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Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:
2006/11/15版
 
【登録日】2006/11/15
【更新日】2006/11/15
HFR BBS会議室
 
深刻度
1(緊急)
  2(重要)
  3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
あり
対策
至急適用
再起動の必要性
不要
アンインストール
可能
対象環境
  サーバ
クライアント
セキュリティ情報
MS06-069(日本)
MS06-069(US)
サポート技術情報
含まれる過去の修正
脆弱性識別番号
MS06-069/923789
Flash Playerにおける複数のメモリ破損の脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性
(Adobe の Macromedia Flash Player の脆弱性により、リモートでコードが実行される)


対応の緊急性:至急適用 [攻撃コード公開済み][攻撃事例なし]

危険性
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用
脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。

可能性のある攻撃
攻撃手法
脆弱性の影響
リモート攻撃 ウイルス/ワーム 電子メール添付 Webサイトへの誘導 コードの実行 権限の昇格 情報の漏えい サービス拒否 なりすまし
 
   
 
 
‥‥‥ 概要 ‥‥‥

 Flash Player 8.0.24およびその下位バージョンに5種類の脆弱性が存在する。細工されたSWFファイルを含むWebページを開くか、電子メールに添付されたSWFファイルを開くと、任意のコードが実行される危険性がある。アドウェア/スパイウェアのインストールや電子メール添付型ウイルスに悪用される危険性が懸念される。

 解消される脆弱性の中には、すでに実証コードが公開されているものも含まれている。悪用される危険性が高まっているので、至急、修正プログラムを適用した方がよい。ただし、MS06-069の修正プログラムが適用可能なのは、Windows XP SP2のデフォルト環境のみであり、Flash Playerをバージョンアップした環境には適用できないので注意してほしい。このような場合は後述の「DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント」に示すように手動でバージョンアップを行う必要がある。

 
脆弱性の内容

 MS06-069の修正プログラムは、以下の5種類の脆弱性を解消する。

・Macromedia(Adobe Flash Player8.0.24.0および下位バージョンの複数脆弱性):
http://www.adobe.com/jp/support/security/bulletins/apsb06-11.html

■3種類の入力チェック・エラーの脆弱性(CVE:CVE-2006-3311/CVE-2006-3587/CVE-2006-3588)
 Flash Player 8.0.24.0およびその下位バージョンで、3種類の入力チェック・エラーの脆弱性が存在する。細工されたSWFファイルを開くと、メモリ破損が起こり、任意のコードが実行される危険性がある。すでに実証コードが公開されており、悪用される危険性が高くなっている。

■allowScriptAccessオプションがバイパスされる脆弱性(CVE:CVE-2006-4640)
 SWFファイル内のActionScriptが、そのコンテナであるHTMLページ内のJavaScriptを呼び出せるかどうかは、allowScriptAccessというオプションによって制御できる。しかし、このallowScriptAccessオプションによる保護がバイパスされ、JavaScriptが実行されてしまう危険性がある。

■OfficeにおけるActiveXコントロールの呼び出しの脆弱性(CVE:CVE-2006-3014)
 Office文書に埋め込まれたFlash PlayerのActiveXオブジェクトの処理に脆弱性が存在する。ExcelなどのOffice文書ファイルにFlash PlayerのActiveXオブジェクトが埋め込まれた場合、文書ファイルを開いただけで、埋め込まれたFlash Playerによって自動的にJavaScriptが実行されたり、悪意のあるWebページにリダイレクトされたりしてしまう。電子メール添付型のウイルスに悪用される危険性の高い脆弱性である。

 
対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
Windows XP Windows XP SP2+Flash Player 6.x(ActiveXコントロール版)
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Windows XP Professional SP2
Windows XP Professional SP2+IE 7
○は問題なし、△は一部に問題あり、×は適用による障害あり

■MBSA 2.0の結果
 MS06-069の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0で確認可能だ。「Windows のセキュリティ更新」の「結果の詳細情報」に、「Flash Player 用セキュリティ更新プログラム (KB923789)」が表示される。

