深刻度
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1(緊急) |
→ |
2(重要) |
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3(警告) |
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4(注意) |
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攻撃コードの有無
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なし
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対策
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早期適用
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再起動の必要性
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必要
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アンインストール
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可能
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対象環境
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セキュリティ情報
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サポート技術情報
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含まれる過去の修正
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なし
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脆弱性識別番号
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MS07-012/924667 |
WindowsとVisual Studioに含まれるMFCコンポーネントのメモリ破損の脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性 |
(Microsoft MFC の脆弱性により、リモートでコードが実行される) |
対応の緊急性:早期適用 [攻撃コード未公開][攻撃事例なし]
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危険性 |
|
脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。 |
可能性のある攻撃
攻撃手法
|
脆弱性の影響
|
リモート攻撃 |
ウイルス/ワーム |
電子メール添付 |
Webサイトへの誘導 |
コードの実行 |
権限の昇格 |
情報の漏えい |
サービス拒否 |
なりすまし |
|
○
|
○
|
○
|
○
|
|
|
|
|
|
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Windows OSとVisual Studio .NETで提供されているMFC(Microsoft Foundation Class)のコンポーネントにメモリ破損の脆弱性が存在し、リッチ・テキスト形式(RTF)のファイルに埋め込まれたOLEオブジェクトと対話的操作を行うと、リモートで任意のコードが実行される危険性がある。
攻撃は、細工したRTFファイルをWebページ上に置くか、電子メールの添付ファイルとして送信し、それをユーザーに開かせるように誘導することで実行される可能性がある。ただし、攻撃はRTFファイル内に埋め込まれたOLEオブジェクトを開き、対話的操作をしない限り実行されないということだ。
ファイルを開いただけで攻撃が実行される危険性はないが、特定の企業や団体をターゲットにした電子メール添付型ウイルスに悪用されることが懸念される。
マイクロソフトによれば、MS07-012の脆弱性は非公開で報告されたとしており、現時点で実証コードや攻撃例は確認されていないという。ただし脆弱性が公開されたことから、悪用の危険性増大が予想される。なるべく早期に修正プログラムを適用した方がよい。
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脆弱性の内容
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脆弱性は、Windows OSとVisual Studio .NETで提供されているMFCのコンポーネントが、RTFファイルに埋め込まれたOLEオブジェクトを解析する際に十分な検証を行わないことに起因する。ユーザーがRTFファイルに埋め込まれた細工済みのOLEオブジェクトと対話的操作を行うとメモリ破損が起こり、任意のコードが実行される危険性がある。
RTFファイルは、Windows OSに標準で添付されているワード・プロセッサ・アプリケーションのワードパットでも開くことが可能である。そのため、Officeがインストールされていない環境でも脆弱性の影響を受けるので注意が必要だ。
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対象プラットフォーム
|
影響を受けるソフトウェア |
対象プラットフォーム |
Windows 2000 |
Windows 2000 SP4 |
Windows XP |
Windows XP SP2 |
Windows Server 2003 |
Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2 |
Visual Studio .NET 2002 |
Visual Studio .NET 2002 SP未適用/SP1 |
Visual Studio .NET 2003 |
Visual Studio .NET 2003 SP未適用/SP1 |
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‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント
‥‥‥
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■適用テストの結果
DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。
プラットフォーム
|
適用テスト結果
|
Windows 2000 Professional SP4 |
○
|
Windows 2000 Server SP4 |
○
|
Windows 2000 Advanced Server SP4 |
○
|
Windows XP Professional SP2 |
○
|
Windows Server 2003, Standard Edition SP未適用 |
○
|
Windows Server 2003, Enterprise Edition SP未適用 |
○
|
Windows Server 2003, Standard Edition SP1 |
○
|
Windows Server 2003, Enterprise Edition SP1 |
○
|
Windows Server 2003 R2, Standard Edition |
○
|
Windows Server 2003 R2, Enterprise Edition |
○
|
○は問題なし、△は一部に問題あり、×は適用による障害あり |
■MBSA 2.0の結果
Windows OS向けのMS07-012の修正プログラムは、正しく適用されているかどうかをMBSA 2.0で確認できる。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新プログラム」の「結果の詳細情報」に以下のいずれかが表示される。Visual
Studio .NET 2002 SP未適用/2002 SP1/2003 SP未適用/2003 SP1は、MSBA 2.0でサポートされておらず、適用状態の確認はできない。
- Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB924667)
- Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB924667)
- Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB924667)
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適用時の注意点
