このページは、HotFix Reportで配信されたセキュリティ情報のバックナンバーです。「更新日」に明記された時点での情報ですのでご注意ください。ご購読の申し込みは「HotFix Report購読の申し込み」 をご参照ください。

トップページ サービスの詳細 セキュリティ情報 購読の申し込み
 
 
Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:
2005/04/16日版
 
【登録日】2005/04/15
【更新日】2005/04/16
詳細
HFR BBS会議室
 
深刻度
  1(緊急)
2(重要)
  3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
なし
対策
早期適用
再起動の必要性
不要(サービスが停止できない場合は必要)
アンインストール
対象環境
サーバ
クライアント
セキュリティ情報
MS05-017(日本)
MS05-017(US)
サポート技術情報
含まれる過去の修正
なし
脆弱性識別番号
MS05-017/892944
MSMQの未チェック・バッファの脆弱性により、任意のコードが実行される危険性
(メッセージ キューの脆弱性により、コードが実行される)

緊急対応度:適用作業の早期開始

危険性 脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用

 Microsoft Message Queuing(MSMQ)に未チェック・バッファの脆弱性が存在する。その結果、細工されたメッセージをMSMQが受信すると、任意のコードが実行され、コンピュータの制御が完全に奪われる危険性がある。匿名ユーザーがインターネットを介して攻撃することも可能なので、MSMQがインストールされている場合は非常に危険だ。

 マイクロソフトによれば、MSMQはどのバージョンのWindows OSにもデフォルトではインストールされておらず、手動でインストールした場合にのみ、MS05-017の脆弱性の影響を受けるとしている。ただしBizTalk Server 2000/2002/2004では、インストールの際にMSMQが必要となるので、BizTalk Serverを利用している場合は、脆弱性の影響を必ず受けることになる。一般的なクライアントとしての利用においては、MSMQがインストールされることはないだろう。またWindows Server 2003とWindows XP SP2には、MS05-017の脆弱性が存在しないとしている。

 マイクロソフトによれば、MS05-021の脆弱性は非公開で報告されたとしており、実証コードや攻撃例は確認されていないという。ただし前述のようにBizTalk Serverを利用している場合は、攻撃を受ける可能性があり、ひとたび攻撃を受ければ、大きな被害が発生する可能性が高い。その他、MSMQがインストールされている可能性がある場合は、その有無を確認し、なるべく早期に修正プログラムを適用した方がよい。

 

概要

 MSMQは、さまざまなネットワークを越えて通信したり、オフラインの可能性のあるコンピュータと通信したりすることを可能にする、メッセージの一時的な格納場所を提供し、メッセージが送信先に確実に到着するようにするための技術である。

 MSMQのコンポーネントに未チェック・バッファが存在し、細工されたメッセージを受信すると任意のコードが実行される。通常、インターネット側に対してMSMQを利用している場合、MSMQ HTTPメッセージの配信に利用する。この場合、MS05-017の脆弱性の影響は受けない。一方、RPCポートを使用するメッセージにMSMQを利用している場合、インターネットを介した攻撃を受ける危険性がある。ただしこの場合でも、RPCポートの受信者側から送信を要求していないすべての受信パケットをファイアウォールでブロックすれば、攻撃を緩和できる。

 BizTalk Serverやサードパーティ製Webアプリケーション・サーバ・ソフトウェアなどがMSMQを利用している。これらを利用しているサーバは特に注意が必要だ。MBSAなどを利用して、MSMQがインストールされていないかどうかまず確認することをお勧めする。

 

対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
Windows 2000 Windows 2000 SP3/SP4
Windows XP Windows XP SP1/SP1a
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Windows 2000 Professional SP3
Windows 2000 Professional SP4
Windows 2000 Server SP3
Windows 2000 Server SP4
Windows 2000 Advanced Server SP3
Windows XP Professional SP1
Windows XP Professional SP1a

