MS06-043/920214 |
Windows OSのMHTMLプロトコル解析の脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性 |
(Microsoft Windows の脆弱性により、リモートでコードが実行される) |
対応の緊急性:至急適用 [攻撃コード公開済み][攻撃事例なし]
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危険性 |
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脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。 |
可能性のある攻撃
攻撃手法
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脆弱性の影響
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リモート攻撃 |
ウイルス/ワーム |
電子メール添付 |
Webサイトへの誘導 |
コードの実行 |
権限の昇格 |
情報の漏えい |
サービス拒否 |
なりすまし |
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○
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○
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○
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○
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Windows OSがMHTMLプロトコルを解析する過程に脆弱性が存在し、任意のコードが実行される危険性がある。細工された電子メールやWebページをOutlook
ExpressやInternet Express(IE)で開くと、攻撃が実行される。Webページが細工され、アドウェアやスパイウェアのインストールに悪用されることが懸念される。
この脆弱性が存在するのは、Windows XP SP2とWindows Server 2003 SP1のみであり、そのほかのWindows OSには存在しないとのことだ。なおMicrosoft
Updateなどに表示されるこの修正プログラムのタイトルは、Outlook Express向けと読み取れるものになっているが、この脆弱性はOutlook Expressを利用していない場合でも影響を受ける。すでに実証コードが公開されていることから、至急、修正プログラムを適用した方がよい。
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脆弱性の内容
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この脆弱性は、MHTML形式のメール・メッセージの変換などを行う「inetcomm.dll」がMHTMLプロトコルを正しく解釈しないことに起因する。細工されたMHTML形式のWebページ/電子メールをIEやOutlook
Expressで開くと、IE/Outlook Expressが異常終了したり、任意のコードが実行されたりする。また非常に長いmhtml: URIハンドラが記述されたショートカットを開くと、IEが異常終了させられる。
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対象プラットフォーム
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影響を受けるソフトウェア |
対象プラットフォーム |
Windows XP |
Windows XP SP2 |
Windows Server 2003 |
Windows Server 2003 SP1/R2 |
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‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント
‥‥‥
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■適用テストの結果
DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。
プラットフォーム
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適用テスト結果
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Windows XP Professional SP2 |
○
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Windows Server 2003, Standard Edition SP1 |
○
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Windows Server 2003, Enterprise Edition SP1 |
○
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Windows Server 2003 R2, Standard Edition |
○
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Windows Server 2003 R2, Enterprise Edition |
○
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■MBSA 2.0の結果
MS06-043の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0で確認可能だ。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新」の「結果の詳細情報」に以下のいずれかが表示される。
- Windows XP 用 Outlook Express のセキュリティ更新プログラム (KB920214)
- Windows Server 2003 用 Outlook Express のセキュリティ更新プログラム (KB920214)
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適用時の注意点
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■Outlook Express以外も脆弱性の影響を受ける
「TechNetセキュリティ情報:MS06-043」の「影響を受けるコンポーネント」欄は、Windows XP SP2上のOutlook Express
6、Windows Server 2003 SP1/R2上のOutlook Express 6が脆弱性の影響を受けるとしている。またMicrosoft Updateなどに表示される修正プログラムのタイトルも、「Windows
XP 用 Outlook Express のセキュリティ更新プログラム」「Windows Server 2003 用 Outlook Express のセキュリティ更新プログラム」となっており、Outlook
Expressのみが脆弱性の影響を受けるような印象となっている。
しかしこの脆弱性は、メールヘッダの日付の解析やMHTML形式のメール・メッセージの変換などを行う「inetcomm.dll」に存在する。このDLLは、Outlook
Expressとともに提供されるものであるが、IEなどのWindowsアプリケーションに対しても機能を提供している。例えば、IEのWebページの保存で、「Webページのアーカイブ、単一のファイル」を選択した場合、inetcomm.dllが利用される。このように、Outlook
Express以外でも脆弱性が悪用される可能性があるので注意が必要だ。
■脆弱性の解消を確認
MS06-043の修正プログラムは、2006/06/07日付け配信のHotFix Weeklyで報告した「Windowsの『mhtml:』URIハンドラにリモートでコードが実行される脆弱性」を解消するものである。DA
Labでは、MS06-043の修正プログラムをWindows XP SP2に適用し、公開されている実証コード(細工されたmhtml: URI)を実行したところ、脆弱性が解消され、IEが異常終了しないことを確認した。
・HotFix Weekly 2006/06/07日付け(Windowsの「mhtml:」URIハンドラにリモートでコードが実行される脆弱性):
http://www.hotfix.jp/archives/alert/2006/news06-0607.html#01
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プラットフォーム |
ダウンロード・センター |
WU/MU/SUS/WSUSの表示 |
Windows XP SP2 |
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Windows XP 用 Outlook Express のセキュリティ更新プログラム (KB920214) |
Windows Server 2003 SP1/R2 |
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Windows Server 2003 用 Outlook Express のセキュリティ更新プログラム (KB920214) |
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以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
Windows XP SP2:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
WindowsXP-KB920214-x86-JPN.exe |
2006/07/27 |
1.0.0.0 |
791,864
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ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ
(SP2GDR/
SP2QFE)
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%SystemRoot%\system32\ |
inetcomm.dll |
2006/07/27 |
6.0.2900.2962 |
679,424
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Microsoft Internet Messaging API |
Windows Server 2003 SP1/R2:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
WindowsServer2003-KB920214-x86-JPN.exe |
2006/07/27 |
1.0.0.0 |
791,352
|
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ
(SP1GDR/
SP1QFE)
|
%SystemRoot%\system32\ |
inetcomm.dll |
2006/07/27 |
6.0.3790.2757 |
681,472
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Microsoft Internet Messaging API |
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修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。
・Windows XP SP2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP3\KB920214\Filelist以下のファイル一覧を確認する
・Windows Server 2003 SP1/R2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\SP2\KB920214\Filelist以下のファイル一覧を確認する
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予想適用時間
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修正プログラム名 |
50台 |
100台 |
250台 |
500台 |
WindowsXP-KB920214-x86-JPN.exe
(Windows XP SP2) |
12分 |
21分 |
46分 |
1時間28分 |
WindowsServer2003-KB920214-x86-JPN.exe
(Windows Server 2003 SP1/R2) |
12分 |
21分 |
46分 |
1時間28分 |
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
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UpdateEXPERT上の表示
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・Windows XP SP2:
[展開ビュー]−[IE]タブに「名前:WindowsXP-KB920214-x86-JPN.exe」で登録
・Windows Server 2003 SP1/R2:
[展開ビュー]−[IE]タブに「名前:WindowsServer2003-KB920214-x86-JPN.exe」で登録
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