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Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:
2006
/02/15版
 
【登録日】2006/02/15
【更新日】2006/02/15
HFR BBS会議室
 
深刻度
1(緊急)
  2(重要)
  3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
なし
対策
至急適用
再起動の必要性
不要(必要な場合あり)
アンインストール
対象環境
サーバ
クライアント
セキュリティ情報
MS06-005(日本)
MS06-005(US)
サポート技術情報
含まれる過去の修正
脆弱性識別番号
MS06-005/911565
Windows Media Playerにおけるビットマップ画像解析の未チェック・バッファの脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性
(Windows Media Player の脆弱性により、リモートでコードが実行される)

緊急対応度:適用作業の至急開始

危険性 脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用

 Windows Media Player(WMP)がビットマップ・ファイル(bmpファイル)を処理する方法に脆弱性が存在し、リモートで任意のコードが実行される危険性がある。細工されたasxファイルなどを開くと、WMPによってbmpファイルが処理され、脆弱性が悪用される。最悪の場合、コンピュータの制御が完全に奪われてしまう。

 攻撃は、WebページにWMPで再生可能なメディア・ファイルをリンクしておくことで実行される可能性がある。ユーザーがリンクをクリックすると、自動的にWMPが起動して、脆弱性が悪用される。またWMPのスキン・ファイルを細工したり、細工したメディア・オブジェクトをWordなどに貼りつけたりすることで脆弱性が悪用されるケースも考えられる。

 マイクロソフトによれば、MS06-005の脆弱性は非公開で報告されたとしており、実証コードや攻撃例は確認されていないという。ただし、修正プログラムがリリースされたことから、脆弱性を発見したeEye Digital Securityが詳細な技術情報を公開している。この情報をもとに、脆弱性を悪用するWebページや電子メール添付型ウイルスなどが開発される危険がある。詳細な技術情報の公開により、悪用の危険性は高まっているので、至急、修正プログラムを適用した方がよい。

・eEye Digital Security (Windows Media Player BMP Heap Overflow):
http://www.eeye.com/html/research/advisories/AD20060214.html

・住商情報システム(eEye Advisories:):
http://www.scs.co.jp/eeye/advisories/AD20060214.html

 

概要

 WMPのbmpファイルの処理部分にヒープ・オーバーフローの脆弱性が存在する。WMPがbmpファイルを処理する際に、ビットマップ・サイズが0と宣言されていると、0byteのヒープ領域しか確保しない状態で、ビットマップ・データをコピーするためにヒープ・オーバーフローが発生する。

 細工されたbmpファイルをWMPで開くようにasxファイルを記述し、これをユーザーに開かせることで攻撃が実行される危険がある。攻撃者は、asxファイルをWebページにリンクし、Internet Explorerでユーザーがそこをクリックするように誘導する。asxファイルが開かれると、自動的にWMPが起動するため、細工されたbmpファイルが処理されて、任意のコードが実行されてしまう。また細工したスキン・ファイルをユーザーに開かせるように誘導することでも攻撃が実行される危険性がある。

 

対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
Windows Media Player 7.1 Windows 2000 SP4+Windows Media Player 7.1
Windows Media Player 8 Windows XP SP1/SP1a+Windows Media Player 8
Windows Media Player 9 Windows 98/98SE/Me、Windows 2000 SP4、Windows XP SP1/SP1a/SP2、Windows Server 2003 SP未適用+Windows Media Player 9
Windows Media Player 10 Windows XP SP1/SP1a/SP2+Windows Media Player 10
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Windows 2000 Professional SP4+Windows Media Player 7.1
Windows 2000 Professional SP4+Windows Media Player 9
Windows 2000 Server SP4+Windows Media Player 9
Windows 2000 Advanced Server SP4+Windows Media Player 7.1
Windows XP SP1a+Windows Media Player 8
Windows XP SP1+Windows Media Player 9
Windows XP SP2+Windows Media Player 9
Windows Server 2003 Standard Edition SP未適用+Windows Media Player 9
Windows Server 2003 Enterprise Edition SP未適用+Windows Media Player 9
Windows XP SP1a+Windows Media Player 10
Windows XP SP2+Windows Media Player 10

■Windows 98/98SE/Me+Windows Media Player 9向けの修正プログラムも提供
 Windows 98/98SE/Me+Windows Media Player 9に対するMS06-005の脆弱性は「緊急」に位置付けられており、修正プログラムが提供されている。通常、Windows 98/98SE/Meに対する修正プログラムは、Windows Updateでのみ提供されるが、MS06-005についてはダウンロード・センターからも入手可能となっている。企業内で展開するような場合は、ダウンロード・センターから修正プログラムを入手するとよい。

■Windows 98/98SE/Me+Windows Media Player 9向けの修正プログラムは、適用後に再起動と再ログオンが必要
 Windows 98/98SE/Me+Windows Media Player 9に対するMS06-005の修正プログラムは、いったん適用が終わってユーザーが次回ログオンしたときにunregmp2.exeというプログラムが実行されるように設計されている。これを正常に実行するには、適用後に再起動と再ログオンを実施する必要がある。

■Windows Media Player 7.1はサポート対象外のはず
 MS06-005の修正プログラムは、Windows 2000 SP4+Windows Media Player 7.1向けにも提供されている。しかしWindows Media Player 7.1のサポート・ライフサイクルは2004年3月31日に終了したはずである。今回、なぜ修正プログラムが提供されたのか不明だ。Windows Media Player 7.1は、ライフサイクルが終了している製品なので、なるべく早期にWindows Media Player 9へアップグレードした方がよいだろう。

