MS06-074/926247 |
SNMPサービスの未チェック・バッファの脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性 |
(SNMP の脆弱性により、リモートでコードが実行される) |
対応の緊急性:早期適用 [攻撃コード未公開][攻撃事例なし]
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危険性 |
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脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。 |
可能性のある攻撃
攻撃手法
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脆弱性の影響
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リモート攻撃 |
ウイルス/ワーム |
電子メール添付 |
Webサイトへの誘導 |
コードの実行 |
権限の昇格 |
情報の漏えい |
サービス拒否 |
なりすまし |
○
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○
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○
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○
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Windows OSのSNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)サービスに未チェック・バッファの脆弱性が存在する。細工されたSNMPパケットを受信すると、サービス拒否を起こしたり、任意のコードを実行させられたりする危険性がある。
SNMPサービスは、標準ではWindows OSにインストールされていない。ネットワークを管理するなどの目的でSNMPサービスをインストールした場合にのみ、脆弱性の影響を受ける。なおSNMPサービスは、ネットワーク管理ソフトウェアなどがインストールしたり、サーバ・マシンのOSインストール支援ツールがOSと同時にインストールしたりする場合があるので注意すること。
マイクロソフトによれば、MS06-074の脆弱性は非公開で報告されたとしており、現時点で攻撃例は確認されていないという(eEye Digital Securityのニュースレターによれば、すでに実証コードが公開されているということだ)。ただしSNMPサービスがインストールされている環境では、リモートで攻撃を受ける危険性があるので注意が必要だ。特にこの脆弱性が悪用されたウイルスなどが登場した場合、対象となるコンピュータに急速に感染が広がる可能性もあるので、なるべく早期に修正プログラムを適用した方がよい。
・eEye Digital Security(Microsoft Patch Disclosure - December 2006):
http://www.eeye.com/research/html/newsletters/alert/pub/
AL20061212.html#MS06-074
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脆弱性の内容
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SNMPは、ネットワーク機器の状態の確認などに利用されるプロトコルである。SNMPを利用することで、対応するネットワーク機器やWindowsの稼働状況などをリモートから監視することが可能になる。
このSNMPを処理するWindows OS上のSNMPサービスに未チェック・バッファの脆弱性が存在する。細工されたSNMPパケットを受信するだけで、脆弱性が悪用され、任意のコードが実行されてしまう。
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対象プラットフォーム
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影響を受けるソフトウェア |
対象プラットフォーム |
Windows 2000 |
Windows 2000 SP4 |
Windows XP |
Windows XP SP2 |
Windows Server 2003 |
Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2 |
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‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント
‥‥‥
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■適用テストの結果
DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。
プラットフォーム
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適用テスト結果
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Windows 2000 Professional SP4+SNMPサービス |
○
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Windows 2000 Server SP4+SNMPサービス |
○
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Windows 2000 Advanced Server SP4+SNMPサービス |
○
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Windows XP Professional SP2+SNMPサービス |
○
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Windows Server 2003, Standard Edition SP未適用+SNMPサービス |
○
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Windows Server 2003, Enterprise Edition SP未適用+SNMPサービス |
○
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Windows Server 2003, Standard Edition SP1+SNMPサービス |
○
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Windows Server 2003, Enterprise Edition SP1+SNMPサービス |
○
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Windows Server 2003 R2, Standard Edition+SNMPサービス |
○
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Windows Server 2003 R2, Enterprise Edition+SNMPサービス |
○
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○は問題なし、△は一部に問題あり、×は適用による障害あり |
■MBSA 2.0の結果
MS06-074の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0で確認可能だ。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新」の「結果の詳細情報」に以下のいずれかが表示される。
- Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB926247)
- Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB926247)
- Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB926247)
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適用時の注意点
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■SNMPサービスがインストールされているかどうかを確認する方法
MS06-074の脆弱性は、SNMPサービスがインストールされている場合にのみ影響を受ける。つまりSNMPサービスが未インストールの場合は、修正プログラムを適用する必要はない(SNMPサービスが未インストールの場合、MS06-074の修正プログラムを適用しようとしてもエラーが発生して適用できない)。
SNMPサービスが有効になっているかどうかは、以下の手順で確認できる。
- [コントロール パネル]−[管理ツール]−[サービス]アイコンをクリックし、[サービス]の管理画面を開く。
- サービス一覧が表示されているペインの「名前」列で「SNMP Service」を探す。「SNMP Service」が一覧にあれば、インストールされている。
■SNMPサービスがインストールされている場合にのみWindows Update/Microsoft Updateで提供
