このページは、HotFix Reportで配信されたセキュリティ情報のバックナンバーです。「更新日」に明記された時点での情報ですのでご注意ください。ご購読の申し込みは「HotFix Report購読の申し込み」 をご参照ください。

トップページ サービスの詳細 セキュリティ情報 購読の申し込み
 
 
Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:
2006
/06/15版
 
【登録日】2006/06/14
【更新日】2006/06/15
HFR BBS会議室
 
深刻度
1(緊急)
  2(重要)
  3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
なし
対策
至急適用
再起動の必要性
必要
アンインストール
可能(Windows 2000 SP4+JScript 5.5/5.6は不可)
対象環境
サーバ
クライアント
セキュリティ情報
MS06-023(日本)
MS06-023(US)
サポート技術情報
含まれる過去の修正
脆弱性識別番号
MS06-023/917344
JScriptのメモリ破損の脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性
(Microsoft JScript の脆弱性により、リモートでコードが実行される)


対応の緊急性:至急適用 [攻撃コード未公開][攻撃事例なし]

危険性
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用
脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。

可能性のある攻撃
攻撃手法
脆弱性の影響
リモート攻撃 ウイルス/ワーム 電子メール添付 Webサイトへの誘導 コードの実行 権限の昇格 情報の漏えい サービス拒否 なりすまし
   
       
 
‥‥‥ 概要 ‥‥‥

 JScript(ECMA 262規格仕様の言語としてMicrosoftが実装したスクリプト言語)にメモリ破損の脆弱性が存在し、リモートで任意のコードが実行される危険性がある。細工されたJScriptファイルを含むWebページを開くと、攻撃が実行される。最悪の場合、コンピュータの制御が完全に奪われる可能性がある。

 マイクロソフトによれば、MS06-023の脆弱性は非公開で報告されたとしており、実証コードや攻撃例は確認されていないという。しかしこの脆弱性は、アドウェアやスパイウェアのインストールに悪用される危険性が高い。至急、修正プログラムを適用した方がよい。

 
脆弱性の内容

 MS06-023の脆弱性は、JScriptがオブジェクトを早期に解放してしまいメモリ破損を引き起こすことに起因する。MS06-021の「例外処理のメモリの破損の脆弱性(CVE-2006-2218)」と組み合わせて攻撃が実行される危険性が高い。

 
対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
Windows 98/98SE/Me Windows 98/98SE/Me+JScript 5.6
Windows 2000 Windows 2000 SP4+JScript 5.1/5.5/5.6
Windows XP Windows XP SP1/SP1a/SP2+JScript 5.6
Windows Server 2003 Windows Server 2003 SP未適用/SP1+JScript 5.6
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Windows 2000 Professional SP4+JScript 5.1
Windows 2000 Professional SP4+JScript 5.6
Windows 2000 Server SP4+JScript 5.1
Windows 2000 Server SP4+JScript 5.6
Windows 2000 Advanced Server SP4+JScript 5.6
Windows XP Professional SP1
Windows XP Professional SP1a
Windows XP Professional SP2
Windows Server 2003, Standard Edition SP未適用
Windows Server 2003, Enterprise Edition SP未適用
Windows Server 2003 R2, Enterprise Edition

■MBSA 2.0の結果
 MS06-023の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0で確認可能だ。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新」の「結果の詳細情報」に以下のいずれかが表示される。

  • Windows 2000 (Jscript Version 5.1) 用セキュリティ更新プログラム (KB917344)
  • Windows 2000 (Jscript Version 5.6) 用セキュリティ更新プログラム (KB917344)
  • Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB917344)
  • Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB917344)
 
適用時の注意点

■MS06-023はMS06-021と併せて適用する必要がある
 MS06-021の修正プログラムを適用すると、JScriptを利用したWebアプリケーションなどが表示されなくなるといった不具合が発生する可能性がある。これは、JScriptの脆弱性の影響を、IEで排除するために仕様が修正されたことによる。MS06-023の修正プログラムでは、JScriptの脆弱性を解消するとともに、MS06-021の修正プログラム適用によって生じる不具合も解消する。脆弱性と不具合を解消するには、MS06-021とMS06-023を併せて適用する必要がある。

■Windows 2000はJScriptのバージョンにより適用すべき修正が異なる
 Windows 2000にはデフォルトでJScript 5.1がインストールされている。しかしWindows Script 5.6にJScript 5.6が含まれており、Windows Script 5.6をインストールすると、自動的にJScriptも5.6にバージョンアップする。一方、Windows XP/Server 2003は初期状態でJScript 5.6がインストールされる。

 Windows Script 5.5/5.6はそれぞれInternet Explorer 5.5/6.0に含まれているため、Internet Explorerと連動してWindows Scriptもバージョンアップされることが多い。ただしWindows Scriptは単体でもバージョンアップできるので、必ずしもInternet Explorerのバージョンと一致しない点に注意が必要だ。

 MS06-023のWindows 2000向け修正プログラムは、インストールされているJScriptのバージョン(5.1または5.5/5.6)によって適用すべきパッケージが異なっている。JScriptのバージョンは、%SystemRoot%\system32\jscript.dllのプロパティを開き、[バージョン情報]タブの「ファイル バージョン」で確認できる。これが5.1.0.xxxxならばJScript 5.1向け修正プログラムを、5.5.0.xxxx/5.6.0.xxxxならばJScript 5.6向け修正プログラムをそれぞれ適用する必要がある。