 
適用時の注意点

■修正プログラムはWindows XP SP2にプレインストールされているバージョンのみ対象
 MS06-069の修正プログラムは、マイクロソフトがWindows OSに同梱する形で再配布を行っているWindows XP SP2のFlash Player 6にのみ適用可能である。Flash Player 7以降にバージョンアップしている環境に対しては適用できない。

 現在、Flash Player 7以降を要求するWebページも多く、すでに多くのコンピュータでFlash Playerがバージョンアップされているものと思われる。そうした環境では、MS06-069の修正プログラムは適用できず、個別にFlash Playerのバージョンアップが必要となる。またFirefoxなどのIE以外のWebブラウザを利用している場合も、MS06-069の修正プログラムを適用したとしても脆弱性は解消されないので、個別にFlash Playerのバージョンアップが必要だ。

 なおWindows 2000などは、マイクロソフトがデフォルトでFlash Playerを組み込んでいないだけであり、PCベンダなどがプレインストールしていたり、そもそもユーザーが使用中にインストールしていたりする可能性がある。こうした場合でも、脆弱性を解消したFlash Playerへのバージョンアップが必要である。

 つまり多くの環境においてMS06-069の修正プログラムは適用できず、脆弱性を解消したFlash Playerの手動によるバージョンアップが必要になるわけだ。Windows Update/Microsoft UpdateなどにMS06-069の修正プログラムが表示されなくても、Flash Playerの脆弱性が存在する可能性がある点には注意が必要だ。

■Flash Playerのバージョンアップ方法
 現在、脆弱性が確認されているのは、Flash Playerの8.0.24.0および下位バージョンすべてである。該当するFlash Playerがインストールされている場合、最新のFlash Player 9.0.16.0にバージョンアップすることが推奨されている。Flash Playerのバージョンを確認するには、マクロメディアの「Adobe Flash Player サポートセンター」に普段使用しているWebブラウザでアクセスし、「Adobe Flash Player のバージョンテスト」のリンクをクリックする。ページが変わり、インストールされているFlash Playerのバージョンが表示される(MS06-069の修正プログラムを適用すると、WIN 6,0,88,0と表示されるはずだ)。

・アドビ システムズ(Adobe Flash Player サポートセンター):
http://www.adobe.com/jp/support/flashplayer/

 脆弱性が存在するFlash Playerがインストールされている場合は、以下のURLから最新のFlash Player 9をダウンロードし、上書きでインストールすればよい。

・アドビ システムズ(その他の Web Player):
http://www.adobe.com/jp/shockwave/download/alternates/

 組織内にある多数のコンピュータにFlash Playerの最新版を一括してインストールするには、以下のページから再配布可能なインストール・パッケージを入手すると便利だ。

・Adobe Systems(Home Player Licensing Adobe Player Licensing):
http://www.adobe.com/licensing/

 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター WU/MU/WSUSの表示
Windows XP SP2 Flash Player 用セキュリティ更新プログラム (KB923789)
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥
 以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
 
Windows XP SP2:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsXP-KB923789-x86-JPN.exe 2006/10/20 5.50.4925.2200
552,000
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ

%SystemRoot%\system32\Macromed\Flash\

Flash6.ocx 2006/07/28 6.0.88.0
857,720
Macromedia Flash Player 6.0 r88
genuinst.exe 2006/01/21 6.0.2800.1531
25,088
GENUINST
UninstFl.exe 2006/01/04
20,480
UninstFl
 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。

Windows XP SP2
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Active Setup\Installed Components\{5056b317-8d4c-43ee-8543-b9d1e234b8f4}のIsInstalled(DWORD値)が「1」であることを確認する

 
予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
WindowsXP-KB923789-x86-JPN.exe
(Windows XP SP2)
12分 21分 46分 1時間28分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 
UpdateEXPERT上の表示

Windows XP SP2
[展開ビュー]−[Media]タブに「名前:WindowsXP-KB923789-x86-JPN.exe」で登録

 

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