マイクロソフトは、10月16日にリリースした修正プログラムのうち、以下のもののインストーラに不具合が見つかったため、修正プログラムを再リリースしました。
対象OS |
TechNetセキュリティ番号 |
インストーラ以外の変更点 |
Windows 2000 |
MS03-042 |
SP2用とSP3/SP4用の2種類を統合 |
MS03-043 |
SP2用とSP3/SP4用の2種類を統合 |
Windows XP |
MS03-043 |
不具合の修正とバージョン番号の変更 |
MS03-045 |
− |
Windows Server 2003 |
MS03-043 |
− |
マイクロソフトによると、不具合が見つかったのは、10月16日にリリースされた修正プログラムの一部に採用された新しいタイプのインストーラ(Update.exe)です。再リリースされた修正プログラムでは、Windows
XP用のMS03-043を除き、Update.exeやspcustom.dll、spmsg.dllなど修正プログラムのインストーラ用のファイルのみが変更されており、置換されるファイルのバージョンは同じものです。すでに、これらの修正プログラムを適用済みの場合は、新しい修正プログラムの再適用は必要ありません。ただし、Windows
XP用のMS03-043については、後述のように一部不具合が修正されているため、再インストールをおすすめします。
なお、不具合が見つかったUpdate.exeのバージョンは、「5.3.23.4」です。再リリースにより、「5.4.1.0」にバージョン・アップしています。
■不具合の内容
[プログラムのデバッグ]のユーザー権の設定によって、修正プログラムの適用後、再起動が正しく行われない場合があります。具体的には、何らかの理由により[管理ツール]−[ローカル
セキュリティ ポリシー]−[ローカル ポリシー]−[ユーザーの権利の割り当て]の[プログラムのデバッグ]に設定されている権限が無効になっている場合にのみ不具合が発生します。通常、[プログラムのデバッグ]は、AdministratorsとLocal
Systemにその権限が割り当てられています。そのためローカル・ポリシーやグループ・ポリシーで、[プログラムのデバッグ]の権限を変更していなければ、この不具合は発生しません。
不具合は、修正プログラムを適用し、再起動を促すダイアログ・ボックスが表示された後に発生します。[プログラムのデバッグ]の権限が無効になっている場合、インストール・プログラムが応答を停止することがあります。DA
LabのWindows 2000 SP4で試したところ、再起動が正しく行われず、インストール・プログラムも終了しない(ハングアップしている)ことが分かりました。ただし、強制的に再起動を行うことで、修正プログラムは適用できました。
・サポート技術情報 830846(Windows Update のインストール中、応答が停止するか、大部分またはすべての CPU リソースが消費される):
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;830846
■Windows XP用ロールアップ修正プログラム 1も不具合の対象?
今回不具合が見つかったバージョン5.3.23.4のUpdate.exeは、Windows XP向け累積型修正プログラム「Windows XP用ロールアップ修正プログラム
1(以下、UR1)」でも採用されています。11月4日現在、マイクロソフトはUR1について、この不具合の対象になるのかどうかを明らかにしていません。DA Labの環境で試したところ、UR1においても上記の不具合を確認しました。そのためUR1についても、近いうちに再リリースされる可能性があります。
・サポート技術情報 826939(Windows XP 用ロールアップ修正プログラム1について):
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;826939
■修正プログラムの入手先
再リリースに伴い、修正プログラムのダウンロード先も変更になっています。また、Windows 2000用は、最初のリリースではSP2とSP3/SP4用の2種類が提供されていましたが、再リリースにおいて1つにまとめられています。修正プログラムは、以下のダウンロード先で「日本語」を選択してダウンロードしてください。
MS03-042
・Windows 2000 SP2/SP3/SP4:
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyId=FC1FD84B-B3A4-43F5-804B-A2608EC56163&displaylang=ja
MS03-043
・Windows 2000 SP2/SP3/SP4:
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyId=99F1B40D-906A-4945-A021-4B494CCCBDE0&displaylang=ja
・Windows XP SP未適用/SP1/SP1a:
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyId=F02DA309-4B0A-4438-A0B9-5B67414C3833&displaylang=ja
・Windows Server 2003:
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyId=1DF106F3-7EC4-4EB0-9143-C1E3C9E2F5F8&displaylang=ja
MS03-045
・Windows XP SP未適用/SP1/SP1a:
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyId=ABC764AC-5B7B-4B99-BF3E-F57352E4C507&displaylang=ja
【参考情報】修正プログラムの新しいインストーラについて
MS03-039のWindows XP用修正プログラムから、新しいタイプのインストーラが使われるようになりました(ただし、現時点ですべての修正プログラムが新タイプのインストーラを採用しているわけではありません)。これまでの修正プログラムは、置換されるファイルを単純にまとめた自己展開型アーカイブ
ファイルでしたが、新タイプでは_sfx_0000._p、_sfx_0001._pといったようにアーカイブしたものを分割した形式に変更されました。そのため、インストールせずにファイルを取り出す場合、以前の修正プログラムのようにWinZipなどのアーカイバで解凍しても、置き換えられる.dllファイルなど有意なファイルが展開されません。新タイプの修正プログラムで、ファイルを展開する場合、/xオプションを付けて修正プログラムを実行する必要があります。
この変更と前後して、修正プログラムのセットアップ・スイッチ(オプション・スイッチ)も変更されました(以前のオプション・スイッチも利用可能ですが、廃止される可能性もあるとのことです)。今後リリースされる修正プログラムは、順次、この新しいタイプのインストーラに変更されるものと予想されます。
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