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Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:
2005/02/10日版
 
【登録日】2005/02/09
【更新日】2005/02/10
詳細
HFR BBS会議室
 
深刻度
1(緊急)
  2(重要)
  3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
なし
対策
至急適用
再起動の必要性
必要
アンインストール
対象環境
サーバ
クライアント
セキュリティ情報
MS05-011(日本)
MS05-011(US)
サポート技術情報
含まれる過去の修正
なし
脆弱性識別番号
MS05-011/885250
受信SMBパケットの検証処理の脆弱性により、任意のコードが実行される危険性
(サーバー メッセージ ブロックの脆弱性により、リモートでコードが実行される)

緊急対応度:適用作業の至急開始

危険性 脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用

 特定の受信SMB(サーバ・メッセージ・ブロック)パケットの検証処理に脆弱性が存在し、細工されたパケットを受信するとコードが実行されたり、コンピュータの制御が完全に奪われたりする危険性がある。SMBはWindows OS標準のプロトコルの1つだが、この脆弱性は実装に依存するため、Windows 98/98SE/Meには影響しないとしている。

 攻撃は、細工したSMBパケットを送信することに加え、Webページや電子メール上のURLをユーザーがクリックするように仕向けることなどによって実行可能である。そのため、インターネットを経由した攻撃が行われる危険性がある。また脆弱性の対象OSが多いため、ワームやウイルスに悪用された場合には、影響が広範に及ぶ可能性が高い。

 マイクロソフトによれば、MS05-011の脆弱性は非公開で報告されたとしており、実証コードや攻撃例は確認されていないという。ただし、最近では脆弱性が公開されると、1カ月程度で実証コードや悪用した攻撃が現れるので注意が必要だ。ワームなどへの悪用が行われる前に、修正プログラムを適用しておきたい。

 

概要

 SMBはCIFSとも呼ばれ、Windows OSがファイルやプリンタ、シリアル・ポートを共有したり、コンピュータ間で通信を行ったりする際に利用するWindowsネットワークの標準プロトコルである。割り当てられたバッファにデータを渡す前に、Windows OSがSMBパケットを検証する方法に脆弱性が存在する。以下のような攻撃が予想されている。

  • 細工したメッセージを送信する。
  • 脆弱性を悪用するプログラムをリンク先としたURLをWebページに張ったり、電子メールで送ったりして、ユーザーにそのURLをクリックするように仕向ける。
  • 脆弱性が存在するコンポーネントにパラメータを渡すプログラムを実行させる。

 SMBは、Windows OS標準のプロトコルであり、多くのWindowsコンピュータがSMBベースの通信を実行している。また前述したとおり、今回の脆弱性はインターネット経由の攻撃が可能であるため、脆弱性がワームなどに悪用された場合、Blaster級の影響が出る危険性がある。

 

対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
Windows 2000 Windows 2000 SP3/SP4
Windows XP Windows XP SP1/SP1a/SP2
Windows Server 2003 Windows Server 2003
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Windows 2000 Professional SP3
Windows 2000 Professional SP4
Windows 2000 Server SP4
Windows 2000 Advanced Server SP3
Windows XP Professional SP1
Windows XP Professional SP1a
Windows XP Professional SP2
Windows Server 2003, Standard Edition
Windows Server 2003, Enterprise Edition

■Windows NT 4.0 SP6a/2000 SP2/XP SP未適用向け修正プログラムは提供されない
 Windows NT Workstation 4.0 SP6a/2000 SP2は2004年6月30日に、Windows XP SP未適用は2004年9月30日にそれぞれサポート・ライフサイクルが終了したため、MS05-010の修正プログラムは提供されない。Windows 2000 SP2はSP3またはSP4を適用してから、Windows XP SP未適用はSP1a/SP2を適用してから、それぞれ対応する修正プログラムを適用する。

 また、Windows NT Server 4.0も2004年12月31日でサポート・ライフサイクルが終了しており、MS05-011の修正プログラムは提供されない。そのため、Windows NT 4.0 SP6aについては、脆弱性を解消する手段がないため、OS自体のバージョンアップが必要となる。

■MBSA 1.21の結果
 MS05-011の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 1.21で確認可能だ。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新」の「結果の詳細情報」に、「サーバー メッセージ ブロックの脆弱性により、リモートでコードが実行される (885250)」が表示される。

