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HotFix Report
/セキュリティ用語/

■ISMS(Information Security Management System:情報セキュリティマネジメントシステム)
 情報に関するセキュリティを評価・管理する仕組、またはその仕組みが国際標準規格(ISO/IEC 17799)を満たしていることを認証する制度。

 ISMSは、情報セキュリティ管理実施基準として「JIS X 5080」によって標準化されている。JIS X 5080は、イギリス規格協会(BSI)が策定した「BS7799」を元に、国際標準機構(ISO)が国際標準化した「ISO/IEC 17799」を基準として、日本国内向けとして2002年に標準化したものである。

 ISMSは、コンピュータ・システムのセキュリティ対策に限らず、組織が情報を扱う際のルール(セキュリティ・ポリシー)と、それに基づく対策の導入・運用、対策結果の監視・見直し、経営陣による改善・処置といった、トータルなリスク・マネージメントを指す。ISMSでは、セキュリティに対するリスクをゼロにすることは要求していない。組織として許容できる範囲のリスクをあらかじめ判断し、そこまでリスクを軽減できる対策を導入・運用することが求められている。

 そのためにISMSでは、以下のPDCAサイクルを継続的に繰り返し、セキュリティ・レベルの向上を図ることが求められている。

  • 情報セキュリティ対策の具体的計画・目標を策定(Plan)
  • 計画に基づく対策の導入・運用(Do)
  • 実施した結果の監視・見直し(Check)
  • 経営陣による改善・処置(Act)

 またISMSは、「組織が保護すべき情報資産について、機密性、完全性、可用性をバランスよく維持し、改善すること」をコンセプトとしている。ここでの機密性、完全性、可用性は、以下のような意味である。

  • 機密性:認可されていない個人や団体、プロセスに対して情報を使用不可/非公開にする特性(アクセス権を持つものだけが、情報にアクセスできるようにする)
  • 完全性:資産の正確さ、および完全さを保護する特性(情報の処理方法が正確かつ完全であり、それが保護された状態にある)
  • 可用性:認可された団体などが要求したときに、アクセスおよび使用が可能である特性(認可されたものが、情報や関連資産にアクセスし、使用できる)

 企業のISMSが、ISO/IEC 17799に適合していることを認証する制度として、「ISMS適合性評価制度」が、財団法人日本情報処理開発協会(JIPDEC)によって運用されている。ISMSの認証を受けるには、JIPDECの指定審査登録機関に申請し、ISMSに基づく審査(現地審査あり)と監査を受ける必要がある。なおISMS適合性評価制度では、認証登録後、通常1年ごとに維持審査(サーベイランス)が実施され、3年ごとに審査更新が行われる。

 情報漏えいに関する事件・事故の発生、内部統制への対応などから、企業の情報管理に対する関心が高まっており、ISMSの認証を受ける企業が増加傾向にある。

 
 
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