■Windows XP SP1/SP1aにはデフォルトでMSMQを構成するファイルがインストールされている
 TechNetセキュリティ情報によれば、「MSMQのコンポーネントはどのバージョンのWindows OSにもインストールされていない」としている。しかしWindows XP SP1/SP1aには、MSMQを構成するファイルがデフォルトでインストールされていることを確認した(サービスは起動していない)。

 そのためMSMQを手動でインストールしていない場合でも、Windows Updateを実行すると、Windows XP SP1/SP1aではMSMQが検出され、修正プログラムの適用が要求される。MSMQが起動していなければ、細工されたメッセージを受信することがないため、脆弱性の影響は受けないと思われる。ただしWindows XP SP1/SP1aの場合は、MSMQを起動した際に脆弱性の影響を受けないように、修正プログラムを適用しておいた方がよい。

 Windows 2000の場合は、デフォルトではMSMQを構成するファイルがインストールされていないので、MSMQを手動でインストールしていない限り、修正プログラムを適用する必要はない。MSMQがインストールされていない状態でMS05-017の修正プログラムを適用した場合、更新用のファイルは%Windir%\system32\dllcache\にのみ保存される。ただしその後MSMQをインストールすると、古い脆弱性の存在するファイルに書き戻される可能性もあるので、インストール後にもう1度、MS05-017の修正プログラムの適用を行った方がよい。

■Windows NT 4.0 SP6a/2000 SP2/XP SP未適用向け修正プログラムは提供されない
 Windows NT Workstation 4.0 SP6a/2000 SP2は2004年6月30日に、Windows XP SP未適用は2004年9月30日にそれぞれサポート・ライフサイクルが終了したため、MS05-017の修正プログラムは提供されない。Windows 2000 SP2はSP3またはSP4を適用してから、Windows XP SP未適用はSP1a/SP2を適用してから、それぞれ対応する修正プログラムを適用する。Windows XP SP2には、MS05-017の脆弱性は存在しないので、SP2を適用した場合は、修正プログラムを適用する必要はない。

 また、Windows NT Server 4.0も2004年12月31日でサポート・ライフサイクルが終了しており、MS05-017の修正プログラムは提供されない。そのため、Windows NT 4.0 SP6aについては、脆弱性を解消する手段がないため、OS自体のバージョンアップが必要となる。

■Windows 98/98SEにも脆弱性あり
 TechNetセキュリティ情報によれば、Windows 98/98SEにもMSMQの脆弱性が存在する。ただしマイクロソフトはこれらを「緊急ではない」と判断しており、修正プログラムの提供は行われない。

■MBSA 1.21の結果
 MS05-017の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 1.21で確認可能だ。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新」の「結果の詳細情報」に、「メッセージ キューの脆弱性により、コードが実行される (892944)」が表示される。

 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター Windows Update/SUSの表示
Windows 2000 SP3/SP4 Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB892944)
Windows XP SP1/SP1a Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB892944)
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥
 以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
 
