MS06-032/917953 |
TCP/IPプロトコル・ドライバの未チェック・バッファの脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性 |
(TCP/IP の脆弱性により、リモートでコードが実行される) |
対応の緊急性:早期適用 [攻撃コード未公開][攻撃事例なし]
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危険性 |
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脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。 |
可能性のある攻撃
攻撃手法
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脆弱性の影響
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リモート攻撃 |
ウイルス/ワーム |
電子メール添付 |
Webサイトへの誘導 |
コードの実行 |
権限の昇格 |
情報の漏えい |
サービス拒否 |
なりすまし |
○
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○
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○
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○
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TCP/IPプロトコル・ドライバに未チェック・バッファの脆弱性が存在し、リモートで任意のコードが実行される危険性がある。TCP/IPプロトコル・ドライバが細工されたリクエストを処理すると、バッファ・オーバーフローが発生し、コードが実行されてしまう。しかしマイクロソフトによれば、この脆弱性が悪用されてもサービス拒否に留まる可能性が高く、コードの実行は難しいとしている。
マイクロソフトによれば、MS06-032の脆弱性は非公開で報告されたとしており、攻撃例は現在のところ確認されていないという。しかし、サービス拒否を起こす実証コードが非公開ながら存在している、と報じられている。
・The SANS Institute(Exploits for most recent Microsoft Patches):
http://isc.sans.org/diary.php?storyid=1415
脆弱性を悪用するようなワームが登場した場合、Blasterワームと同様、広範囲な影響を与える可能性が懸念される。なるべく早急に修正プログラムを適用した方がよい。
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脆弱性の内容
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TCP/IPプロトコル・ドライバのIPソース・ルーティング機構に未チェック・バッファが存在する。細工されたIPパケットを受信すると、脆弱性が悪用され、コードが実行される危険性がある。
この脆弱性は、RRAS(ルーティングとリモート・アクセス・サービス)が有効になっている場合にのみ影響を受ける。RRASは、デフォルトで無効に設定されているが、VPN接続などを設定するとRRASが有効になるので注意が必要だ。
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対象プラットフォーム
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影響を受けるソフトウェア |
対象プラットフォーム |
Windows 2000 |
Windows 2000 SP4 |
Windows XP |
Windows XP SP1/SP1a/SP2 |
Windows Server 2003 |
Windows Server 2003 SP未適用/SP1 |
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‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント
‥‥‥
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■適用テストの結果
DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。
プラットフォーム
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適用テスト結果
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Windows 2000 Professional SP4 |
○
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Windows 2000 Server SP4 |
○
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Windows 2000 Advanced Server SP4 |
○
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Windows XP Professional SP1 |
○
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Windows XP Professional SP1a |
○
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Windows XP Professional SP2 |
○
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Windows Server 2003, Standard Edition SP未適用 |
○
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Windows Server 2003, Enterprise Edition SP未適用 |
○
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Windows Server 2003, Standard Edition SP1 |
○
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Windows Server 2003, Enterprise Edition SP1 |
○
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Windows Server 2003 R2, Enterprise Edition |
○
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■MBSA 2.0の結果
MS06-032の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0で確認可能である。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新プログラム」の「結果の詳細情報」に以下のいずれかが表示される。
- Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB917953)
- Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB911280)
- Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB911280)
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適用時の注意点
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■Windows 2000 SP4向け修正プログラムはMS05-019を置き換えない
TechNetセキュリティ情報によれば、MS06-032のWindows 2000 SP4向け修正プログラムはMS05-019を置き換えるとしている。しかしMS05-019のWindows
2000 SP4向け修正プログラムには、MS06-032の修正プログラムで置き換える「tcpip.sys」以外のファイルも含まれている。そのため、Windows
2000 SP4では、MS06-032のほか、MS05-019の修正プログラムも別途適用が必要である。特に新たにOSをインストールするなどしたWindows
2000 SP4環境に、手動で修正プログラムを適用するなどする際は注意が必要だ。
セキュリティ情報番号 |
Windows 2000 SP4 |
Windows XP SP1/SP1a |
Windows XP SP2 |
Windows Server 2003 SP未適用 |
Windows Server 2003 SP1 |
