マイクロソフトは、Windows 2000 SP4向け更新プログラム ロールアップ 1(以下、UR1)の提供を開始した。UR1は、Windows 2000
SP4のリリース後に提供されたセキュリティ修正プログラム(MS02-050からMS05-020まで、MS05-019の更新版を含む)と不具合修正プログラムをまとめたものだ。6月の月例修正プログラムは含まれていないので、UR1を適用後、別途6月分の適用が必要になる点に注意してほしい。含まれている修正プログラムの一覧は、「サポート技術情報:891861」と「サポート技術情報:900345」に掲載されている。
・ダウンロード・センター(Windows 2000 SP4 用の更新プログラム ロールアップ 1):
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?
FamilyID=c0a2ca36-1179-431c-80e6-60a494d3823d&DisplayLang=ja
・サポート技術情報 891861(Update Rollup 1 for Windows 2000 SP4):
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;en-us;891861
#Windows 2000 SP4用の更新プログラム ロールアップ 1の概要。包含しているセキュリティ修正プログラムの一覧も掲載されている
・サポート技術情報 900345(Problems that are fixed in the Update Rollup 1 for Microsoft
Windows 2000 Service Pack 4 that is dated June 28, 2005):
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;en-us;900345
#Windows 2000 SP4用の更新プログラム ロールアップ 1に含まれる不具合修正一覧
UR1はサービスパックと異なり、Windows 2000 SP4だけに適用可能である。Windows 2000 SP3などを利用している場合は、SP4をインストールした後に、UR1を適用する必要がある。UR1では、Windows
2000 標準コンポーネント以外は更新されないことに注意が必要だ。例えば、Internet Explorer(IE)ならば、5.01系のみ、Windows
Media Playerならば6.4のみ、DirectXならば7.0のみ、MDAC ならば 2.5系のみがそれぞれ更新される。したがって、例えばIE 6 SP1をインストールしている場合は、UR1とは別にIE
6 SP1向けの修正プログラムを適用する必要がある。
なおUR1の適用によって、Internet Security Systems製品が停止する、Sophosのウイルス対策ソフトウェアがインストールされているとネットワークにログオンするのに最高15分かかる、Ctrix
MetaFrameクライアントでサーバ上のアプリケーションを起動できなくなる、などの不具合が報告されている。
・サポート技術情報 901159(セキュリティ更新プログラム MS05-019 の改訂版を Windows 2000 ベースのコンピュータにインストールした後、一部の
Internet Security Systems 製品が動作を停止する):
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;901159
・Sophos(Sophos Anti-Virus for Windows 2000/XP/2003 - Windows 2000 SP4 用更新プログラムのロールアップ
1 との衝突):
http://www.sophos.co.jp/support/knowledgebase/article/3289.html
・Citrix(Unable to Connect with ICA After Installing Microsoft Rollup 1 for
Windows 2000)
http://support.citrix.com/kb/entry.jspa?entryID=6927
またDA Labで、UR1で置き換えられるファイルのバージョンを調べたところ、個別に公開されている修正プログラムと同じではなく、それよりも新しいファイル・バージョンのものが多数存在していた。これは、一般には公開されなかった不具合修正プログラム(QFE)もUR1に含まれているためである。新しいファイル・バージョンを持つファイルの中には、ntoskrnl.exeなどWindows
NTやWindows XPで以前の修正プログラムの適用時に不具合を引き起こしたファイルも含まれている。大規模に適用する前に十分な検証を行った方がよい。
・HotFix Report(Windows 2000 SP4用更新プログラム ロールアップ 1のファイル・リスト):
http://www.hotfix.jp/archives/alert/2005/win2kur1/win2kur1.html
・HotFix Report(Windows 2000 SP4用更新プログラム ロールアップ 1のファイル・リスト−インストール先情報付き):
http://www.hotfix.jp/archives/alert/2005/win2kur1/win2kur1_inst.html
さらに調査の結果、以下の修正プログラムはUR1に含まれていなかった。これらの修正プログラムが未適用の場合は、UR1の適用後、別途適用する必要がある。
サポート技術情報 |
HotFix Alert |
修正プログラム名 |
説明 |
セキュリティ修正プログラム |
MS05-024/894320 |
MS05-024 |
Windows2000-KB894320-x86-JPN.EXE |
[MS05-024] 「Web の表示」の脆弱性により、リモートでコードが実行される |
MS05-026/896358 |
MS05-026 |
Windows2000-KB896358-x86-JPN.EXE |
[MS05-026] HTML ヘルプの脆弱性により、リモートでコードが実行される |
MS05-027/896422 |
MS05-027 |
Windows2000-KB896422-x86-JPN.EXE |
[MS05-027] サーバー メッセージ ブロックの脆弱性により、リモートでコードが実行される |
MS05-032/890046 |
MS05-032 |
Windows2000-KB890046-x86-JPN.EXE |
[MS05-032] Microsoft エージェントの脆弱性により、なりすましが行われる |
不具合修正プログラム |
818043 |
− |
Q818043_W2K_SP5_x86_JA.EXE |
Windows XP および Windows 2000 用 L2TP/IPSec NAT-T 更新プログラム |
884016 |
− |
WindowsInstaller-KB884016-v2-x86.exe |
Windows インストーラ 3.0 |
893803 |
− |
WindowsInstaller-KB893803-v2-x86.exe |
Windows インストーラ 3.1 |
819745 |
− |
Windows2000-KB819745-x86-JPN.exe |
Windows 2000 ベースのコンピュータで音楽を再生するとき、停止する: 0x0000001E "エラー メッセージ" |
838989 |
− |
Windows2000-KB838989-x86-JPN.EXE |
電源をいったん切って再投入した USB デバイスが再検出されないことがある |
842773 |
− |
Windows2000-KB842773-x86-JPN.EXE |
バックグラウンド インテリジェント転送サービス (BITS) 2.0 および WinHTTP 5.1 を含む更新プログラム パッケージ |
842933 |
− |
Windows2000-KB842933-x86-JPN.EXE |
GPO を編集または参照すると、エラー メッセージ "[strings] セクションの次のエントリが長すぎるため切り詰められました" が表示される |
894391 |
− |
Windows2000-KB894391-x86-JPN.EXE |
セキュリティ更新プログラム MS05-012 をインストール後、リッチ テキスト形式の電子メール メッセージで 2 バイト文字セットの添付ファイル名が表示されず、エラー
メッセージ "Generic Host Process" が表示されることがある |
・HotFix Report(Windows 2000 SP4用更新プログラム ロールアップ 1に含まれない修正プログラム):
http://www.hotfix.jp/archives/alert/2005/win2kur1/win2kur1_unpach.html
なお、2005/06/29日付けのHotFix Weeklyで既報のとおり、Windows 2000のサポートのメインストリーム・フェーズが6月30日で終了している。また同時にWindows
2000 SP3に対するサポートは終了し、SP3に対するセキュリティ修正プログラムの提供も行われなくなる。まだSP4へ移行していない場合には、早期にWindows
2000 SP4のインストールを行い、UR1の適用を検討してほしい。
・HotFix Weekly 2005/06/29日付け(6月末でWindows 2000のサポートのメインストリーム・フェーズが終了):
http://www.hotfix.jp/archives/alert/2005/news05-0629.html#03
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