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Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:2007/05/11版
 
【登録日】2007/05/10
【更新日】2007/05/11
HFR BBS会議室
 
深刻度
1(緊急)
  2(重要)
  3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
なし
対策
至急適用
再起動の必要性
不要(必要な場合あり)
アンインストール
可能(Office 2000は不可)
対象環境
サーバ
クライアント
セキュリティ情報
MS07-025(日本)
MS07-025(US)
サポート技術情報
含まれる過去の修正
脆弱性識別番号
MS07-025/934873
Officeにおける描画オブジェクト処理のメモリ破損の脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性
(Microsoft Office の脆弱性により、リモートでコードが実行される)


対応の緊急性:至急適用 [攻撃コード未公開][攻撃事例なし]

危険性
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用
脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。

可能性のある攻撃
攻撃手法
脆弱性の影響
リモート攻撃 ウイルス/ワーム 電子メール添付 Webサイトへの誘導 コードの実行 権限の昇格 情報の漏えい サービス拒否 なりすまし
 
       
 
‥‥‥ 概要 ‥‥‥

 Officeが描画オブジェクトを処理する方法に脆弱性が存在し、細工されたOfficeファイルを開くと、任意のコードが実行される危険性がある。

 攻撃は、細工したOfficeファイルをWebページ上に置くか、電子メールの添付ファイルとして送信し、それをユーザーに開かせるように誘導することで実行されることが想定される。Internet Explorer(IE)+Office 2000の環境では、警告ダイアログなどは表示されずにOfficeファイルがIEのブラウザ・ウィンドウ内で直接表示されるため、細工されたOfficeファイルへのリンクをクリックするだけで、攻撃が実行されてしまう(Office XP/2003/2007では、[ファイルのダウンロード]ダイアログが表示される)。

 この脆弱性は、特定の企業や団体をターゲットにした電子メール添付型ウイルスに悪用される危険性が高い。またWebページによる攻撃では、スパイウェアやトロイの木馬のインストールに悪用される懸念もある。

 マイクロソフトによれば、MS07-025の脆弱性は非公開で報告されたとしており、現時点で実証コードや攻撃例は確認されていないという。ただし脆弱性が公開されたことから、悪用の危険性増大が予想される。至急修正プログラムを適用した方がよい。

 
脆弱性の内容

 Officeが描画オブジェクトを解析する過程に、データ検証が十分に行われないことに起因する脆弱性が存在する。細工された描画オブジェクトを含むOfficeファイルを開くと、メモリ破損が起こり、任意のコードが実行される危険性がある。

 
対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
Office 2000 Office 2000 SP3
Office XP Office XP SP3
Office 2003 Office 2003 SP2
Office 2007 Office 2007
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Windows 2000 Professional SP4+Office 2000 Professional SP3
Windows 2000 Professional SP4+Office XP Personal SP3
Windows 2000 Server SP4+Office Professional 2003 SP2
Windows XP Professional SP2+Office 2000 Personal SP3
Windows XP Professional SP2+Office XP Standard SP3
Windows XP Professional SP2+Office Standard 2003 Enterprise SP2
Windows Server 2003, Standard Edition SP未適用+Office XP Professional with FrontPage SP3
Windows Server 2003, Standard Edition SP1+Office 2000 Premium SP3
Windows Server 2003, Enterprise Edition SP未適用+Office Professional 2003 Enterprise SP2
Windows Server 2003, Enterprise Edition SP1+Office XP Professional Enterprise SP3
Windows Vista Ultimate+Office 2007 Ultimate
Windows 2000 Professional SP4+Office 2000 Professional SP3+Office互換機能パック
Windows XP Professional SP2+Office XP Professional SP3+Office互換機能パック
Windows XP Professional SP2+Office Professional 2003 SP2+Office互換機能パック
○は問題なし、△は一部に問題あり、×は適用による障害あり

■MBSA 2.0.1の結果
 MS07-025のOffice XP/2003/2007向け修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0.1で確認可能だ。未適用の場合は、「Officeのセキュリティの更新プログラム」の「結果の詳細情報」に以下のいずれかが表示される。Office 2000は、MBSA 2.0.1でサポートされておらず、適用状態の確認はできない。

  • Office XP セキュリティ更新プログラム: KB934705
  • Office 2003 セキュリティ更新プログラム: KB934180
  • Office 2007 セキュリティ更新プログラム: KB934062
 
適用時の注意点

■「Officeのオブジェクト・ライブラリにメモリ・アクセス・エラーの脆弱性」は未解消
 Officeには、2006/07/12日付け配信のHotFix Weeklyで報告した「オブジェクト・ライブラリのメモリ・アクセス・エラーの脆弱性」が存在する。この脆弱性も、MS07-025で置き換えられる「MSO9.DLL/MSO.DLL」に起因するものである。

 DA LabでMS07-025の修正プログラムを適用したOffice 2000/XP/2003環境を用意し、この脆弱性を検証するWordファイルを開いたところ、いずれの環境においてもWordが異常終了し、脆弱性が依然として存在することが明らかになった。ただこの脆弱性については、その後の調査により、コードが実行可能な脆弱性でない(サービス拒否の脆弱性にとどまる)ことが明らかになっている。そのため、脆弱性の解消が後回しになっているものと思われる。

・HotFix Weekly 2006/07/12日付け(Officeのオブジェクト・ライブラリにメモリ・アクセス・エラーの脆弱性):
http://www.hotfix.jp/archives/alert/2006/news06-0712.html#02

