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Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:
2006/01/06日版
 
【登録日】2006/01/06
【更新日】2006/01/06
詳細
HFR BBS会議室
 
深刻度
1(緊急)
  2(重要)
  3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
あり
対策
至急適用
再起動の必要性
必要
アンインストール
対象環境
サーバ
クライアント
セキュリティ情報
MS06-001(日本)
MS06-001(US)
サポート技術情報
含まれる過去の修正
なし
脆弱性識別番号
MS06-001/912919
WMF画像の処理方法の脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性
(Graphics Rendering Engine の脆弱性によりコードが実行される可能性がある)

緊急対応度:適用作業の至急開始

危険性 脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用

 Graphics Rendering Engine(画像描画エンジン)がWindowsメタファイル(WMF)画像を処理する過程に未チェック・バッファの脆弱性が存在し、リモートで任意のコードが実行される危険性がある。Graphics Rendering Engineの脆弱性はMS05-053でも報告されているが、MS06-001の脆弱性はそれとは異なる部分に起因する。

 細工されたWMF画像を表示すると、画像ファイルに含まれる任意のコードが実行され、最悪の場合、コンピュータの制御が完全に奪われてしまう。攻撃手法としては、細工した画像が画像掲示板などで公開されたり、電子メール添付型のウイルスとしてばらまかれたりすることが考えられる。またOffice文書に埋め込み、ユーザーにそれを開かせることで攻撃が実行されることも懸念される。

 なおWMF画像は、拡張子が変更されていても、Graphics Rendering EngineによってWMF画像として処理されるため、ほかの画像ファイルに偽装した攻撃が実行される危険もある。特にWindows XPとWindows Server 2003では、細工されたWebページをInternet Explorerで開くだけで、自動的に「Windows画像とFAXビューア」アプレットが起動して、任意のコードが実行されてしまうので危険性が高い。

 MS06-001の脆弱性については、すでに実証コード(脆弱性が確認可能なWMF画像を生成するためのプログラム)が数多く公開されている。また、脆弱性を悪用して感染するトロイの木馬(TROJ_NASCENEとその亜種)も報告されている。至急、修正プログラムを適用した方がよい。

・FrSIRT(Microsoft Windows Metafile (WMF) "SetAbortProc" Remote Code Execution Exploit):
http://www.frsirt.com/exploits/20051231.ie_xp_pfv_metafile.pm.php

・FrSIRT(Microsoft Windows / Internet Explorer WMF Remote Code Execution Exploit (0day)):
http://www.frsirt.com/exploits/20051228.ie_xp_pfv_metafile.pm.php

・トレンドマイクロ(TROJ_NASCENE.A〜T:NとPを除く):
http://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?
VName=TROJ%5FNASCENE%2EA

http://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?
VName=TROJ%5FNASCENE%2EB

http://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?
VName=TROJ%5FNASCENE%2EC

http://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?
VName=TROJ%5FNASCENE%2ED

http://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?
VName=TROJ%5FNASCENE%2EE

http://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?
VName=TROJ%5FNASCENE%2EF

http://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?
VName=TROJ%5FNASCENE%2EG

http://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?
VName=TROJ%5FNASCENE%2EH

http://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?
VName=TROJ%5FNASCENE%2EI

http://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?
VName=TROJ%5FNASCENE%2EJ

http://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?
VName=TROJ%5FNASCENE%2EK

http://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?
VName=TROJ%5FNASCENE%2EL

http://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?
VName=TROJ%5FNASCENE%2EM

http://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?
VName=TROJ%5FNASCENE%2EO

http://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?
VName=TROJ%5FNASCENE%2EQ

http://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?
VName=TROJ%5FNASCENE%2ER

http://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?
VName=TROJ%5FNASCENE%2ES

http://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?
VName=TROJ%5FNASCENE%2ET

[お詫びと訂正]HotFix Alert速報版におきまして、「修正プログラムに含まれる過去の修正:MS03-045、MS05-002」としましたが、MS06-001には含まれる過去の修正プログラムはありません。お詫びして訂正させていただきます。

 

概要

 WMF画像では、画像情報とともに、外部手続きを呼び出すことが可能だ。この外部手続きの呼び出しを定義するMETA SCAPEレコードのSETABORTPROCレコード・タイプに脆弱性が存在し、細工することでユーザー定義の関数が実行可能となる。そのため、META SCAPEレコードが細工されたWMF画像を表示すると、任意のコードが実行されてしまう。

 Windows XPとWindows Server 2003では、デフォルトでWMF画像は「Windows画像とFAXビューア」アプレットに関連付けられているため、Webページ上のWMF画像へのリンクをクリックするだけで、自動的に「Windows画像とFAXビューア」アプレットが起動し、脆弱性が悪用されてしまう。リモートによる攻撃も可能なので、特に注意が必要だ。なおWindows 2000では、WMF画像へのリンクをクリックするとデフォルトで[ファイルのダウンロード]ダイアログが表示されるため、リモートでの攻撃の危険性は低い。ただし、すべての環境において、電子メールに添付されたWMF画像を開くなどすると、攻撃が実行されるので注意が必要だ。

 

