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Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:
2006/12/15版
 
【登録日】2006/12/14
【更新日】2006/12/15
HFR BBS会議室
 
深刻度
  1(緊急)
2(重要)
  3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
なし
対策
早期適用
再起動の必要性
必要
アンインストール
可能
対象環境
サーバ
クライアント
セキュリティ情報
MS06-074(日本)
MS06-074(US)
サポート技術情報
含まれる過去の修正
なし
脆弱性識別番号
MS06-074/926247
SNMPサービスの未チェック・バッファの脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性
(SNMP の脆弱性により、リモートでコードが実行される)


対応の緊急性:早期適用 [攻撃コード未公開][攻撃事例なし]

危険性
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用
脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。

可能性のある攻撃
攻撃手法
脆弱性の影響
リモート攻撃 ウイルス/ワーム 電子メール添付 Webサイトへの誘導 コードの実行 権限の昇格 情報の漏えい サービス拒否 なりすまし
   
   
 
 
‥‥‥ 概要 ‥‥‥

 Windows OSのSNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)サービスに未チェック・バッファの脆弱性が存在する。細工されたSNMPパケットを受信すると、サービス拒否を起こしたり、任意のコードを実行させられたりする危険性がある。

 SNMPサービスは、標準ではWindows OSにインストールされていない。ネットワークを管理するなどの目的でSNMPサービスをインストールした場合にのみ、脆弱性の影響を受ける。なおSNMPサービスは、ネットワーク管理ソフトウェアなどがインストールしたり、サーバ・マシンのOSインストール支援ツールがOSと同時にインストールしたりする場合があるので注意すること。

 マイクロソフトによれば、MS06-074の脆弱性は非公開で報告されたとしており、現時点で攻撃例は確認されていないという(eEye Digital Securityのニュースレターによれば、すでに実証コードが公開されているということだ)。ただしSNMPサービスがインストールされている環境では、リモートで攻撃を受ける危険性があるので注意が必要だ。特にこの脆弱性が悪用されたウイルスなどが登場した場合、対象となるコンピュータに急速に感染が広がる可能性もあるので、なるべく早期に修正プログラムを適用した方がよい。

・eEye Digital Security(Microsoft Patch Disclosure - December 2006):
http://www.eeye.com/research/html/newsletters/alert/pub/
AL20061212.html#MS06-074

 
脆弱性の内容

 SNMPは、ネットワーク機器の状態の確認などに利用されるプロトコルである。SNMPを利用することで、対応するネットワーク機器やWindowsの稼働状況などをリモートから監視することが可能になる。

 このSNMPを処理するWindows OS上のSNMPサービスに未チェック・バッファの脆弱性が存在する。細工されたSNMPパケットを受信するだけで、脆弱性が悪用され、任意のコードが実行されてしまう。

 
対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
Windows 2000 Windows 2000 SP4
Windows XP Windows XP SP2
Windows Server 2003 Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Windows 2000 Professional SP4+SNMPサービス
Windows 2000 Server SP4+SNMPサービス
Windows 2000 Advanced Server SP4+SNMPサービス
Windows XP Professional SP2+SNMPサービス
Windows Server 2003, Standard Edition SP未適用+SNMPサービス
Windows Server 2003, Enterprise Edition SP未適用+SNMPサービス
Windows Server 2003, Standard Edition SP1+SNMPサービス
Windows Server 2003, Enterprise Edition SP1+SNMPサービス
Windows Server 2003 R2, Standard Edition+SNMPサービス
Windows Server 2003 R2, Enterprise Edition+SNMPサービス
○は問題なし、△は一部に問題あり、×は適用による障害あり

■MBSA 2.0の結果
 MS06-074の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0で確認可能だ。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新」の「結果の詳細情報」に以下のいずれかが表示される。

  • Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB926247)
  • Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB926247)
  • Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB926247)
 
適用時の注意点

■SNMPサービスがインストールされているかどうかを確認する方法
 MS06-074の脆弱性は、SNMPサービスがインストールされている場合にのみ影響を受ける。つまりSNMPサービスが未インストールの場合は、修正プログラムを適用する必要はない(SNMPサービスが未インストールの場合、MS06-074の修正プログラムを適用しようとしてもエラーが発生して適用できない)。

 SNMPサービスが有効になっているかどうかは、以下の手順で確認できる。

  1. [コントロール パネル]−[管理ツール]−[サービス]アイコンをクリックし、[サービス]の管理画面を開く。
  2. サービス一覧が表示されているペインの「名前」列で「SNMP Service」を探す。「SNMP Service」が一覧にあれば、インストールされている。