・脆弱性識別番号(CVE-2006-3493):
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2006-3493

■複数のOfficeのバージョンをインストールしている場合は各Office向け修正プログラムの適用が必要
 脆弱性の対象となっている「MSO9.DLL/MSO.DLL」は、Officeのバージョンごとに提供されており、異なるフォルダにインストールされている。そのため複数のOfficeのバージョンがインストールされている環境では、各Office向けの修正プログラムを個別に適用する必要がある。例えば、Office 2000にExcel Viewer 2003をインストールしているようば場合は、Office 2000向けとOffice 2003向けの修正プログラムを適用しなければ、脆弱性は解消されない。

■Office互換機能パックをインストールしている場合も修正プログラムを適用すべき?
 Office 2000/XP/2003にOffice互換機能パックをインストールしている場合、Microsoft Updateを実行すると各Office向け修正プログラムに加えて、Office 2007向けの修正プログラムもリストアップされる。これは、MS07-025の脆弱性の原因である「MSO.DLL」がOffice互換機能パックにも含まれるためだ。ただしマイクロソフトは、Office互換機能パックがこの脆弱性の影響を受けるかどうか明記していない。

 そのため、Office互換機能パックをインストールしている場合は、Office 2000/XP/2003向け修正プログラムに加えて、Office互換機能パック向け修正プログラムも適用するほうが安全だ。

Office互換機能パックは、Office 2000/XP/2003において、Word/Excel/PowerPoint 2007のファイル形式の文書、ブック、プレゼンテーションを読み込んで、その編集や保存を可能にする機能を提供するもの

■Office 2000向けはOffice Updateで提供
 MS07-025のOffice 2000向けの修正プログラムは、ダウンロード・センターとOffice Updateで提供されている。Microsoft UpdateはOffice 2000に対応していないため、MS07-025のOffice 2000向けの修正プログラムは表示されないので注意が必要だ(自動更新でも適用されない)。ダウンロード・センターで修正プログラムを入手して手動で適用を行うか、Office Updateを実行する必要がある。

 なおOffice XP/2003/2007向けの修正プログラムは、Microsoft Updateで提供されるため、ほかのセキュリティ修正プログラムとともに選択・適用が可能だ。

■修正プログラムのアンインストールに必要な条件
 Office XP/2003/2007向けの修正プログラムは、以下の条件を満たせばアンインストール可能である。Office 2000向けの修正プログラムはアンインストールできないので適用前に十分な検証を行った方がよい。

  • OSがWindows XP SP2またはWindows Server 2003 SP1/R2/SP2
  • Windows Installer 3.0以降をインストールした後で修正プログラムを適用
  • OfficeのインストールCDにアクセス可能
 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター Office Update/MU/WSUSの表示
Office 2000 SP3 Office 2000 セキュリティ更新プログラム: KB929062
Office XP SP3
Office XP セキュリティ更新プログラム: KB934705
Office 2003 SP2 Office 2003 セキュリティ更新プログラム: KB934180
Office 2007 Office 2007 セキュリティ更新プログラム: KB934062
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥
 以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
 
Office 2000 SP3:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
office2000-kb934526-fullfile-jpn.exe 2007/04/05 5.0.2919.6307
2,966,256
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %ProgramFiles%\Microsoft Office\Office\(デフォルトの設定)
MSO9.DLL 2007/03/21 9.0.0.8961
5,595,185
Microsoft Office 2000 component
 
Office XP SP3:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
officexp-KB934705-FullFile-JPN.exe 2007/04/20 10.0.8374.0
4,830,624
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\Smart Tag\
IETAG.DLL 2004/09/10 10.0.6731.0
105,152
Microsoft Office XP component
  %ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\Office10\
MSO.DLL 2007/04/19 10.0.6830.0
9,819,480
Microsoft Office XP component
 
Office 2003 SP2:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
office2003-KB934180-FullFile-JPN.exe 2007/05/02 11.0.8132.0
5,726,112
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\Office11\
MSO.DLL 2007/03/17 11.0.8132.0
12,262,232
Microsoft Office 2003 component
 
Office 2007:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
office2007-kb934062-fullfile-x86-glb.exe
2007/04/22 12.0.6018.5000
11,158,400
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\Office12\
MSO.DLL 2007/04/12 12.0.6017.5000
16,877,960
2007 Microsoft Office component
 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、MSO9.DLL/MSO.DLLのファイルのバージョンをプロパティで調べることで確認できる。

 
予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
office2000-kb934526-fullfile-jpn.exe
(Office 2000 SP3)
13分 21分 48分 1時間31分
officexp-KB934705-FullFile-JPN.exe
(Office XP SP3)
13分 23分 49分 1時間34分
office2003-KB934180-FullFile-JPN.exe
(Office 2003 SP2)
13分 22分 49分 1時間35分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 
UpdateEXPERT上の表示

・Office 2000 SP3
[展開ビュー]−[Office]タブに「名前:office2000-kb934526-fullfile-jpn.exe」で登録

・Office XP SP3
[展開ビュー]−[Office]タブに「名前:officexp-KB934705-FullFile-JPN.exe」で登録

・Office 2003 SP2
[展開ビュー]−[Office]タブに「名前:office2003-KB934180-FullFile-JPN.exe」で登録

Office 2007:
UpdateEXPERTのサポート対象外

 

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