このページは、HotFix Reportで配信されたセキュリティ情報のバックナンバーです。「更新日」に明記された時点での情報ですのでご注意ください。ご購読の申し込みは「HotFix Report購読の申し込み」 をご参照ください。

トップページ サービスの詳細 セキュリティ情報 購読の申し込み
 
 
Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:
2005/02/11日版
 
【登録日】2005/02/10
【更新日】2005/02/15
詳細
HFR BBS会議室
 
深刻度
1(緊急)
  2(重要)
  3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
なし
対策
至急適用
再起動の必要性
必要(サービスが停止できた場合は不要)
アンインストール
対象環境
サーバ
クライアント
セキュリティ情報
MS05-015(日本)
MS05-015(US)
サポート技術情報
含まれる過去の修正
なし
脆弱性識別番号
MS05-015/888113
ハイパーリンク処理の脆弱性により、任意のコードが実行される危険性
(ハイパーリンク オブジェクト ライブラリの脆弱性により、リモートでコードが実行される)

緊急対応度:適用作業の至急開始

危険性 脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用

 ハイパーリンク・オブジェクト・ライブラリの未チェック・バッファにより、コンピュータの制御が完全に奪われる危険性がある。細工したリンクを作成し、ユーザーにそのリンクをクリックするように誘導することで攻撃は実行される。またハイパーリンク・オブジェクト・ライブラリに不正なパラメータを渡すように細工したプログラムを利用して攻撃が行われる危険性もある。つまりウイルスやワームが、システムの制御を獲得するために悪用される危険がある。

 マイクロソフトによれば、MS05-015の脆弱性は非公開で報告されたとしており、実証コードや攻撃例は確認されていないという。ただし最近では脆弱性が公開されると、1カ月程度で実証コードや悪用した攻撃が現れるので注意が必要だ。ワームなどへの悪用が行われる前に、修正プログラムを適用しておきたい。

 

概要

 ハイパーリンク・オブジェクト・ライブラリとは、ソフトウェア開発者にハイパーリンク処理の機能を提供するAPIである。このライブラリを利用することで、アプリケーション上にハイパーリンクの機能を容易に実装することができる。

 このハイパーリンク・オブジェクト(Hlink.dll)にバッファ・オーバーフローの脆弱性があり、細工されたリンクをクリックすると(不正なパラメータがHlink.dllに渡される)、任意のコードが実行される危険性がある。Webページ上またはHTML形式の電子メール内のリンクをクリックするように仕向けることで、攻撃が行われることが考えられる。

 

対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
Windows 98/98SE/Me Windows 98/98SE/Me
Windows 2000 Windows 2000 SP3/SP4
Windows XP Windows XP SP1/SP1a/SP2
Windows Server 2003 Windows Server 2003
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Windows 2000 Professional SP3
Windows 2000 Professional SP4
Windows 2000 Server SP4
Windows 2000 Advanced Server SP3
Windows XP Professional SP1
Windows XP Professional SP1a
Windows XP Professional SP2
Windows Server 2003, Standard Edition
Windows Server 2003, Enterprise Edition

■Windows NT 4.0 SP6a/2000 SP2/XP SP未適用向け修正プログラムは提供されない
 Windows NT Workstation 4.0 SP6a/2000 SP2は2004年6月30日に、Windows XP SP未適用は2004年9月30日にそれぞれサポート・ライフサイクルが終了したため、MS05-010の修正プログラムは提供されない。Windows 2000 SP2はSP3またはSP4を適用してから、Windows XP SP未適用はSP1a/SP2を適用してから、それぞれ対応する修正プログラムを適用する。

 また、Windows NT Server 4.0も2004年12月31日でサポート・ライフサイクルが終了しており、MS05-011の修正プログラムは提供されない。Windows NT 4.0 SP6aについては、脆弱性を解消する手段がないため、OS自体のバージョンアップが必要となる。

