたい。

 

概要

 Windows NT 4.0 ServerのDHCPサーバに「ログ機能の脆弱性」と「DHCPリクエストの脆弱性」が存在する。DHCPとは、ネットワーク・クライアントに対して、IPアドレスやサブネットマスクなどのネットワーク情報を動的に割り当て可能にするプロトコルのこと。本来TCP/IPネットワークでは、IPアドレスなどのネットワーク設定を各クライアントごとに行わないと正しく通信できないが、DHCPを利用することで、クライアント側の設定は「サーバから必要な情報を取り出す」という単純かつ共通の構成にしておくことが可能になる。面倒なネットワーク設定が省略でき、一元的なネットワーク管理が可能になる。Windows 9xやWindows NT 4.0、MacOSなどでDHCPのクライアント・モジュールが標準添付されるようになり、広く利用されるようになっている。

 ログ機能とDHCPリクエストのどちらの脆弱性も、DHCPサーバ・サービスがネットワーク・パケットに含まれる値を検証する方法に、未チェック・バッファの脆弱性が存在することに起因する。マイクロソフトによれば、これらの脆弱性を悪用した最も可能性の高い攻撃はサービス拒否であるとしている。ただし最悪の場合、任意のコードが実行され、コンピュータの制御が完全に奪われる危険性もある。

 

対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
Windows NT Server 4.0 Windows NT Server 4.0 SP6a
Windows NT Server 4.0 Terminal Server Edition Windows NT Server 4.0 Terminal Server Edition, SP6
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Windows NT Server 4.0 SP6a
Windows NT Server 4.0, Enterprise Edition SP6a

■DHCPサーバを再インストールしたら修正プログラムの再適用も必要
 MS04-042の修正プログラムを適用した後で、DHCPサーバをインストールし直した場合は、再度MS04-042の修正プログラムも適用すべきである。これはDHCPサーバをインストールする際、DHCPサーバ関連のファイルが古いバージョンに置き換わってしまい、脆弱性が復活してしまうことがあるためだ。特に、修正プログラムの適用/未適用をレジストリだけで確認する管理ツールを使用している場合、DHCPサーバの再インストールによる古いバージョンでのファイルの上書きを検出できない可能性があるため、注意が必要である。

■MBSA 1.21の結果
 MS04-042の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 1.21で確認可能だ。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新」の「結果の詳細情報」に、「DHCP の脆弱性により、リモートでコードが実行され、サービス拒否が起こる (885249)」が表示される。

 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター Windows Update/Office Update/SUSの表示
Windows NT Server 4.0 SP6a Windows NT 用セキュリティ更新プログラム (KB885249)
Windows NT Server 4.0 Terminal Server Edition, SP6
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥
 以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
 
Windows NT Server 4.0 SP6a:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsNT4Server-KB885249-x86-JPN.exe 2004/10/25 5.4.15.0
140,624
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\system32\
dhcpssvc.dll 2004/10/20 4.0.1381.7313
141,872
DHCP Server Service
   
Windows NT Server 4.0 Terminal Server Edition, SP6:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsNT4TerminalServer-KB885249-x86-JPN.exe 2004/12/03 5.4.15.0
140,648
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\system32\
dhcpssvc.dll 2004/12/02 4.0.1381.39818
141,872
DHCP Server Service
 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。

・Windows NT Server 4.0 SP6a/Terminal Server Edition SP6:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Hotfix\KB885249\Installedのデータが1であること

 
‥‥‥ 参考情報 ‥‥‥

 何らかの理由から直ちに修正プログラムを適用できない場合には、以下に示す方法で脆弱性の回避が可能だ。ただしこの回避策は、脆弱性を根本的に解決するものではない。

■UDPポート67番/68番の受信をファイアウォールでブロックする
 DHCPサーバとの接続を開始するために使用されるUDPポート67番/68番をファイアウォールでブロックすることで、インターネットからの攻撃を回避できる。ただしイントラネット内に侵入されたワームなどからの攻撃は防げないので注意が必要だ。

 

予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
WindowsNT4Server-KB885249-x86-JPN.exe
(Windows NT Server 4.0 SP6a)
24分 33分 58分 1時間40分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 

UpdateEXPERT上の表示

・Windows NT Server 4.0 SP6a:
UpdateEXPERT 5.1:[展開ビュー]−[IIS]タブに「名前:NT4SVR-KB885249-x86-JPN.exe」で登録
UpdateEXPERT 6.1:[展開ビュー]−[IIS]タブに「名前:WindowsNT4Server-KB885249-x86-JPN.exe」で登録

・Windows NT Server 4.0 Terminal Server Edition SP6:
UpdateEXPERT 5.1/6.1:サポート対象外

 

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