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Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:2004/03/11日版

   
【登録日】2004/03/10
【更新日】2004/03/11
深刻度
1(緊急)
  2(重要)
  3(警告)
  4(注意)
対策
至急適用
再起動の必要性
なし
アンインストール
不可
対象環境
サーバ
クライアント
セキュリティ情報
MS04-009(日本)
MS04-009(US)
サポート技術情報
よく寄せられる質問
セキュリティ情報
fq04-009
含まれる過去の修正
なし
脆弱性識別番号
更新履歴
2004/03/10 セキュリティ情報ページを公開
2004/03/11 最大深刻度を「重要」から「緊急」に変更
MS04-009/828040
Outlook 2002のmailto URLの解析処理に脆弱性があり、任意のコードが実行される危険性
(Outlook の脆弱性により、コードが実行される)
 

対応策: 修正プログラムの適用作業を至急開始してください。
 
概要

 Outlook 2002のmailto URLの解析処理に脆弱性があり、特別に細工されたmailto URLをクリックすることで、コンピュータのローカル・コンピュータ・ゾーンで任意のコードが実行される危険性があります。

 mailto URLは、Webページやメール上でメールの送信先などを指定するために利用される記述フォーマットです。mailto URLでは、送信先のほか、サブジェクトなどをURL形式で埋め込むことが可能です。例えば、HotFix Reportへの問い合わせ先をWebページ上で記述する場合、「問い合わせ」などに以下のようなリンクを設定します。

mailto:info@hotfix.jp?subject=HotFix Reportに関する問い合わせ

 このリンクをクリックすると、サブジェクトに「HotFix Reportに関する問い合わせ」が挿入された状態で電子メール・クライアントが起動します。このmailto URLを解析する処理に脆弱性があるため、ここにスクリプトなどを埋め込むことでOutlook 2002に任意のコードの実行を許してしまう危険性があります。

 なお自動的に起動する電子メール・クライアントは、Internet Explorerの[ツール]−[インターネット オプション]メニュー−[インターネット オプション]ダイアログ−[プログラム]タブの「電子メール」に設定しているものです。Outlook Expressなどを利用していても、Outlookをインストールすると、電子メール・クライアントはOutlookに設定されている可能性があります。そのためOutlook 2002をインストールしている場合、この脆弱性によりシステムが危険な状態となります。

 Outlook 2002 SP3(Outlook 2002にOffice XP SP3を適用した状態)では、すでにこの脆弱性が解消されています。Outlook 2002を利用している場合は、なるべくSP3を適用してください。また何らかの理由により、SP3の適用が行えない場合は、今回提供された修正プログラムの適用作業を至急開始してください。

 
対象プラットフォーム
 修正プログラムを適用するには、以下の対象プラットフォームに示されているサービスパックの適用が必要になります。
 
影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
Office XP Office XP SP2
Outlook 2002 Outlook 2002 SP2
 
詳細情報

 Outlook 2002がデフォルトの電子メール・クライアントの場合、この脆弱性により、任意のコードが実行される危険性があります。当初、Outlook 2002の起動時に表示されるフォルダが「Outlook Today」の場合に、脆弱性の危険性がある、とされていましたが、その後すべての場合で任意のコードが実行される危険性があることが分かりました。Outlook 2002がデフォルトの電子メール・クライアントに設定されているかどうかは、Internet Explorerの[インターネット オプション]ダイアログ−[プログラム]タブの「電子メール」を見ることで確認可能です。通常、Outlook 2002をインストールすると、Outlook 2002がデフォルトの電子メール・クライアントとして設定されます。

 mailto URLは、Webページやメールの返信先や問い合わせ先へのリンクとして設定されており、自動的にサブジェクトなどを挿入した状態で電子メール・クライアントを起動させることが可能です。Outlook 2002には、このmailto URLを解析する処理に脆弱性があり、特別に細工されたmailto URLをクリックすると、そこに記述されているスクリプトが実行されます。場合によってはユーザーのコンピュータで任意のコードが実行される危険性があります。

