このページは、HotFix Reportで配信されたセキュリティ情報のバックナンバーです。「更新日」に明記された時点での情報ですのでご注意ください。ご購読の申し込みは「HotFix Report購読の申し込み」 をご参照ください。

トップページ サービスの詳細 セキュリティ情報 購読の申し込み
 

更新日:2005/07/06


不具合ならびに追加情報

情報の種類 セキュリティ番号 タイトル
脆弱性 −/903144 Internet Explorerにおける非ActiveXコントロールのインスタンス化処理の脆弱性により、任意のコードが実行される危険性
ロールアップ −/891861 Windows 2000 SP4向け更新プログラム ロールアップ 1の提供開始
ツール −/− Microsoftが共用パソコンの設定ツールのベータ版を無償公開
脆弱性 −/− セキュリティ・アドバイザリ
不具合 −/− そのほかの不具合情報
 
[脆弱性]
 
HotFix Alert:
 
セキュリティ番号:
 
サポート技術情報:
903144
Internet Explorerにおける非ActiveXコントロールのインスタンス化処理の脆弱性により、任意のコードが実行される危険性
情報ソース SEC Consult、FrSIRT、Microsoft
情報の内容 Internet Explorerの脆弱性
条件 Internet Explorerの利用
報告日 2005年6月29日

 情報セキュリティ・コンサルタント会社「SEC Consult」は、Internet Explorer(IE)の非ActiveXコントロール(COMオブジェクトなど)のインスタンス化処理に脆弱性があり、IEのコンテキストでコードが実行される危険性があることを報告した。またFrSIRTが、この報告をもとにした実証コードを公開している。

・SEC Consult(IE6 javaprxy.dll COM instantiation heap corruption):
http://www.sec-consult.com/184.html

・Bugtraq(Microsoft Internet Explorer "javaprxy.dll" Code Execution Exploit):
http://www.securityfocus.com/archive/1/404055

・FrSIRT(Microsoft Internet Explorer "javaprxy.dll" Command Execution Exploit):
http://www.frsirt.com/exploits/20050702.iejavaprxyexploit.pl.php

 公開されている実証コードは、Microsoft JVM(Java Virtual Machine)のJVIEWプロファイラ(javaprxy.dll)のインスタンスを作成することで、ヌル・ポインタ例外やメモリ破壊を発生させ、データ・セグメント中の関数ポインタを上書きしてしまう。これを悪用すると、オブジェクトを含むWebページを開いただけで、任意のコードがリモートで実行される。最悪の場合、コンピュータの制御が完全に奪われてしまう危険がある。SEC Consultの報告によれば、同様の脆弱性を引き起こす可能性があるオブジェクトは少なくとも20個はある、としている。

 マイクロソフトは、すでにこの脆弱性に対するセキュリティ・アドバイザリを公開しており、修正プログラムの開発を開始したとしている。また、この脆弱性はMicrosoft JVMに起因するため、Windows XP SP1a/SP2、Windows Server 2003 SP未適用/SP1でMicrosoft JVMをインストールしていない環境ならば、影響を受けないとしている。ただしMicrosoft JVMは、アプリケーションに同梱されてインストールされる可能性があるため、ファイル・システム上で「Jview」を検索し、Jview.exeなどが見つかった場合は回避策を実行することを推奨している。

・セキュリティ・アドバイザリ 903144(A COM Object (Javaprxy.dll) Could Cause Internet Explorer to Unexpectedly Exit):
http://www.microsoft.com/technet/security/advisory/903144.mspx

 セキュリティ・アドバイザリでは回避策として、Microsoft JVMをシステムから削除する(「サポート技術情報:826878」参照のこと)、Javaprxy.dllのコントロールをIE上から実行できないようにkillbit(HTMLレンダリング・エンジンにより、ActiveXコントロールが読み込まれないようにするInternet Explorerのセキュリティ機能)を設定すること、IEのセキュリティ設定を「高」にしてActiveXが実行されないように設定すること、などが紹介されている。なおkillbitは、以下のレジストリ・キーの値にデータ「0x00000400」を設定すればよい。

レジストリ・キー: HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Internet Explorer\
ActiveX Compatibility\{03D9F3F2-B0E3-11D2-B081-006008039BF0}
値: Compatibility Flags(DWORD値)

・サポート技術情報 826878(Microsoft JVM の削除ツールについて):
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;826878

 当初マイクロソフトは、上記のページでMicrosoft JVMの削除ツールを一般公開していたのだが、ツールを不用意に実行するとシステムを破壊する恐れがあるため、一定の条件を満たす人(技術者など)にのみ、問い合わせベースで提供するように変更している。削除ツールを使わず、手動でJVMを削除する方法は以下に解説されている。

