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Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:
2005/08/11日版
 
【登録日】2005/08/11
【更新日】2005/08/11
詳細
HFR BBS会議室
 
深刻度
1(緊急)
  2(重要)
  3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
なし
対策
至急適用
再起動の必要性
必要(スプーラ・サービスを停止した場合は不要)
アンインストール
対象環境
サーバ
クライアント
セキュリティ情報
MS05-043(日本)
MS05-043(US)
サポート技術情報
含まれる過去の修正
なし
脆弱性識別番号
MS05-043/896423
印刷スプーラ・サービスの未チェック・バッファの脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性
(印刷スプーラの脆弱性により、リモートでコードが実行される)

緊急対応度:適用作業の至急開始

危険性 脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用

 印刷スプーラ・サービスのSpoolsv.exeに未チェック・バッファの脆弱性があり、リモートで任意のコードが実行される危険性がある。Windows 2000とWindows XP SP1/SP1aでは、細工したメッセージを受信するだけでこの脆弱性が悪用され、最悪の場合、コンピュータの制御が完全に奪われてしまう。

 特に、プリンタ・サーバとして利用しているコンピュータが攻撃を受ける危険性が高い。ただし、印刷スプーラ・サービスはデフォルトの設定では自動的に起動するため、Windows 2000とWindows XP SP1/SP1aでは、プリンタ・サーバとして使っていないコンピュータでもこの脆弱性を攻撃される危険性がある。最悪の場合、コンピュータの制御が完全に奪われてしまう。なお、Windows XP SP2とWindows Server 2003 SP未適用では、この脆弱性が悪用されると、サービス拒否が起こる可能性が高いとしている。

 マイクロソフトによれば、MS05-043の脆弱性は非公開で報告されたとしており、実証コードや攻撃例は確認されていないという。ただし、インターネットからの攻撃やウイルス/ワームへの悪用が予想される脆弱性なので、至急、修正プログラムを適用した方がよい。またWebサーバなど、印刷機能が必要ないコンピュータでは、印刷スプーラ・サービスを停止しておくとよいだろう。

 

概要

 印刷スプーラ・サービスは、プリンタ・ドライバのロード、印刷ジョブのジョブ・スケジューリングなどを行うプログラムだ。Windows OSが起動する際にサービスとして起動される。

 MS05-043の脆弱性は、印刷スプーラ・サービスに未チェック・バッファがあることに起因する。細工されたメッセージを受信するだけで、バッファ・オーバーフローが起こり、ローカル・ユーザーの権限で任意のコードが実行される。Windows 2000とWindows XP SP1/SP1aは、印刷スプーラ・サービスが匿名ユーザーからのメッセージを受け付けるため、ネットワークに接続しただけで攻撃を受ける可能性がある。一方、Windows XP SP2およびWindows Server 2003では、認証されたユーザーからのメッセージしか受け取らないため、攻撃者によるリモート攻撃が成功するには、アクセス許可を持つローカル・ユーザーがプリンタを共有するか、共有プリンタへの接続を試みるかのいずれかの条件が必要だ。これらの条件が整わない場合にリモート攻撃を実行するには、攻撃者が対象となるコンピュータに対する有効なログオン資格を持っている必要がある。

 直接インターネットに接続されているコンピュータは、直接外部から攻撃を受ける危険性がある。また社内に侵入したワームやウイルスなどによって、LANを経由した攻撃が実行される可能性も懸念される。

 

対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
Windows 2000 Windows 2000 SP4
Windows XP Windows XP SP1/SP2
Windows Server 2003 Windows Server 2003 SP未適用
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Windows 2000 Professional SP4
Windows 2000 Server SP4
Windows 2000 Advanced Server SP4
Windows XP Professional SP1
Windows XP Professional SP1a
Windows XP Professional SP2
Windows Server 2003, Standard Edition SP未適用
Windows Server 2003, Enterprise Edition SP未適用

■Windows Server 2003 SP1は影響を受けない
 マイクロソフトによれば、SP1適用済みのWindows Server 2003はこの脆弱性の影響を受けない。

お詫び]HotFix Alert 速報版で対象としてWindows Server 2003 SP1を挙げていましたが、Windows Server 2003 SP1には脆弱性は存在しません。お詫びして訂正させていただきます。

■Windows XP SP2では[プログラムの追加と削除]で表示形式が日付順になる修正ツールが実行される
 Windows XP SP2とWindows Server 2003 SP1では、update.exe 6.1を使用してビルドされた修正プログラムが、コントロール・パネルの[プログラムの追加と削除]で日付順に並ばないという不具合がある。これは、update.exe 6.1を使用してビルドされたパッケージのレジストリ・キーに、「Installed On」属性がないことに起因する。

 MS05-043の修正プログラムでは、Windows XP SP2において、この不具合を解消する「arpidfix.exe」を実行し、[プログラムの追加と削除]の表示形式で日付順に並ぶように「Installed On」属性を付加する。arpidfix.exeは、修正プログラムの実行時のみ使用される。

