深刻度
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1(緊急) |
→ |
2(重要) |
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3(警告) |
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4(注意) |
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攻撃コードの有無
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なし
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対策
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早期適用
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再起動の必要性
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不要(サービスが停止できない場合は必要)
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アンインストール
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可
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対象環境
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セキュリティ情報
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サポート技術情報
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含まれる過去の修正
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脆弱性識別番号
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MS05-017/892944 |
MSMQの未チェック・バッファの脆弱性により、任意のコードが実行される危険性 |
(メッセージ キューの脆弱性により、コードが実行される) |
緊急対応度:適用作業の早期開始
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危険性 |
脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。 |
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Microsoft Message Queuing(MSMQ)に未チェック・バッファの脆弱性が存在する。その結果、細工されたメッセージをMSMQが受信すると、任意のコードが実行され、コンピュータの制御が完全に奪われる危険性がある。匿名ユーザーがインターネットを介して攻撃することも可能なので、MSMQがインストールされている場合は非常に危険だ。
マイクロソフトによれば、MSMQはどのバージョンのWindows OSにもデフォルトではインストールされておらず、手動でインストールした場合にのみ、MS05-017の脆弱性の影響を受けるとしている。ただしBizTalk
Server 2000/2002/2004では、インストールの際にMSMQが必要となるので、BizTalk Serverを利用している場合は、脆弱性の影響を必ず受けることになる。一般的なクライアントとしての利用においては、MSMQがインストールされることはないだろう。またWindows
Server 2003とWindows XP SP2には、MS05-017の脆弱性が存在しないとしている。
マイクロソフトによれば、MS05-021の脆弱性は非公開で報告されたとしており、実証コードや攻撃例は確認されていないという。ただし前述のようにBizTalk
Serverを利用している場合は、攻撃を受ける可能性があり、ひとたび攻撃を受ければ、大きな被害が発生する可能性が高い。その他、MSMQがインストールされている可能性がある場合は、その有無を確認し、なるべく早期に修正プログラムを適用した方がよい。
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概要
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MSMQは、さまざまなネットワークを越えて通信したり、オフラインの可能性のあるコンピュータと通信したりすることを可能にする、メッセージの一時的な格納場所を提供し、メッセージが送信先に確実に到着するようにするための技術である。
MSMQのコンポーネントに未チェック・バッファが存在し、細工されたメッセージを受信すると任意のコードが実行される。通常、インターネット側に対してMSMQを利用している場合、MSMQ
HTTPメッセージの配信に利用する。この場合、MS05-017の脆弱性の影響は受けない。一方、RPCポートを使用するメッセージにMSMQを利用している場合、インターネットを介した攻撃を受ける危険性がある。ただしこの場合でも、RPCポートの受信者側から送信を要求していないすべての受信パケットをファイアウォールでブロックすれば、攻撃を緩和できる。
BizTalk Serverやサードパーティ製Webアプリケーション・サーバ・ソフトウェアなどがMSMQを利用している。これらを利用しているサーバは特に注意が必要だ。MBSAなどを利用して、MSMQがインストールされていないかどうかまず確認することをお勧めする。
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対象プラットフォーム
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影響を受けるソフトウェア |
対象プラットフォーム |
Windows 2000 |
Windows 2000 SP3/SP4 |
Windows XP |
Windows XP SP1/SP1a |
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‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント
‥‥‥
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■適用テストの結果
DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。
プラットフォーム
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適用テスト結果
