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Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:
2006
/02/15版
 
【登録日】2006/02/15
【更新日】2006/02/15
HFR BBS会議室
 
深刻度
1(緊急)
  2(重要)
  3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
あり
対策
至急適用
再起動の必要性
必要
アンインストール
対象環境
サーバ
クライアント
セキュリティ情報
MS06-004(日本)
MS06-004(US)
サポート技術情報
含まれる過去の修正
脆弱性識別番号
MS06-004/910620
Internet ExplorerのWMF画像処理の脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性
(Internet Explorer 用の累積的なセキュリティ更新プログラム)

緊急対応度:適用作業の至急開始

危険性 脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用

 Internet Explorer(IE)がWindowsメタファイル(WMF)画像を処理する過程に未チェック・バッファの脆弱性が存在し、リモートで任意のコードが実行される危険性がある。WMF画像の処理に関する脆弱性は、MS05-053/MS06-001でも報告・解消されているが、MS06-004のはそれとは異なる脆弱性である。

 細工されたWMF画像を表示すると、画像ファイルに含まれる任意のコードが実行され、最悪の場合、コンピュータの制御が完全に奪われてしまう。細工した画像が画像掲示板などで公開されたり、電子メール添付型のウイルスとしてばらまかれたりする可能性がある。

 MS06-004の脆弱性については、すでに情報や実証コードが公開されている。現時点では、この脆弱性を悪用した事例は報告されていない。同様に細工したWMF画像で攻撃が可能な脆弱性であるMS05-053とMS06-001については、すでに攻撃例が報告されていることから、MS06-004の脆弱性も悪用される危険性は高いと思われる。攻撃が開始される前に、修正プログラムを適用した方がよい。なおMS06-004の脆弱性は、IE 5.01/5.5のみに影響があるので、IE 6 SP1へアップグレードすることでも回避可能だ。すでにIE 6 SP1以降を利用している場合には、この脆弱性の影響は受けない。

 

概要

 IEがWMF画像を処理する過程に未チェック・バッファの脆弱性が存在する。IEがWMF画像を処理する際に画像のヘッダ・サイズを検証しないため、細工されたWMF画像によってバッファ・オーバーフローが発生する。MS05-053とMS06-001では、WMF画像の描画処理を行うGraphics Rendering Engineが脆弱性の対象となっていたが、MS06-004ではIEのWMF画像処理が原因となっている。

 MS06-004の脆弱性は、細工されたWMF画像が貼られたWebページや、画像を含むHTML形式のメールを開くだけで、任意のコードが実行される危険なものである。Webページ上のWMF画像の拡張子が変更されていても、MIMEタイプを細工することでIEによってWMF画像として処理させることができるため、ほかの画像ファイルに偽装した攻撃が実行される危険もある。

 

対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
Internet Explorer 5.01 Windows 2000 SP4+Internet Explorer 5.01 SP4
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Windows 2000 Professional SP4+IE 5.01 SP4
Windows 2000 Server SP4+IE 5.01 SP4
Windows 2000 Advanced Server SP4+IE 5.01 SP4

■IE 5.5 SP2にも脆弱性あり
 セキュリティ・アドバイザリによれば、Windows Me+IE 5.5 SP2にもMS06-004の脆弱性が存在する。しかしIE 5.5 SP2のサポート・ライフサイクルは終了しており、MS06-004の修正プログラムは提供されない。IE 6 SP1にはMS06-004の脆弱性は存在しないので、Windows Me+IE 5.5 SP2を利用している場合は、IE 6 SP1へのバージョン・アップすることで回避可能だ。IE 5.5 SP2に対する修正プログラムは今後も提供されないので、IE 6 SP1へのバージョン・アップを検討した方がよい。

■MS06-001後に公開されたGraphics Rendering Engineの脆弱性とは異なる?
 TechNetセキュリティ情報によれば、2006/01/11日付けHotFix Reportで既報の「新たなWMF画像の処理方法の脆弱性が公開」の脆弱性とは異なるものであるとしている。「新たなWMF画像の処理方法の脆弱性」については、任意のコードが実行されるものではないため、サービスパックまたは将来の製品で対応を行う予定ということだ。

・HotFix Weekly 2006/01/11日付け配信(新たなWMF画像の処理方法の脆弱性が公開):
http://www.hotfix.jp/archives/alert/2006/news06-0111.html#01

・Microsoft Security Response Center Blog(Information on new WMF Posting):
http://blogs.technet.com/msrc/archive/2006/01/09/417198.aspx

■MS06-004の修正プログラム適用による既知の不具合
 MS06-004の修正プログラムを適用すると、以下の不具合が発生する可能性がある。これらの不具合が業務に支障を与えることが懸念される場合には、事前に十分に検証した方がよい。

・Windows Media High Definition Video DVDで再生できないチャプターが生じる
 MS04-038/MS05-014/MS05-020/MS05-025/MS05-038/MS05-052/MS05-054の修正プログラムと同様、Windows Media High Definition Video DVDで再生できないチャプターが生じるという不具合が発生する。再生したいチャプターをクリックしたのち、Enterキーを押すことで回避可能だとしている。

・サポート技術情報 884487(Windows XP Service Pack 2 で、チャプタをクリックしても再生されない WMV HD DVD ディスクがある):
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;884487

