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Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:
2005/08/11日版
 
【登録日】2005/08/11
【更新日】2005/08/11
詳細
HFR BBS会議室
 
深刻度
  1(緊急)
2(重要)
  3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
なし
対策
早期適用
再起動の必要性
必要
アンインストール
対象環境
サーバ
クライアント
セキュリティ情報
MS05-040(日本)
MS05-040(US)
サポート技術情報
含まれる過去の修正
なし
脆弱性識別番号
MS05-040/893756
テレフォニー・サービスの未チェック・バッファの脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性
(テレフォニー サービスの脆弱性により、リモートでコードが実行される)

緊急対応度:適用作業の早期開始

危険性 脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用

 TAPI(Telephony API)を提供するテレフォニー・サービスに未チェック・バッファの脆弱性が存在し、リモートで任意のコードが実行される危険性がある。Windows 2000 Serverでは、テレフォニー・サーバ機能を有効にしていると、細工したメッセージを受信するだけで、最悪の場合、コンピュータの制御が完全に奪われてしまう。

 テレフォニー・サーバ機能は、Windows 2000 ServerとWindows Server 2003に実装されている。このうちWindows Server 2003のテレフォニー・サービスは認証ユーザーからのアクセスしか受け付けないため、匿名ユーザーの攻撃は難しいとマイクロソフトは説明している。

 Windows 2000/XPでは、任意のコードが実行されることはないが、権限の昇格が行われる危険性がある。感染したウイルスやワームによってこの脆弱性が悪用される可能性がある。

 マイクロソフトによれば、MS05-040の脆弱性は非公開で報告されたとしており、実証コードや攻撃例は確認されていないという。ただしWindows 2000 Serverでは、前述のようにインターネットからの匿名ユーザーによる攻撃が懸念されるので、至急、修正プログラムを適用した方がよい。

 

概要

 テレフォニー・サービスは、音声/データ/FAX/ビデオなどの各種テレフォニー・デバイスをWindows OSが利用するためのAPIである「TAPI」のサポートを行うものである。このテレフォニー・サービスがデータとアクセス許可を検証するために使用する過程に未チェック・バッファの脆弱性が存在する。

 最も危険な構成は、Windows 2000 Serverでテレフォニー・サーバ機能を手動で有効にしている場合だ。この場合、匿名ユーザーからの細工されたメッセージを受信すると、バッファ・オーバーフローを起こし、任意のコードが実行される。Windows Server 2003では、テレフォニー・サーバ機能を手動で有効にしていても、認証ユーザーからのアクセスしか受け付けないよう制限されているため、匿名ユーザーからの攻撃は受け付けない。

 クライアント用OSであるWindows 2000とWindows XPで、脆弱性を持つテレフォニー・サービスが実装されているため、攻撃の危険がある(テレフォニー・サーバ機能は実装されていない)。Windows 2000/XPで、この脆弱性を悪用されるとユーザー権限の昇格が行われる(Windows 2000 ServerとWindows Server 2003でも、テレフォニー・サーバ機能の有効/無効に関わらず、権限の昇格が行われる可能性がある)。ただし、攻撃者が有効なログオン権限を持っており、ローカルでログオンできることが条件となる。そのため、リモートあるいは匿名ユーザーによって攻撃はないと思われる。

 なお、Windows XPとWindows Server 2003では、テレフォニー・サービスはデフォルトでは実行されない。しかし、TAPIクライアントの要求によって、ユーザーの操作なしに、テレフォニー・サービスが起動されるので注意が必要だ。ダイヤルアップ接続やVPNの設定などを行っていると、テレフォニー・サービスが開始される。

 

対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
Windows 2000 Windows 2000 SP4
Windows XP Windows XP SP1/SP1a/SP2
Windows Server 2003 Windows Server 2003 SP未適用/SP1
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Windows 2000 Professional SP4
Windows 2000 Server SP4
Windows 2000 Advanced Server SP4
Windows XP Professional SP1
Windows XP Professional SP1a
Windows XP Professional SP2
Windows Server 2003, Standard Edition SP未適用
Windows Server 2003, Enterprise Edition SP未適用
Windows Server 2003, Standard Edition SP1
Windows Server 2003, Enterprise Edition SP1

■Windows 2000 SP3向けの修正プログラムは提供されない
 Windows 2000 SP3は2005年6月30日にサポート・ライフサイクルが終了したため、MS05-040の修正プログラムは提供されない。Windows 2000 SP4を適用してから、MS05-040の修正プログラムを適用する必要がある。