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Windows 2000 Professional SP3 |
○
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Windows 2000 Professional SP4 |
○
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Windows 2000 Server SP3 |
○
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Windows 2000 Server SP4 |
○
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Windows 2000 Advanced Server SP3 |
○
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Windows XP Professional SP1 |
○
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Windows XP Professional SP1a |
○
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■Windows XP SP1/SP1aにはデフォルトでMSMQを構成するファイルがインストールされている
TechNetセキュリティ情報によれば、「MSMQのコンポーネントはどのバージョンのWindows OSにもインストールされていない」としている。しかしWindows
XP SP1/SP1aには、MSMQを構成するファイルがデフォルトでインストールされていることを確認した(サービスは起動していない)。
そのためMSMQを手動でインストールしていない場合でも、Windows Updateを実行すると、Windows XP SP1/SP1aではMSMQが検出され、修正プログラムの適用が要求される。MSMQが起動していなければ、細工されたメッセージを受信することがないため、脆弱性の影響は受けないと思われる。ただしWindows
XP SP1/SP1aの場合は、MSMQを起動した際に脆弱性の影響を受けないように、修正プログラムを適用しておいた方がよい。
Windows 2000の場合は、デフォルトではMSMQを構成するファイルがインストールされていないので、MSMQを手動でインストールしていない限り、修正プログラムを適用する必要はない。MSMQがインストールされていない状態でMS05-017の修正プログラムを適用した場合、更新用のファイルは%Windir%\system32\dllcache\にのみ保存される。ただしその後MSMQをインストールすると、古い脆弱性の存在するファイルに書き戻される可能性もあるので、インストール後にもう1度、MS05-017の修正プログラムの適用を行った方がよい。
■Windows NT 4.0 SP6a/2000 SP2/XP SP未適用向け修正プログラムは提供されない
Windows NT Workstation 4.0 SP6a/2000 SP2は2004年6月30日に、Windows XP SP未適用は2004年9月30日にそれぞれサポート・ライフサイクルが終了したため、MS05-017の修正プログラムは提供されない。Windows
2000 SP2はSP3またはSP4を適用してから、Windows XP SP未適用はSP1a/SP2を適用してから、それぞれ対応する修正プログラムを適用する。Windows
XP SP2には、MS05-017の脆弱性は存在しないので、SP2を適用した場合は、修正プログラムを適用する必要はない。
また、Windows NT Server 4.0も2004年12月31日でサポート・ライフサイクルが終了しており、MS05-017の修正プログラムは提供されない。そのため、Windows
NT 4.0 SP6aについては、脆弱性を解消する手段がないため、OS自体のバージョンアップが必要となる。
■Windows 98/98SEにも脆弱性あり
TechNetセキュリティ情報によれば、Windows 98/98SEにもMSMQの脆弱性が存在する。ただしマイクロソフトはこれらを「緊急ではない」と判断しており、修正プログラムの提供は行われない。
■MBSA 1.21の結果
MS05-017の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 1.21で確認可能だ。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新」の「結果の詳細情報」に、「メッセージ
キューの脆弱性により、コードが実行される (892944)」が表示される。
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プラットフォーム |
ダウンロード・センター |
Windows Update/SUSの表示 |
Windows 2000 SP3/SP4 |
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Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB892944) |
Windows XP SP1/SP1a |
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Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB892944) |
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以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
Windows 2000 SP3/SP4:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
Windows2000-KB892944-x86-JPN.EXE |
2005/03/11 |
1.0.0.0 |
1,267,192
|
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ |
%SystemRoot%\system32\ |
mq1repl.dll |
2005/02/17 |
5.0.0.792 |
291,088
|
Windows NT, MSMQ 2.0 Replication |
mq1sync.exe |
2003/12/22 |
5.0.0.791 |
14,096
|
Windows NT MQ Replication Service |
mqads.dll |
2005/02/17 |
5.0.0.791 |
217,360
|
Windows NT MQ Active Directory Service |
mqclus.dll |
2005/02/17 |
5.0.0.779 |
50,448
|
Windows NT MQ Cluster DLL |