・ActiveXコントロールがIEで正常に読み込まれないことがある
 MS05-052/054の修正プログラムで導入された多層防御の変更がMS06-004でも有効になっているため、ActiveXコントロールを含むWeb ページが正常に読み込まれなくなる。この不具合は、レジストリ・キーにサブキーを追加することで解消できる。解消方法は、2005/11/09日付け配信のHotFix Weeklyまたは以下のサポート技術情報を参照していただきたい。

・HotFix Weekly 2005/11/09日付け配信(MS05-052の修正プログラム適用でActiveXコントロールが読み込めなくなる不具合):
http://www.hotfix.jp/archives/alert/2005/news05-1109.html#01

・サポート技術情報 909889(累積的なセキュリティ更新プログラム 896688 (MS05-052) で導入された多層防御の変更が原因で、ActiveX コントロールが Internet Explorer に正常に読み込まれないことがある):
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;909889

・カスタムActiveXコントロールを含むWebページがIEで正常に読み込まれないことがある
 MS05-052/054の修正プログラムで導入された多層防御の変更がMS06-004でも有効になっているため、インターネット・ゾーンに存在するWebページでカスタムActiveXコントロールが正常に利用できなくなる。この不具合は、開発元がカスタムActiveXをリコンパイルして更新する、レジストリ・キーにカスタムActiveXのCLSIDをサブキーとして追加してCompatibility Flags(DWORD値)に00800000をデータとして設定するなどの方法で解消可能だ。解消方法は、2005/11/09日付け配信の HotFix Weeklyまたは以下のサポート技術情報を参照していただきたい。

・サポート技術情報 909738(累積的なセキュリティ更新プログラム 896688 (MS05-052) で導入された多層防御の変更が原因で、カスタム ActiveX コントロールを含む Web ページが Internet Explorer に正常に読み込まれないことがある):
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;909738

・IEでモニカの使用がサポートされなくなる
 MS05-038/052/054の修正プログラムによる仕様変更が、MS06-004でも有効になっており、IEでモニカ(Moniker:カスタム版の COMオブジェクトのこと)がサポートされなくなっている。この仕様変更により、Webページにモニカが含まれていると、Webページが正常に機能しなくなる。この不具合は、MS06-004の修正プログラム適用後にレジストリ・キーを編集することで解消可能だ。解消方法は、2005/11/09日付け配信のHotFix Weeklyまたは以下のサポート技術情報の「詳細」を参照していただきたい。

・サポート技術情報 906294(累積的なセキュリティ更新プログラム 896727 (MS05-038) によって提供されるセキュリティ更新プログラムをインストール後、Internet Explorer でモニカの使用がサポートされない):
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;906294

■MBSA 2.0の結果
 修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0で確認可能だ。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新」の「結果の詳細情報」に、「Internet Explorer 5.01 Service Pack 4 用セキュリティ更新プログラム (KB910620)」が表示される。参考までにMBSA 1.21では「Internet Explorer 用の累積的なセキュリティ更新プログラム (910620)」が表示される。

 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター WU/MU/SUS/WSUSの表示
Internet Explorer 5.01 Internet Explorer 5.01 Service Pack 4 用セキュリティ更新プログラム (KB910620)
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥
 以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
 
Internet Explorer 5.01 SP4:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
IE5.01sp4-KB910620-Windows2000sp4-x86-JPN.exe 2006/01/13 6.2.29.0
3,138,296
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\system32\
browseui.dll 2005/04/27 5.0.3828.2700
792,848
Shell Browser UI Library
danim.dll 2005/10/27 6.1.9.729
1,134,352
DirectX Media -- DirectAnimation
iecustom.dll 2005/04/19 6.0.2800.1502
36,864
IE Custom Update Library
iepeers.dll 2005/06/17 5.0.3830.1700
100,112
Internet Explorer Peer Objects
inseng.dll 2005/04/27 5.0.3828.2700
74,000
インストール エンジン
mshtml.dll 2006/01/12 5.0.3837.1200
2,299,664
Microsoft HTML Viewer
msrating.dll 2005/04/27 5.0.3828.2700
149,776
Internet Ratings and Local User Management DLL
pngfilt.dll 2005/04/27 5.0.3828.2700
48,912
IE PNG plugin image decoder
shdocvw.dll 2005/06/17 5.0.3830.1700
1,100,048
Shell Doc Object and Control Library
shlwapi.dll 2005/08/25 5.0.3900.7068
284,432
Shell Light-weight Utility Library
url.dll 2005/04/27 5.50.4952.2700
84,240
Internet Shortcut Shell Extension DLL
urlmon.dll 2005/10/24 5.0.3834.2400
423,696
OLE32 Extensions for Win32
wininet.dll 2005/10/24 5.0.3834.2400
451,344
Internet Extensions for Win32
背景が薄緑色のファイルはMS05-052/MS05-054と、サクラ色のファイルはMS05-054と同じもの。
 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値あるいはファイルのバージョンを調べることで確認できる。

Internet Explorer 5.01 SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Internet Explorer 5.01\SP4\KB910620-IE501SP4-20060112.143924\Filelist以下のファイル一覧を確認する

 

予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
IE5.01sp4-KB910620-Windows2000sp4-x86-JPN.exe
(Internet Explorer 5.01 SP4)
19分 27分 54分 1時間37分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 

UpdateEXPERT上の表示

Internet Explorer 5.01 SP4:
[展開ビュー]−[IE]タブに「名前:IE5.01sp4-KB910620-Windows2000sp4-x86-JPN.exe」で登録

 

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