MS07-002/927198 |
Excelにおけるレコード処理のメモリ破損の脆弱性などにより、リモートで任意のコードが実行される危険性 |
(Microsoft Excel の脆弱性により、リモートでコードが実行される) |
対応の緊急性:至急適用 [攻撃コード未公開][攻撃事例なし]
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危険性 |
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脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。 |
可能性のある攻撃
攻撃手法
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脆弱性の影響
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リモート攻撃 |
ウイルス/ワーム |
電子メール添付 |
Webサイトへの誘導 |
コードの実行 |
権限の昇格 |
情報の漏えい |
サービス拒否 |
なりすまし |
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○
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○
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○
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Excelのレコード処理や文字列処理においてメモリ破損を引き起こす5件の脆弱性が存在する。細工されたXLSファイルを開くと、リモートで任意のコードが実行される危険性がある。
攻撃は、細工したXLSファイルをWebページ上に置くか、電子メールの添付ファイルとして送信し、それをユーザーに開かせるように誘導することで実行されることが考えられる。Internet
Explorer(IE)+Excel 2000の環境では、警告ダイアログなどの表示がされずにXLSファイルがIEのブラウザ・ウィンドウ内で直接表示されるため、細工されたXLSファイルへのリンクをクリックするだけで、攻撃が実行されてしまう。Excel
2000を利用している場合は特に注意が必要だ。これに対しExcel 2002/2003では、[ファイルのダウンロード]ダイアログが表示される。
MS07-002の脆弱性は、特定の企業や団体をターゲットにした電子メール添付型ウイルスに悪用される危険性が高いので注意した方がよい。またWebページによる攻撃では、スパイウェアやトロイの木馬のインストールに悪用されることも懸念される。
マイクロソフトによれば、MS07-002の脆弱性は非公開で報告されたとしており、現時点で攻撃例は確認されていないという。Excelのレコード処理の脆弱性は、MS06-059でも解消されているが、MS07-002はそれとは異なる部分の脆弱性を解消するものである。MS06-059の脆弱性については、すでに実証コードが公開されていることから、同様の脆弱性であるMS07-002についても、実証コードが近日中に公開される可能性が高い。至急、修正プログラムを適用すべきだ。ただし後述するように、Excel
2000では修正プログラムの適用によって不具合が生じているので注意が必要だ。
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脆弱性の内容
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MS07-002の修正プログラムは、以下の5件の脆弱性を解消する。
- Excelの不正な形式のIMDATAレコードの脆弱性(深刻度:緊急 CVE:CVE-2007-0027)
- Excelの不正な形式のレコードの脆弱性(深刻度:緊急 CVE:CVE-2007-0028)
- Excelの不正な形式の文字列の脆弱性(深刻度:緊急 CVE:CVE-2007-0029)
- Excelの不正な形式の列のレコードの脆弱性(深刻度:緊急 CVE:CVE-2007-0030)
- Excelの不正な形式のパレット・レコードの脆弱性(深刻度:緊急 CVE:CVE-2007-0031)
それぞれ、細工したIMDATAレコード/レコード/文字列/列のレコード/パレット・レコードを処理するとExcelがメモリ破損を起こし、任意のコードが実行されてしまう。マイクロソフトによれば、5件のすべての脆弱性において、現在のところ実証コードや攻撃例は確認されていないという。
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対象プラットフォーム
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影響を受けるソフトウェア |
対象プラットフォーム |
Excel 2000 |
Office 2000 SP3 |
Excel 2002 |
Office XP SP3 |
Excel 2003 |
Office 2003 SP2 |
Excel Viewer 2003 |
Excel Viewer 2003 |
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‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント
‥‥‥
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■適用テストの結果
DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。
プラットフォーム
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適用テスト結果
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Windows 2000 Professional SP4+Office 2000 Professional
SP3 |
×
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Windows 2000 Professional SP4+Office XP Personal SP3 |
○
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Windows 2000 Server SP4+Office Professional
