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HotFix Report
/セキュリティTIPS/

■SQL Slammerに対して脆弱なコンピュータを見つける方法
 新種のコンピュータ・ワーム「SQL Slammer(SQLスラマー)」によって、韓国でインターネットが利用不能になるなど、甚大な被害を発生したのは2003年1月25日のことです。その後、多くのユーザーが修正プログラムを適用したことなどにより、現在は沈静化しています。しかし、SQL Slammerがインターネット上から絶滅したわけではありません。未だにインターネット上にはSQL Slammerの感染パケットが流れています。対策を施していないSQL Server 2000があれば、感染してしまう可能性があります。ちなみに、SQL Serverをインストールする際は、ネットワークから物理的に切り離し、別途用意した修正プログラムを適用するとよいでしょう。

 SQL Slammerは知名度が高いワームとなったことから、ほとんどの管理者がSQL Serverに対して修正プログラムの適用を行っているようです。ところが、SQL Slammerは、SQL Server 2000のデータベース・エンジン「Microsoft Desktop Engine 2000(MSDE 2000)」も攻撃の対象としています。このMSDE 2000は、マイクロソフトが無償配布しているほか、ソフトウェア・ベンダにも提供しており、多くの業務アプリケーション(バックアップ・ソフトウェアや会計ソフトウェアなど)がシステムの一部として採用しています。つまり、ユーザーが意識しないところでMSDE 2000がインストールされている可能性があるわけです。もちろん、MSDE 2000に対しても修正プログラムの適用が必要になりますが、MSDE 2000がインストールされているかどうかを調べるのは容易ではありません。

 そこで、マイクロソフトはSQL Slammerに対して脆弱なコンピュータを検出するツール「SQL Scan」を提供しています。このツールを使うことで簡単にSQL ServerならびにMSDEがインストールされているコンピュータを探し、対策済みかどうかを検出してくれます。SQL Scanは、「SQL Server 2000 セキュリティ ツール」の一部として提供されていますので、まずSQL Server 2000 セキュリティ ツールをダウンロードし、インストールしてくだい。

・SQL Server 2000 セキュリティ ツールのダウンロード・ページ:
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?displaylang=ja&FamilyID=9552D43B-04EB-4AF9-9E24-6CDE4D933600

 インストールしたフォルダの下にSQLScanというサブフォルダが作られているはずです。このフォルダにある「Sqlscan.exe」をコマンド・プロンプト上で実行します。-dオプションを使いドメイン名を指定することで、ドメイン内のすべてのコンピュータをチェックします。

C:\SQLCritUpdPkg\SQLScan>sqlscan -d <ドメイン名>

Scanning: SERVER01 (platform = NT, version = 5.0)

Scanning: SERVER02 (platform = NT, version = 5.0) FOUND: sqlservr.exe @productversion=8.00.731 @fileversion=2000.080.0731.00 found : ssnetlib.dll @productversion=8.00.731 @fileversion=2000.080.0731.00 Action Recommended for this instance. Run the SQL Critical Update Utility. See readme for details.
     server=SERVER02 instance=MSSQL$UDDI version=pre-SP3 language=1041 MSDEProductCode={C5B59406-E985-4187-84E8-68E2D9F89A47} MSDEPackageName=SqlRun08.msi platform=NT os=5.0

Scanning: SERVER03 (platform = NT, version = 5.1) FOUND: sqlservr.exe @productversion=8.00.760 @fileversion=2000.080.0760.00 found : ssnetlib.dll @productversion=8.00.766 @fileversion=2000.080.0766.00 No need to run the SQL Critical Update utility for this instance at this time.
     
server=SERVER03 instance=MSSQL$NETSDK version=SP3 language=1041 MSDEProductCode={E09B48B5-E141-427A-AB0C-D3605127224A} MSDEPackageName=SqlRun01.msi platform=NT os=5.1

 このような出力を得ることができます(コンピュータの台数が多い場合は、数分かかります)。この場合、SERVER01にはSQL ServerならびにMSDEがインストールされておらず、SERVER02がSQL Slammerに対して脆弱である可能性を示しています。SERVER03は、SQL ServerならびにMSDEを検出したものの、対策済みであることが分かります。

 -cオプションを付けることで、CSV出力とし、ファイルにリダイレクトすることで、Microsoft Excelなどで管理することも可能です。また、-bオプションで開始IPアドレス、-eオプションで終了IPアドレスを指定することで、指定範囲内のIPアドレスに含まれるコンピュータをチェックすることもできます。

 1カ月に1度程度、このツールを使ってドメイン内のコンピュータをチェックするとよいでしょう。なお、さらに詳しい使い方については、ツールに付属する「readme_SQLScan.txt」を参照してください。

 
 
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