MS06-034/917537 |
IISにおけるASP処理の未チェック・バッファの脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性 |
(Active Server Pages を使用した Internet Information Services (IIS) の脆弱性により、リモートでコードが実行される) |
対応の緊急性:早期適用 [攻撃コード未公開][攻撃事例なし]
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危険性 |
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脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。 |
可能性のある攻撃
攻撃手法
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脆弱性の影響
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リモート攻撃 |
ウイルス/ワーム |
電子メール添付 |
Webサイトへの誘導 |
コードの実行 |
権限の昇格 |
情報の漏えい |
サービス拒否 |
なりすまし |
○
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○
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Internet Information Services(IIS)がActive Server Pages(ASP)を処理する過程に未チェック・バッファの脆弱性が存在し、リモートで任意のコードが実行される危険性がある。攻撃は、ASPを利用したWebコンテンツをアップロードすることで実行される。この際、一般的にはサーバの有効なログオン権限が必要になる(アップロード時に認証が必要になる)ので攻撃は容易ではないが、何らかの理由で匿名によるWebコンテンツのアップロードを許可している場合は危険である。
マイクロソフトによれば、MS06-034の脆弱性は非公開で報告されたとしており、実証コードや攻撃例は確認されていないという。しかし脆弱性が明らかになったことから、実証コードが公開される可能性が高くなっている。特にインターネットに公開しているサーバの場合は、攻撃を受けるとコンピュータの制御が奪われてしまうなど、甚大な被害が生じる危険性がある。なるべく早く修正プログラムを適用した方がよい。またクライアントPCであっても、開発やテストを目的としてIISを有効にしている場合は、脆弱性の影響を受けるので修正プログラムの適用が必要になる。
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脆弱性の内容
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ASPは、サーバ・サイドのスクリプト技術で、動的に対話的なWebアプリケーションが作成できる。ASPには、サーバ側で処理されるスクリプトが含まれており、ユーザーのブラウザへHTMLが送信される前に、IISによって処理が行われる。この過程に未チェック・バッファの脆弱性が存在し、細工されたASPがアップロードされ、それを処理するように仕向けられると、任意のコードが実行されてしまう。
攻撃を実行するには、細工したASPファイルをWebサーバにアップロードする必要がある。通常、Webコンテンツのアップロードには認証を必要とする場合が多く、この認証が破られない限り、攻撃は難しい。
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対象プラットフォーム
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影響を受けるソフトウェア |
対象プラットフォーム |
Windows 2000 |
Windows 2000 SP4 |
Windows XP |
Windows XP SP1/SP1a/SP2 |
Windows Server 2003 |
Windows Server 2003 SP未適用/SP1 |
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‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント
‥‥‥
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■適用テストの結果
DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。
プラットフォーム
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適用テスト結果
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Windows 2000 Professional SP4 |
○
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Windows 2000 Server SP4 |
○
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Windows 2000 Advanced Server SP4 |
○
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Windows XP Professional SP1 |
○
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Windows XP Professional SP2 |
○
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Windows Server 2003, Standard Edition SP未適用 |
○
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Windows Server 2003, Enterprise Edition SP未適用 |
○
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Windows Server 2003, Standard Edition SP1 |
○
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Windows Server 2003, Enterprise Edition SP1 |
○
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Windows Server 2003 R2, Enterprise Edition |
○
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■MBSA 2.0の結果
MS06-034の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0で確認可能である。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新プログラム」の「結果の詳細情報」に以下のいずれかが表示される。
- Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB917537)
- Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB917537)
- Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB917537)
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適用時の注意点
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■Windows Server 2003 SP1で「ホットパッチ」を利用しても再起動が必要な場合あり
MS06-034のWindows Server 2003向け修正プログラムは、SP1に限って「ホットパッチ」という適用後の再起動を不要にする適用方法が利用できる。
・サポート技術情報 897341(ホットパッチを使用して Windows Server 2003 Service Pack 1 用のセキュリティ更新プログラムをインストールする方法)
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;897341