MS06-007 |
対象外 |
置き換わる |
置き換わる |
置き換わる |
置き換わる |
MS05-019 |
置き換わらない |
置き換わる |
置き換わる |
置き換わる |
対象外 |
■サードパーティ製ソフトウェアで不具合が生じる可能性
マイクロソフトは、Windows 2000 SP4にMS06-032の修正プログラムを適用すると、一部のサードパーティ製ソフトウェアで応答が停止するなどの不具合が発生することを明らかにしている。現在、公表されているのは、Internet
Security Systemsの「RealSecure Desktop 7.0 with XPU version ENO」のみだが、そのほかのソフトウェアでも影響を受ける可能性がある。事前に検証を行った上で、大規模な適用作業を行った方がよいだろう。
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プラットフォーム |
ダウンロード・センター |
WU/MU/SUS/WSUSの表示 |
Windows 2000 SP4 |
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Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB917953) |
Windows XP SP1/SP1a/SP2 |
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Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB917953) |
Windows Server 2003 SP未適用/SP1 |
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Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB917953) |
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以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
Windows 2000 SP4:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
Windows2000-KB917953-x86-JPN.EXE |
2006/04/26 |
1.0.0.0 |
639,464
|
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ |
%SystemRoot%\system32\drivers\ |
tcpip.sys |
2006/04/25 |
5.0.2195.7087 |
320,336
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TCP/IP driver |
Windows XP SP1/SP1a/SP2:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
WindowsXP-KB917953-x86-JPN.exe |
2006/04/21 |
1.0.0.0 |
790,840
|
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ
(SP1QFE) |
%SystemRoot%\system32\drivers\ |
tcpip.sys |
2006/04/20 |
5.1.2600.1831 |
340,480
|
TCP/IP Protocol Driver |
展開フォルダ
(SP2GDR)
|
%SystemRoot%\system32\drivers\ |
tcpip.sys |
2006/04/20 |
5.1.2600.2892 |
359,808
|
TCP/IP Protocol Driver |
展開フォルダ
(SP2QFE)
|
%SystemRoot%\system32\drivers\ |
tcpip.sys |
2006/04/20 |
5.1.2600.2892 |
360,576
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TCP/IP Protocol Driver |
Windows Server 2003 SP未適用/SP1:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
WindowsServer2003-KB917953-x86-JPN.exe |
2006/05/25 |
1.0.0.0 |
885,048
|
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ
(RTMGDR) |
%SystemRoot%\system32\drivers\ |
tcpip.sys |
2006/05/20 |
5.2.3790.537 |
317,440
|
TCP/IP Protocol Driver |
展開フォルダ
(RTMQFE)
|
%SystemRoot%\system32\drivers\ |
tcpip.sys |
2006/05/20 |
5.2.3790.537 |
318,464
|
TCP/IP Protocol Driver |
展開フォルダ
(SP1GDR) |
%SystemRoot%\system32\drivers\ |
tcpip.sys |
2006/05/24 |
5.2.3790.2709 |
333,312
|
TCP/IP Protocol Driver |
展開フォルダ
(SP1QFE) |
%SystemRoot%\system32\drivers\ |
tcpip.sys |
2006/05/24 |
5.2.3790.2709 |
386,048
|
TCP/IP Protocol Driver |
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修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。
・Windows 2000 SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB917953\Filelist以下のファイル一覧を確認する
・Windows XP SP1/SP1a/SP2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP3\KB917953\Filelist以下のファイル一覧を確認する
・Windows Server 2003 SP未適用/SP1:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\SP2\KB917953\Filelist以下のファイル一覧を確認する
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予想適用時間
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修正プログラム名 |
50台 |
100台 |
250台 |
500台 |
Windows2000-KB917953-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 SP4) |
18分 |
27分 |
52分 |
1時間34分 |
WindowsXP-KB917953-x86-JPN.exe
(Windows XP SP1/SP1a/SP2) |
18分 |
27分 |
52分 |
1時間34分 |
WindowsServer2003-KB917953-x86-JPN.exe
(Windows Server 2003 SP未適用/SP1) |
18分 |
27分 |
52分 |
1時間35分 |
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
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UpdateEXPERT上の表示
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・Windows 2000 SP4:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:Windows2000-KB917953-x86-JPN.EXE」で登録
・Windows XP SP1/SP1a/SP2:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsXP-KB917953-x86-JPN.exe」で登録
・Windows Server 2003 SP未適用/SP1:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsServer2003-KB917953-x86-JPN.exe」で登録
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