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Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:2007/01/10版
 
【登録日】2007/01/10
【更新日】2007/01/10
HFR BBS会議室
 
深刻度
1(緊急)
  2(重要)
  3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
なし
対策
至急適用
再起動の必要性
不要(必要な場合あり)
アンインストール
可能
対象環境
サーバ
クライアント
セキュリティ情報
MS07-004(日本)
MS07-004(US)
サポート技術情報
含まれる過去の修正
脆弱性識別番号
MS07-004/929969
Vector Markup Languageのバッファ・オーバーフローの脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性
(Vector Markup Language の脆弱性により、リモートでコードが実行される)


対応の緊急性:至急適用 [攻撃コード未公開][攻撃事例あり]

危険性
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用
脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。

可能性のある攻撃
攻撃手法
脆弱性の影響
リモート攻撃 ウイルス/ワーム 電子メール添付 Webサイトへの誘導 コードの実行 権限の昇格 情報の漏えい サービス拒否 なりすまし
   
       
 
‥‥‥ 概要 ‥‥‥

 Windows OSで標準のVector Markup Language(VML)描画ライブラリに未チェック・バッファの脆弱性が存在し、リモートで任意のコードが実行される危険性がある。VMLは、Web 上で線や円といったベクタ・グラフィックスを描画可能にする、XMLベースの言語である。細工されたWebページやHTML形式の電子メールを開くだけで攻撃が実行されてしまうので、非常に危険性が高い。

 Webページでの悪用ではスパイウェアなどのインストールに悪用されることが懸念される。また電子メール添付型のウイルスに悪用される危険性も高い。

 VMLの脆弱性は、MS06-055でも解消されているが、MS07-004はそれとは異なる脆弱性である。MS06-055の脆弱性は、グリーティング・カードに偽装した電子メールにより、ユーザーにWebページを開かせることで、キー・ロガー(コンピュータのキー操作を記録し、クレジット・カード番号やパスワードなどを窃取するプログラム)などの悪意のあるソフトウェアをインストールするという攻撃に悪用された。同様にMS07-004の脆弱性も、すでに悪用の事例が報告されているとのことなので、至急、修正プログラムを適用した方がよい。

 
脆弱性の内容

 VMLの描画ライブラリ「vgx.dll」に未チェック・バッファの脆弱性が存在する。入力データの検証が十分でないことから、細工された値を設定されると、バッファ・オーバーフローが発生し、任意のコードが実行されてしまう。

 この脆弱性は、Webページを開くだけで、ユーザーの操作なしに悪用されてしまうので注意が必要だ。またInternet Explorer(IE)以外のVMLを利用するアプリケーションでも、脆弱性が悪用される危険性がある。

 
対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
Windows 2000 Windows 2000 SP4+Internet Explorer 5.01 SP4/Internet Explorer 6 SP1
Windows XP Windows XP SP2+Internet Explorer 6/Internet Explorer 7
Windows Server 2003 Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2+Internet Explorer 6、Windows Server 2003 SP1/R2+Internet Explorer 7
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Windows 2000 Professional SP4+IE 5.01 SP4
Windows 2000 Professional SP4+IE 6 SP1
Windows 2000 Server SP4+IE 6 SP1
Windows 2000 Advanced Server SP4+IE 5.01 SP4
Windows XP Professional SP2+IE6
Windows XP Professional SP2+IE 7
Windows Server 2003, Standard Edition SP未適用+IE6
Windows Server 2003, Enterprise Edition SP未適用+IE6
Windows Server 2003, Standard Edition SP1+IE6
Windows Server 2003, Enterprise Edition SP1+IE 7
Windows Server 2003 R2, Standard Edition+IE 7
Windows Server 2003 R2, Enterprise Edition+IE6
○は問題なし、△は一部に問題あり、×は適用による障害あり

■MBSA 2.01の結果
 MS07-004の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.01で確認可能である。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新プログラム」の「結果の詳細情報」に以下のいずれかが表示される。

  • Internet Explorer 5.01 Service Pack 4 用セキュリティ更新プログラム (KB929969)
  • Internet Explorer 6 Service Pack 1 用セキュリティ更新プログラム (KB929969)
  • Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB929969)
  • Windows XP 用 Internet Explorer 7 のセキュリティ更新プログラム (KB929969)
  • Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB929969)
  • Windows Server 2003 用 Internet Explorer 7 のセキュリティ更新プログラム (KB929969)
 