SNMPサービスは、デフォルトではWindows OSにインストールされていない。Widows Update/Microsoft Update/自動更新では、SNMPサービスがインストールされている場合にのみ、MS06-074の修正プログラムの表示を行う。ダウンロード・センターから修正プログラムをダウンロードし、SNMPサービスが未インストールのコンピュータに対して手動による適用を行うと、修正プログラムはエラー・メッセージを表示し、適用を中止する。
■SNMPサービスをアンインストールする方法
SNMPサービスをアンインストールするには、まず[コントロール パネル]の[アプリケーション/プログラムの追加と削除]アプレットを開き、左端にある[Windows
コンポーネントの追加と削除]を選ぶ。すると[Windows コンポーネント ウィザード]というウィザードが表示されるので、[管理とモニタ ツール]−[簡易ネットワーク管理プロトコル
(SNMP)]チェックボックスをオフにして、ウィザードを進める。これでSNMPサービスがアンインストールできる。
■SNMPサービスを再インストールした場合、改めて修正プログラムの適用が必要な場合がある
DA Labでテストしたところ、MS06-074の修正プログラムを適用した後、いったんSNMPサービスをアンインストールしてから再度インストールすると、snmp.exeが脆弱性の残る古いバージョンに戻る可能性があることを確認した。SNMPサービスを再インストールした場合は、snmp.exeのファイル・バージョンを再確認したほうがよい。
■Windows XP SP1/SP1aに対する修正プログラムは提供されない
Windows XP SP1/SP1aは、2006年10月11日にサポート・ライフサイクルが終了したため、Windows XP SP1/SP1a向けのMS06-074の修正プログラムは提供されない。Windows
XP SP2を適用してから、MS06-074の修正プログラムを適用する必要がある。
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プラットフォーム |
ダウンロード・センター |
WU/MU/WSUSの表示 |
Windows 2000 SP4 |
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Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB926247) |
Windows XP SP2 |
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Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB926247) |
Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2 |
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Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB926247) |
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以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
Windows 2000 SP4:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
Windows2000-KB926247-x86-JPN.EXE |
2006/11/22 |
1.0.0.0 |
504,808
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ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ |
%SystemRoot%\system32\ |
snmp.exe |
2006/11/21 |
5.0.2195.7112 |
30,480
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SNMP Service |
Windows XP SP2:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
WindowsXP-KB926247-x86-JPN.exe |
2006/11/21 |
1.0.0.0 |
507,192
|
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ
(SP2GDR/
SP2QFE) |
%SystemRoot%\system32\ |
snmp.exe
|
2006/11/21 |
5.1.2600.3038 |
32,256
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SNMP Service |
Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
WindowsServer2003-KB926247-x86-JPN.exe |
2006/11/22 |
1.0.0.0 |
516,920
|
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ
(RTMGDR/
RTMQFE) |
%SystemRoot%\system32\ |
snmp.exe
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2006/11/21 |
5.2.3790.615 |
31,232
|
SNMP Service |
展開フォルダ
(SP1GDR) |
%SystemRoot%\system32\ |
snmp.exe
|
2006/11/21 |
5.2.3790.2837 |
44,544
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SNMP Service |
snmp.hp.exe* |
2006/11/21 |
5.2.3790.2837 |
5,120
|
SNMP Service |
展開フォルダ
(SP1QFE ) |
%SystemRoot%\system32\ |
snmp.exe
|
2006/11/21 |
5.2.3790.2837 |
39,936
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SNMP Service |
*ホットパッチ用ファイル。これを利用すると再起動せずに適用を完了できる場合がある。詳細はマイクロソフトの「サポート技術情報:897341」を参照のこと。
・サポート技術情報 897341(ホットパッチを使用して Windows Server 2003 Service Pack
1 用のセキュリティ更新プログラムをインストールする方法):
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;897341
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修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。
・Windows 2000 SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB926247\Filelist以下のファイル一覧を確認する
・Windows XP SP2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP3\KB926247\Filelist以下のファイル一覧を確認する
・Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\SP2\KB9926247\Filelist以下のファイル一覧を確認する
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予想適用時間
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修正プログラム名 |
50台 |
100台 |
250台 |
500台 |
Windows2000-KB926247-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 SP4) |
18分 |
27分 |
52分 |
1時間34分 |
WindowsXP-KB926247-x86-JPN.exe
(Windows XP SP2) |
18分 |
27分 |
52分 |
1時間34分 |
WindowsServer2003-KB926247-x86-JPN.exe
(Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2) |
18分 |
27分 |
52分 |
1時間34分 |
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
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UpdateEXPERT上の表示
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・Windows 2000 SP4:
[展開ビュー]−[IIS]タブに「名前:Windows2000-KB926247-x86-JPN.EXE」で登録
・Windows XP SP2:
[展開ビュー]−[IIS]タブに「名前:WindowsXP-KB926247-x86-JPN.exe」で登録
・Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2:
[展開ビュー]−[IIS]タブに「WindowsServer2003-KB926247-x86-JPN.exe」で登録
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