| MS06-056/922770 | 
 
| .NET Framework 2.0のクロスサイト・スクリプティングの脆弱性により、情報漏えいなどが起きる危険性 | 
 
| (ASP.NET 2.0 の脆弱性により、情報漏えいが起こる) | 
 
  
 
 対応の緊急性:早期適用 [攻撃コード未公開][攻撃事例なし] 
  
 
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| 危険性 | 
 
 
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| 脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。 | 
 
 
 
 
可能性のある攻撃 
 
 
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 攻撃手法 
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 脆弱性の影響 
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| リモート攻撃 | 
ウイルス/ワーム | 
電子メール添付 | 
Webサイトへの誘導 | 
コードの実行 | 
権限の昇格 | 
情報の漏えい | 
サービス拒否 | 
なりすまし | 
 
 
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 ○  
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   | 
   | 
 
 ○  
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  .Net Framework 2.0にクロスサイト・スクリプティング(→ キーワード)の脆弱性が存在する。これにより細工されたWebページを開くと、悪意のあるスクリプトが実行されてしまう危険性がある。攻撃者によってクライアント側のスクリプトが実行されることで、情報が漏えいしたり、ユーザーが可能な操作をスクリプトから実行されたりしてしまう。 
 マイクロソフトによれば、MS06-056の脆弱性は非公開で報告されたとしており、攻撃例は確認されていないという。ただしインターネットに公開しているASP.NET 
2.0を採用したサーバでは、攻撃を受ける危険性があるので、なるべく早期に修正プログラムを適用した方がよい。 
キーワード 
クロスサイト・スクリプティング (cross-site scripting) 
 本来は実行が許可されるべきでない外部Webサイトなどのスクリプト・プログラムが実行されてしまう脆弱性、またはそうした脆弱性を悪用した攻撃。 
・セキュリティ用語 クロスサイト・スクリプティング(cross-site scripting): 
http://www.hotfix.jp/archives/word/2003/word03-04.html 
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脆弱性の内容 
 
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  .Net Framework 2.0がHTTP要求の内容を検証する方法に脆弱性が存在し、WebFormコントロールのAutoPostBackプロパティが「true(デフォルトはfalse)」に設定されていた場合、細工されたHTTP要求を受け取るとスクリプトを実行可能にしてしまう。 
 なおAutoPostBackプロパティが「true」になると、ユーザーがコントロールを操作するたびにサーバにポスト・バックが実行されるようになる。 
 
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対象プラットフォーム 
 
 
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| 影響を受けるソフトウェア | 
対象プラットフォーム  | 
 
 
| .NET Framework | 
 .NET Framework 2.0 | 
 
 
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 ‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント 
‥‥‥ 
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|  
 ■適用テストの結果 
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。 
 
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 プラットフォーム 
 | 
 
 適用テスト結果  
 | 
 
 
| Windows 2000 Professional SP4+.NET Framework 2.0 | 
 
 ○ 
 | 
 
 
| Windows 2000 Server SP4+.NET Framework 2.0 | 
 
 ○ 
 | 
 
 
| Windows 2000 Advanced Server SP4+.NET Framework 2.0 | 
 
 ○ 
 | 
 
 
| Windows XP Professional SP1a+.NET Framework 2.0 | 
 
 ○ 
 | 
 
 
| Windows XP Professional SP2+.NET Framework 2.0 | 
 
 ○ 
 | 
 
 
| Windows Server 2003, Standard Edition SP未適用+.NET Framework 2.0 | 
 
 ○ 
 | 
 
 
| Windows Server 2003, Enterprise Edition SP未適用+.NET Framework 
2.0 | 
 
 ○ 
 | 
 
 
| Windows Server 2003, Standard Edition SP1+.NET Framework 2.0 | 
 
 ○ 
 | 
 
 
| Windows Server 2003, Enterprise Edition SP1+.NET Framework 
2.0 | 
 
 ○ 
 | 
 
 
| Windows Server 2003 R2, Enterprise Edition+.NET Framework 2.0 | 
 
 ○ 
 | 
 
 
| ○は問題なし、△は一部に問題あり、×は適用による障害あり | 
 
 
■MBSA 2.0の結果 
 MS06-056の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0で確認可能である。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新プログラム」の「結果の詳細情報」に「Microsoft 
.NET Framework, Version 2.0 用セキュリティ更新プログラム (KB922770)」が表示される。  
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適用時の注意点 
 