・@IT/Windows Server Insider(Windows TIPS:Microsoft Java VMを手動で削除する方法)
http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/win2ktips/568delmsjvm/delmsjvm.html

 また以下のコマンドを実行し、COMコンポーネントからjavaprxy.dllの登録を削除してもよい。

登録削除: regsvr32 /u javaprxy.dll
再登録: regsvr32 javaprxy.dll

 この脆弱性に対する修正プログラムが7月の月例修正プログラムで提供されるかどうかは明らかにされていない。すでに実証コードが公開されているため、攻撃に悪用されることが懸念される。修正プログラムが提供されるまでは、セキュリティ・アドバイザリで示された回避策を実施した方がよいだろう。

情報の対象:
 Internet Explorer 5.01
 Internet Explorer 5.5
 Internet Explorer 6
 Internet Explorer 6 SP1/SP2

関連HotFix Report BBS関連スレッド:
・IEの非ActiveX COMオブジェクト処理に深刻な脆弱性
http://bbs.hotfix.jp/ShowPost.aspx?PostID=3354

   
[ロールアップ]
 
HotFix Alert:
 
セキュリティ番号:
 
サポート技術情報:
891861
Windows 2000 SP4向け更新プログラム ロールアップ 1の提供開始
情報ソース マイクロソフト
情報の内容 Windows 2000 SP4向け更新プログラム ロールアップ 1の提供
条件 Windows 2000の利用
報告日 2005年6月29日

 マイクロソフトは、Windows 2000 SP4向け更新プログラム ロールアップ 1(以下、UR1)の提供を開始した。UR1は、Windows 2000 SP4のリリース後に提供されたセキュリティ修正プログラム(MS02-050からMS05-020まで、MS05-019の更新版を含む)と不具合修正プログラムをまとめたものだ。6月の月例修正プログラムは含まれていないので、UR1を適用後、別途6月分の適用が必要になる点に注意してほしい。含まれている修正プログラムの一覧は、「サポート技術情報:891861」と「サポート技術情報:900345」に掲載されている。

・ダウンロード・センター(Windows 2000 SP4 用の更新プログラム ロールアップ 1):
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?
FamilyID=c0a2ca36-1179-431c-80e6-60a494d3823d&DisplayLang=ja

・サポート技術情報 891861(Update Rollup 1 for Windows 2000 SP4):
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;en-us;891861
#Windows 2000 SP4用の更新プログラム ロールアップ 1の概要。包含しているセキュリティ修正プログラムの一覧も掲載されている

・サポート技術情報 900345(Problems that are fixed in the Update Rollup 1 for Microsoft Windows 2000 Service Pack 4 that is dated June 28, 2005):
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;en-us;900345
#Windows 2000 SP4用の更新プログラム ロールアップ 1に含まれる不具合修正一覧

 UR1はサービスパックと異なり、Windows 2000 SP4だけに適用可能である。Windows 2000 SP3などを利用している場合は、SP4をインストールした後に、UR1を適用する必要がある。UR1では、Windows 2000 標準コンポーネント以外は更新されないことに注意が必要だ。例えば、Internet Explorer(IE)ならば、5.01系のみ、Windows Media Playerならば6.4のみ、DirectXならば7.0のみ、MDAC ならば 2.5系のみがそれぞれ更新される。したがって、例えばIE 6 SP1をインストールしている場合は、UR1とは別にIE 6 SP1向けの修正プログラムを適用する必要がある。

 なおUR1の適用によって、Internet Security Systems製品が停止する、Sophosのウイルス対策ソフトウェアがインストールされているとネットワークにログオンするのに最高15分かかる、Ctrix MetaFrameクライアントでサーバ上のアプリケーションを起動できなくなる、などの不具合が報告されている。

・サポート技術情報 901159(セキュリティ更新プログラム MS05-019 の改訂版を Windows 2000 ベースのコンピュータにインストールした後、一部の Internet Security Systems 製品が動作を停止する):
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;901159

・Sophos(Sophos Anti-Virus for Windows 2000/XP/2003 - Windows 2000 SP4 用更新プログラムのロールアップ 1 との衝突):
http://www.sophos.co.jp/support/knowledgebase/article/3289.html

・Citrix(Unable to Connect with ICA After Installing Microsoft Rollup 1 for Windows 2000)
http://support.citrix.com/kb/entry.jspa?entryID=6927

