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Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:
2005/02/10日版
 
【登録日】2005/02/09
【更新日】2005/02/10
詳細
HFR BBS会議室
 
深刻度
1(緊急)
  2(重要)
  3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
なし
対策
至急適用
再起動の必要性
必要
アンインストール
対象環境
サーバ
  クライアント
セキュリティ情報
MS05-010(日本)
MS05-010(US)
サポート技術情報
含まれる過去の修正
なし
脆弱性識別番号
MS05-010/885834
Windows Serverのライセンス・ログ・サービスの脆弱性により、任意のコードが実行される危険性
(ライセンス ログ サービスの脆弱性により、コードが実行される)

緊急対応度:適用作業の至急開始

危険性 脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用

 Windows NT Server 4.0/2000 Server/Server 2003のライセンス・ログ・サービスに未チェック・バッファの脆弱性があり、サービス拒否やリモートでコードが実行される危険性がある。最悪の場合、プログラムのインストール、データの表示/変更/削除、完全な特権を持つ新しいアカウントの作成など、攻撃者によってコンピュータの制御が完全に奪われてしまう。Windows Serverがインターネットに公開されている場合、リモートによる攻撃が可能である。そのため、この脆弱性を悪用したワームなどの登場が懸念される。

 MS05-010の脆弱性は、ライセンス・ログ・サービスが実行されている場合に影響を受ける。ライセンス・ログ・サービスは、Windows NT Server 4.0、Windows NT Server 4.0 Terminal Server Edition、Windows 2000 Serverにインストールされており、デフォルトで実行される。Windows Server 2003では、インストールされているもののデフォルトでは実行されないため、明示的に設定を変更していない限り、脆弱性の影響は受けない。またSmall Business Server 2000/2003でも、ライセンス・ログ・サービスが実行されているが、サービスが使用する通信ポートはデフォルトでインターネットからブロックされており、ライセンス・ログ・サービスが利用可能なのはローカル・ネットワークのみとなっている(内部に侵入されたワームによって攻撃が実行される危険性は残る)。

 マイクロソフトによれば、MS05-010の脆弱性は非公開で報告されたとしており、実証コードや攻撃例は確認されていないという。ただし、最近では脆弱性が公開されると、1カ月程度で実証コードや悪用した攻撃が現れるので注意が必要だ。ワームなどへの悪用が行われる前に、修正プログラムを適用しておきたい。

 

概要

 ライセンス・ログ・サービスは、サーバ・クライアント・アクセス・ライセンス(CAL)モデルに基づいて、マイクロソフトのサーバ製品のライセンス管理を行うために開発されたものである。このライセンス・ログ・サービスが割り当てられたバッファにメッセージを渡す際の処理に未チェック・バッファが存在する。特別な細工をしたネットワーク・メッセージを受信すると、バッファ・オーバーフローが発生し、任意のコードが実行される危険性がある。

 Small Business Server 2000/2003以外では、ライセンス・ログ・サービスを無効にすることで脆弱性を回避できる。なおSmall Business Server 2000/2003では、ライセンス・ログ・サービスを無効にすると、システムが正しく機能しなくなる場合があるので注意が必要だ。

 

対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
Windows NT Server 4.0 Windows NT Server 4.0 SP6a
Windows NT Server 4.0 Terminal Server Edition Windows NT Server 4.0 Terminal Server Edition, SP6
Windows 2000 Server Windows 2000 Server SP3/SP4
Windows Server 2003 Windows Server 2003
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Windows NT Server 4.0 SP6a
Windows NT Server 4.0, Enterprise Edition SP6a
Windows 2000 Server SP4
Windows 2000 Advanced Server SP3
Windows Server 2003, Standard Edition
Windows Server 2003, Enterprise Edition

■Windows 2000 Server SP2向け修正プログラムは提供されない
 Windows 2000 SP2は2004年6月30日にサポート・ライフサイクルが終了したため、MS05-010の修正プログラムは提供されない。Windows 2000 Server SP2はSP3またはSP4を適用してから対応する修正プログラムを適用する。

■Windows NT Server 4.0/Terminal Server Edition SP6向けの修正プログラムは提供
 Windows NT Server 4.0とWindows NT 4.0 Server Terminal Server Edition SP6は、2004年12月31日でサポート・ライフサイクルが終了しているが、マイクロソフトによれば、「この脆弱性による危険性が高い」ため今回は提供を行ったとしている。しかしこうした例外はいつまで続くか分からないので、やはりOS自体のバージョンアップを検討すべきだ。なお、Windows NT Server 4.0とWindows NT 4.0 Server Terminal Server Edition SP6向けの修正プログラムはダウンロード・センターでのみ提供される。