適用時の注意点

■Internet Explorerのバージョンによって適用する修正プログラムが異なる
 MS07-004の修正プログラムは、インストールされているIEのバージョンによって適用するものが異なっている。異なるIE向けの修正プログラムを適用しようとすると、セットアップ・エラーとなるので注意が必要だ。手動で適用する場合は、事前にインストールされているIEのバージョンを確認した上で実行する必要がある。

■脆弱性の回避策をすでに実施している際の注意
 「TechNetセキュリティ情報:MS07-004」で示されている回避策のうち、「VGX.DLLのアクセス制御リスト (ACL) をさらに制限的であるように変更する」を実施した場合、MS07-004の修正プログラムを適用する前にこのACLを戻しておいた方がよい。制限したままだとMS07-004の修正プログラムやInternet Explorer 7などVGX.DLLを含むインストール・パッケージの適用に失敗する可能性がある。

 また「vgx.dllの登録を解除する」を実施した場合は、MS07-004の修正プログラムを適用した後にvgx.dllの再登録を忘れないようにすること。そのままだと、VMLのコンテンツが再生できない。なお、DA Labで試した限りでは、MS07-004の修正プログラムの適用前にvgx.dllの登録が解除されていても、適用そのものに不具合は発生しなかった。

 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター WU/MU/SUS/WSUSの表示
Windows 2000 SP4+IE 5.01 SP4 Internet Explorer 5.01 Service Pack 4 用セキュリティ更新プログラム (KB929969)
Windows 2000 SP4+IE 6 SP1 Internet Explorer 6 Service Pack 1 用セキュリティ更新プログラム (KB929969)
Windows XP SP2+IE 6 Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB929969)
Windows XP SP2+IE 7 Windows XP 用 Internet Explorer 7 のセキュリティ更新プログラム (KB929969)
Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2+IE 6 Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB925486)
Windows Server 2003 SP1/R2+IE 7 Windows Server 2003 用 Internet Explorer 7 のセキュリティ更新プログラム (KB929969)
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥
 以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
 
Windows 2000 SP4+Internet Explorer 5.01 SP4:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
IE5.01sp4-KB929969-Windows2000sp4-x86-JPN.exe 2006/12/21 6.2.29.0
1,284,936
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\VGX\
vgx.dll 2006/12/20 5.0.3848.1800
1,757,256
Microsoft Vector Graphics Rendering(VML)
 
Windows 2000 SP4+Internet Explorer 6 SP1:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
IE6.0sp1-KB929969-Windows2000-x86-JPN.exe 2006/12/21 6.2.29.0
1,494,864
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\VGX\
vgx.dll 2006/12/20 6.0.2800.1588
2,286,080
Microsoft Vector Graphics Rendering(VML)
 
Windows XP SP2+Internet Explorer 6:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsXP-KB929969-x86-JPN.exe 2006/12/20 1.0.0.0
804,664
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(SP2GDR/
SP2QFE )
%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\VGX\
vgx.dll 2006/12/20 6.0.2900.3051
852,480
Microsoft Vector Graphics Rendering(VML)
 
Windows XP SP2+Internet Explorer 7:

ファイル名 日付 バージョン サイズ
IE7-KB929969-WindowsXP-x86-jpn.exe 2006/12/23 6.2.29.0
780,104
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\VGX\
vgx.dll 2006/12/22 7.0.6000.16386
765,952
Microsoft Vector Graphics Rendering(VML)
 
Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2+Internet Explorer 6:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsServer2003-KB929969-x86-JPN.exe 2006/12/20 1.0.0.0
916,280
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(RTMGDR/
RTMQFE )
%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\VGX\
vgx.dll 2006/12/20 6.0.3790.623
813,056
Microsoft Vector Graphics Rendering(VML)
展開フォルダ
(SP1GDR/
SP1QFE)
%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\VGX\
vgx.dll 2006/12/20 6.0.3790.2851
852,992
Microsoft Vector Graphics Rendering(VML)
 