 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター Windows Update/Office Update/SUSの表示
Windows 2000 SP3/SP4 Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB885250)
Windows XP SP1/SP1a/SP2 Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB885250)
Windows Server 2003 Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB885250)
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥
 以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
 
Windows 2000 Server SP3/SP4:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
Windows2000-KB885250-x86-JPN.EXE 2005/01/20 1.0.0.0
672,248
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\system32\
sp3res.dll 2005/01/06 5.0.2195.7017
492,544
Service Pack 3 Messages
  %SystemRoot%\system32\drivers\
mrxsmb.sys 2005/01/20 5.0.2195.7023
413,104
Windows NT SMB Minirdr
rdbss.sys 2004/12/03 5.0.2195.7006
170,512
Redirected Drive Buffering SubSystem Driver
 
Windows XP SP1/SP1a/SP2:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsXP-KB885250-x86-JPN.exe 2005/01/20 1.0.0.0
789,224
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(sp1qfe)
%SystemRoot%\system32\
cscdll.dll 2004/10/28 5.1.2600.1599
91,136
Offline Network Agent
  %SystemRoot%\system32\drivers\
mrxsmb.sys 2005/01/19 5.1.2600.1620
440,064
Windows NT SMB Minirdr
rdbss.sys 2004/10/13 5.1.2600.1599
170,112
Redirected Drive Buffering SubSystem Driver
展開フォルダ
(sp2gdr/sp2qfe)
%SystemRoot%\system32\drivers\
mrxsmb.sys 2005/01/19 5.1.2600.2598
451,584
Windows NT SMB Minirdr
 
Windows Server 2003:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsServer2003-KB885250-x86-jpn.exe 2005/01/20 1.0.0.0
609,008
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(RTMGDR)
%SystemRoot%\system32\drivers\
mrxsmb.sys 2005/01/19 5.2.3790.252
394,240
Windows NT SMB Minirdr
展開フォルダ
(RTMQFE)
%SystemRoot%\system32\drivers\
mrxsmb.sys 2005/01/19 5.2.3790.252
395,776
Windows NT SMB Minirdr
rdbss.sys 2004/10/12 5.2.3790.221
158,208
Redirected Drive Buffering SubSystem Driver
 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。

・Windows 2000 SP3/SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB885250\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows XP SP1/SP1a/SP2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP3\KB885250\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows Server 2003:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\SP1\KB885250\Filelist以下のファイル一覧を確認する

 
‥‥‥ 参考情報 ‥‥‥

 何らかの理由から直ちに修正プログラムを適用できない場合には、以下に示す方法で脆弱性の回避が可能だ。ただしこの回避策は、脆弱性を根本的に解決するものではない。

■TCPポート139番/445番の送受信をファイアウォールでブロックする
 SMBは、TCPポート139番/445番を利用して接続を開始する。これらのポートをファイアウォールでブロックすることで攻撃を回避できる。またそのほかのポートによる攻撃を回避するためには、受信側が送信を要求していない受信をブロックする必要がある。なおIPX/SPXなどのプロトコルも、脆弱性の影響を受ける可能性がある。これらのプロトコルが使用されている場合は、対応したポートをブロックすること。

関連情報:
・@IT/Windows Server Insider(ポート445(ダイレクト・ホスティングSMBサービス)に注意):
http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/win2ktips/088directhostedsmb/
088directhostedsmb.html

 

予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
Windows2000-KB885250-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 SP3/SP4)
18分 27分 52分 1時間34分
WindowsXP-KB885250-x86-JPN.exe
(Windows XP SP1/SP1a/SP2)
18分 27分 52分 1時間34分
WindowsServer2003-KB885250-x86-jpn.exe
(Windows Server 2003)
18分 27分 52分 1時間34分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 

UpdateEXPERT上の表示

・Windows 2000 Server SP3/SP4:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:Windows2000-KB885250-x86-JPN.EXE」で登録

・Windows XP SP1/SP1a/SP2:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsXP-KB885250-x86-JPN.exe」で登録

・Windows Server 2003:
UpdateEXPERT 5.1:サポート対象外
UpdateEXPERT 6.1:[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsServer2003-KB885250-x86-jpn.exe」で登録

 

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