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Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:
2006/12/15版
 
【登録日】2006/12/14
【更新日】2006/12/15
HFR BBS会議室
 
深刻度
  1(緊急)
2(重要)
  3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
なし
対策
早期適用
再起動の必要性
必要
アンインストール
可能
対象環境
サーバ
クライアント
セキュリティ情報
MS06-077(日本)
MS06-077(US)
サポート技術情報
含まれる過去の修正
なし
脆弱性識別番号
MS06-077/926121
リモート・インストール・サービスによるOS展開方法の脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性
(リモート インストール サービス (RIS) の脆弱性により、リモートでコードが実行される)


対応の緊急性:早期適用 [攻撃コード未公開][攻撃事例なし]

危険性
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用
脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。

可能性のある攻撃
攻撃手法
脆弱性の影響
リモート攻撃 ウイルス/ワーム 電子メール添付 Webサイトへの誘導 コードの実行 権限の昇格 情報の漏えい サービス拒否 なりすまし
     
       
 
‥‥‥ 概要 ‥‥‥

 Windows 2000 Server/Advanced Serverのリモート・インストール・サービス(RIS)には、デフォルトで匿名ユーザーによる書き込みアクセスが可能なTFTPサービスを有効にしてしまう仕様に起因する脆弱性が存在する。この機能が悪用されると、匿名ユーザーによって細工された実行ファイル(ウイルスやバックドアなどが仕込まれたOSイメージ)がRISサーバ上に置かれてしまう危険性がある。その結果、細工されたファイルがRISを利用してOSの展開(インストール)を実施したコンピュータにインストールされ、クライアントPC上でウイルスなどが実行されてしまう。つまり、脆弱性が存在するのは、サーバ側のRISの仕様だが、脆弱性の影響を受けるのは、RISを利用してOSをインストールしたクライアントPC側ということになる。

 RISは、デフォルトではインストールされていない。ただしリモート・インストール用のPXE環境を構築している場合は、RISがインストールされているので、脆弱性の影響を受けることになる。ファイアウォールの設定によっては、インターネット経由で匿名ユーザーによる攻撃が行われる危険性もあるので注意が必要だ。

 マイクロソフトによれば、MS06-077の脆弱性は非公開で報告されたとしており、現時点で攻撃例は確認されていないという。この脆弱性が悪用されると、中央から複数のクライアントPCに展開するための、大元のインストール・イメージ・ファイルがリモートから細工されたり、改ざんされたりする。万一悪用された場合には、広範囲に影響が広がる危険性がある。なるべく早期に修正プログラムを適用した方がよい。

 
脆弱性の内容

 RISはWindows Serverに標準装備されている機能で、OSをネットワーク経由でインストール可能にするものである。MS06-077の脆弱性は、RISがインストール・イメージ(インストールされるOSを構成するファイル群)の配布に利用するTFTPサービスをリモートから書き込み可能な設定のまま有効にすることに起因する。

 有効になったTFTPサービスを使い、匿名ユーザーであっても、サーバ上に置かれたインストール・イメージへの上書きや細工されたファイルのアップロードが可能になってしまう(書き換え可能なのは、TFTPで指定されているフォルダのみ)。そのため、RISサーバ上に置かれたリモート・インストール向けのOSが改ざんされ、その結果、RISサーバによってOSがインストールされたコンピュータ上で細工されたファイルが実行されることになる。

 
対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
Windows 2000 Windows 2000 Server/Advanced Server SP4
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Windows 2000 Server SP4
Windows 2000 Advanced Server SP4
○は問題なし、△は一部に問題あり、×は適用による障害あり

■MBSA 2.0の結果
 MS06-077の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0で確認可能だ。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新」の「結果の詳細情報」に以下のいずれかが表示される。

  • Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB926121)
 
適用時の注意点

■RISがインストールされている場合にのみWindows Update/Microsoft Updateで提供
 RISは、デフォルトではWindows OSにインストールされていない。Windows Update/Microsoft Update/自動更新では、RISがインストールされている場合にのみ、MS06-077の修正プログラムの表示を行う。ダウンロード・センターから修正プログラムをダウンロードし、RISが未インストールのコンピュータに対して手動による適用を行うと、修正プログラムはエラー・メッセージを表示し、適用を中止する。

■TFTPサービスを匿名ユーザーによる読み取り専用にする
 MS06-077の修正プログラムは、以下のようにレジストリを修正してTFTPサービスを匿名ユーザーによる読み取り専用に変更する。

キー HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services\
TFTPD\Parameters
値の名前 Masters
値の型 文字列(REG_SZ)
値のデータ (値の設定なし)

 MS06-077の修正プログラムは、RISやTFTPサービスを構成する.DLL/.EXEファイルを更新しない。上記のレジストリ設定だけで脆弱性を解消する。

■RISのインストールの確認およびアンインストールの方法
 RISがインストール済みか否かを確認するには、まず[コントロール パネル]の[アプリケーションの追加と削除]アプレットを開き、左端にある[Windows コンポーネントの追加と削除]を選ぶ。すると[Windows コンポーネント ウィザード]というウィザードが表示されるので、[リモート インストール サービス]チェックボックスを見つける。これがオンであればRISはインストール済みだ。このチェックボックスをオフにしてウィザードを進めれば、RISをアンインストールできる。

 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター WU/MU/WSUSの表示
Windows 2000 Server/Advanced Server SP4 Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB926121)
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥

Windows 2000 Server/Advanced Server SP4:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
Windows2000-KB926121-x86-JPN.EXE 2006/11/03 1.0.0.0
490,984
 
置き換わるファイルはない
 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。

Windows 2000 Server/Advanced Server SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB926121というキーが存在することを確認する
HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services\TFTPD\ParametersにあるMastersのデータが「(値の設定なし)」であることを確認する

 
予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
Windows2000-KB926121-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 Server/Advanced Server SP4)
18分 27分 52分 1時間34分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 
UpdateEXPERT上の表示

Windows 2000 Server/Advanced Server SP4:
[展開ビュー]−[IIS]タブに「名前:Windows2000-KB926121-x86-JPN.EXE」で登録

 

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