Windows Server 2003 SP1/R2+Internet Explorer 7:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
IE7-KB929969-WindowsServer2003-x86-jpn.exe 2006/12/23 6.2.29.0
780,104
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\VGX\
vgx.dll 2006/11/02 7.0.6000.16386
765,952
Microsoft Vector Graphics Rendering(VML)
 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。

・Windows 2000 SP4+Internet Explorer 5.01 SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Internet Explorer 5.01\SP4\KB929969-IE501SP4-20061220.120000\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows 2000 SP4+Internet Explorer 6 SP1:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Internet Explorer 6\SP1\KB929969-IE6SP1-20061220.120000\Filelist以下のファイル一覧を確認する

Windows XP SP2+Internet Explorer 6:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP3\KB929969\Filelist以下のファイル一覧を確認する

Windows XP SP2+Internet Explorer 7:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP0\KB929969\Filelist以下のファイル一覧を確認する

Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2+Internet Explorer 6:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\SP2\KB929969\Filelist以下のファイル一覧を確認する

Windows Server 2003 SP1/R2+Internet Explorer 7:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\SP0\KB929969\Filelist以下のファイル一覧を確認する

 
‥‥‥ 参考情報 ‥‥‥

 何らかの理由で直ちに修正プログラムを適用できない場合には、以下に示す方法で回避が可能だ。ただしこの回避策は、脆弱性を根本的に解決するものではない。

■vgx.dllの登録を解除する
 脆弱性があるvgx.dllの登録を解除し、vgx.dllが呼び出されないようにすることで攻撃を回避可能だ。vgx.dllは、以下の操作で登録を解除できる

  1. [スタート]−[ファイル名を指定して実行]メニューを選択する。
  2. [ファイル名を指定して実行]ダイアログの「名前」に以下のコマンドを入力して[OK]ボタンをクリックする。

    regsvr32 -u "%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\VGX\vgx.dll"

  3. 登録が解除された旨(DllUnregisterServer in ……)のダイアログが表示されるので、[OK]ボタンをクリックする。

 以上で、Vgx.dllは登録が解除され、利用できなくなる。そのため、VMLを利用したアプリケーションで、描画が行われなくなるので注意が必要だ。再び登録を行うには、以下のコマンドを実行すればよい。

regsvr32 "%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\VGX\vgx.dll"
 
予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
IE5.01sp4-KB929969-Windows2000sp4-x86-JPN.exe
(Windows 2000+IE 5.01 SP4)
13分 21分 47分 1時間29分
IE6.0sp1-KB929969-Windows2000-x86-JPN.exe
(Windows 2000+IE 6 SP1)
13分 21分 47分 1時間29分
WindowsXP-KB929969-x86-JPN.exe
(Windows XP SP2+IE 6)
12分 21分 46分 1時間28分
IE7-KB929969-WindowsXP-x86-jpn.exe
(Windows XP SP2+IE 7)
12分 21分 46分 1時間28分
WindowsServer2003-KB929969-x86-JPN.exe
(Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2+IE 6)
12分 21分 46分 1時間29分
IE7-KB929969-WindowsServer2003-x86-jpn.exe
(Windows Server 2003 SP1/R2+IE 7)
12分 21分 46分 1時間28分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 
UpdateEXPERT上の表示

・Windows 2000 SP4+Internet Explorer 5.01 SP4:
[展開ビュー]−[IE]タブに「名前:IE5.01sp4-KB929969-Windows2000sp4-x86-JPN.exe」で登録

・Windows 2000 SP4+Internet Explorer 6 SP1:
[展開ビュー]−[IE]タブに「名前:IE6.0sp1-KB929969-Windows2000-x86-JPN.exe」で登録

Windows XP SP2+Internet Explorer 6:
[展開ビュー]−[IE]タブに「名前:WindowsXP-KB929969-x86-JPN.exe」で登録

Windows XP SP2+Internet Explorer 7:
[展開ビュー]−[IE]タブに「名前:IE7-KB929969-WindowsXP-x86-jpn.exe」で登録

Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2+Internet Explorer 6:
[展開ビュー]−[IE]タブに「名前:WindowsServer2003-KB929969-x86-JPN.exe」で登録

Windows Server 2003 SP1/R2+Internet Explorer 7:
[展開ビュー]−[IE]タブに「名前:IE7-KB929969-WindowsServer2003-x86-jpn.exe」で登録

 

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