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Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:
2005/02/11日版
 
【登録日】2005/02/10
【更新日】2005/02/15
詳細
HFR BBS会議室
 
深刻度
1(緊急)
  2(重要)
  3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
あり
対策
至急適用
再起動の必要性
不要(ファイルが使用中の場合は必要)
アンインストール
対象環境
サーバ
クライアント
セキュリティ情報
MS05-013(日本)
MS05-013(US)
サポート技術情報
含まれる過去の修正
なし
脆弱性識別番号
MS05-013/891781
DHTML編集コンポーネントのActiveXコントロールの脆弱性により、任意のコードが実行される危険性
(DHTML 編集コンポーネントの Active X コントロールの脆弱性により、リモートでコードが実行される)

緊急対応度:適用作業の至急開始

危険性 脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用

 Microsoft Dynamic HTML(DHTML)編集コンポーネントのActiveXコントロールにクロス・ドメインの脆弱性が存在し、リモートで任意のコードが実行される危険性がある。DHTML編集コンポーネントのActiveXコントロールを利用すると、ソフトウェアによる動的なWebページの編集が行える。例えば、折りたたみ式のメニューやメニューにカーソルを持っていくとプルダウン・メニューが開くような、動的なWebページを作ることができる。

 この脆弱性が悪用されると、Internet Explorerのローカル・コンピュータのセキュリティ・ゾーンで、スクリプトが実行される危険性がある。細工されたHTML形式の電子メールによって、この脆弱性が悪用されると、電子メールを開いただけでスクリプトが実行されてしまう。電子メール型ワームに悪用されることが懸念される脆弱性だ。またこの脆弱性を悪用すると、URLの偽装が可能であるため、フィッシングに悪用され、クレジット・カード番号などのプライバシー情報が奪われる危険性もある。

 MS05-013の脆弱性は、すでに広く公開されており、実証コードや攻撃例が報告されている。至急、修正プログラムの適用を行う必要がある。

 

概要

 MS05-013の修正プログラムは、2004年12月7日にセキュリティ関連のメーリング・リストへ投稿された脆弱性を解消するものだ(HotFix Weekly 2004/12/22日付にて報告済)。具体的には、IE 6 SP1/SP2のDHTML編集コンポーネントのActiveXコントロール(dhtmled.ocx)のexecScript関数(スクリプトを実行する関数)が特定の条件下でエラーを発生するという問題である。

・HotFix Weekly 2004/12/22日付け配信(IEのActiveXコントロールの脆弱性により、クロスサイト・スクリプティング攻撃の危険性):
http://www.hotfix.jp/archives/alert/2004/news04-1222.html#01

 攻撃の実行には、ユーザーに細工したWebページやHTML形式の電子メールを開くように誘導する必要がある。逆に細工したWebページまたは電子メールを開くだけで、攻撃が実行されてしまうため、非常に危険な脆弱性といえる。

 

対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
Windows 98/98SE/Me Windows 98/98SE/Me
Windows 2000 Windows 2000 SP3/SP4
Windows XP Windows XP SP1/SP1a/SP2
Windows Server 2003 Windows Server 2003
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Windows 2000 Professional SP3
Windows 2000 Professional SP4
Windows 2000 Server SP4
Windows 2000 Advanced Server SP3
Windows XP Professional SP1
Windows XP Professional SP1a
Windows XP Professional SP2
Windows Server 2003, Standard Edition
Windows Server 2003, Enterprise Edition

■DHTML編集コンポーネントのActiveXコントロールの脆弱性が解消されていることを確認
 DA Labでは、Secuniaが公開しているDHTMLのActiveXコントロールの脆弱性に対する実証コードを実行し、修正プログラムの適用によって脆弱性が解消されていることをWindows 2000+IE 6 SP1上で確認した。

・Secunia(Internet Explorer DHTML Edit ActiveX Control Cross-Site Scripting):
http://secunia.com/advisories/13482/

 修正プログラムを適用する前の実証コードでは、新たなIEが起動し、アドレス・バーに「https://www.paypal.com/」が表示された状態で、DHTMLによって作成されたWebページが表示された。適用後は、ステータス・バーに「ページでエラーが発生しました」と表示され、新たにIEのウィンドウは開かれなくなった。

