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Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:
2006
/10/13版
 
【登録日】2006/10/13
【更新日】2006/10/13
HFR BBS会議室
 
深刻度
  1(緊急)
  2(重要)
3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
なし
対策
早期適用
再起動の必要性
不要(必要な場合あり)
アンインストール
可能
対象環境
サーバ
クライアント
セキュリティ情報
MS06-056(日本)
MS06-056(US)
サポート技術情報
含まれる過去の修正
なし
脆弱性識別番号
MS06-056/922770
.NET Framework 2.0のクロスサイト・スクリプティングの脆弱性により、情報漏えいなどが起きる危険性
(ASP.NET 2.0 の脆弱性により、情報漏えいが起こる)


対応の緊急性:早期適用 [攻撃コード未公開][攻撃事例なし]

危険性
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用
脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。

可能性のある攻撃
攻撃手法
脆弱性の影響
リモート攻撃 ウイルス/ワーム 電子メール添付 Webサイトへの誘導 コードの実行 権限の昇格 情報の漏えい サービス拒否 なりすまし
     
   
   
 
‥‥‥ 概要 ‥‥‥

 .Net Framework 2.0にクロスサイト・スクリプティング(→ キーワード)の脆弱性が存在する。これにより細工されたWebページを開くと、悪意のあるスクリプトが実行されてしまう危険性がある。攻撃者によってクライアント側のスクリプトが実行されることで、情報が漏えいしたり、ユーザーが可能な操作をスクリプトから実行されたりしてしまう。

 マイクロソフトによれば、MS06-056の脆弱性は非公開で報告されたとしており、攻撃例は確認されていないという。ただしインターネットに公開しているASP.NET 2.0を採用したサーバでは、攻撃を受ける危険性があるので、なるべく早期に修正プログラムを適用した方がよい。

キーワード
クロスサイト・スクリプティング (cross-site scripting)
 本来は実行が許可されるべきでない外部Webサイトなどのスクリプト・プログラムが実行されてしまう脆弱性、またはそうした脆弱性を悪用した攻撃。

・セキュリティ用語 クロスサイト・スクリプティング(cross-site scripting):
http://www.hotfix.jp/archives/word/2003/word03-04.html

 
脆弱性の内容

 .Net Framework 2.0がHTTP要求の内容を検証する方法に脆弱性が存在し、WebFormコントロールのAutoPostBackプロパティが「true(デフォルトはfalse)」に設定されていた場合、細工されたHTTP要求を受け取るとスクリプトを実行可能にしてしまう。

 なおAutoPostBackプロパティが「true」になると、ユーザーがコントロールを操作するたびにサーバにポスト・バックが実行されるようになる。

 
対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
.NET Framework .NET Framework 2.0
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Windows 2000 Professional SP4+.NET Framework 2.0
Windows 2000 Server SP4+.NET Framework 2.0
Windows 2000 Advanced Server SP4+.NET Framework 2.0
Windows XP Professional SP1a+.NET Framework 2.0
Windows XP Professional SP2+.NET Framework 2.0
Windows Server 2003, Standard Edition SP未適用+.NET Framework 2.0
Windows Server 2003, Enterprise Edition SP未適用+.NET Framework 2.0
Windows Server 2003, Standard Edition SP1+.NET Framework 2.0
Windows Server 2003, Enterprise Edition SP1+.NET Framework 2.0
Windows Server 2003 R2, Enterprise Edition+.NET Framework 2.0
○は問題なし、△は一部に問題あり、×は適用による障害あり

■MBSA 2.0の結果
 MS06-056の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0で確認可能である。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新プログラム」の「結果の詳細情報」に「Microsoft .NET Framework, Version 2.0 用セキュリティ更新プログラム (KB922770)」が表示される。

 
適用時の注意点

■適用にはWindows Installer 3.1が必要
 MS06-056の修正プログラムを適用するには、事前にWindows Installer 3.1がインストールされている必要がある。Windows Installer 3.1は、ダウンロード・センターで入手可能なので、事前に適用しておくこと。

・ダウンロード・センター(Windows Installer 3.1 Redistributable (v2) - 日本語):
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?
familyid=889482fc-5f56-4a38-b838-de776fd4138c&displaylang=ja

■適用に失敗することがある
 MS06-033と同様、「サポート技術情報:923100」「サポート技術情報:923101」によれば、MS06-056の修正プログラムの適用に失敗することがあるということだ(どちらのサポート技術情報(日本語版)もMS06-033の適用で失敗するケースについて記述してあるが、MS06-056でも同様の不具合が生じるとのことだ)。

 適用時にエラー・コード「0x643」が表示された場合は、.NET Framework 2.0を一度アンインストールから再インストールする必要があるということだ。

・サポート技術情報 923100(セキュリティ更新プログラム 917283 をインストールするときに、コンピュータが応答を停止するか、エラー コード "0x643" が表示されることがある):
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;923100

 またWindows Server 2003 x64 Editionにおいて適用に失敗する場合は、「ワトソン・カスタム・アクション」のバグに起因するものであると報告されている。適用に失敗した場合は、修正プログラムの適用に不要なすべてのボリュームを一時的にアンマウントしてから、修正プログラムを適用し、適用後にボリュームを再マウントする。修正プログラム適用後に再起動が必要な場合は、システムの再起動後に再マウントを実行する必要がある。

・サポート技術情報 923101(Windows Server 2003 を実行しているコンピュータにセキュリティ更新プログラム 917283 をインストールするときに、エラーメッセージ "Error 1324. フォルダ パス 'Program Files' に使用できない文字が含まれています" が表示される):
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;923101

 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター WU/MU/SUS/WSUSの表示
.NET Framework 2.0 Microsoft .NET Framework, Version 2.0 用セキュリティ更新プログラム (KB922770)
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥
 以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
 
.NET Framework 2.0:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
NDP20-KB922770-X86.exe 2006/09/14 1.0.168.497
2,280,312
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\Microsoft.NET\Framework\v2.0.50727\
aspnet_wp.exe 2006/09/12 2.0.50727.210
23,040
aspnet_wp.exe
System.Web.dll 2006/09/12 2.0.50727.210
5,029,888
System.Web.dll
webengine.dll 2006/09/12 2.0.50727.210
300,032
Microsoft ASP.NET Support DLL
 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、置き換わるファイルのバージョンで確認する。

 
予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
NDP20-KB922770-X86.exe
13分 21分 47分 1時間30分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 
UpdateEXPERT上の表示

・.NET Framework 2.0:
[展開ビュー]−[Enterprise]タブに「名前:NDP20-KB922770-X86.exe」で登録

 

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