■Windows 98/98SE/Meにも脆弱性あり
 TechNetセキュリティ情報によれば、Windows 98/98SE/MeにもMS05-040の脆弱性が存在する。ただしマイクロソフトはこれらを「緊急ではない」と判断しており、修正プログラムの提供は行われない。ファイアウォールで利用していないポートの送信/受信をブロックするなどの脆弱性の回避が必要となる。

■Windows XP SP2とWindows Server 2003 SP1では[プログラムの追加と削除]で表示形式が日付順になる修正ツールが実行される
 Windows XP SP2とWindows Server 2003 SP1では、update.exe 6.1を使用してビルドされた修正プログラムが、コントロール・パネルの[プログラムの追加と削除]で日付順に並ばないという不具合がある。これは、update.exe 6.1を使用してビルドされたパッケージのレジストリ・キーに、「Installed On」属性がないことに起因する。

 MS05-040の修正プログラムをWindows XP SP2とWindows Server 2003 SP1に対して適用すると、この不具合を解消する「arpidfix.exe」が実行され、[プログラムの追加と削除]の表示形式で日付順に並ぶように「Installed On」属性を付加される。arpidfix.exeは、修正プログラムの実行時のみ使用される。

・サポート技術情報 904630(Arpidfix.exe ツールについて):
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;904630

■MBSA 2.0の結果
 MS05-040の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0で確認可能だ。未適用の場合は、「MS05-040 Windows {2000/XP/Server 2003} 用セキュリティ更新プログラム (KB896423)」が表示される。参考までにMBSA 1.21では「Windowsのセキュリティの更新」に「テレフォニー サービスの脆弱性により、リモートでコードが実行される(893756)」が表示される。

 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター WU/MU/SUS/WSUSの表示
Windows 2000 SP4 Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB893756)
Windows XP SP1/SP1a/SP2 Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB893756)
Windows Server 2003 SP未適用/SP1 Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB893756)
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥
 以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
 
Windows 2000 SP4

ファイル名 日付 バージョン サイズ
Windows2000-KB893756-x86-JPN.EXE 2005/07/02 1.0.0.0
579,576
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\system32\
remotesp.tsp 2005/07/02 5.0.2195.7002
68,368
Microsoft Windows Remote Service Provider
tapisrv.dll 2005/07/02 5.0.2195.7057
175,888
Microsoft Windows Telephony Server

Windows XP SP1/SP1a/SP2:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsXP-KB893756-x86-JPN.exe 2005/07/09 1.0.0.0
692,976
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(sp1qfe)
%SystemRoot%\system32\
remotesp.tsp 2005/07/09 5.1.2600.1715
72,704
Microsoft Windows Remote Service Provider
tapisrv.dll 2005/07/09 5.1.2600.1715
236,544
Microsoft Windows Telephony Server
展開フォルダ
(sp2gdr/sp2qfe)
%SystemRoot%\system32\
remotesp.tsp 2005/07/09 5.1.2600.2716
76,800
Microsoft Windows Remote Service Provider
tapisrv.dll 2005/07/09 5.1.2600.2716
247,296
Microsoft Windows Telephony Server

Windows Server 2003 SP未適用/SP1:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsServer2003-KB893756-x86-JPN.exe 2005/07/09 1.0.0.0
697,584
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(rtmgdr/rtmqfe)
%SystemRoot%\system32\
remotesp.tsp 2005/07/09 5.2.3790.366
74,752
Microsoft Windows Remote Service Provider
tapisrv.dll 2005/07/09 5.2.3790.366
245,760
Microsoft Windows Telephony Server
展開フォルダ
(sp1gdr/sp1qfe)
%SystemRoot%\system32\
tapisrv.dll 2005/07/09 5.2.3790.2483
256,000
Microsoft Windows Telephony Server
 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。

・Windows 2000 SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB893756\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows XP SP1/SP1a/SP2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP3\KB893756\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows Server 2003 SP未適用/SP1:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\SP2\KB893756\Filelist以下のファイル一覧を確認する

 

予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
Windows2000-KB893756-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 SP4)
18分 27分 52分 1時間34分
WindowsXP-KB893756-x86-JPN.exe
(Windows XP SP1/SP1a/SP2)
18分 27分 52分 1時間34分
WindowsServer2003-KB893756-x86-JPN.exe
(Windows Sever 2003 SP未適用/SP1)
18分 27分 52分 1時間34分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 

UpdateEXPERT上の表示

・Windows 2000 SP4:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:Windows2000-KB893756-x86-JPN.EXE」で登録

・Windows XP SP1/SP1a/SP2:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsXP-KB893756-x86-JPN.exe」で登録

・Windows Server 2003 SP未適用/SP1:
UpdateEXPERT 5.1:サポート対象外
UpdateEXPERT 6.1:[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsServer2003-KB893756-x86-JPN.exe」で登録

 

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