■Internet Explorerをバージョンアップすると脆弱性が復活する
 MS05-013の修正プログラムを適用した後でInternet Explorerをバージョンアップすると、MS05-013で更新された.DLLファイル(dhtmled.ocx)が古いもので上書きされ、脆弱性が復活してしまうことがある。DA Labでは、Windows 2000 SP3+IE 5.01 SP3にMS05-013の修正プログラムを適用した後、IE 6 SP1をインストールするとこの現象が発生することを確認した。

 dhtmled.ocxが古いバージョンに戻ってしまった場合は、再度MS05-013の修正プログラムを適用し、dhtmled.ocxのバージョンが最新になったことを確認すること。

■Windows NT 4.0 SP6a/2000 SP2/XP SP未適用向け修正プログラムは提供されない
 Windows NT Workstation 4.0 SP6a/2000 SP2は2004年6月30日に、Windows XP SP未適用は2004年9月30日にそれぞれサポート・ライフサイクルが終了したため、MS05-013の修正プログラムは提供されない。Windows 2000 SP2はSP3またはSP4を適用してから、Windows XP SP未適用はSP1a/SP2を適用してから、それぞれ対応する修正プログラムを適用する。

 また、Windows NT Server 4.0も2004年12月31日でサポート・ライフサイクルが終了しており、MS05-013の修正プログラムは提供されない。Windows NT 4.0 SP6aについては、脆弱性を解消する手段がないため、OS自体のバージョンアップが必要となる。

■Windows 98/98SE/Me向け修正プログラムはWindows Updateのみで提供
  Windows 98/98SE/Meに対するMS05-013の脆弱性は「緊急」に位置付けられており、修正プログラムが提供される。ただしWindows 98/98SE/Me向け修正プログラムはWindows Updateでのみの提供となっており、ダウンロード・センターからは入手できない。企業内で展開するような場合は、Windows Updateカタログを利用して、修正プログラムを入手する必要がある。

■MBSA 1.21の結果
 MS05-013の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 1.21で確認可能だ。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新」の「結果の詳細情報」に、「DHTML 編集コンポーネントの Active X コントロールの脆弱性により、リモートでコードが実行される (891781)」が表示される。

 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター Windows Update/SUSの表示
Windows 2000 SP3/SP4 Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB891781)
Windows XP SP1/SP1a/SP2 Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB891781)
Windows Server 2003 Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB891781)
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥
 以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
 
Windows 2000 SP3/SP4:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
Windows2000-KB891781-x86-JPN.EXE 2005/01/14 1.0.0.0
385,016
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ :%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\Triedit\
dhtmled.ocx 2005/01/14 6.1.0.9232
119,056
Microsoft Dynamic HTML Editing Control
 
Windows XP SP1/SP1a/SP2:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsXP-KB891781-x86-JPN.exe 2005/01/11 1.0.0.0
408,296
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(sp1qfe)
%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\Triedit\
dhtmled.ocx 2005/01/11 6.1.0.9232
118,272
Microsoft Dynamic HTML Editing Control
展開フォルダ
(sp2gdr/sp2qfe)
%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\Triedit\
dhtmled.ocx 2005/01/11 6.1.0.9232
128,512
Microsoft Dynamic HTML Editing Control
 
Windows Server 2003:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsServer2003-KB891781-x86-jpn.exe 2005/01/05 1.0.0.0
387,824
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(rtmgdr/rtmqfe)
%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\Triedit\
dhtmled.ocx 2005/01/05 6.1.0.9231
120,832
Microsoft Dynamic HTML Editing Control
 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。

・Windows 2000 SP3/SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB891781\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows XP SP1/SP1a/SP2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP3\KB891781\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows Server 2003:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\SP1\KB891781\Filelist以下のファイル一覧を確認する

 

予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
Windows2000-KB891781-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 SP3/SP4)
12分 21分 46分 1時間28分
WindowsXP-KB891781-x86-JPN.exe
(Windows XP SP1/SP1a/SP2)
12分 21分 46分 1時間28分
WindowsServer2003-KB891781-x86-jpn.exe
(Windows Server 2003)
12分 21分 46分 1時間28分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 

UpdateEXPERT上の表示

・Windows 2000 SP3/SP4:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:Windows2000-KB891781-x86-JPN.EXE」で登録

・Windows XP SP1/SP1a/SP2:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsXP-KB891781-x86-JPN.exe」で登録

・Windows Server 2003:
UpdateEXPERT 5.1:サポート対象外
UpdateEXPERT 6.1:[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsServer2003-KB891781-x86-jpn.exe」で登録

 

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