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Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:
2005/06/17日版
 
【登録日】2005/06/16
【更新日】2005/06/17
詳細
HFR BBS会議室
 
深刻度
  1(緊急)
2(重要)
  3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
なし
対策
早期適用
再起動の必要性
必要
アンインストール
対象環境
サーバ
クライアント
セキュリティ情報
MS05-028(日本)
MS05-028(US)
サポート技術情報
含まれる過去の修正
なし
脆弱性識別番号
MS05-028/896426
WebClientサービスの未チェック・バッファの脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性
(WebClientサービスの脆弱性により、リモートでコードが実行される)

緊急対応度:適用作業の早期開始

危険性 脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用

 WebClientサービスに未チェック・バッファの脆弱性が存在し、WebDAV経由で細工されたリクエストを受信すると、リモートで任意のコードが実行される危険性がある。WebClientは、インターネット経由でファイルを作成したり修正したりするために利用されるサービスだ。

 この攻撃を実行するためには、攻撃対象となるコンピュータの有効なログオン資格情報を所有していることが条件になるとしている。そのため、匿名ユーザーがリモートでこの脆弱性を悪用することは困難である。ただし、ほかの脆弱性と合わせて、ワームやウイルスなどに悪用される可能性が懸念される。

 マイクロソフトによれば、MS05-028の脆弱性は非公開で報告されたとしており、実証コードや攻撃例は確認されていないという。すぐにウイルスやワームなどに悪用されることはないと思われるが、リモートで任意のコードが実行できる脆弱性なので、早期に修正プログラムの適用を行った方がよい。なおWindows XP SP2とWindows Server 2003 SP1は、この脆弱性の影響を受けない。

 

概要

 WebClientは、インターネット上のドキュメントにWin32アプリケーションがアクセスし、ファイルの作成/修正/削除を行えるようにWindows OSの機能を拡張するためのサービスである。Windows XPではデフォルトでサービスが開始されるように設定されている(Windows Server 2003のデフォルトは無効)。

 この脆弱性は、WebDAVメッセージを処理する過程でWebClientサービスがバウンダリ・エラーを起こすことに起因する。細工されたメッセージをWebClientサービスが受け取ると、バッファ・オーバフローが起き、任意のコードが実行される。攻撃には、前述のように有効なログオン資格情報が必要となるため、「Guest」アカウントが有効になっているコンピュータは危険である。修正プログラムの適用と同時に、Guestや使用していないログオン・アカウントが有効になっていないことを確認しておいた方がよい。

 

対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
Windows XP Windows XP SP1/SP1a
Windows Server 2003 Windows Server 2003 SP未適用
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Windows XP Professional SP1
Windows XP Professional SP1a
Windows Server 2003, Standard Edition SP未適用
Windows Server 2003, Enterprise Edition SP未適用

■MBSA 1.21の結果
 MS05-028の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 1.21で確認可能だ。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新」の「結果の詳細情報」に、「WebClient サービスの脆弱性により、リモートでコードが実行される (896426)」が表示される。

 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター Windows Update/SUS/WSUSの表示
Windows XP SP1/SP1a Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB896426)
Windows Server 2003 SP未適用 Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB896426)
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥
 以下のファイルが修正プログラムによって更新される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
 
Windows XP SP1/SP1a
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsXP-KB896426-x86-JPN.exe 2005/04/26 1.0.0.0
596,208
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\system32\
webclnt.dll 2005/04/26 5.1.2600.1673
62,976
Web DAV Service DLL
  %SystemRoot%\system32\drivers
mrxdav.sys 2005/04/26 5.1.2600.1673
173,312
Windows NT WebDav Minirdr
 
Windows Server 2003 SP未適用:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsServer2003-KB896426-x86-jpn.exe 2005/04/30 1.0.0.0
620,272
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(rtmgdr)
%SystemRoot%\system32\
webclnt.dll 2005/04/30 5.2.3790.321
69,120
Web DAV Service DLL
  %SystemRoot%\system32\drivers
mrxdav.sys 2005/04/30 5.2.3790.321
181,248
Windows NT WebDav Minirdr
展開フォルダ
(rtmqfe)
%SystemRoot%\system32\
webclnt.dll 2005/04/30 5.2.3790.321
69,120
Web DAV Service DLL
 
%SystemRoot%\system32\drivers
mrxdav.sys 2005/04/30 5.2.3790.321
181,760
Windows NT WebDav Minirdr
 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。

・Windows XP SP1/SP1a:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP2\KB896426\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows Server 2003 SP未適用:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\SP1\KB896426\Filelist以下のファイル一覧を確認する

 
‥‥‥ 参考情報 ‥‥‥

 何らかの理由で直ちに修正プログラムを適用できない場合には、以下に示す方法で脆弱性を回避可能だ。ただしこの回避策は、脆弱性を根本的に解決するものではない。

■WebClientサービスを無効にする
 WebClientサービスを無効に設定すれば、WebDAVパケットを処理しなくなるため、この脆弱性を悪用した攻撃を防止できる。サービスを停止するには、以下の手順で操作する。

  1. [スタート]−[コントロールパネル]−[サービス]を起動する。
  2. [WebClient]のプロパティを開く。
  3. [スタートアップの種類]を[無効]に設定する。
  4. [停止]ボタンをクリックし、サービスを止める。

 また、次のようにコマンド・プロンプトから入力して、WebClientサービスを停止/無効にできる。

sc stop WebClient & sc config WebClient start= disabled

 ただしWindows Server 2003では、[Webフォルダとして開く]機能がWebClientサービスに依存している。WebClientサービスを停止すると[Webフォルダとして開く]機能が利用できなくなる。

 

予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
WindowsXP-KB896426-x86-JPN.exe
(Windows XP SP1/SP1a)
18分 27分 52分 1時間34分
WindowsServer2003-KB896426-x86-jpn.exe
(Windows Server 2003 SP未適用)
19分 27分 52分 1時間34分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 

UpdateEXPERT上の表示

・Windows XP SP1/SP1a:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsXP-KB896426-x86-JPN.exe」で登録

・Windows Server 2003 SP未適用:
UpdateEXPERT 5.1:サポート対象外
UpdateEXPERT 6.1:[展開ビュー]−[OS]タブに「WindowsServer2003-KB896426-x86-jpn.exe」で登録

 

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