 またDA Labで、UR1で置き換えられるファイルのバージョンを調べたところ、個別に公開されている修正プログラムと同じではなく、それよりも新しいファイル・バージョンのものが多数存在していた。これは、一般には公開されなかった不具合修正プログラム(QFE)もUR1に含まれているためである。新しいファイル・バージョンを持つファイルの中には、ntoskrnl.exeなどWindows NTやWindows XPで以前の修正プログラムの適用時に不具合を引き起こしたファイルも含まれている。大規模に適用する前に十分な検証を行った方がよい。

・HotFix Report(Windows 2000 SP4用更新プログラム ロールアップ 1のファイル・リスト):
http://www.hotfix.jp/archives/alert/2005/win2kur1/win2kur1.html

・HotFix Report(Windows 2000 SP4用更新プログラム ロールアップ 1のファイル・リスト−インストール先情報付き):
http://www.hotfix.jp/archives/alert/2005/win2kur1/win2kur1_inst.html

 さらに調査の結果、以下の修正プログラムはUR1に含まれていなかった。これらの修正プログラムが未適用の場合は、UR1の適用後、別途適用する必要がある。

サポート技術情報 HotFix Alert 修正プログラム名 説明
セキュリティ修正プログラム
MS05-024894320 MS05-024 Windows2000-KB894320-x86-JPN.EXE [MS05-024] 「Web の表示」の脆弱性により、リモートでコードが実行される
MS05-026896358 MS05-026 Windows2000-KB896358-x86-JPN.EXE [MS05-026] HTML ヘルプの脆弱性により、リモートでコードが実行される
MS05-027896422 MS05-027 Windows2000-KB896422-x86-JPN.EXE [MS05-027] サーバー メッセージ ブロックの脆弱性により、リモートでコードが実行される
MS05-032890046 MS05-032 Windows2000-KB890046-x86-JPN.EXE [MS05-032] Microsoft エージェントの脆弱性により、なりすましが行われる
不具合修正プログラム
818043 Q818043_W2K_SP5_x86_JA.EXE Windows XP および Windows 2000 用 L2TP/IPSec NAT-T 更新プログラム
884016 WindowsInstaller-KB884016-v2-x86.exe Windows インストーラ 3.0
893803 WindowsInstaller-KB893803-v2-x86.exe Windows インストーラ 3.1
819745 Windows2000-KB819745-x86-JPN.exe Windows 2000 ベースのコンピュータで音楽を再生するとき、停止する: 0x0000001E "エラー メッセージ"
838989 Windows2000-KB838989-x86-JPN.EXE 電源をいったん切って再投入した USB デバイスが再検出されないことがある
842773 Windows2000-KB842773-x86-JPN.EXE バックグラウンド インテリジェント転送サービス (BITS) 2.0 および WinHTTP 5.1 を含む更新プログラム パッケージ
842933 Windows2000-KB842933-x86-JPN.EXE GPO を編集または参照すると、エラー メッセージ "[strings] セクションの次のエントリが長すぎるため切り詰められました" が表示される
894391 Windows2000-KB894391-x86-JPN.EXE セキュリティ更新プログラム MS05-012 をインストール後、リッチ テキスト形式の電子メール メッセージで 2 バイト文字セットの添付ファイル名が表示されず、エラー メッセージ "Generic Host Process" が表示されることがある

・HotFix Report(Windows 2000 SP4用更新プログラム ロールアップ 1に含まれない修正プログラム):
http://www.hotfix.jp/archives/alert/2005/win2kur1/win2kur1_unpach.html

 なお、2005/06/29日付けのHotFix Weeklyで既報のとおり、Windows 2000のサポートのメインストリーム・フェーズが6月30日で終了している。また同時にWindows 2000 SP3に対するサポートは終了し、SP3に対するセキュリティ修正プログラムの提供も行われなくなる。まだSP4へ移行していない場合には、早期にWindows 2000 SP4のインストールを行い、UR1の適用を検討してほしい。

・HotFix Weekly 2005/06/29日付け(6月末でWindows 2000のサポートのメインストリーム・フェーズが終了):
http://www.hotfix.jp/archives/alert/2005/news05-0629.html#03

情報の対象:
 Windows 2000 SP4

関連HotFix Report BBS関連スレッド:
・Windows 2000 SP4 ロールアップ 1 の情報
http://bbs.hotfix.jp/ShowPost.aspx?PostID=3002

・Windows 2000 SP4 ロールアップ 1不具合情報
http://bbs.hotfix.jp/ShowPost.aspx?PostID=3358

   
[ツール]
 
HotFix Alert:
 
セキュリティ番号:
 