・マイクロソフト(プロダクト ライフサイクル - Windows):
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=fh%3BJA%3BlifeWin

■MBSA 2.0の結果
 修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0で確認可能だ。未適用の場合は、「Windows のセキュリティ更新プログラム」の「結果の詳細情報」に、以下のいずれかが表示される。

  • Windows 2000 用 Windows Media Player 7.1 のセキュリティ更新プログラム (KB911565)
  • Windows XP 用 Windows Media Player 8 のセキュリティ更新プログラム (KB911565)
  • Windows Media Player 9 用セキュリティ更新プログラム (KB911565)
  • Windows XP 用 Windows Media Player 10 のセキュリティ更新プログラム (KB911565)

 参考までにMBSA 1.21では「Windows Media Player の脆弱性により、リモートでコードが実行される (911565)」が表示される。

 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター WU/MU/SUS/WSUSの表示
Windows Media Player 7.1 Windows 2000 用 Windows Media Player 7.1 のセキュリティ更新プログラム (KB911565)
Windows Media Player 8 Windows XP 用 Windows Media Player 8 のセキュリティ更新プログラム (KB911565)
Windows Media Player 9
(Windows 98/98SE/Me)
Windows 98 および Windows Me 用 Windows Media Player 9 のセキュリティ更新プログラム (KB911565)
Windows Media Player 9
(Windows 2000 SP4、Windows XP SP1/SP1a/SP2、Windows Server 2003 SP未適用)
Windows Media Player 9 用セキュリティ更新プログラム (KB911565)
Windows Media Player 10 Windows XP 用 Windows Media Player 10 のセキュリティ更新プログラム (KB911565)
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥
 以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
 
Windows Media Player 7.1(Windows 2000 SP4):

ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsMedia7-KB911565-x86-JPN.exe 2006/01/04 1.0.0.0
895,752
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\system32\
wmpui.dll 2005/12/20 7.10.0.3077
1,122,304
Microsoft Windows Media Player
 
Windows Media Player 8(Windows XP SP1/SP1a):
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsMedia8-KB911565-x86-JPN.exe 2005/12/23 1.0.0.0
895,752
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\system32\
wmpui.dll 2005/12/20 8.0.0.4495
1,425,680
Windows Media Player
 
Windows Media Player 9(Windows 98/98SE/Me):
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsMedia9-KB911565-Win9x-x86-JPN.exe 2006/01/12 5.50.4134.600
1,945,600
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\system\
wmp.dll 2005/12/19 9.0.0.3344
4,730,880
Windows Media Player Core
 
Windows Media Player 9(Windows 2000 SP4、Windows XP SP1/SP1a/SP2、Windows Server 2003 SP未適用):
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsMedia9-KB911565-x86-JPN.exe 2006/01/12 1.0.0.0
2,303,752
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\system32\
wmp.dll 2005/12/19 9.0.0.3344
4,730,880
Windows Media Player Core
 
Windows Media Player 10(Windows XP SP1/SP1a/SP2):
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsMedia10-KB911565-x86-JPN.exe 2006/01/14 1.0.0.0
2,560,264
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\system32\
wmp.dll 2005/12/06 10.0.0.3990
5,533,696
Windows Media Player Core
 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値あるいはファイルのバージョンを調べることで確認できる。

・Windows Media Player 7.1(Windows 2000 SP4):
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Media Player 7.1\SP0\KB911565\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows Media Player 8(Windows XP SP1/SP1a):
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Media Player 8\SP0\KB911565\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows Media Player 9(Windows 98/98SE/Me):
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Media Player\KB911565\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows Media Player 9(Windows 2000 SP4、Windows XP SP1/SP1a/SP2、Windows Server 2003 SP未適用):
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Media Player 9\SP0\KB911565\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows Media Player 10(Windows XP SP1/SP1a/SP2):
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Media Player 10\SP0\KB911565\Filelist以下のファイル一覧を確認する

 

予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
WindowsMedia7-KB911565-x86-JPN.exe
(Windows 2000 SP4)
12分 21分 46分 1時間39分
WindowsMedia8-KB911565-x86-JPN.exe
(Windows XP SP1/SP1a)
12分 21分 46分 1時間39分
WindowsMedia9-KB911565-x86-JPN.exe
(Windows 2000 SP4、Windows XP SP1/SP1a/SP2、Windows Server 2003 SP未適用)
13分 21分 47分 1時間40分
WindowsMedia10-KB911565-x86-JPN.exe
(Windows XP SP1/SP1a/SP2)
13分 21分 47分 1時間41分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 

UpdateEXPERT上の表示

・Windows Media Player 7.1(Windows 2000 SP4):
[展開ビュー]−[Media]タブに「名前:WindowsMedia7-KB911565-x86-JPN.exe」で登録

・Windows Media Player 8(Windows XP SP1/SP1a):
[展開ビュー]−[Media]タブに「名前:WindowsMedia8-KB911565-x86-JPN.exe」で登録

・Windows Media Player 9(Windows 2000 SP4、Windows XP SP1/SP1a/SP2、Windows Server 2003 SP未適用):
[展開ビュー]−[Media]タブに「名前:WindowsMedia9-KB911565-x86-JPN.exe」で登録

・Windows Media Player 10(Windows XP SP1/SP1a/SP2):
[展開ビュー]−[Media]タブに「名前:WindowsMedia10-KB911565-x86-JPN.exe」で登録

 

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