2003 SP2 |
○
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Windows XP Professional SP2+Office 2000 Personal SP3 |
×
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Windows XP Professional SP2+Office XP Standard
SP3 |
○
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Windows XP Professional SP2+Office Standard 2003 Enterprise SP2 |
○
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Windows Server 2003, Standard Edition SP未適用+Office
XP Professional with FrontPage SP3 |
○
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Windows Server 2003, Standard Edition SP1+Office 2000 Premium
SP3 |
×
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Windows Server 2003, Enterprise Edition SP未適用+Office
Professional 2003 Enterprise SP2 |
○
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Windows Server 2003, Enterprise Edition SP1+Office XP Professional
Enterprise SP3 |
○
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○は問題なし、△は一部に問題あり、×は適用による障害あり |
■MBSA 2.01の結果
MS07-002のExcel 2002/2003、Excel Viewer 2003向け修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.01で確認可能だ。未適用の場合は、「Officeのセキュリティの更新プログラム」の「結果の詳細情報」に以下のいずれかが表示される。Excel
2000は、MSBA 2.01でサポートされておらず、適用状態の確認はできない。
- Excel 2002 セキュリティ更新プログラム: KB925523
- Excel 2003 セキュリティ更新プログラム: KB925257
- Excel Viewer 2003 セキュリティ更新プログラム: KB925525
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適用時の注意点
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■Excel 2000にMS07-002の修正プログラム適用による不具合発生
セキュリティ関連の掲示板などに、Excel 2000にMS07-002の修正プログラムを適用後、一部のXLSファイルが開けなくなったという報告が数多く投稿されている。
DA Labでも、MS07-002の修正プログラムをExcel 2000に適用すると特定のXLSファイルが開けない(一瞬ワークシートが表示された後で元の閉じた状態に戻ってしまう)ことを確認した。このXLSファイルは、MS07-002の修正プログラムを適用したExcel
2002/2003、未適用のExcel 2000で正常に開くことができる。一方、適用済みのExcel 2000でも正常に開けるXLSファイルは存在する。現在のところ、この問題の原因は明らかになっていない。
Excel 2000は、修正プログラムのアンインストールができないため、不具合が発生した場合、Office 2000のアンインストールと再インストールが必要になる。業務で利用しているXLSファイルが開けなくなる可能性もあるので、Excel
2000を利用している場合は、事前に十分な検証を行った上で適用するか、修正適用以外の手段で攻撃防止を施しながら、不具合発生の原因が分かるまで適用を保留しておいた方がよい。
■Excel 2000向けはOffice Updateで提供
MS07-002のExcel 2000向けの修正プログラムは、ダウンロード・センターとOffice Updateで提供されている。Microsoft UpdateはOffice
2000に対応していないため、MS07-002のExcel 2000向けの修正プログラムは表示されないので注意が必要だ(自動更新でも適用されない)。ダウンロード・センターで修正プログラムを入手して手動で適用を行うか、別途Office
Updateを実行する必要がある。
なおExcel 2002/2003向けの修正プログラムは、Microsoft Updateで提供されるため、ほかのセキュリティ修正プログラムとともに選択・適用が可能だ。
■修正プログラムのアンインストールに必要な条件
Excel 2002/2003向けの修正プログラムは、以下の条件を満たせばアンインストール可能である。前述したとおり、Excel 2000向けの修正プログラムはアンインストールできない。
- OSがWindows XP SP2またはWindows Server 2003 SP1
- Windows Installer 3.0以降をインストールした後で修正プログラムを適用
- OfficeのインストールCDにアクセス可能
■適用可能なExcel Viewer 2003のバージョン
2007年1月10日時点で配布されている最新のExcel Viewer 2003(ワークシートの表示のみが可能な無償提供のビューア)は、バージョン11.0.6412.0である。DA
Labでは、これに対してMS07-002のExcel Viewer 2003向け修正プログラムを適用できることを確認した。ただしこれより古いバージョンでは適用できない可能性もある。もし適用に失敗した場合は、最新版のExcel
Viewer 2003を以下のページからダウンロードしてインストールしてから、あらためてMS07-002の修正プログラムを適用すればよい。
・ダウンロード・センター(Excel Viewer 2003):
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?
