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Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:
2005/07/13日版
 
【登録日】2005/07/13
【更新日】2005/07/13
詳細
HFR BBS会議室
 
深刻度
1(緊急)
  2(重要)
  3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
なし
対策
至急適用
再起動の必要性
必要
アンインストール
対象環境
サーバ
クライアント
セキュリティ情報
MS05-036(日本)
MS05-036(US)
サポート技術情報
含まれる過去の修正
なし
脆弱性識別番号
MS05-036/901214
Windows OSにおけるカラー管理モジュールの未チェック・バッファの脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性
(マイクロソフト カラー管理モジュールの脆弱性によりリモートでコードが実行される)

緊急対応度:適用作業の至急開始

危険性 脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用

 Windows OSがICC(The International Color Consortium)プロファイルのタグの検証処理を行う過程に未チェック・バッファの脆弱性が存在し、リモートで任意のコードが実行される危険性がある。攻撃は、WebページやHTML形式の電子メールなどに細工した画像を配置し、それをユーザーに表示させるように誘導することで行われる。画像を開くと攻撃が実行され、コンピュータの制御が完全に奪われる危険がある。画像掲示板やオンライン写真サービスなどに細工した画像を公開することで、攻撃が実行される懸念のある脆弱性だ。また電子メール型ワームに悪用される可能性もある。

 マイクロソフトによれば、MS05-036の脆弱性は非公開で報告されたとする一方で、この脆弱性が悪用されたという報告を受けているとしている。すでに悪用が開始されている脆弱性であることから、至急、修正プログラムの適用を開始した方がよい。

 

概要

 Windows OSなどでは、ICCプロファイルと呼ぶ、スキャナやプリンタ、ディスプレイなどのデバイスに依存する色再現特性やカラー・スペース(色域)などの特性を記述したファイルをサポートしている。このファイルを読み込むことで色再現をコントロールする仕組みを提供している(これにより、デバイスごとに異なるカラー・スペースをなるべく見た目の色が変わらないように変換することができる)。ICCプロファイルは、タグの集合体として記述されており、画像ファイルにもカラー・スペースの情報として埋め込むことが可能だ。

 今回報告された脆弱性は、ICCプロファイルのタグを検証するWindows OSのカラー管理モジュールの処理過程に未チェック・バッファが存在する、というものだ。細工されたICCプロファイルをカラー管理モジュールが読み込むと、バッファ・オーバーフローが発生し、任意のコードが実行される危険性がある。前述のようにICCプロファイルは画像ファイルに埋め込むことが可能であるため、細工された画像ファイルを開くだけで攻撃が実行される。細工された画像が画像掲示板などに投稿された場合、気を付けていても攻撃を受ける可能性がある。非常に危険性の高い脆弱性といえる。

 

対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
Windows 2000 Windows 2000 SP4
Windows XP Windows XP SP1/SP1a/SP2
Windows Server 2003 Windows Server 2003 SP未適用/SP1
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Windows 2000 Professional SP4
Windows 2000 Server SP4
Windows 2000 Advanced Server SP4
Windows XP Professional SP1
Windows XP Professional SP1a
Windows XP Professional SP2
Windows Server 2003, Standard Edition SP未適用
Windows Server 2003, Enterprise Edition SP未適用
Windows Server 2003, Standard Edition SP1
Windows Server 2003, Enterprise Edition SP1

■Windows 2000 SP3向けの修正プログラムは提供されない
 Windows 2000 SP3は2005年6月30日にサポート・ライフサイクルが終了したため、MS05-036の修正プログラムは提供されない。Windows 2000 SP4を適用してから、MS05-036の修正プログラムを適用する必要がある。

■Windows 98/98SE/Meにも脆弱性あり
 TechNetセキュリティ情報によれば、Windows 98/98SE/MeにもMS05-036の脆弱性が存在する。ただしマイクロソフトはこれらを「緊急ではない」と判断しており、修正プログラムの提供は行われない。信頼できないWebサイトは訪問しないなど、運用による脆弱性の回避が必要となる。