 
DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント

 修正プログラムは、UpdateEXPERTが管理対象とするすべての適用対象プラットフォームにおいて適用テストを通過しました。

■MS02-067とMS03-003の修正は含まれる?
 「TechNetセキュリティ情報:MS04-009」によれば、MS04-009の修正プログラムには過去の修正は含まれてないとされています。しかし、DA Labで調べたところ、MS02-067(電子メール ヘッダー処理の問題により、Outlook 2002 が異常終了する)とMS03-003(Outlook 2002 が Version 1 の Exchange Server Security 証明書を処理する方法に存在する問題により、情報が漏えいする)が含まれていることが分かりました。MS04-009を適用済みのOutlook 2002 SP2に対して、MS02-067とMS03-003の修正プログラムの適用を試みると、「このアップデートは適用されているか、すでに適用されているアップデートに含まれます。」というダイアログ・ボックスが表示され、適用が行えません。 MS02-067とMS03-003の修正プログラムを適用していない場合でも、MS04-009のみを適用してください。

[2004/03/17 追記] 「サポート技術情報:828040(Outlook 2002セキュリティ アップデート)」によれば、MS02-067の修正が含まれているほか、これまでの不具合についても解消している、とされています。ただしMS03-003の修正プログラムが含まれているかどうかについては触れられていません。

・TechNetセキュリティ情報 MS02-067(電子メール ヘッダー処理の問題により、Outlook 2002 が異常終了する):
http://www.microsoft.com/japan/technet/security/bulletin/ms02-067.asp

・TechNetセキュリティ情報 MS03-003(Outlook 2002 が Version 1 の Exchange Server Security 証明書を処理する方法に存在する問題により、情報が漏えいする):
http://www.microsoft.com/japan/technet/security/bulletin/ms03-003.asp

■管理者向け/クライアント向けセットアップの違い
 マイクロソフトが提供してきたほとんどOffice 2000/XP/2003向けの修正プログラムは、管理者セットアップ向け(すべてのファイルが含まれるもの)とクライアント向け(差分ファイルのみ)の2種類があります。前者は「フルファイル・アップデート」とも呼ばれ、通常は管理者用インストール・ポイント(Officeのセットアップを実行するための共有フォルダ)を更新するのに利用しますが、クライアントに直接適用することも可能です。一方、後者はバイナリ・アップデートとも呼ばれ、クライアントを更新する場合のみに利用します。管理者セットアップ向け修正プログラムは、ファイル容量が大きくなるものの、OfficeのインストールCDの確認作業が(ほとんどの場合)不要になるというメリットがあります。逆にクライアント向け修正プログラムは、適用時にインストールCDが必要ですがファイル容量は小さくなっています。

 MS04-009でも、管理者セットアップ向けとクライアント向けの両方が提供されています。手動で修正プログラムをクライアントに適用する場合は、システム構成などに応じてどちらかの修正プログラムを選びます。例えば、異なるバージョンのOfficeが多数混在している環境では、OfficeのインストールCDを必要としない管理者セットアップ向け修正プログラムの方が便利でしょう。それぞれの利点/欠点については、以下のOffice XPリソースキットのページを参照してください。

・クライアント コンピュータへのフルファイル アップデートの適用:
http://www.microsoft.com/japan/office/ork/journ/fullfile.asp

 ただし、管理者セットアップ向け修正プログラムでは、ダウンロード・センターからダウンロードしたファイル(officexp-kb828040-fullfile-jpn.exe)を実行しても、ファイルが展開されるだけです。展開されたファイル(OUTLOOKff.msp)を実行しないと、修正プログラムの適用が完了しませんのでご注意ください。

 UpdateEXPERTでは、従来どおりクライアント向け修正プログラムを適用します。

■管理者セットアップ向け修正プログラムとインストールCDの必要性
 MS04-009の管理者セットアップ向け修正プログラム「officexp-kb828040-fullfile-jpn.exe」を手動で適用してみたところ、確かにインストールCDは要求されませんでした。しかし、システム環境によっては管理者セットアップ向け修正プログラムでもインストールCDが要求される場合があるようです。詳細は以下のマイクロソフトの「サポート技術情報:836046(インストール CD なしで Office XP をアップデートする方法)」などを参照してください。

・サポート技術情報 836046(インストール CD なしで Office XP をアップデートする方法):
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;836046

・サポート技術情報 836043(同じバージョンを複数インストールしているとアップデート時にCD-ROMが必要となる):
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;836043

■管理者セットアップ向け修正プログラムをインストールするには
 管理者セットアップ向け修正プログラムでは、ダウンロード・センターからダウンロードしたファイル(officexp-kb828040-fullfile-jpn.exe)を実行しても、.MSPファイルが展開されるだけです。展開されたファイル(OUTLOOKff.msp)を実行しないと、修正プログラムの適用が完了しませんのでご注意ください。実行するには、展開された.MSPファイルをダブルクリックするだけです。

