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Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:
2006/05/11日版

 
【登録日】2006/05/10
【更新日】2006/05/11
HFR BBS会議室
 
深刻度
1(緊急)
  2(重要)
  3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
あり
対策
至急適用
再起動の必要性
不要
アンインストール
可能
対象環境
  サーバ
クライアント
セキュリティ情報
MS06-020(日本)
MS06-020(US)
サポート技術情報
含まれる過去の修正
なし
脆弱性識別番号
MS06-020/913433
Flash Playerの未チェック・バッファの脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性
(Adobe の Macromedia Flash Player の脆弱性により、リモートでコードが実行される)

緊急対応度:適用作業の至急開始

危険性 脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用

 Macromedia Flash Playerに配列の境界条件を適切に検証しない脆弱性などが存在し、任意のコードが実行される危険性がある(HotFix Weekly 2005/11/09日付け既報)。細工されたSWFファイル(Flashのデータ・ファイル)を再生すると、それに含まれるコードが実行されてしまう。脆弱性を発見したeEye Digital Securityによれば、ヒープ・メモリ上に特定のデータを格納することで、攻撃者が関数ポインタの値を正確に制御できるようになり、確実にInternet Explorer(IE)上でこの脆弱性が悪用できると述べている。

・HotFix Weekly 2005/11/09日付け配信(Macromedia Flash Playerで任意のコードが実行可能になる脆弱性):
http://www.hotfix.jp/archives/alert/2005/news05-1109.html#03

 攻撃は、細工されたSWFファイルを含むWebページを開くか、電子メールに添付されたSWFファイルを開くように誘導することで実行される。アドウェア/スパイウェアのインストールや電子メール添付型ウイルスに悪用される危険性が懸念される。

 この脆弱性は、2005年11月に公開されたもので、すでに半年が経過している。「Flash Player 6/7に配列の境界条件を適切に検証しない脆弱性」に対する実証コードも公開されており、危険性が高まっている。至急修正プログラムを適用した方がよい。

 ただし、MS06-020の修正プログラムが適用可能なのは、Windows 98/98SE/Me+IE 6 SP1、Windows XP SP1/SP1a/SP2のデフォルト環境のみであり、Flash Player 7以降にバージョンアップした環境には適用できないので注意してほしい。このような場合は後述の「DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント」に示すように手動でバージョンアップを行う必要がある。

 

概要

 MS06-020の修正プログラムは以下の2種類の脆弱性を解消する。

■Flash Playerの脆弱性(深刻度:緊急 CVE:CVE-2006-0024)
 Flash PlayerのSWFファイルを再生する過程に、未チェック・バッファの脆弱性が存在する。細工されたSWFファイルによって予期しないエラーが引き起こされると、任意のコードが実行される危険性がある。

 この脆弱性は、マイクロソフトによって発見されており、実証コードや攻撃例は確認されていないという。

・Macromedia(APSB06-03 Flash Player 脆弱性を解決するアップデート):
http://www.adobe.com/jp/devnet/security/security_zone/apsb06-03.html

・HotFix Weekly 2006/03/22日付け配信(Flash Playerなどの複数の脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性):
http://www.hotfix.jp/archives/alert/2006/news06-0322.html#02

■Flash Playerの脆弱性(深刻度:緊急 CVE:CVE-2005-2628)
 SWFファイルを再生する際に、配列の境界条件を適切に検証しない脆弱性が存在する。細工されたSWFファイルを再生すると、ファイルに含まれる任意のコードが実行される危険性がある。

 すでに脆弱性を解消したFlash Playerがリリースされていることから、この脆弱性を発見したeEye Digital Securityが詳細なレポートを公開している。サービス拒否を引き起こす実証コードも公開されており、危険性が高まっている。

・Macromedia(MPSB05-07 Flash Player 7 不正なメモリアクセスの脆弱性):
http://www.adobe.com/jp/devnet/security/security_zone/mpsb05-07.html

・住商情報システム(eEye Advisories:Macromedia Flash Player不正メモリアクセス脆弱性):
http://www.scs.co.jp/eeye/advisories/AD20051104.html

 

対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
Windows 98/98SE/Me Windows 98/98SE/Me+IE 6 SP1+Flash Player 5.x〜6.x(ActiveXコントロール版)
Windows XP Windows XP SP1/SP1a/SP2+Flash Player 5.x〜6.x(ActiveXコントロール版)
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Windows XP Professional SP1a
Windows XP Professional SP1a+Flash Player 6.0.22
Windows XP Professional SP1a+Flash Player 6.0.65
Windows XP Professional SP2

■MS06-020の修正プログラムはWindows 98/98SE/Me+IE 6 SP1、Windows XP SP1/SP1a/SP2にプレインストールされているバージョンのみ対象
 MS06-020の修正プログラムは、マイクロソフトがWindows OSおよびIEに同梱する形で再配布を行っているFlash Player(ActiveXコントロール版)にのみ適用できる。具体的には、Windows 98/98SE/Me+IE 6 SP1、Windows XP SP1/SP1a/SP2のデフォルト状態が対象だ。

 修正プログラムが適用できるのは、下表の「MS06-020の適用可否」が「○」であるFlash Playerのバージョンに対してのみである。ただ、DA Labで調査した限りでは、Windows XP SP1/SP1a/SP2の場合、プレインストールと異なるバージョンでもFlash Player 5.x〜6.xの範囲内であれば適用できるようだ。いずれにせよ、Flash Player 7以降にバージョンアップしている環境に対しては適用できない。

