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Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:
2005/02/15日版
 
【登録日】2005/02/14
【更新日】2005/02/15
詳細
HFR BBS会議室
 
深刻度
  1(緊急)
2(重要)
3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
なし
対策
早期適用
再起動の必要性
不要(サービスが停止できなかった場合は必要)
アンインストール
不可
対象環境
サーバ
クライアント
セキュリティ情報
MS05-006(日本)
MS05-006(US)
サポート技術情報
含まれる過去の修正
なし
脆弱性識別番号
MS05-006/887981
SharePoint Servicesのクロスサイト・スクリプティングの脆弱性により、なりすましが行われる危険性
(Windows SharePoint Services および SharePoint Team Services の脆弱性により、クロスサイト スクリプティングおよびなりすましの攻撃が行われる)

緊急対応度:適用作業の早期開始

危険性 脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用

 Windows SharePoint ServicesとSharePoint Team Servicesが、HTMLリダイレクト・クエリに送る入力を十分に検証しないという脆弱性がある。その結果、クロスサイト・スクリプティング(→ キーワード)やWebページのなりすましによって、ユーザーが悪意のあるスクリプトを実行するように仕向けたり、情報が漏えいしたりする危険性がある。

 マイクロソフトによれば、MS05-006の脆弱性は非公開で報告されたとしており、実証コードや攻撃例は確認されていないという。ただし脆弱性情報の告知によって、実証コードの公開や、実際の攻撃が実施される可能性は高まった。自身のシステムに対する影響の有無を早期に判断し、適切な対応をとる必要がある。


■クロスサイト・スクリプティング(cross-site scripting)

 Webサーバ上で動作しているアプリケーションに関するセキュリティ・ホールの1つ。「XSS」と呼ばれることもある。
 ユーザーの入力などに応じて動的に生成されるWebページにおいて、受け付けた入力データを正しく処理しないことにより、特殊なスクリプト・コードが入力されて、本来は許可されていないような操作が可能になる場合がある。このようなセキュリティ・ホールを指して「クロスサイト・スクリプティングの脆弱性」などと呼ぶ。

・セキュリティ用語:クロスサイト・スクリプティング(cross-site scripting)
http://www.hotfix.jp/archives/word/2003/word03-04.html
 
 

概要

 クロスサイト・スクリプティングの脆弱性に対する攻撃は、HTML形式の電子メールに含まれる細工したクエリを、ユーザーがクリックするように誘導することで実行される。この結果、攻撃用スクリプトがユーザーのセキュリティ・コンテクストで実行され、Windows SharePoint Services/SharePoint Team Servicesサーバ上でユーザーしかアクセスできないファイルへのアクセスが可能になる。また、なりすましの脆弱性が攻撃されると、Webブラウザのキャッシュや中間プロキシ・サーバのキャッシュが改ざんされ、本来とは異なる「なりすまし」コンテンツがユーザーに提供される可能性がある。

 なおSharePoint Team Servicesは、以下のOfficeアプリケーションで提供されている情報共有を行うための機能である。SharePoint Team ServicesをWebサイトにインストールすることで、メンバーによる情報共有(アドレス帳や予定表、掲示板など)を可能にする。

  • FrontPage 2002
  • Office XP Professional with FrontPage
  • Office XP Developer

 またWindows SharePoint Servicesは、Windows Server 2003向けの無償アドオンで、Officeなどを利用した情報共有を可能にする機能を提供するものだ。なおマイクロソフトは、Windows SharePoint Servicesをベースとして、複数のエンタープライズ向け機能を追加したEIP(Enterprise Informational Portal)構築用の有償パッケージとしてSharePoint PortalServerを販売しているが、こちらは今回の脆弱性の影響は受けないと説明している。

 

対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
SharePoint Team Services Office XP SP2 for Office Web Components/Office XP SP3 for SharePoint Team Services
Windows SharePoint Services Windows SharePoint Services SP1
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Office XP SP3 for SharePoint Team Services
Windows Server 2003, Standard Edition+Windows SharePoint Services SP1
Windows Server 2003, Enterprise Edition+Windows SharePoint Services SP1

■SharePoint Team Services向けの適用にはOffice XP SP3の適用が必要
 MS05-006のSharePoint Team Services向けのクライアント用更新プログラム(差分のみがパッケージ化されたファイル・サイズが小さい修正プログラム)を適用するには、Office XP SP3を適用していることが条件となっている。管理者用更新プログラム(更新するファイルがすべて含まれたファイル・サイズが大きな修正プログラム)の場合、Office XP SP2 for Office Web Components、またはOffice XP SP3 for SharePoint Team Servicesのどちらかが適用済みなら、適用可能である。

■SharePoint Team Services以外のOffice XPアプリケーションも更新される
 MS05-006のSharePoint Team Services向け修正プログラムは、SharePoint Team Servicesを構成するサーバ系のDLLファイルだけではなく、クライアント系のDLLファイルも更新する。そのため、一見SharePoint Team Servicesとは関係のないOffice XPアプリケーションも、この修正プログラムの更新対象となる。調査した限りでは、Office XPスイート製品はもとよりExcel 2002やWord 2002、Outlook 2002などの単体版Office XPアプリケーションも対象となる。

 SharePoint Team ServicesとほかのOffice XPアプリケーションを同じコンピュータにインストールしている場合、この修正プログラムを適用すると、両方のインストールCDが要求される可能性がある。適用前に両方ともあらかじめ用意しておきたい。