Windows UpdateやMicrosoft Update、自動更新はこのホットパッチに対応しているとのことだ。しかし、サードパーティ製のソフトウェアによっては、このホットパッチによる適用と互換性がなく、適用後に再起動が要求されることがあるので注意が必要だ。
・サポート技術情報 917537(マイクロソフト セキュリティ情報 MS06-034: Active Server Pages を使用するインターネット
インフォメーション サービスでの脆弱性によりリモート コードが実行されます。)
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;917537(機械翻訳)
・サポート技術情報 922612(You are prompted to restart the computer after you apply a
hotfix even though you have HotPatching enabled)
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;en-us;922612
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プラットフォーム |
ダウンロード・センター |
WU/MU/SUS/WSUSの表示 |
Windows 2000 SP4 |
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Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB917537) |
Windows XP SP1/SP1a/SP2 |
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Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB917537) |
Windows Server 2003 SP未適用/SP1 |
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Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB917537) |
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以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
Windows 2000 SP4:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
Windows2000-KB917537-x86-JPN.EXE |
2006/04/11 |
1.0.0.0 |
628,200
|
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ |
%SystemRoot%\system32\inetsrv\ |
asp.dll |
2006/04/11 |
5.0.2195.7084 |
337,168
|
Active Server Pages |
Windows XP SP1/SP1a/SP2:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
WindowsXP-KB917537-x86-JPN.exe |
2006/04/18 |
1.0.0.0 |
699,704
|
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ
(SP1QFE) |
%SystemRoot%\system32\inetsrv\ |
asp51.dll |
2006/04/18 |
5.1.2600.1829 |
328,192
|
Server driver |
展開フォルダ
(SP2GDR/SP2QFE)
|
%SystemRoot%\system32\inetsrv\ |
asp51.dll |
2006/04/18 |
5.1.2600.2889 |
356,864
|
Active Server Pages |
*asp51.dllは、ファイル名が「asp.dll」に変更されてコピーされる。
Windows Server 2003 SP未適用/SP1:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
WindowsServer2003-KB917537-x86-JPN.exe |
2006/04/19 |
1.0.0.0 |
783,672
|
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ
(RTMGDR)
|
%SystemRoot%\system32\inetsrv\ |
asp.dll |
2006/04/18 |
6.0.3790.520 |
341,504
|
Active Server Pages |
展開フォルダ
(RTMQFE)
|
%SystemRoot%\system32\inetsrv\ |
asp.dll |
2006/04/18 |
6.0.3790.520 |
344,576
|
Active Server Pages |
展開フォルダ
(SP1GDR)
|
%SystemRoot%\system32\inetsrv\ |
asp.dll |
2006/04/19 |
6.0.3790.2684 |
418,304
|
Active Server Pages |
asp.hp.dll |
2006/04/19 |
6.0.3790.2684 |
25,600
|
Active Server Pages |
展開フォルダ
(SP1QFE)
|
%SystemRoot%\system32\inetsrv\ |
asp.dll |
2006/04/18 |
6.0.3790.2684 |
379,392
|
Active Server Pages |
|
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修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。
・Windows 2000 SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB917537\Filelist以下のファイル一覧を確認する
・Windows XP SP1/SP1a/SP2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP3\KB917537\Filelist以下のファイル一覧を確認する
・Windows Server 2003 SP未適用/SP1:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\SP2\KB917537\Filelist以下のファイル一覧を確認する
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予想適用時間
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修正プログラム名 |
50台 |
100台 |
250台 |
500台 |
Windows2000-KB917537-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 SP4) |
12分 |
21分 |
46分 |
1時間28分 |
WindowsXP-KB917537-x86-JPN.exe
(Windows XP SP1/SP1a/SP2) |
12分 |
21分 |
46分 |
1時間28分 |
WindowsServer2003-KB917537-x86-JPN.exe
(Windows Server 2003 SP未適用/SP1) |
12分 |
21分 |
46分 |
1時間28分 |
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
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UpdateEXPERT上の表示
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・Windows 2000 SP4:
[展開ビュー]−[IIS]タブに「名前:Windows2000-KB917537-x86-JPN.EXE」で登録
・Windows XP SP1/SP1a/SP2:
[展開ビュー]−[IIS]タブに「名前:WindowsXP-KB917537-x86-JPN.exe」で登録
・Windows Server 2003 SP未適用/SP1:
[展開ビュー]−[IIS]タブに「名前:WindowsServer2003-KB917537-x86-JPN.exe」で登録
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