Windows OSのバージョン ファイル名 バージョン MS06-020の適用可否
Windows 98 Swflash.ocx 2.1.0.12
×
Windows 98+IE 6 SP1 Swflash.ocx 5.0.44.0
Windows 98SE Swflash.ocx 3.0.15.0
×
Windows 98 SE+IE 6 SP1 Swflash.ocx 5.0.44.0
Windows Me Swflash.ocx 4.0.28.0
×
Windows Me+IE 6 SP1 Swflash.ocx 5.0.44.0
Windows XP SP未適用 Swflash.ocx 5.0.42.0
×
Windows XP SP1 Swflash.ocx 5.0.44.0
Windows XP SP2 Flash.ocx 6.0.79.0
Flash.ocx/Flash8.ocx 7.0.0.0以降
×

 Flash Player 7以降を要求するWebページも多く、すでに多くのコンピュータでFlash Playerがバージョンアップされている可能性も高い。そうした環境では、MS06-020の修正プログラムは適用できず、個別にFlash Playerのバージョンアップが必要となる。またFirefoxなどのIE以外のWebブラウザを利用している場合も、MS06-020の修正プログラムを適用したとしても脆弱性は解消されないので、個別にFlash Playerのバージョンアップが必要だ。

 なおWindows 2000などは、マイクロソフトがデフォルトでFlash Playerを組み込んでいないだけであり、PCベンダなどがプレインストールしていたり、そもそもユーザーが使用中にインストールしていたりする可能性があるので注意が必要である。

 つまり多くの環境においてMS06-020の修正プログラムは適用できず、脆弱性を解消したFlash Playerの手動によるバージョンアップが必要になるわけだ。Windows Update/Microsoft UpdateなどにMS06-020の修正プログラムが表示されなくても、Flash Playerの脆弱性が存在する可能性がある点には注意が必要だ。

■Flash Playerのバージョンの確認およびバージョンアップの方法
 現在、脆弱性が確認されているのは、Flash Player 6.0.84.0未満、Flash Player 7のうち7.0.63.0未満とFlash Player 8のうち8.0.24.0未満の各バージョンである。該当するFlash Playerがインストールされている場合、マクロメディア(アドビ システムズ)は最新のFlash Player 8.0.24.0にバージョンアップすることを推奨している。

 Flash Playerのバージョンを確認するには、マクロメディアの「Macromedia Flash Player サポートセンター」に普段使用しているWebブラウザでアクセスし、ページ右側にある「Macromedia Flash Player のバージョンテスト」のリンクをクリックする。ページが変わってFlashムービーが表示されるので「About」をクリックすると、インストールされているFlash Playerのバージョンが表示される。

・マクロメディア(Macromedia Flash Player サポートセンター):
http://www.adobe.com/jp/support/flashplayer/

 脆弱性が存在するFlash Playerがインストールされている場合は、以下のURLから最新のFlash Player 8をダウンロードし、再インストールすればよい。

・マクロメディア(その他の Web Player):
http://www.adobe.com/jp/shockwave/download/alternates/

 何らかの理由により、Flash Player 7の最新版をインストールしたい場合は、以下のWebページからFlash Player 7.0.63.0をダウンロードし、インストールすることで脆弱性が解消できる。

・Flash Player TechNote(Flash Player 8 をサポートしていないオペレーティングシステム用の Flash Player アップグレード版):
http://www.adobe.com/jp/support/flashplayer/ts/documents/d9c2fe33.htm

■MBSA 2.0の結果
 MS06-020の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0で確認可能だ。「Windows のセキュリティ更新」の「結果の詳細情報」に、「Flash Player 用セキュリティ更新プログラム (KB913433)」が表示される。

 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター WU/MU/WSUSの表示
Windows 98/98SE/Me
Flash Player 用セキュリティ更新プログラム (KB913433)
Windows XP SP1/SP1a/SP2 Flash Player 用セキュリティ更新プログラム (KB913433)
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥
 以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
 
Windows 98/98SE/Me、Windows XP SP1/SP1a/SP2:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
Windows-KB913433-x86-JPN.exe 2006/04/11 5.50.4925.2200
553,024
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ

%SystemRoot%\system\Macromed\Flash\(Windows 98/98SE/Me)
%SystemRoot%\system32\Macromed\Flash\(Windows XP SP1/SP1a/SP2)

GENUINST.EXE 2006/01/21 6.0.2800.1531
25,088
GENUINST
Flash.ocx 2006/04/01 6.0.84.0
857,776
Macromedia Flash Player 6.0 r84
UninstFl.exe 2006/01/04
20,480
UninstFl
 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。

Windows XP SP1/SP1a/SP2
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Active Setup\Installed Components\{1325db73-d9f1-48f8-8895-6d814ec58889} のIsInstalled(DWORD値)が「1」であることを確認する

 

予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
Windows-KB913433-x86-JPN.exe
(Windows XP SP1/SP1a/SP2)
12分 21分 46分 1時間28分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 

UpdateEXPERT上の表示

Windows XP SP1/SP1a/SP2
[展開ビュー]−[Media]タブに「名前:Windows-KB913433-x86-JPN.exe」で登録

 

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