■SharePoint Team ServicesはOffice Update、Windows SharePoint ServicesはWindows Update/SUSで更新できる
 SharePoint Team ServicesはOffice XP製品に添付されるコンポーネントのため、Office Updateで更新できる。一方、Windows SharePoint ServicesはWindows Server 2003というOSのアドオンのため、Windows Updateで更新できる。「SharePoint」という名が付いていても、両者の更新方法は大きく異なるので注意が必要だ。

■MBSA 1.21の結果
 MS05-006のSharePoint Team Services向け修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 1.21で確認可能だ。未適用の場合は、「Officeのアップデート」の「結果の詳細情報」に、「SharePoint Team Services セキュリティ更新プログラム (KB890829)」が表示される。ただし、SharePoint Team ServicesはMBSAをローカルで実行した場合のみ検出可能である。

 一方、MS05-006のWindows SharePoint Services向け修正プログラムの適用は、MBSA 1.21では検出できない。

 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター Windows Update/Office Update/SUSの表示
SharePoint Team Services SharePoint Team Services セキュリティ更新プログラム (KB890829)
Windows SharePoint Services Windows SharePoint Services 用セキュリティ更新プログラム(KB887981)
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥
 以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
 
SharePoint Team Services:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
officexp-kb890829-client-jpn.exe 2005/02/03 5.0.2919.6307
1,246,328
officexp-kb890829-fullfile-jpn.exe 2005/02/03 5.0.2919.6307
4,371,576
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\web server extensions\50\bin\
FP5AUTL.DLL 2004/04/07 10.0.6711.0
944,840
Microsoft FrontPage Utility DLL
FP5AWEC.DLL 2004/04/07 10.0.6711.0
608,968
Microsoft FrontPage Client Library
FP5AWEL.DLL 2004/10/29 10.0.6738.0
1,379,016
Microsoft FrontPage Web Extender Library
FPMMC.DLL 2004/10/29 10.0.6738.0
400,064
Microsoft SharePoint and FrontPage Server Administrator Snapin
OWSTIMER.EXE 2004/04/07 10.0.6711.0
346,824
SharePoint Timer Services

%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\web server extensions\50\servsupp\
FP5AMSFT.DLL 2004/10/29 10.0.6738.0
142,024
Microsoft FrontPage Server Extensions for Microsoft IIS

%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\web server extensions\50\Isapi\
OWSSVR.DLL 2004/10/29 10.0.6738.0
834,240
Windows SharePoint Services

%ProgramFiles%\Microsoft Office\Office10\
FPCUTL.DLL 2004/10/29 10.0.6738.0
1,170,112
Microsoft FrontPage Client Utility Library
FPEDITAX.DLL 2005/01/26 10.0.6714.0
4,258,504
Microsoft FrontPage Editor
背景色が薄紫色のファイルは、SharePoint Team Servicesだけがインストールされている場合、展開されない。そのほかのOffice XPアプリケーションに対して展開される
 
Windows SharePoint Services:

ファイル名 日付 バージョン サイズ
wss2003-kb887981-fullfile-jpn.exe 2004/12/28 5.0.2919.6307
3,511,928
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\web server extensions\60\BIN\
ONETUTIL.DLL 2004/11/11 11.0.6411.0
1,410,248
Shared Web Utilities Component
SQMSTO.DLL 2004/11/11 11.0.6411.0
2,255,560
Windows SharePoint Services SQL Manifest
SQMSTOUP.DLL 2004/11/11 11.0.6411.0
2,190,024
Windows SharePoint Services SQL Manifest
STSADM.EXE 2004/10/17 11.0.6409.0
9 137,920
stsadm.exe
STSWEL.DLL 2004/11/10 11.0.6411.0
1,055,424
Windows SharePoint Services

%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\web server extensions\60\ISAPI\
OWSSVR.DLL 2004/11/10 11.0.6411.0
2,222,784
Windows SharePoint Services
Microsoft.SharePoint
.dll
2004/11/10 11.0.6411.0
1,501,920
Windows SharePoint Services

%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\web server extensions\60\TEMPLATE\SQL\
STORE.SQL 2004/11/03
1,141,841
SQLファイル
STOREUP.SQL 2004/11/03
1,108,009
SQLファイル

%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\web server extensions\60\TEMPLATE\LAYOUTS\BIN\
Microsoft.SharePoint.
ApplicationPages.dll
2004/10/17 11.0.6409.0
248,576
Windows SharePoint Services Utility

%SystemRoot%\assembly\GAC\Microsoft.SharePoint\
11.0.0.0__71e9bce111e9429c\
Microsoft.SharePoint.dll 2004/11/11 11.0.6411.0
1,501,920
Windows SharePoint Services

%SystemRoot%\assembly\GAC\Microsoft.SharePoint.Dsp.XmlUrl\
11.0.0.0__71e9bce111e9429c\
Microsoft.SharePoint.
Dsp.XmlUrl.dll
2004/10/02 11.0.6407.0
84,728
Microsoft.SharePoint.Dsp.XmlUrl

%SystemRoot%assembly\GAC\Microsoft.SharePoint.Library\
11.0.0.0__71e9bce111e9429c\
Microsoft.SharePoint.
Library.dll
2004/08/28 11.0.6402.0
92,912
Windows SharePoint Services
 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、置き換わるファイルのバージョンで確認する。

 

予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
wss2003-kb887981-fullfile-jpn.exe
19分 28分 54分 1時間38分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 

UpdateEXPERT上の表示

SharePoint Team Services:
サポート対象外

・Windows SharePoint Services:
UpdateEXPERT 5.1:サポート対象外
UpdateEXPERT 6.1:[展開ビュー]−[IIS]タブに「名前:wss2003-kb887981-fullfile-jpn.exe」で登録

 

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