MS06-053/920685 |
インデックス・サービスのパラメータ検証の脆弱性により、クロスサイト・スクリプティングが実行される危険性 |
(インデックス サービスの脆弱性により、クロスサイト スクリプティングが行われる) |
対応の緊急性:早期適用 [攻撃コード未公開][攻撃事例なし]
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危険性 |
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脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。 |
可能性のある攻撃
攻撃手法
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脆弱性の影響
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リモート攻撃 |
ウイルス/ワーム |
電子メール添付 |
Webサイトへの誘導 |
コードの実行 |
権限の昇格 |
情報の漏えい |
サービス拒否 |
なりすまし |
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○
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○
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○
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○
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Windows OSの標準サービスであるインデックス・サービスがクエリのパラメータを検証する方法に脆弱性が存在し、クロスサイト・スクリプティング(→
キーワード)が実行される危険性がある。細工されたWebページを開くと、悪意のあるスクリプトが実行されてしまう。その結果、攻撃者によってクライアント側のスクリプトが実行され、情報が漏えいしたり、ユーザーが可能な操作をスクリプトから実行されたりする可能性がある。
マイクロソフトによれば、MS06-053の脆弱性は非公開で報告されたとしており、攻撃例は確認されていないという。
キーワード
クロスサイト・スクリプティング (cross-site scripting)
本来は実行が許可されるべきでない外部Webサイトなどのスクリプト・プログラムが実行されてしまう脆弱性、またはそうした脆弱性を悪用した攻撃。
・セキュリティ用語 クロスサイト・スクリプティング(cross-site scripting):
http://www.hotfix.jp/archives/word/2003/word03-04.html
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脆弱性の内容
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脆弱性は、インデックス・サービスが正しくパラメータを検証しないことに起因する。その結果、細工されたWebページによって、検証エラーが発生し、攻撃者のスクリプトが実行されてしまう。通常、攻撃はInternet
Explorerを介して実行されることになる。
インデックス・サービスは、ファイル・システムやWebサーバ情報に関するインデックスを作成し、管理や検索を容易にするものである。インデックス・サービスは、デフォルトでWindows
Server 2003では有効になっていない。またWindows Server 2003でインデックス・サービスを有効化した場合でも、デフォルトではIISからアクセスされないようになっている。ただしWindows
OSを用いてIISでWebサイトを構築している場合、検索サービス用としてインデックス・サービスを有効にしていると、脆弱性の影響を受けるので注意が必要だ。
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対象プラットフォーム
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影響を受けるソフトウェア |
対象プラットフォーム |
Windows 2000 |
Windows 2000 SP4 |
Windows XP |
Windows XP SP1/SP1a/SP2 |
Windows Server 2003 |
Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2 |
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‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント
‥‥‥
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■適用テストの結果
DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。
プラットフォーム
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適用テスト結果
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Windows 2000 Professional SP4 |
○
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Windows 2000 Server SP4 |
○
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Windows 2000 Advanced Server SP4 |
○
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Windows XP Professional SP1 |
○
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Windows XP Professional SP1a |
○
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Windows XP Professional SP2 |
○
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Windows Server 2003, Standard Edition SP未適用 |
○
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Windows Server 2003, Enterprise Edition SP未適用 |
○
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Windows Server 2003, Standard Edition SP1 |
○
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Windows Server 2003, Enterprise Edition SP1 |
○
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Windows Server 2003 R2, Standard Edition |
○
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Windows Server 2003 R2, Enterprise Edition |
○
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○は問題なし、△は一部に問題あり、×は適用による障害あり |
■MBSA 2.0の結果
MS06-053の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0で確認可能である。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新プログラム」の「結果の詳細情報」に以下のいずれかが表示される。
- Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB920685)
- Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB920685)
- Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB920685)
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適用時の注意点
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■インデックス・サービスを再インストールしたら、ファイルバージョンも再確認
