MS06-070/924270 |
Workstationサービスのメモリ破損の脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性 |
(Workstation サービスの脆弱性により、リモートでコードが実行される) |
対応の緊急性:至急適用 [攻撃コード未公開][攻撃事例なし]
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危険性 |
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脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。 |
可能性のある攻撃
攻撃手法
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脆弱性の影響
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リモート攻撃 |
ウイルス/ワーム |
電子メール添付 |
Webサイトへの誘導 |
コードの実行 |
権限の昇格 |
情報の漏えい |
サービス拒否 |
なりすまし |
○
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○
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○
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Windows OSのWorkstationサービスに未チェック・バッファの脆弱性が存在し、リモートで任意のコードが実行される危険性がある。細工されたネットワーク・パケットをWindows
OSが受信すると、ユーザーの操作なしにコードが実行され、最悪の場合コンピュータの制御が完全に奪われてしまう。インターネットに接続しているだけで攻撃を受ける可能性がある脆弱性であり、非常に危険性が高い。
ウイルス/ワームに悪用された場合、2003年8月に多くのコンピュータが感染したBlasterワームのように、甚大な被害を受ける懸念がある。なおMS06-070の修正プログラムの対象はWindows
2000/XPのみで、Windows Server 2003にはこの脆弱性は存在しないということだ。またWindows XP SP2に対する攻撃では管理者権限を持つユーザーが細工したパケットを送信する必要があるが、Windows
2000では匿名ユーザーによる攻撃が可能である。
マイクロソフトによれば、MS06-070の脆弱性は非公開で報告されたとしており、攻撃例は確認されていないという。しかし、修正プログラムが公開されたことから、脆弱性を発見したeEye
Digital Securityが詳細な技術情報を公開した。この情報から実証コードが作成され、悪用の危険性が高まることが予想される。インターネットからの攻撃が可能な脆弱性なので、至急、修正プログラムを適用した方がよい。
・eEye Digital Security(Workstation Service NetpManageIPCConnect Buffer Overflow):
http://research.eeye.com/html/advisories/published/AD20061114.html
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脆弱性の内容
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Workstationサービスは、Windows OSにおいて、ローカルのファイル・システム・リクエストやリモートのファイル/印刷のネットワーク・リクエストをルーティングする機能を提供するものである。これにより、リソースの場所を判断した後、ローカルのファイル・システムや対象となるネットワークのコンポーネントへリクエストを転送する。MS06-070の脆弱性は、Workstationサービス(wkssvc.dll)のNetpManageIPCConnect関数がswprintf関数を呼び出す過程に未チェック・バッファが存在するというものである。細工されたRPCメッセージをWorkstationサービスが受信すると、この脆弱性によりバッファ・オーバーフローが発生し、任意のコードが実行される危険性がある。
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対象プラットフォーム
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影響を受けるソフトウェア |
対象プラットフォーム |
Windows 2000 |
Windows 2000 SP4 |
Windows XP |
Windows XP SP2 |
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‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント
‥‥‥
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■適用テストの結果
DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。
プラットフォーム
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適用テスト結果
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Windows 2000 Professional SP4 |
○
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Windows 2000 Server SP4 |
○
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Windows 2000 Advanced Server SP4 |
○
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Windows XP Professional SP2 |
○
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○は問題なし、△は一部に問題あり、×は適用による障害あり |
■MBSA 2.0の結果
MS06-070の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0で確認可能である。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新プログラム」の「結果の詳細情報」に以下のいずれかが表示される。
- Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB924270)
- Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB924270)
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適用時の注意点
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■Windows XP SP1/SP1aに対する修正プログラムは提供されない
Windows XP SP1/SP1aは、2006年10月11日にサポート・ライフサイクルが終了したため、Windows XP SP1/SP1a向けのMS06-070の修正プログラムは提供されない。Windows
XP SP2を適用してから、MS06-070の修正プログラムを適用する必要がある。
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プラットフォーム |
ダウンロード・センター |
WU/MU/SUS/WSUSの表示 |
Windows 2000 SP4 |
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Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB924270) |
Windows XP SP2 |
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Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB924270) |
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以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
Windows 2000 SP4:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
Windows2000-KB924270-x86-JPN.EXE |
2006/08/17 |
1.0.0.0 |
940,520
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ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ |
%SystemRoot%\system32\ |
lsasrv.dll |
2006/08/17 |
5.0.2195.7108 |
513,808
|
LSA Executable and Server DLL (128-Bit-Version) |
netapi32.dll |
2006/08/17 |
5.0.2195.7108 |
309,520
|
Net Win32 API DLL |
sp3res.dll |
2006/05/03 |
5.0.2195.7087 |
502,272
|
Service Pack 3 Messages |
wkssvc.dll |
2006/08/17 |
5.0.2195.7108 |
98,064
|
Workstation Service DLL |
Windows XP SP2:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
WindowsXP-KB924270-x86-JPN.exe |
2006/10/13 |
1.0.0.0 |
1,004,344
|
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ
(SP2GDR)
|
%SystemRoot%\system32\ |
lsasrv.dll |
2006/08/17 |
5.1.2600.2976 |
706,560
|
LSA Server DLL |
netapi32.dll |
2006/08/17 |
5.1.2600.2976 |
332,288
|
Net Win32 API DLL |
wkssvc.dll |
2006/08/17 |
5.1.2600.2976 |
132,096
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Workstation Service DLL |
展開フォルダ
(SP2QFE)
|
%SystemRoot%\system32\ |
lsasrv.dll |
2006/08/17 |
5.1.2600.2976 |
711,168
|
LSA Server DLL |
netapi32.dll |
2006/08/17 |
5.1.2600.2976 |
337,408
|
Net Win32 API DLL |
wkssvc.dll |
2006/08/17 |
5.1.2600.2976 |
132,096
|
Workstation Service DLL |
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修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。
・Windows 2000 SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB924270\Filelist以下のファイル一覧を確認する
・Windows XP SP1/SP1a/SP2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP3\KB924270\Filelist以下のファイル一覧を確認する
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予想適用時間
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修正プログラム名 |
50台 |
100台 |
250台 |
500台 |
Windows2000-KB924270-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 SP4) |
18分 |
27分 |
52分 |
1時間35分 |
WindowsXP-KB924270-x86-JPN.exe
(Windows XP SP2) |
18分 |
27分 |
52分 |
1時間35分 |
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
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UpdateEXPERT上の表示
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・Windows 2000 SP4:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:Windows2000-KB924270-x86-JPN.EXE」で登録
・Windows XP SP2:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsXP-KB924270-x86-JPN.exe」で登録
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