マイクロソフトは、現在開発中のWindows XP向けService PackであるWindows XP SP2の出荷直前版(RC=Release
Candidate)の第2版であるRC2を公開した。RC2は、すでに一部の開発者や企業などにはテスト用として配布されていたが、今回、Webサイトで広くWindowsネットワーク管理者などに向けて提供された。RC2の名前のとおり、あくまでも管理者が事前に展開準備などを行うために提供されるもので、一般エンド・ユーザー向けのものではない。
Windows XP SP2では、Windowsファイアウォール機能が標準で有効化されるなど、セキュリティ機能が大幅に強化、拡張される。これらの機能拡張により、安全性が向上する一方、従来のアプリケーション利用に悪影響を及ぼすことが懸念されている。
実際にDA Lab.で調べたところ、Windows XP SP2 RC2にはInternet Explorer(6.0 SP2?)やOutlook
Express(6.0 SP2?)、MDAC(2.8 SP1?)、DirectX(9.0c?)、Windows Installer(3.0)、MSXML 3.0
SP5など、アプリケーション向けサービスを提供する各コンポーネントの新バージョンが含まれていた。従ってWindows XP SP2をインストールすると、これらのコンポーネントの挙動も変わり、互換性問題を引き起こす可能性もある。
マイクロソフトによれば、「RC2は、顧客によるRC1の検証結果としえ寄せられたさまざまなフィードバックを反映している」としていることから、RC1と比べても一部の設定などが変更されている可能性がある。RC1でテストを実施済みであっても、今回のRC2や、最終的な出荷版(RTM:Release
To Market版)で挙動が変わる可能性もあるので注意が必要だ。
なお、Windows XP SP2の正式名称は、「Microsoft Windows XP Service Pack 2 セキュリティ強化機能搭載」となると発表された。マイクロソフトは、ここ数年来、Service
Packでは新機能追加は行わないと宣言していたが、今回のWindows XP SP2では、適用によって複数のセキュリティ機能がWindows XPに追加される。半面、こうした機能強化が前述したような互換性問題につながる危険もあるわけだ。今回のWindows
XP SP2で「新機能追加」を正式名称として公表する背景には、こうした方針転換をより明確にする目的があるものと思われる。
・HotFix Weekly(Windows XP SP2の機能評価版の提供開始):
http://www.hotfix.jp/archives/alert/2004/news04-0407.html
・マイクロソフト("Windows XP SP2 セキュリティ強化機能搭載" プレビュー プログラム):
http://www.microsoft.com/japan/technet/prodtechnol/
winxppro/sp2preview.mspx
・マイクロソフト("Windows XP SP2 セキュリティ強化機能搭載" プレビュー プログラム ネットワーク インストール用モジュールのダウンロード):
http://www.microsoft.com/japan/technet/prodtechnol/
winxppro/maintain/sp2predl.mspx
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