■Windows Server 2003はサービス拒否が起きる可能性が高い
 MS05-010の脆弱性は、リモートでコードが実行される危険性がある。ただしマイクロソフトによれば、Windows Server 2003では、細工されたメッセージを受信しても、サービス拒否の発生にとどまる可能性が高いとしている。ライセンス・ログ・サービスが異常終了した場合、Windows Server 2003では自動的にサービスを再起動する。ただし自動再起動は3回までで、4回目に異常終了すると手動で再起動しないとライセンス・ログ・サービスは復帰しなくなる。これにより、ライセンス・ログ・サービスはすべてのリクエストに応答しなくなる。なお手動で再起動を行えば、ライセンス・ログ・サービスは復帰するが、脆弱性が残ったままの場合、再び攻撃によってサービス拒否が起きる危険性がある。

■MBSA 1.21の結果
 MS05-010の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 1.21で確認可能だ。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新」の「結果の詳細情報」に、「ライセンス ログ サービスの脆弱性により、コードが実行される (885834)」が表示される。

 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター Windows Update/Office Update/SUSの表示
Windows NT Server 4.0 SP6a
Windows NT Server 4.0 Terminal Server Edition, SP6
Windows 2000 Server SP3/SP4 Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB885834)
Windows Server 2003 Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB885834)
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥
 以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
 
Windows NT Server 4.0 SP6a:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsNT4Server-KB885834-x86-JPN.exe 2005/01/19 5.4.15.0
133,624
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\system32\
llssrv.exe 2005/01/17 4.0.1381.7346
143,920
Microsoft License Server
   
Windows NT Server 4.0 Terminal Server Edition, SP6:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsNT4TerminalServer-KB885834-x86-JPN.exe 2005/01/19 5.4.15.0
133,904
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\system32\
llssrv.exe 2005/01/17 4.0.1381.39840
143,920
Microsoft License Server
 
Windows 2000 Server SP3/SP4:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
Windows2000-KB885834-x86-JPN.EXE 2005/01/18 1.0.0.0
1,102,328
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\system32\
llsrpc.dll 2003/06/19 5.0.2195.6601
48,912
License Logging Service RPC Interface
llssrv.exe 2005/01/13 5.0.2195.7021
85,264
Microsoft License Server
ole32.dll 2005/01/17 5.0.2195.7021
957,200
Microsoft OLE for Windows
rpcrt4.dll 2004/03/11 5.0.2195.6904
449,808
Remote Procedure Call Runtime
rpcss.dll 2005/01/17 5.0.2195.7021
212,240
Distributed COM Services
薄紫色のファイルは、MS05-012と同じもの
 
Windows Server 2003:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsServer2003-KB885834-x86-jpn.exe 2005/01/14 1.0.0.0
376,048
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(RTMGDR/RTMQFE)
%SystemRoot%\system32\
llssrv.exe 2005/01/13 5.2.3790.248
88,576
Microsoft License Server
 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。

・Windows NT Server 4.0 SP6a/Terminal Server Edition SP6:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Hotfix\KB885834の値「Installed」のデータが「1」であること

・Windows 2000 Server SP3/SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB885834\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows Server 2003:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\SP1\KB885834\Filelist以下のファイル一覧を確認する

 

予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
WindowsNT4Server-KB885834-x86-JPN.exe
(Windows NT Server 4.0 SP6a)
24分 33分 58分 1時間40分
Windows2000-KB885834-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 Server SP3/SP4)
24分 33分 58分 1時間41分
WindowsServer2003-KB885834-x86-jpn.exe
(Windows Server 2003)
24分 33分 58分 1時間40分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 

UpdateEXPERT上の表示

・Windows NT Server 4.0 SP6a:
UpdateEXPERT 5.1:[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:NT4SVR-KB885834-x86-JPN.exe」で登録
UpdateEXPERT 6.1:[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsNT4Server-KB885834-x86-JPN.exe」で登録

・Windows NT Server 4.0 Terminal Server Edition SP6:
UpdateEXPERT 5.1/6.1:サポート対象外

・Windows 2000 Server SP3/SP4:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:Windows2000-KB885834-x86-JPN.EXE」で登録

・Windows Server 2003:
UpdateEXPERT 5.1:サポート対象外
UpdateEXPERT 6.1:[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsServer2003-KB885834-x86-jpn.exe」で登録

 

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