カノープスのサポートフォーラムなどにおいて、Windows XPにおいて「Terminal ServicesとSecondary Logonのサービスを停止している(デフォルトでは有効)場合、タスク・スケジューラが正常に動作しないことがある」と報告されている。Terminal
Servicesはリモートデスクトップ接続やリモートアシスタンス、ターミナル・サーバなどの機能を支援するサービスである。またSecondary Logonは、現在ログオン中のものとは異なるユーザー・アカウントでログオンする際に利用されるサービスだ。
DA Labで、Windows XP Professional SP1に「TechNetセキュリティ:MS04-022」の修正プログラムを適用し、Terminal
Servicesを無効化した状態でタスクが開始されるかどうかを調べた。その結果、Terminal Servicesを無効化すると、登録したタスクが開始されなくなることを確認した。この状態でSecondary
Logonを無効にすると、タスクの「状態」は「開始できませんでした」となるが、有効では何も表示されなかった(Terminal Servicesを有効にし、Secondary
Logonのみを無効にした場合、タスクは問題なく開始された)。Windows XP Professional/Home Editionにおいて、Terminal
ServicesもSecondary Logonもデフォルトで有効になっているが、手動で無効化している場合は注意が必要だ。
ウイルス対策ソフトウェアやバックアップ・ソフトウェアなどの一部のアプリケーションでは、タスク・スケジューラを利用して定期的にプログラムを実行している。このようなアプリケーションでは、MS04-022の修正プログラム適用によって、定期的なウイルス・チェックやバックアップが実行されなくなる可能性がある。タスクが開始できるようにするには、Terminal
Servicesを有効にすればよい。Terminal Servicesを有効にするのは、以下の手順で行える(Secondary Servicesも同様)。
- [コントロール パネル]−[管理ツール]−[サービス]を選択する。
- 右側の[サービス]ペインで「Terminal Services」を右クリックし、メニューから[プロパティ]を選択する。
- [Terminal Servicesのプロパティ]ダイアログの「スタートアップの種類」で「手動」し、[適用]ボタンをクリックする。
- 「サービスの状態」の[開始]ボタンをクリックする。これでTerminal Servicesが有効化され、サービスが開始される。
- [OK]ボタンをクリックし、[Terminal Servicesのプロパティ]ダイアログを閉じる。
すべての環境でTerminal Servicesを有効にすれば必ずタスクを開始できるとは限らないが、この不具合が生じている場合は、試してみる価値がある。もし不具合が解消されるなら、マイクロソフトから新たな修正プログラムが提供されるまで、Terminal
Servicesを有効化しておいた方がいいだろう。
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