■SNMPサービスがインストールされている場合にのみWindows Update/Microsoft Updateで提供
 SNMPサービスは、デフォルトではWindows OSにインストールされていない。Widows Update/Microsoft Update/自動更新では、SNMPサービスがインストールされている場合にのみ、MS06-074の修正プログラムの表示を行う。ダウンロード・センターから修正プログラムをダウンロードし、SNMPサービスが未インストールのコンピュータに対して手動による適用を行うと、修正プログラムはエラー・メッセージを表示し、適用を中止する。

■SNMPサービスをアンインストールする方法
 SNMPサービスをアンインストールするには、まず[コントロール パネル]の[アプリケーション/プログラムの追加と削除]アプレットを開き、左端にある[Windows コンポーネントの追加と削除]を選ぶ。すると[Windows コンポーネント ウィザード]というウィザードが表示されるので、[管理とモニタ ツール]−[簡易ネットワーク管理プロトコル (SNMP)]チェックボックスをオフにして、ウィザードを進める。これでSNMPサービスがアンインストールできる。

■SNMPサービスを再インストールした場合、改めて修正プログラムの適用が必要な場合がある
 DA Labでテストしたところ、MS06-074の修正プログラムを適用した後、いったんSNMPサービスをアンインストールしてから再度インストールすると、snmp.exeが脆弱性の残る古いバージョンに戻る可能性があることを確認した。SNMPサービスを再インストールした場合は、snmp.exeのファイル・バージョンを再確認したほうがよい。

■Windows XP SP1/SP1aに対する修正プログラムは提供されない
 Windows XP SP1/SP1aは、2006年10月11日にサポート・ライフサイクルが終了したため、Windows XP SP1/SP1a向けのMS06-074の修正プログラムは提供されない。Windows XP SP2を適用してから、MS06-074の修正プログラムを適用する必要がある。

 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター WU/MU/WSUSの表示
Windows 2000 SP4 Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB926247)
Windows XP SP2 Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB926247)
Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2 Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB926247)
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥
 以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
 
Windows 2000 SP4:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
Windows2000-KB926247-x86-JPN.EXE 2006/11/22 1.0.0.0
504,808
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\system32\
snmp.exe 2006/11/21 5.0.2195.7112
30,480
SNMP Service
 
Windows XP SP2:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsXP-KB926247-x86-JPN.exe 2006/11/21 1.0.0.0
507,192
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(SP2GDR/
SP2QFE)
%SystemRoot%\system32\
snmp.exe
2006/11/21 5.1.2600.3038
32,256
SNMP Service
 
Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsServer2003-KB926247-x86-JPN.exe 2006/11/22 1.0.0.0
516,920
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(RTMGDR/
RTMQFE)
%SystemRoot%\system32\
snmp.exe
2006/11/21 5.2.3790.615
31,232
SNMP Service
展開フォルダ
(SP1GDR)
%SystemRoot%\system32\
snmp.exe
2006/11/21 5.2.3790.2837
44,544
SNMP Service
snmp.hp.exe 2006/11/21 5.2.3790.2837
5,120
SNMP Service
展開フォルダ
(SP1QFE )
%SystemRoot%\system32\
snmp.exe
2006/11/21 5.2.3790.2837
39,936
SNMP Service
ホットパッチ用ファイル。これを利用すると再起動せずに適用を完了できる場合がある。詳細はマイクロソフトの「サポート技術情報:897341」を参照のこと。

・サポート技術情報 897341(ホットパッチを使用して Windows Server 2003 Service Pack 1 用のセキュリティ更新プログラムをインストールする方法):
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;897341

 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。

Windows 2000 SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB926247\Filelist以下のファイル一覧を確認する

Windows XP SP2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP3\KB926247\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\SP2\KB9926247\Filelist以下のファイル一覧を確認する

 
予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
Windows2000-KB926247-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 SP4)
18分 27分 52分 1時間34分
WindowsXP-KB926247-x86-JPN.exe
(Windows XP SP2)
18分 27分 52分 1時間34分
WindowsServer2003-KB926247-x86-JPN.exe
(Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2)
18分 27分 52分 1時間34分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 
UpdateEXPERT上の表示

Windows 2000 SP4:
[展開ビュー]−[IIS]タブに「名前:Windows2000-KB926247-x86-JPN.EXE」で登録

Windows XP SP2:
[展開ビュー]−[IIS]タブに「名前:WindowsXP-KB926247-x86-JPN.exe」で登録

・Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2:
[展開ビュー]−[IIS]タブに「WindowsServer2003-KB926247-x86-JPN.exe」で登録

 

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