MS06-040/921883 |
ServerサービスにおけるRPC通信の未チェック・バッファの脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性 |
(Server サービスの脆弱性により、リモートでコードが実行される) |
対応の緊急性:至急適用 [攻撃コード公開済み][攻撃事例あり]
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危険性 |
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脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。 |
可能性のある攻撃
攻撃手法
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脆弱性の影響
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リモート攻撃 |
ウイルス/ワーム |
電子メール添付 |
Webサイトへの誘導 |
コードの実行 |
権限の昇格 |
情報の漏えい |
サービス拒否 |
なりすまし |
○
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○
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○
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Windows OSのServerサービスに未チェック・バッファの脆弱性が存在し、リモートで任意のコードが実行される危険性がある。細工されたネットワーク・パケットをWindows
OSが受信すると、ユーザーの操作なしにコードが実行され、最悪の場合コンピュータの制御が完全に奪われてしまう。インターネットに接続しているだけで攻撃を受ける可能性がある脆弱性であり、非常に危険性が高い。
ウイルス/ワームに悪用された場合、2003年8月に多くのコンピュータが感染したBlasterワームのように、甚大な被害を受ける懸念がある。なおServerサービスといっても、サーバ製品だけでなく、Windows
2000/XPなどのクライアント製品も脆弱性の対象となる。
MS06-040の脆弱性は、すでに攻撃例が報告されている。今後、さらに攻撃が広がることが懸念される。至急、修正プログラムを適用した方がよい。
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脆弱性の内容
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Serverサービスは、Windows OSにおいて、RPCやファイル共有/プリント共有、名前付きパイプ共有などの機能を提供するものである。MS06-040の脆弱性は、ServerサービスのRPCサポート部分に存在する。RPC通信で受信したメッセージの長さを検証せずに、Serverサービスが割り当てられたバッファにメッセージを渡してしまうため、不正なパケットによってバッファ・オーバーフローが発生し、任意のコードが実行される危険性がある。
Serverサービスの脆弱性は、2006年7月に公開されたMS06-035でも報告されたが、MS06-040の脆弱性はそれとは原因が異なる。MS06-040の修正プログラムには、MS06-035の修正は含まれない(MS06-040を適用しても、MS06-035の脆弱性は解消されない)。
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対象プラットフォーム
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影響を受けるソフトウェア |
対象プラットフォーム |
Windows 2000 |
Windows 2000 SP4 |
Windows XP |
Windows XP SP1/SP1a/SP2 |
Windows Server 2003 |
Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2 |
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‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント
‥‥‥
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■適用テストの結果
DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。
プラットフォーム
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適用テスト結果
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Windows 2000 Professional SP4 |
○
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Windows 2000 Server SP4 |
○
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Windows 2000 Advanced Server SP4 |
○
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Windows XP Professional SP1a |
○
|
Windows XP Professional SP2 |
○
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Windows Server 2003, Standard Edition SP未適用 |
○
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Windows Server 2003, Enterprise Edition SP未適用 |
○
|
Windows Server 2003, Standard Edition SP1 |
○
|
Windows Server 2003, Enterprise Edition SP1 |
○
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Windows Server 2003 R2, Standard Edition |
○
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Windows Server 2003 R2, Enterprise Edition |
○
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■MBSA 2.0の結果
MS06-040の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0で確認可能である。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新プログラム」の「結果の詳細情報」に以下のいずれかが表示される。
- Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB921883)
- Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB921883)
- Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB921883)
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プラットフォーム |
ダウンロード・センター |
WU/MU/SUS/WSUSの表示 |
Windows 2000 SP4 |
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Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB921883) |
Windows XP SP1/SP1a/SP2 |
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Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB921883) |
Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2 |
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Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB921883) |
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以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
Windows 2000 SP4:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
Windows2000-KB921883-x86-JPN.EXE |
2006/07/14 |
1.0.0.0 |
617,960
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ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ |
%SystemRoot%\system32\ |
netapi32.dll |
2006/07/14 |
5.0.2195.7105 |
309,520
|
Net Win32 API DLL |
Windows XP SP1/SP1a/SP2:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
WindowsXP-KB921883-x86-JPN.exe |
2006/07/15 |
1.0.0.0 |
703,800
|
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ
(SP1QFE) |
%SystemRoot%\system32\ |
netapi32.dll |
2006/07/15 |
5.1.2600.1874 |
307,200
|
Net Win32 API DLL |
展開フォルダ
(SP2GDR)
|
%SystemRoot%\system32\ |
netapi32.dll |
2006/07/15 |
5.1.2600.2952 |
332,288
|
Net Win32 API DLL |
展開フォルダ
(SP2QFE)
|
%SystemRoot%\system32\ |
netapi32.dll |
2006/07/15 |
5.1.2600.2952 |
336,896
|
Net Win32 API DLL |
Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
WindowsServer2003-KB921883-x86-JPN.exe |
2006/07/17 |
1.0.0.0 |
727,352
|
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ
(RTMGDR/
RTMQFE)
|
%SystemRoot%\system32\ |
netapi32.dll |
2006/07/17 |
5.2.3790.559 |
324,608
|
Net Win32 API DLL |
展開フォルダ
(SP1GDR/
SP1QFE)
|
%SystemRoot%\system32\ |
netapi32.dll |
2006/07/17 |
5.2.3790.2747 |
349,696
|
Net Win32 API DLL |
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修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。
・Windows 2000 SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB921883\Filelist以下のファイル一覧を確認する
・Windows XP SP1/SP1a/SP2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP3\KB921883\Filelist以下のファイル一覧を確認する
・Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\SP2\KB921883\Filelist以下のファイル一覧を確認する
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予想適用時間
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修正プログラム名 |
50台 |
100台 |
250台 |
500台 |
Windows2000-KB921883-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 SP4) |
18分 |
27分 |
52分 |
1時間34分 |
WindowsXP-KB921883-x86-JPN.exe
(Windows XP SP1/SP1a/SP2) |
18分 |
27分 |
52分 |
1時間34分 |
WindowsServer2003-KB921883-x86-JPN.exe
(Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2) |
18分 |
27分 |
52分 |
1時間34分 |
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
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UpdateEXPERT上の表示
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・Windows 2000 SP4:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:Windows2000-KB921883-x86-JPN.EXE」で登録
・Windows XP SP1/SP1a/SP2:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsXP-KB921883-x86-JPN.exe」で登録
・Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsServer2003-KB921883-x86-JPN.exe」で登録
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