mqdscli.dll |
2005/02/17 |
5.0.0.785 |
76,560
|
Windows NT MQ Client Directory Service |
mqdssrv.dll |
2005/02/17 |
5.0.0.773 |
42,256
|
Windows NT MQ Server Directory Service |
mqmig.exe |
2003/12/22 |
5.0.0.791 |
98,064
|
Windows NT, MSMQ 2.0 Migration |
mqmigrat.dll |
2005/02/16 |
5.0.0.791 |
266,512
|
Windows NT, MSMQ 2.0 Migration |
mqoa.dll |
2005/02/17 |
5.0.0.793 |
222,480
|
Windows NT MQ ActiveX Components |
mqperf.dll |
2005/02/17 |
5.0.0.784 |
10,000
|
Windows NT MQ Performance Coutners |
mqqm.dll |
2005/02/17 |
5.0.0.798 |
438,544
|
Windows NT MQ Queue Manager |
mqrt.dll |
2005/02/17 |
5.0.0.799 |
102,672
|
Windows NT MQ Run time DLL |
mqsec.dll |
2005/02/17 |
5.0.0.776 |
70,928
|
Windows NT, MSMQ 2.0 Security |
mqsnap.dll |
2005/02/17 |
5.0.0.783 |
400,656
|
Windows NT MSMQ Admin |
mqupgrd.dll |
2005/02/17 |
5.0.0.762 |
23,824
|
MSMQ Upgrade |
mqutil.dll |
2005/02/17 |
5.0.0.798 |
146,704
|
Windows NT MQ Utility DLL |
msmq.cpl |
2005/02/17 |
5.0.0.748 |
64,784
|
Windows NT MSMQ Control Panel |
|
%SystemRoot%\System32\drivers\ |
mqac.sys |
2004/10/24 |
5.0.0.798 |
77,680
|
Windows NT MQ Access Control Device Driver |
Windows XP SP1/SP1a:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
WindowsXP-KB892944-x86-JPN.exe |
2005/03/24 |
1.0.0.0 |
988,912
|
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ
(sp1qfe) |
%SystemRoot%\system32\ |
mqad.dll |
2005/03/24 |
5.1.0.1044 |
130,048
|
Windows NT MQ Client AD Access |
mqdscli.dll |
2005/03/24 |
5.1.0.1044 |
44,032
|
Windows NT MQ Client Directory Service |
mqise.dll |
2005/03/24 |
5.1.0.1044 |
14,848
|
MSMQ ISAPI EXTENSION |
mqqm.dll |
2005/03/24 |
5.1.0.1044 |
608,768
|
Windows NT MQ Queue Manager |
mqrt.dll |
2005/03/24 |
5.1.0.1044 |
165,888
|
Windows NT MQ Run time DLL |
mqsec.dll |
2005/03/24 |
5.1.0.1044 |
88,576
|
Windows NT, MSMQ 2.0 Security |
mqupgrd.dll |
2005/03/24 |
5.1.0.1044 |
44,544
|
MSMQ Upgrade |
mqutil.dll |
2005/03/03 |
5.1.0.1044 |
349,696
|
Windows NT MQ Utility DLL |
|
%SystemRoot%\System32\drivers\ |
mqac.sys |
2005/03/23 |
5.1.0.1044 |
67,456
|
Windows NT MQ Access Control Device Driver |
|
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修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。
・Windows 2000 SP3/SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB892944\Filelist以下のファイル一覧を確認する
・Windows XP SP1/SP1a:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP2\KB892944\Filelist以下のファイル一覧を確認する
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予想適用時間
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修正プログラム名 |
50台 |
100台 |
250台 |
500台 |
Windows2000-KB892944-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 SP3/SP4) |
13分 |
21分 |
47分 |
1時間29分 |
WindowsXP-KB892944-x86-JPN.exe
(Windows XP SP1/SP1a) |
12分 |
21分 |
46分 |
1時間29分 |
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
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UpdateEXPERT上の表示
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・Windows 2000 SP3/SP4:
[展開ビュー]−[IIS]タブに「名前:Windows2000-KB892944-x86-JPN.EXE」で登録
・Windows XP SP1/SP1a:
[展開ビュー]−[IIS]タブに「名前:WindowsXP-KB892944-x86-JPN.exe」で登録
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