■電子透かし(digital watermarking)
画像や動画、音楽、音声などのデータに対し、画質や音質にほとんど影響を与えないようにして、目や耳では識別できないように特定の情報を埋め込む技術。
何も描かれていないように見える部分を透かすことで像が浮き上がる、紙幣に施された「透かし」のように、画像や音楽などのデジタル・データに一見しただけでは識別できない情報を埋め込むことを電子透かしと呼ぶ。電子透かしは、多くの場合、著作権情報を埋め込むために利用されている。
コンピュータで扱う画像や動画、音楽、音声などのデジタル・データは、コピーに際して劣化しない、容易に加工や改ざんが可能といった特徴を持つ。そのため、画像データが無断転用されたり、複製して販売したりすることがある。このような不正利用に際して、電子透かしで著作権情報を埋め込むことにより、オリジナルの著作者を明らかにし、無断転用や不正な複製を発見することが可能になる。なお電子透かしは、不正コピーなどを防止する抑止効果はあるものの、コピー自体を防ぐ機能ではないことに注意したい。
電子透かしに埋め込まれた情報は、専用の検出ソフトウェアによって取り出すことが可能だ。これにより、不正に利用されていることなどを証明することが可能になる。また電子透かし技術によっては、データの改ざんの有無や改ざんされた個所も特定できるものもある。 |