FamilyID=c8378bf4-996c-4569-b547-75edbd03aaf0&DisplayLang=ja
MS07-002の修正プログラムを適用すると、Excel Viewer 2003のバージョンは11.0.8117.0に上がる。
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プラットフォーム |
ダウンロード・センター |
Office Update/MU/WSUSの表示 |
Excel 2000 |
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Excel 2000 セキュリティ更新プログラム: KB925524 |
Excel 2002
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Excel 2002 セキュリティ更新プログラム: KB925523 |
Excel 2003 |
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Excel 2003 セキュリティ更新プログラム: KB925257 |
Excel Viewer 2003 |
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Excel Viewer 2003 セキュリティ更新プログラム: KB925525 |
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以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
Excel 2000(Office 2000 SP3):
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
office2000-kb925524-fullfile-jpn.exe |
2006/12/01 |
5.0.2919.6307 |
3,881,632
|
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ |
%ProgramFiles%\Microsoft Office\Office\(デフォルトの設定) |
EXCEL.EXE |
2006/11/22 |
9.0.0.8955 |
7,233,581
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Microsoft Excel for Windows |
Excel 2002(Office XP SP3):
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
officexp-KB925523-FullFile-JPN.exe |
2006/12/06 |
10.0.6823.0 |
13,883,728
|
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ |
%ProgramFiles%\Microsoft Office\Office10\(デフォルトの設定) |
EXCEL.EXE |
2006/12/04 |
10.0.6823.0 |
9,358,096
|
Microsoft Excel |
Excel 2003(Office 2003 SP2):
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
office2003-KB925257-FullFile-JPN.exe |
2006/11/21 |
11.0.8117.0 |
5,180,752
|
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ |
%ProgramFiles%\Microsoft Office\Office11\(デフォルトの設定) |
EXCEL.EXE |
2006/11/19 |
11.0.8117.0 |
10,270,480
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Microsoft Office Excel |
Excel Viewer 2003:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
office2003-KB925525-FullFile-JPN.exe
|
2006/12/09 |
11.0.8117.0 |
2,564,432
|
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ |
%ProgramFiles%\Microsoft Office\Office11\(デフォルトの設定) |
XLVIEW.EXE |
2006/11/19 |
11.0.8117.0 |
5,238,032
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Microsoft Office Excel Viewer |
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修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、EXCEL.EXE/XLVIEW.EXEのファイルのバージョンをプロパティで調べることで確認できる。
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予想適用時間
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修正プログラム名 |
50台 |
100台 |
250台 |
500台 |
office2000-kb925524-fullfile-jpn.exe
(Office 2000 SP3) |
13分 |
22分 |
48分 |
1時間32分 |
officexp-KB925523-FullFile-JPN.exe
(Office XP SP3) |
14分 |
24分 |
55分 |
1時間46分 |
office2003-KB925257-FullFile-JPN.exe
(Office 2003 SP2) |
13分 |
22分 |
49分 |
1時間34分 |
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
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UpdateEXPERT上の表示
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・Excel 2000(Office 2000 SP3):
[展開ビュー]−[Office]タブに「名前:office2000-kb925524-fullfile-jpn.exe」で登録
・Excel 2002(Office XP SP3):
[展開ビュー]−[Office]タブに「名前:officexp-KB925523-FullFile-JPN.exe」で登録
・Excel 2003(Office 2003 SP2):
[展開ビュー]−[Office]タブに「名前:office2003-KB925257-FullFile-JPN.exe」で登録
・Excel Viewer 2003:
UpdateEXPERTのサポート対象外
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