MS06-053の修正プログラムは、%SystemRoot%\system32にあるciodm.dllおよびquery.dllというインデックス・サービス関連の.DLLファイルを更新する(Windows
2000ではquery.dllのみ)。これらのファイルは、インデックス・サービスをアンインストールしてもシステムに残る。このことから、インデックス・サービスやIISの有無に関係なく、MS06-053の修正プログラムは適用しておいた方が安全だ。
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プラットフォーム |
ダウンロード・センター |
WU/MU/SUS/WSUSの表示 |
Windows 2000 SP4 |
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Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB920685) |
Windows XP SP1/SP1a/SP2 |
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Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB920685) |
Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2 |
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Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB920685) |
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以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
Windows 2000 SP4:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
Windows2000-KB920685-x86-JPN.EXE |
2006/06/27 |
1.0.0.0 |
1,050,088
|
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ |
%SystemRoot%\system32\ |
query.dll |
2006/06/27 |
5.0.2195.7100 |
1,427,728
|
Content Index Utility DLL |
Windows XP SP1/SP1a/SP2:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
WindowsXP-KB920685-x86-JPN.exe |
2006/06/22 |
1.0.0.0 |
1,305,912
|
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ
(SP1QFE) |
%SystemRoot%\system32\ |
ciodm.dll |
2006/06/22 |
5.1.2600.1860 |
64,512
|
Indexing Service Admin Automation Objects |
query.dll |
2006/06/22 |
5.1.2600.1860 |
1,341,440
|
Content Index Utility DLL |
展開フォルダ
(SP2GDR/
SP2QFE )
|
%SystemRoot%\system32\ |
ciodm.dll |
2006/06/22 |
5.1.2600.2935 |
69,120
|
Indexing Service Admin Automation Objects |
query.dll |
2006/06/22 |
5.1.2600.2935 |
1,426,944
|
Content Index Utility DLL |
Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
WindowsServer2003-KB920685-x86-JPN.exe |
2006/06/28 |
1.0.0.0 |
1,277,752
|
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ
(RTMGDR)
|
%SystemRoot%\system32\ |
ciodm.dll |
2006/06/28 |
5.2.3790.552 |
66,048
|
Indexing Service Admin Automation Objects |
query.dll |
2006/06/28 |
5.2.3790.552 |
1,351,168
|
Content Index Utility DLL |
展開フォルダ
(RTMQFE)
|
%SystemRoot%\system32\ |
ciodm.dll |
2006/06/28 |
5.2.3790.552 |
66,048
|
Indexing Service Admin Automation Objects |
query.dll |
2006/06/28 |
5.2.3790.552 |
1,351,680
|
Content Index Utility DLL |
展開フォルダ
(SP1GDR/
SP1QFE)
|
%SystemRoot%\system32\ |
ciodm.dll |
2006/06/28 |
5.2.3790.2734 |
70,144
|
Indexing Service Admin Automation Objects |
query.dll |
2006/06/28 |
5.2.3790.2734 |
1,423,872
|
Content Index Utility DLL |
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修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。
・Windows 2000 SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB920685\Filelist以下のファイル一覧を確認する
・Windows XP SP1/SP1a/SP2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP3\KB920685\Filelist以下のファイル一覧を確認する
・Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\SP2\KB920685\Filelist以下のファイル一覧を確認する
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予想適用時間
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修正プログラム名 |
50台 |
100台 |
250台 |
500台 |
Windows2000-KB920685-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 SP4) |
12分 |
21分 |
46分 |
1時間29分 |
WindowsXP-KB920685-x86-JPN.exe
(Windows XP SP1/SP1a/SP2) |
13分 |
21分 |
47分 |
1時間29分 |
WindowsServer2003-KB920685-x86-JPN.exe
(Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2) |
13分 |
21分 |
47分 |
1時間29分 |
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
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UpdateEXPERT上の表示
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・Windows 2000 SP4:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:Windows2000-KB920685-x86-JPN.EXE」で登録
・Windows XP SP1/SP1a/SP2:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsXP-KB920685-x86-JPN.exe」で登録
・Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsServer2003-KB920685-x86-JPN.exe」で登録
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