 
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 ■適用にはWindows Installer 3.1が必要 
 MS06-056の修正プログラムを適用するには、事前にWindows Installer 3.1がインストールされている必要がある。Windows Installer 
3.1は、ダウンロード・センターで入手可能なので、事前に適用しておくこと。 
・ダウンロード・センター(Windows Installer 3.1 Redistributable (v2) - 日本語): 
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx? 
familyid=889482fc-5f56-4a38-b838-de776fd4138c&displaylang=ja 
 ■適用に失敗することがある 
 MS06-033と同様、「サポート技術情報:923100」「サポート技術情報:923101」によれば、MS06-056の修正プログラムの適用に失敗することがあるということだ(どちらのサポート技術情報(日本語版)もMS06-033の適用で失敗するケースについて記述してあるが、MS06-056でも同様の不具合が生じるとのことだ)。 
 適用時にエラー・コード「0x643」が表示された場合は、.NET Framework 2.0を一度アンインストールから再インストールする必要があるということだ。 
・サポート技術情報 923100(セキュリティ更新プログラム 917283 をインストールするときに、コンピュータが応答を停止するか、エラー コード 
"0x643" が表示されることがある): 
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;923100 
 またWindows Server 2003 x64 Editionにおいて適用に失敗する場合は、「ワトソン・カスタム・アクション」のバグに起因するものであると報告されている。適用に失敗した場合は、修正プログラムの適用に不要なすべてのボリュームを一時的にアンマウントしてから、修正プログラムを適用し、適用後にボリュームを再マウントする。修正プログラム適用後に再起動が必要な場合は、システムの再起動後に再マウントを実行する必要がある。 
・サポート技術情報 923101(Windows Server 2003 を実行しているコンピュータにセキュリティ更新プログラム 917283 をインストールするときに、エラーメッセージ 
"Error 1324. フォルダ パス 'Program Files' に使用できない文字が含まれています" が表示される): 
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;923101 
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| プラットフォーム | 
ダウンロード・センター | 
WU/MU/SUS/WSUSの表示 | 
 
 
| .NET Framework 2.0 | 
 
 | 
Microsoft .NET Framework, Version 2.0 用セキュリティ更新プログラム (KB922770) | 
 
 
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|    | 
 
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  以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。 
   
.NET Framework 2.0: 
 
 
| ファイル名 | 
日付 | 
バージョン | 
サイズ | 
 
 
| NDP20-KB922770-X86.exe | 
2006/09/14 | 
1.0.168.497 | 
 
 2,280,312 
 | 
 
 
  
 
| ファイル名 | 
日付 | 
バージョン | 
サイズ | 
機能 | 
 
 
| 展開フォルダ | 
%SystemRoot%\Microsoft.NET\Framework\v2.0.50727\ | 
 
 
| aspnet_wp.exe | 
2006/09/12 | 
2.0.50727.210 | 
 
 23,040 
 | 
aspnet_wp.exe | 
 
 
| System.Web.dll | 
2006/09/12 | 
2.0.50727.210 | 
 
 5,029,888 
 | 
System.Web.dll | 
 
 
| webengine.dll | 
2006/09/12 | 
2.0.50727.210 | 
 
 300,032 
 | 
Microsoft ASP.NET Support DLL | 
 
 
 | 
 
|    | 
 
|  
 | 
 
|  
  修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、置き換わるファイルのバージョンで確認する。 
 | 
 
  
予想適用時間 
 
 
 | 
 
 
 
| 修正プログラム名 | 
50台 | 
100台 | 
250台 | 
500台 | 
 
 
NDP20-KB922770-X86.exe 
 | 
13分 | 
21分 | 
47分 | 
1時間30分 | 
 
 
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。 
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UpdateEXPERT上の表示 
 
 
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|  
 ・.NET Framework 2.0: 
[展開ビュー]−[Enterprise]タブに「名前:NDP20-KB922770-X86.exe」で登録 
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