 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター WU/MU/SUS/WSUSの表示
Windows 98/98SE/Me+JScript 5.6
Windows 98 用セキュリティ更新プログラム (KB917344)
Windows Millennium 用セキュリティ更新プログラム (KB917344)
Windows 2000 SP4+JScript 5.1 Windows 2000 (Jscript Version 5.1) 用セキュリティ更新プログラム (KB917344)
Windows 2000 SP4+JScript 5.5/5.6 Windows 2000 (Jscript Version 5.6) 用セキュリティ更新プログラム (KB917344)
Windows XP SP1/SP1a/SP2 Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB917344)
Windows Server 2003 SP未適用/SP1 Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB917344)
日本語版OSの場合、各ダウンロード・ページで、末尾が「-jpn.exe」である修正プログラムを選んでダウンロードする必要がある。
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥
 以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
 
Windows 98/98SE/Me+JScript 5.6:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
Windows9X-KB917344-x86-jpn.Exe 2006/05/26 5.50.4134.600
331,816
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\system\
jscript.dll 2006/05/17 5.6.0.8831
465,864
Microsoft JScript
 
Windows 2000 SP4+JScript 5.1:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
Windows2000-KB917344-x86-JPN.EXE 2006/05/18 1.0.0.0
677,352
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\system32\
jscript.dll 2006/05/18 5.1.0.12512
483,385
Microsoft JScript
 
Windows 2000 SP4+JScript 5.5/5.6:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
Windows2000-KB917344-56-x86-jpn.Exe 2006/05/26 5.50.4134.600
338,472
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\system32\
jscript.dll 2006/05/17 5.6.0.8831
465,864
Microsoft JScript
 
Windows XP SP1/SP1a/SP2:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsXP-KB917344-x86-JPN.exe 2006/05/18 1.0.0.0
766,776
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(SP1QFE)
%SystemRoot%\system32\
jscript.dll 2006/05/18 5.6.0.8831
458,752
Microsoft JScript
展開フォルダ
(SP2GDR/
SP2QFE)
%SystemRoot%\system32\
jscript.dll 2006/05/18 5.6.0.8831
450,560
Microsoft JScript
 
Windows Server 2003 SP未適用/SP1:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsServer2003-KB917344-x86-JPN.exe 2006/05/12 1.0.0.0
815,928
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(RTMGDR/
RTMQFE)
%SystemRoot%\system32\
jscript.dll 2006/05/12 5.6.0.8831
446,464
Microsoft JScript
展開フォルダ
(SP1GDR/
SP1QFE)
%SystemRoot%\system32\
jscript.dll 2006/05/12 5.6.0.8831
458,752
Microsoft JScript
 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。

・Windows 2000 SP4+JScript 5.1:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB917344\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows 2000 SP4+JScript 5.5/5.6:
 置き換わるファイルのバージョンをプロパティで調べることで確認する

Windows XP SP1/SP1a/SP2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP3\KB917344\Filelist以下のファイル一覧を確認する

Windows Server 2003 SP未適用/SP1:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\SP2\KB917344\Filelist以下のファイル一覧を確認する

 
予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
Windows2000-KB917344-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 SP4+JScript 5.1)
18分 27分 52分 1時間34分
Windows2000-KB917344-56-x86-jpn.Exe
(Windows 2000 SP4+JScript 5.5/5.6)
18分 27分 52分 1時間34分
WindowsXP-KB917344-x86-JPN.exe
(Windows XP SP1/SP1a/SP2)
18分 27分 52分 1時間34分
WindowsServer2003-KB917344-x86-JPN.exe
(Windows Server 2003 SP未適用/SP1)
18分 27分 52分 1時間34分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 
UpdateEXPERT上の表示

・Windows 2000 SP4+JScript 5.1:
[展開ビュー]−[IE]タブに「名前:Windows2000-KB917344-x86-JPN.EXE」で登録

・Windows 2000 SP4+JScript 5.5/5.6:
[展開ビュー]−[IE]タブに「名前:Windows2000-KB917344-56-x86-jpn.Exe」で登録

Windows XP SP1/SP1a/SP2:
[展開ビュー]−[IE]タブに「名前:WindowsXP-KB917344-x86-JPN.exe」で登録

Windows Server 2003 SP未適用/SP1:
[展開ビュー]−[IE]タブに「名前:WindowsServer2003-KB917344-x86-JPN.exe」で登録

 

HotFix Reportは、UpdateEXPERTユーザー向けの情報を含んでいます。UpdateEXPERTは、管理者の負担を大幅に軽減するHotFix管理ツールです。UpdateEXPERTに関する詳細ならびにお問い合わせは、アップデートテクノロジー株式会社のホームページをご参照ください。
 
Copyright (C) Digital Advantage Corp.
このメールは、HotFix Reportにご登録いただいておりますユーザー様にお送りしています。
無断で複製・再配信などを行うことはできません。 このメールに関する問い合わせ先:info@hotfix.jp
HotFix Reportでは、細心の注意を払って情報提供を行っておりますが、本サービスにおける情報の正確性、最新性、適切性などについて、明示的又は黙示的な保証を行いません。また本サービスの停止や欠陥、それらに起因して発生する損失や損害について、一切責任を負いません。