■修正プログラムの適用にはWindows Installer 2.0やOffice XP SP1/SP2のインストールが必要
 MS04-009の修正プログラムを適用するには、事前にWindows Installer 2.0をインストールしてください(Windows 2000 SP3/SP4とWindows XPにはWindows Installer 2.0が同梱されています)。また、クライアント向け修正プログラムについては、Office XP SP2を事前に適用しておく必要があります。管理者セットアップ向け修正プログラムについては、Office XP SP1またはSP2を事前に適用しておく必要があります。

・Windows 95/98/98 SE/Me用Windows Installer 2.0:
http://office.microsoft.com/home/office.aspx?assetid=FX01041741&displaylang=JA

・Windows NT 4.0/2000用Windows Installer 2.0:
http://office.microsoft.com/home/office.aspx?assetid=FX01041742&displaylang=JA

 
適用されるファイル情報
 以下のファイルにパッチが適用されます。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取ってください。
 
・Office XP SP2/Outlook 2002 SP2(クライアント向け):
ファイル名 日付 バージョン サイズ
officexp-kb828040-client-jpn.exe 2003/09/19 5.0.2919.6307
1,309,592
展開ファイル(インストール・ファイル)
OUTLOOKop.msp 2003/09/12
3,398,164
 
・Office XP SP2/Outlook 2002 SP2(管理者セットアップ向け):
ファイル名 日付 バージョン サイズ
officexp-kb828040-fullfile-jpn.exe 2003/09/19 5.0.2919.6307
3,909,528
展開ファイル(インストール・ファイル)
OUTLOOKff.msp 2003/09/12
7,227,116
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %ProgramFiles%\Microsoft Office\Office10\
DLGSETP.DLL 2003/08/28 10.0.5626.0
80,440
Delegate Access Extension
ENVELOPE.DLL 2002/12/19 10.0.4817.0
109,128
Microsoft Outlook Envelope Control
EXCHCSP.DLL 2003/05/30 10.0.5328.0
253,952
Microsoft Exchange Cryptgraphic Service Provider V1.0
EXSEC32.DLL 2003/01/09 10.0.4907.0
346,696
digsig32
IMPMAIL.DLL 2002/08/08 10.0.4406.0
137,800
Outlook Mail Importer
OUTLCM.DLL 2003/06/30 10.0.5424.0
543,288
Outlook Configuration and Protocol Manager
OUTLCTL.DLL 2003/03/14 10.0.5112.0
100,936
Outlook Controls
OUTLLIB.DLL 2003/09/11 10.0.5709.0
6,322,744
Outlook Core
OUTLMIME.DLL 2002/10/11 10.0.4608.0
92,744
Microsoft Outlook MAPI/MIME Converter
OUTLOOK.EXE 2003/09/11 10.0.5709.0
47,672
Microsoft Outlook
OUTLPH.DLL 2003/09/04 10.0.5703.0
121,400
Outlook POP, FAX and MAPI Protocol Handlers
RECALL.DLL 2002/11/25 10.0.4721.0
47,688
Outlook Message Recall
展開フォルダは、インストール状況により異なる場合があります。
 
確認方法

 以下の方法でOutlook 2002のファイル・バージョンを確認します。

  1. %ProgramFiles%\Microsoft Office\Office\OUTLOOK.EXEを右クリックし、[プロパティ]メニューを選択します。
  2. [プロパティ]ダイアログの[バージョン情報]タブをクリックします。
  3. 「ファイル バージョン:」が「10.0.5709.0」以上であることを確認します。
 
修正プログラム

 手動で修正プログラムをインストールする場合は、以下のURLでダウロードを実行してください。

・Office XP SP2/Outlook 2002 SP2(クライアント向け):
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyID=52f1a951-24db-44a5-9475-ea5d302bca6a&DisplayLang=ja

・Office XP SP2/Outlook 2002 SP2(管理者セットアップ向け):
http://download.microsoft.com/download/0/8/3/083a24d8-3de1-4547-b342-727d81f01992/officexp-kb828040-fullfile-jpn.exe

 また、Office UpdateからMS04-009の修正プログラムを適用することもできます。

 
UpdateEXPERTによる予想適用時間
修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
officexp-kb828040-client-jpn.exe 13分 21分 47分 1時間29分
この表は、1コンソールのUpdateEXPERTで、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したものです。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なります。あくまでも目安としてご利用ください。
 
UpdateEXPERT上の表示

 [展開ビュー]−[Outlook]タブに「名前:officexp-kb828040-client-jpn.exe」で登録予定

 

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