■Windows 98/98SE/Me向け修正プログラムはWindows Updateのみで提供
 Windows 98/98SE/Meに対するMS05-015の脆弱性は「緊急」に位置付けられており、修正プログラムの提供が予定されている。ただしWindows 98/98SE/Me向け修正プログラムはWindows Updateでのみの提供となっており、ダウンロード・センターからは入手できない(2005年2月11日現在、Windows Updateでも提供されていない)。企業内で展開するような場合は、Windows Updateカタログを利用して、修正プログラムを入手する必要がある。

■MBSA 1.21の結果
 MS05-015の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 1.21で確認可能だ。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新」の「結果の詳細情報」に、「ハイパーリンク オブジェクト ライブラリの脆弱性により、リモートでコードが実行される (888113)」が表示される。

 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター Windows Update/SUSの表示
Windows 98/98SE/Me
2005年2月12日現在、未提供
Windows 2000 SP3/SP4 Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB873333)
Windows XP SP1/SP1a/SP2 Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB873333)
Windows Server 2003 Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB873333)
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥
 以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
 
Windows 2000 SP3/SP4:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
Windows2000-KB888113-x86-JPN.EXE 2004/11/16 1.0.0.0
368,632
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\system32\
hlink.dll 2004/11/16 5.2.3790.227
68,096
Microsoft Hyperlink Library
 
Windows XP SP1/SP1a/SP2:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsXP-KB888113-x86-JPN.exe 2004/11/17 1.0.0.0
371,944
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(sp1qfe/sp2gdr/sp2qfe)
%SystemRoot%\system32\
hlink.dll 2004/11/17 5.2.3790.227
68,096
Microsoft Hyperlink Library
 
Windows Server 2003:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsServer2003-KB888113-x86-jpn.exe 2005/11/12 1.0.0.0
375,024
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(rtmgdr)
%SystemRoot%\system32\
hlink.dll 2004/11/12 5.2.3790.225
79,872
Microsoft Office 2000 component
hlink.hp.dll 2004/11/11
2,560
展開フォルダ
(rtmqfe)
%SystemRoot%\system32\
hlink.dll 2004/11/12 5.2.3790.227
79,872
Microsoft Office 2000 component
hlink.hp.dll 2004/11/11
2,560
 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。

・Windows 2000 SP3/SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB888113\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows XP SP1/SP1a/SP2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP3\KB888113\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows Server 2003:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\SP1\KB888113\Filelist以下のファイル一覧を確認する

 

予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
Windows2000-KB888113-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 SP3/SP4)
12分 21分 46分 1時間28分
WindowsXP-KB888113-x86-JPN.exe
(Windows XP SP1/SP1a/SP2)
12分 21分 46分 1時間28分
WindowsServer2003-KB888113-x86-jpn.exe
(Windows Server 2003)
12分 21分 46分 1時間28分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 

UpdateEXPERT上の表示

・Windows 2000 SP3/SP4:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:Windows2000-KB888113-x86-JPN.EXE」で登録

・Windows XP SP1/SP1a/SP2:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsXP-KB888113-x86-JPN.exe」で登録

・Windows Server 2003:
UpdateEXPERT 5.1:サポート対象外
UpdateEXPERT 6.1:[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsServer2003-KB888113-x86-jpn.exe」で登録

 

HotFix Reportは、UpdateEXPERTユーザー向けの情報を含んでいます。UpdateEXPERTは、管理者の負担を大幅に軽減するHotFix管理ツールです。UpdateEXPERTに関する詳細ならびにお問い合わせは、アップデートテクノロジー株式会社のホームページをご参照ください。
 
Copyright (C) Digital Advantage Corp.
このメールは、HotFix Reportにご登録いただいておりますユーザー様にお送りしています。
無断で複製・再配信などを行うことはできません。 このメールに関する問い合わせ先:info@hotfix.jp
HotFix Reportでは、細心の注意を払って情報提供を行っておりますが、本サービスにおける情報の正確性、最新性、適切性などについて、明示的又は黙示的な保証を行いません。また本サービスの停止や欠陥、それらに起因して発生する損失や損害について、一切責任を負いません。