・サポート技術情報 904630(Arpidfix.exe ツールについて):
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;904630

■MBSA 2.0の結果
 MS05-043の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0で確認可能だ。未適用の場合は、「MS05-043 Windows {2000/XP/Server 2003} 用セキュリティ更新プログラム (KB896423)」が表示される。参考までにMBSA 1.21では「Windowsのセキュリティの更新」に「印刷スプーラの脆弱性により、リモートでコードが実行される (896423)」が表示される。

 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター Windows Update/SUS/WSUSの表示
Windows 2000 Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB896423)
Windows XP Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB896423)
Windows Server 2003 Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB896423)
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥
 以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
 
Windows 2000 SP4:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
Windows2000-KB896423-x86-JPN.EXE 2005/07/13 1.0.0.0
594,936
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\system32\
faxui.dll 2005/07/13 5.0.2195.7003
138,000
Fax Printer Driver UI
spoolss.dll 2005/07/13 5.0.2195.7054
81,168
Spooler SubSystem DLL
spoolsv.exe 2005/07/11 5.0.2195.7059
47,376
Spooler SubSystem App
win32spl.dll 2005/07/13 5.0.2195.7054
88,848
32-bit Spooler API DLL
  %SystemRoot%\system32\Spool\drivers\w32x86\3\
faxui.dll 2005/07/13 5.0.2195.7003
138,000
Fax Printer Driver UI
このフォルダにfaxui.dllが存在する場合に限り、このファイルが展開される。
 
Windows XP SP1/SP1a/SP2:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsXP-KB896423-x86-JPN.exe 2005/07/01 1.0.0.0
565,488
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(sp1qfe)
%SystemRoot%\system32\
spoolsv.exe 2005/06/11 5.1.2600.1699
53,248
Spooler SubSystem App
win32spl.dll 2005/06/11 5.1.2600.1699
102,400
32-bit Spooler API DLL
展開フォルダ
(sp2gdr)
%SystemRoot%\system32\
spoolsv.exe 2005/06/11 5.1.2600.2696
57,856
Spooler SubSystem App
展開フォルダ
(sp2qfe)
%SystemRoot%\system32\
spoolsv.exe 2005/06/11 5.1.2600.2696
57,856
Spooler SubSystem App
 
Windows Server 2003 SP未適用:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsServer2003-KB896423-x86-jpn.exe 2005/06/12 1.0.0.0
506,096
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(rtmgdr/rtmqfe)
%SystemRoot%\system32\
spoolsv.exe 2005/06/11 5.2.3790.346
57,856
Spooler SubSystem App
 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。

・Windows 2000 SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB896423\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows XP SP1/SP1a/SP2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP3\KB896423\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows Server 2003 SP未適用:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\SP1\KB896423\Filelist以下のファイル一覧を確認する

 
‥‥‥ 参考情報 ‥‥‥

 何らかの理由で直ちに修正プログラムを適用できない場合には、以下に示す方法で回避が可能だ。ただしこの回避策は、脆弱性を根本的に解決するものではない。

■印刷スプーラ・サービスを無効にする
 MS05-043の脆弱性の原因となるサービス「Print Spooler」を停止する。

  1. [スタート]−[コントロール パネル]−[管理ツール]から[サービス]を開く。
  2. サービスの一覧から[Print Spooler]を探し、ダブルクリックして[プロパティ]画面を開く。
  3. 「スタートアップの種類」を[自動]から[無効]に変更する。
  4. 「サービスの状態」が「開始」となっていたら、動作中なので[停止]ボタン、[OK]ボタンをクリックしてサービスを停止する。

 また、以下のコマンドをコマンド・プロンプトから実行してもよい。

sc stop Spooler & sc config Spooler start= disabled

 ただし、印刷スプーラ・サービスを停止した場合、ローカル、リモートのどちらの印刷もできなくなる。そのため、印刷が必要でないWebサーバなどのコンピュータでのみ印刷スプーラ・サービスを停止すること。

 

予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
Windows2000-KB896423-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 SP4)
18分 27分 52分 1時間34分
WindowsXP-KB896423-x86-JPN.exe
(Windows XP SP1/SP1a/SP2)
18分 27分 52分 1時間34分
WindowsServer2003-KB896423-x86-jpn.exe
(Windows Server 2003 SP未適用)
18分 27分 52分 1時間34分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 

UpdateEXPERT上の表示

・Windows 2000 SP4:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:Windows2000-KB896423-x86-JPN.EXE」で登録

・Windows XP SP1/SP1a/SP2:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsXP-KB896423-x86-JPN.exe」で登録

・Windows Server 2003 SP未適用:
UpdateEXPERT 5.1:サポート対象外
UpdateEXPERT 6.1:[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsServer2003-KB896423-x86-jpn.exe」で登録

 

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