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Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:
2006
/08/10版
 
【登録日】2006/08/10
【更新日】2006/08/10
HFR BBS会議室
 
深刻度
1(緊急)
  2(重要)
  3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
あり
対策
至急適用
再起動の必要性
必要
アンインストール
可能
対象環境
サーバ
クライアント
セキュリティ情報
MS06-051(日本)
MS06-051(US)
サポート技術情報
含まれる過去の修正
なし
脆弱性識別番号
MS06-051/917422
Windows OSの例外処理の脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性
(Windows カーネルの脆弱性により、リモートでコードが実行される)


対応の緊急性:至急適用 [攻撃コード公開済み][攻撃事例なし]

危険性
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用
脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。

可能性のある攻撃
攻撃手法
脆弱性の影響
リモート攻撃 ウイルス/ワーム 電子メール添付 Webサイトへの誘導 コードの実行 権限の昇格 情報の漏えい サービス拒否 なりすまし
 
     
 
‥‥‥ 概要 ‥‥‥

 メモリに存在するアプリケーションで例外処理が適切に行われない脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性がある。この脆弱性は、細工されたファイルやWebサイトを開くことで悪用される。スパイウェアやアドウェアのインストールなどに悪用される危険性が高い脆弱性である。

 マイクロソフトによれば、MS06-051の脆弱性は非公開で報告されたとしており、攻撃例は確認されていないという。しかし、ひとたびこの脆弱性がウイルスやワームに悪用された場合、短期間で急速に被害が広がる懸念がある。至急、修正プログラムを適用した方がよい。

 
脆弱性の内容

 MS06-051の修正プログラムは、以下の2件の脆弱性を解消する。

■処理されない例外の脆弱性(深刻度:緊急 CVE:CVE-2006-3648)
 この脆弱性は、メモリ上に存在するアプリケーションにおいて例外処理が適切に行われないことに起因する。当初、この脆弱性はPHP Event Calendar version 1.4とそれ以前のバージョンに存在するものと報告されたが、Windows OS自体の脆弱性でもあるということだ。

・Bugtraq(PHP Event Calendar versi 1.4 (path_to_calendar) Remote File Inclusion):
http://www.securityfocus.com/archive/1/archive/1/440265/100/0/threaded

 すでにPHP Event Calendarに対する実証コードは公開されており、WindowsにPHPがインストールされた環境では、攻撃の危険性が高まっている。

■ユーザー・プロファイルの特権の昇格の脆弱性(深刻度:重要 CVE:CVE-2006-3443)
 Winlogonが不適切なパスの使用を許可する脆弱性が存在し、細工されたDLLがユーザー・ディレクトリに配置された場合に、WinlogonによってそのDLLのコードが実行される危険性がある。

 Windows 2000は、デフォルトでSafeDllSearchModeというレジストリ値のデータが「0」になおり、その結果、DLLの読み込み時に不適切なパスの使用を優先してしまう。一方、Windows XPとWindows Server 2003は、デフォルトで不適切なパスの使用が優先されない設定となている。SafeDllSearchModeのデータはOS内で「1」すなわち「不適切なパスの非優先」に設定されているため、たとえこのレジストリの値そのものがない場合も「非優先」となる。このレジストリの値が存在し、「1」以外のデータが設定されている場合、Windows 2000と同様、不適切なパスの使用が優先されるので注意が必要だ。

 この脆弱性を悪用するには、細工したDLLをユーザー・ディレクトリに配置する必要がある。ただしこの脆弱性を悪用した場合、コンピュータの制御を完全に奪えることから、トロイの木馬などに利用されることが懸念される。

 
対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
Windows 2000 Windows 2000 SP4
Windows XP Windows XP SP1/SP1a/SP2
Windows Server 2003 Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Windows 2000 Professional SP4
Windows 2000 Server SP4
Windows 2000 Advanced Server SP4
Windows XP Professional SP1a
Windows XP Professional SP2
Windows Server 2003, Standard Edition SP未適用
Windows Server 2003, Enterprise Edition SP未適用
Windows Server 2003, Standard Edition SP1
Windows Server 2003, Enterprise Edition SP1
Windows Server 2003 R2, Standard Edition
Windows Server 2003 R2, Enterprise Edition

■MBSA 2.0の結果
 MS06-051の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0で確認可能である。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新プログラム」の「結果の詳細情報」に以下のいずれかが表示される。

  • Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB917422)
  • Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB917422)
  • Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB917422)
 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター WU/MU/SUS/WSUSの表示
Windows 2000 SP4 Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB917422)
Windows XP SP1/SP1a/SP2 Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB917422)
Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2 Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB917422)
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥
 以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
 
Windows 2000 SP4:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
Windows2000-KB917422-x86-JPN.EXE 2006/06/21 1.0.0.0
781,800
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\system32\
kernel32.dll 2006/06/21 5.0.2195.7099
907,024
Windows NT BASE API Client DLL
mpr.dll 2006/06/21 5.0.2195.6824
54,544
Multiple Provider Router DLL
 
Windows XP SP1/SP1a/SP2:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsXP-KB917422-x86-JPN.exe 2006/07/05 1.0.0.0
995,640
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(SP1QFE)
%SystemRoot%\system32\
kernel32.dll 2006/07/05 5.1.2600.1869
1,175,040
Windows NT BASE API Client DLL
展開フォルダ
(SP2GDR)
%SystemRoot%\system32\
kernel32.dll 2006/07/05 5.1.2600.2945
1,230,336
Windows NT BASE API Client DLL
展開フォルダ
(SP2QFE)
%SystemRoot%\system32\
kernel32.dll 2006/07/05 5.1.2600.2945
1,231,360
Windows NT BASE API Client DLL
 
Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsServer2003-KB917422-x86-JPN.exe 2006/07/25 1.0.0.0
1,148,216
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(RTMGDR)
%SystemRoot%\system32\
kernel32.dll 2006/07/25 5.2.3790.566
1,245,696
Windows NT BASE API Client DLL
展開フォルダ
(RTMQFE)
%SystemRoot%\system32\
kernel32.dll 2006/07/25 5.2.3790.566
1,246,208
Windows NT BASE API Client DLL
termsrv.dll 2006/07/25 5.2.3790.566
215,552
Terminal Server Service
winsta.dll 2006/07/25 5.2.3790.566
52,224
Winstation Library
展開フォルダ
(SP1GDR/
SP1QFE)
%SystemRoot%\system32\
kernel32.dll 2006/07/25 5.2.3790.2756
1,295,872
Windows NT BASE API Client DLL
 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。

・Windows 2000 SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB917422\Filelist以下のファイル一覧を確認する

Windows XP SP1/SP1a/SP2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP3\KB917422\Filelist以下のファイル一覧を確認する

Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\SP2\KB917422\Filelist以下のファイル一覧を確認する

 
予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
Windows2000-KB917422-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 SP4)
18分 27分 52分 1時間34分
WindowsXP-KB917422-x86-JPN.exe
(Windows XP SP1/SP1a/SP2)
18分 27分 52分 1時間35分
WindowsServer2003-KB917422-x86-JPN.exe
(Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2)
18分 27分 52分 1時間35分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 
UpdateEXPERT上の表示

・Windows 2000 SP4:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:Windows2000-KB917422-x86-JPN.EXE」で登録

Windows XP SP1/SP1a/SP2:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsXP-KB917422-x86-JPN.exe」で登録

Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsServer2003-KB917422-x86-JPN.exe」で登録

 

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