対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
Windows 2000 Windows 2000 SP4
Windows XP Windows XP SP1/SP1a/SP2
Windows Server 2003 Windows Server 2003 SP未適用/SP1
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Windows 2000 Professional SP4
Windows 2000 Server SP4
Windows 2000 Advanced Server SP4
Windows XP Professional SP1
Windows XP Professional SP1a
Windows XP Professional SP2
Windows Server 2003, Standard Edition SP未適用
Windows Server 2003, Enterprise Edition SP未適用
Windows Server 2003, Standard Edition SP1
Windows Server 2003, Enterprise Edition SP1

■MS06-001の修正プログラムにはMS05-053は含まれない
 MS06-001とMS05-053はどちらもGraphics Rendering Engineの脆弱性を解消するものだが、MS06-001の修正プログラムには、MS05-053の修正が含まれていないので注意が必要だ(MS05-053で置き換わるwin32k.sysがMS06-001には含まれていない)。MS06-001の修正プログラムとは別に、MS05-053の修正プログラムも適用する必要がある。なおMS06-001の適用後にMS05-053を適用しても、MS06-001の修正プログラムで置き換わった最新ファイル(gdi32.dllなど)が、MS05-053に含まれる古いファイルで置き換わることはない。

■Windows 98/98SE/Meは脆弱性の影響を受けない?
 TechNetセキュリティ情報によれば、Windows 98/98SE/MeにもMS06-001の脆弱性を持つコンポーネントが存在する。しかしマイクロソフトは、Windows 98/98SE/Meでは攻撃可能な経路が存在しないと思われることから、MS06-001の脆弱性を「緊急ではない」と判断している。そのため、修正プログラムの提供は行われない。Windows 98/98SE/Meを利用している場合は、ウイルス対策ソフトウェアなどを活用し、ウイルスやワームなどによる攻撃を回避する必要がある。

■MBSA 2.0の結果
 修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0で確認可能だ。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新」の「結果の詳細情報」に、「Windows {2000/XP/Server 2003} 用セキュリティ更新プログラム (KB912919)」が表示される。参考までにMBSA 1.21では「Graphics Rendering Engine の脆弱性によりコードが実行される可能性がある (912919)」が表示される。

 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター WU/MU/SUS/WSUSの表示
Windows 2000 SP4 Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB912919)
Windows XP SP1/SP1a/SP2 Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB912919)
Windows Server 2003 SP未適用/SP1 Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB912919)
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥
 以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
   
Windows 2000 SP4:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
Windows2000-KB912919-x86-JPN.EXE 2006/01/03 1.0.0.0
615,400
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\system32\
gdi32.dll 2005/12/30 5.0.2195.7073
233,744
GDI Client DLL
mf3216.dll 2005/06/03 5.0.2195.7011
37,136
32-bit to 16-bit Metafile Conversion DLL
背景がさくら色のファイルはWindows 2000 SP4 対応の更新プログラム ロールアップ 1と同じもの。
 
Windows XP SP1/SP1a/SP2:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsXP-KB912919-x86-JPN.exe 2006/01/03 1.0.0.0
728,816
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(SP1QFE)
%SystemRoot%\system32\
gdi32.dll 2006/01/03 5.1.2600.1789
260,608
GDI Client DLL
mf3216.dll 2004/03/30 5.1.2600.1331
36,864
32-bit to 16-bit Metafile Conversion DLL
展開フォルダ
(SP2GDR/SP2QFE)
%SystemRoot%\system32\
gdi32.dll 2005/12/29 5.1.2600.2818
280,064
GDI Client DLL
背景がさくら色のファイルはMS04-011/MS05-053と同じもの。
 
Windows Server 2003 SP未適用/SP1:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsServer2003-KB912919-x86-JPN.exe 2005/12/31 1.0.0.0
733,424
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(RTMGDR)
%SystemRoot%\system32\
gdi32.dll 2005/12/31 5.2.3790.462
271,872
GDI Client DLL
展開フォルダ
(RTMQFE)
%SystemRoot%\system32\
gdi32.dll 2005/12/31 5.2.3790.462
272,384
GDI Client DLL
展開フォルダ
(SP1GDR)
%SystemRoot%\system32\
gdi32.dll 2005/12/31 5.2.3790.2606
281,600
GDI Client DLL
展開フォルダ
(SP1QFE)
%SystemRoot%\system32\
gdi32.dll 2005/12/31 5.2.3790.2606
282,112
GDI Client DLL
 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。

・Windows 2000 SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB912919\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows XP SP1/SP1a/SP2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP3\KB912919\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows Server 2003 SP未適用/SP1:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\SP2\KB912919\Filelist以下のファイル一覧を確認する

 

予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
Windows2000-KB912919-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 SP4)
18分 27分 52分 1時間34分
WindowsXP-KB912919-x86-JPN.exe
(Windows XP SP1/SP1a/SP2)
18分 27分 52分 1時間34分
WindowsServer2003-KB912919-x86-JPN.exe
(Windows Server 2003 SP未適用/SP1)
18分 27分 52分 1時間34分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 

UpdateEXPERT上の表示

・Windows 2000 SP4:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:Windows2000-KB912919-x86-JPN.EXE」で登録

・Windows XP SP1/SP1a/SP2:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsXP-KB912919-x86-JPN.exe」で登録

・Windows Server 2003 SP未適用/SP1:
UpdateEXPERT 5.1:サポート対象外
UpdateEXPERT 6.1:[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsServer2003-KB912919-x86-JPN.exe」で登録

 

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