Windows 2000 SP3/SP4:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
Windows2000-KB892944-x86-JPN.EXE 2005/03/11 1.0.0.0
1,267,192
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\system32\
mq1repl.dll 2005/02/17 5.0.0.792
291,088
Windows NT, MSMQ 2.0 Replication
mq1sync.exe 2003/12/22 5.0.0.791
14,096
Windows NT MQ Replication Service
mqads.dll 2005/02/17 5.0.0.791
217,360
Windows NT MQ Active Directory Service
mqclus.dll 2005/02/17 5.0.0.779
50,448
Windows NT MQ Cluster DLL
mqdscli.dll 2005/02/17 5.0.0.785
76,560
Windows NT MQ Client Directory Service
mqdssrv.dll 2005/02/17 5.0.0.773
42,256
Windows NT MQ Server Directory Service
mqmig.exe 2003/12/22 5.0.0.791
98,064
Windows NT, MSMQ 2.0 Migration
mqmigrat.dll 2005/02/16 5.0.0.791
266,512
Windows NT, MSMQ 2.0 Migration
mqoa.dll 2005/02/17 5.0.0.793
222,480
Windows NT MQ ActiveX Components
mqperf.dll 2005/02/17 5.0.0.784
10,000
Windows NT MQ Performance Coutners
mqqm.dll 2005/02/17 5.0.0.798
438,544
Windows NT MQ Queue Manager
mqrt.dll 2005/02/17 5.0.0.799
102,672
Windows NT MQ Run time DLL
mqsec.dll 2005/02/17 5.0.0.776
70,928
Windows NT, MSMQ 2.0 Security
mqsnap.dll 2005/02/17 5.0.0.783
400,656
Windows NT MSMQ Admin
mqupgrd.dll 2005/02/17 5.0.0.762
23,824
MSMQ Upgrade
mqutil.dll 2005/02/17 5.0.0.798
146,704
Windows NT MQ Utility DLL
msmq.cpl 2005/02/17 5.0.0.748
64,784
Windows NT MSMQ Control Panel
  %SystemRoot%\System32\drivers\
mqac.sys 2004/10/24 5.0.0.798
77,680
Windows NT MQ Access Control Device Driver
 
Windows XP SP1/SP1a:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsXP-KB892944-x86-JPN.exe 2005/03/24 1.0.0.0
988,912
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(sp1qfe)
%SystemRoot%\system32\
mqad.dll 2005/03/24 5.1.0.1044
130,048
Windows NT MQ Client AD Access
mqdscli.dll 2005/03/24 5.1.0.1044
44,032
Windows NT MQ Client Directory Service
mqise.dll 2005/03/24 5.1.0.1044
14,848
MSMQ ISAPI EXTENSION
mqqm.dll 2005/03/24 5.1.0.1044
608,768
Windows NT MQ Queue Manager
mqrt.dll 2005/03/24 5.1.0.1044
165,888
Windows NT MQ Run time DLL
mqsec.dll 2005/03/24 5.1.0.1044
88,576
Windows NT, MSMQ 2.0 Security
mqupgrd.dll 2005/03/24 5.1.0.1044
44,544
MSMQ Upgrade
mqutil.dll 2005/03/03 5.1.0.1044
349,696
Windows NT MQ Utility DLL
  %SystemRoot%\System32\drivers\
mqac.sys 2005/03/23 5.1.0.1044
67,456
Windows NT MQ Access Control Device Driver
 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。

・Windows 2000 SP3/SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB892944\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows XP SP1/SP1a:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP2\KB892944\Filelist以下のファイル一覧を確認する

 

予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
Windows2000-KB892944-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 SP3/SP4)
13分 21分 47分 1時間29分
WindowsXP-KB892944-x86-JPN.exe
(Windows XP SP1/SP1a)
12分 21分 46分 1時間29分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 

UpdateEXPERT上の表示

・Windows 2000 SP3/SP4:
[展開ビュー]−[IIS]タブに「名前:Windows2000-KB892944-x86-JPN.EXE」で登録

・Windows XP SP1/SP1a:
[展開ビュー]−[IIS]タブに「名前:WindowsXP-KB892944-x86-JPN.exe」で登録

 

HotFix Reportは、UpdateEXPERTユーザー向けの情報を含んでいます。UpdateEXPERTは、管理者の負担を大幅に軽減するHotFix管理ツールです。UpdateEXPERTに関する詳細ならびにお問い合わせは、アップデートテクノロジー株式会社のホームページをご参照ください。
 
Copyright (C) Digital Advantage Corp.
このメールは、HotFix Reportにご登録いただいておりますユーザー様にお送りしています。
無断で複製・再配信などを行うことはできません。 このメールに関する問い合わせ先:info@hotfix.jp
HotFix Reportでは、細心の注意を払って情報提供を行っておりますが、本サービスにおける情報の正確性、最新性、適切性などについて、明示的又は黙示的な保証を行いません。また本サービスの停止や欠陥、それらに起因して発生する損失や損害について、一切責任を負いません。