サポート技術情報:
Microsoftが共用パソコンの設定ツールのベータ版を無償公開
情報ソース Microsoft
情報の内容 共用パソコンの設定ツールのベータ版を公開
条件 複数ユーザーでのコンピュータの共有
報告日 2005年6月27日

 Microsoftは、学校や図書館、会社の受付、インターネット・カフェ、キオスクなどで、複数のユーザーで1台のコンピュータを共有する場合でも、コンピュータを安全に運用するための設定を自動化するツール「Shared PC Toolkit for Windows XP」を公開した。このツールを利用することで、Windowsシステム・フォルダやコントロール・パネルなどにアクセスできない、制限されたユーザー・アカウントの作成などができる。

 何らかの理由から、1台のコンピュータを不特定多数のユーザーに解放し、同時にセキュリティ面での保護を実施する必要があるなら、このツールを利用することで確実かつ容易に設定が可能だ。

・マイクロソフト(Microsoft Shared Computer Toolkit for Windows XP(Beta)):
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?
familyid=7256D456-E3DA-42EA-857D-92B716077A84&displaylang=en

情報の対象:
 Windows XP
   

■セキュリティ・アドバイザリ

・セキュリティ・アドバイザリ 903144(A COM Object (Javaprxy.dll) Could Cause Internet Explorer to Unexpectedly Exit):[IE 5.01][IE 5.5][IE 6][IE 6 SP1][IE 6 SP2]
http://www.microsoft.com/technet/security/advisory/903144.mspx[英語版]
http://bbs.hotfix.jp/ShowPost.aspx?PostID=3354(HFR BBS)
#IEのActiveX COMオブジェクトをインスタント化する処理部分に脆弱性があり、リモートで任意のコードが実行される危険性

・セキュリティ・アドバイザリ 891861(Windows 2000 Service Pack 4 (SP4) 用更新プログラムのロールアップ 1 のリリース):[Windows 2000 SP4]
http://www.microsoft.com/japan/technet/security/advisory/891861.mspx
http://bbs.hotfix.jp/ShowPost.aspx?PostID=3002(HFR BBS)
#Windows 2000 SP4向けロールアップ更新プログラムについて

 

■そのほかの不具合/追加情報

・サポート技術情報 903851(アドインが異なるファイル名で読み込まれ マクロが実行できなくなる):[Excel 2002][Excel 2003]
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;903851

・サポート技術情報 900930(Outlook Express 6.0 問題に対処するアップデートは、 Windows XP の入手できます):[Windows XP SP2]
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;900930[機械翻訳]
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?
FamilyID=6bd9d050-dc56-47bc-9112-023e11c61f9d&DisplayLang=ja

#Windows XP SP2のOutlook Express 6の問題を解消するための修正プログラム

・サポート技術情報 898461(ソフトウェアの更新 898461 がバージョン 6.1.22.4 の パッケージ インストーラの Windows の固定コピーをインストールします):[Windows XP SP1/SP1a/SP2]
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;898461[機械翻訳]
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?
FamilyID=50c334e1-9a67-4b99-a65a-069b79267856&DisplayLang=ja

#修正プログラムを小さなサイズでダウンロードできるようにするためのWindows用パッケージ・インストーラ

・サポート技術情報 898792(修正プログラムは、特定の nonnative なディスク コントローラと Windows Server 2003 のインストールされたファクトリ バージョンを持っている Dell PowerEdge サーバーでのレジストリ問題の入手できます):[Windows Server 2003]
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;898792[機械翻訳]
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?
FamilyID=b16be1a3-a567-40ee-9012-eec238c000ae&DisplayLang=ja

#Dell PowerEdgeサーバでWindows Server 2003がプレインストールされている場合、特定のディスク・コントローラ構成が設定されているとレジストリのセキュリティ値が破損する可能性のある問題を解消する修正プログラム

 

UpdateEXPERTは、管理者の負担を大幅に軽減するHotFix管理ツールです。
HotFix Reportは、UpdateEXPERTユーザー向けの情報を含んでいます。UpdateEXPERTに関する詳細ならびにお問い合わせは、アップデートテクノロジー株式会社のホームページをご参照ください。
 
Copyright (C) Digital Advantage Corp.
このメールは、HotFix Reportにご登録いただいておりますユーザー様にお送りしています。
無断で複製・再配信などを行うことはできません。このメールに関する問い合わせ先
info@hotfix.jp
HotFix Reportでは、細心の注意を払って情報提供を行っておりますが、本サービスにおける情報の正確性、最新性、適切性などについて、明示的又は黙示的な保証を行いません。また本サービスの停止や欠陥、それらに起因して発生する損失や損害について、一切責任を負いません。