■MBSA 2.0の結果
 MS05-036の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0で確認可能だ。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新プログラム」の「結果の詳細情報」に、「MS05-036 Windows {2000/XP/Server 2003} 用セキュリティ更新プログラム (KB901214) 」が表示される。なおMBSA 1.21では、「Windowsのセキュリティの更新」に「マイクロソフト カラー管理モジュールの脆弱性によりリモートでコードが実行される (901214)」が表示される。

 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター Windows Update/SUS/WSUSの表示
Windows 2000 SP4 Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB901214)
Windows XP SP1/SP1a/SP2 Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB896358)
Windows Server 2003 SP未適用/SP1 Windows 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB901214)
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥
 以下のファイルが修正プログラムによって更新される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
 
Windows 2000 SP4:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
Windows2000-KB901214-x86-JPN.EXE 2005/06/29 1.0.0.0
582,648
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
  %SystemRoot%\system32\
icm32.dll 2005/06/29 5.0.0.3
246,032
Color Management Module (CMM)
mscms.dll 2005/06/29 5.0.2195.7054
69,904
Microsoft Color Matching System DLL
 
Windows XP SP1/SP1a/SP2:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsXP-KB901214-x86-JPN.exe 2005/06/29 1.0.0.0
627,952
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(sp1qfe)
%SystemRoot%\system32\
icm32.dll 2005/06/29 5.1.2600.1710
237,056
Color Management Module (CMM)
mscms.dll 2005/06/29 5.1.2600.1710
68,608
Microsoft Color Matching System DLL
展開フォルダ
(sp2gdr)
%SystemRoot%\system32\
icm32.dll 2005/06/29 5.1.2600.2709
254,976
Color Management Module (CMM)
mscms.dll 2005/06/29 5.1.2600.2709
74,240
Microsoft Color Matching System DLL
展開フォルダ
(sp2qfe)
%SystemRoot%\system32\
icm32.dll 2005/06/29 5.1.2600.2709
254,976
Color Management Module (CMM)
mscms.dll 2005/06/29 5.1.2600.2709
73,728
Microsoft Color Matching System DLL
 
Windows Server 2003 SP未適用/SP1:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsServer2003-KB901214-x86-JPN.exe 2005/06/29 1.0.0.0
627,952
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(rtmgdr/rtmqfe)
%SystemRoot%\system32\
icm32.dll 2005/06/29 5.2.3790.359
239,616
Color Management Module (CMM)
mscms.dll 2005/06/29 5.2.3790.359
70,656
Microsoft Color Matching System DLL
展開フォルダ
(sp1gdr/rtmqfe)
%SystemRoot%\system32\
icm32.dll 2005/06/29 5.2.3790.2476
255,488
Color Management Module (CMM)
mscms.dll 2005/06/29 5.2.3790.2476
75,264
Microsoft Color Matching System DLL
 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。

・Windows 2000 SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB901214\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows XP SP1/SP1a/SP2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP3\KB901214\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows Server 2003 SP未適用/SP1:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\SP2\KB901214\Filelist以下のファイル一覧を確認する

 

予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
Windows2000-KB901214-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 SP4)
18分 27分 52分 1時間34分
WindowsXP-KB901214-x86-JPN.exe
(Windows XP SP1/SP1a/SP2)
18分 27分 52分 1時間34分
WindowsServer2003-KB901214-x86-JPN.exe
(Windows Server 2003)
18分 27分 52分 1時間34分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 

UpdateEXPERT上の表示

・Windows 2000 SP4:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:Windows2000-KB901214-x86-JPN.EXE」で登録

・Windows XP SP1/SP1a/SP2:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsXP-KB901214-x86-JPN.exe」で登録

・Windows Server 2003 SP未適用/SP1:
UpdateEXPERT 5.1:サポート対象外
UpdateEXPERT 6.1:[展開ビュー]−[OS]タブに「WindowsServer2003-KB901214-x86-JPN.exe」で登録

 

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