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■Windows OSとVisual Studio .NETは別々に修正プログラムの適用が必要
Windows OS向けとVisual Studio .NET向けは、それぞれ対応した修正プログラムの適用が必要となる。例えば、Windows XP SP2にVisual
Studio .NET 2002 SP未適用がインストールされた環境では、Windows XP SP2向けとVisual Studio .NET 2002
SP未適用向けの2種類の修正プログラムを適用する必要がある。
■Visual Studio .NET向け修正プログラムは手動で適用する必要がある
Visual Studio .NET 2002 SP未適用/2002 SP1/2003 SP未適用/2003 SP1向けの修正プログラムは、自動更新/Windows
Update/Microsoft Updateで提供されていないため、ダウンロード・センターからインストールしている環境向けの修正プログラムを入手し、手動で適用する必要がある。
また、適用開始から最初の画面が表示されるまでに時間がかかる。そのため、適用する際には、タスクマネージャなどで、修正プログラムが起動されていることを確認するとよい。適用が正常に完了する前にシステムの再起動などを実行すると、修正プログラムの適用に失敗するので注意が必要だ。
■MS07-011/012/013はすべて適用した方がよい
MS07-011/012/013の脆弱性は、いずれもRTFファイルに埋め込まれたOLEオブジェクトと対話する際に攻撃が実行されることから、悪用方法において類似点が存在する。しかしこの3件の脆弱性は、異なるソフトウェア・コンポーネントに存在する脆弱性を解消する。そのため、MS07-011/012/013の修正プログラムは、すべて適用する必要がある。それぞれに依存関係がないため、いずれの順番で適用してもよい。
■Visual Studio .NETで開発されたアプリケーションにmfc70u.dll/mfc71u.dllが含まれている場合の対処方法
Visual Studio .NET向け修正プログラムによって更新されるmfc70u.dll/mfc71u.dllは再配布可能ファイルであり、Visual
Studio .NETで開発されたアプリケーションに同梱されて再配布されていることがある。
このような場合には更新されたmfc70u.dll/mfc71u.dllを含む新バージョンをユーザーに提供することをマイクロソフトは推奨している。ユーザー側としては、もしmfc70u.dll/mfc71u.dllを含むアプリケーションがシステム内に見つかった場合、そのアプリケーションの開発元に対して、この脆弱性を解消した新バージョンの提供を求め、入手できたら速やかにテストおよび展開をする必要がある。
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プラットフォーム |
ダウンロード・センター |
WU/MU/SUS/WSUSの表示 |
Windows 2000 SP4 |
|
Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB924667) |
Windows XP SP2 |
|
Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB924667) |
Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2 |
|
Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB924667) |
Visual Studio .NET 2002 SP未適用 |
|
− |
Visual Studio .NET 2002 SP1 |
|
− |
Visual Studio .NET 2003 SP未適用 |
|
− |
Visual Studio .NET 2003 SP1 |
|
− |
|
|
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以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。なおVisual Studio
.NET 2002 SP未適用/SP1、Visual Studio .NET 2003 SP未適用/SP1の展開されるファイル情報は、サポート対象外とし、割愛させていただきます。
Windows 2000 SP4:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
Windows2000-KB924667-x86-JPN.EXE |
2006/11/03 |
1.0.0.0 |
1,216,488
|
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ |
%SystemRoot%\system32\ |
mfc40u.dll |
2006/11/02 |
4.1.0.6141 |
927,504
|
MFCDLL Shared Library - Retail Version |
mfc42u.dll |
2006/11/02 |
6.0.9792.0 |
1,011,774
|
MFCDLL Shared Library - Retail Version |
Windows XP SP2:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
WindowsXP-KB924667-x86-JPN.exe |
2007/01/20 |
1.0.0.0 |
1,820,552
|
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ
(SP2GDR/
SP2QFE)
|
%SystemRoot%\system32\ |
mfc40u.dll |
2006/11/02 |
4.1.0.6141 |
927,504
|
MFCDLL Shared Library - Retail Version |
mfc42u.dll |
2006/12/14 |
6.2.8071.0 |
981,760
|
MFCDLL Shared Library - Retail Version |
|
%SystemRoot%\WinSxS\x86_Microsoft.Tools.VisualCPlusPlus.
Runtime-Libraries_6595b64144ccf1df_6.0.9792.0_x-ww_08a6620a\ |
atl.dll |
2007/01/19 |
3.0.9238.0 |
74,802
|
ATL Module for Windows NT (Unicode) |
mfc42.dll |
2007/01/19 |
6.0.8665.0 |
995,383
|
MFCDLL Shared Library - Retail Version |
mfc42u.dll |
2007/01/19 |
6.0.9792.0 |
1,011,774
|
MFCDLL Shared Library - Retail Version |
msvcp60.dll |
2007/01/19 |
6.0.8972.0 |
401,462
|
Microsoft C++ Runtime Library |
Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
WindowsServer2003-KB924667-x86-JPN.exe |
2007/01/25 |
1.0.0.0 |
2,710,408
|
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ
(RTMQFE)
|
%SystemRoot%\system32\ |
mfc40u.dll |
2006/11/01 |
4.1.0.6141 |
927,504
|
MFCDLL Shared Library - Retail Version |
mfc42u.dll |
2006/11/01 |
6.6.8063.0 |
1,163,776
|
MFCDLL Shared Library - Retail Version |
|
%SystemRoot%\WinSxS\x86_Microsoft.Tools.VisualCPlusPlus.
Runtime-Libraries_6595b64144ccf1df_6.0.9792.0_x-ww_08A6620A¥ |
atl.dll |
2007/01/25 |
3.0.9238.0 |
74,802
|
ATL Module for Windows NT (Unicode) |
mfc42.dll |
2007/01/25 |
6.0.8665.0 |
995,383
|
MFCDLL Shared Library - Retail Version |
mfc42u.dll |
2007/01/25 |
6.0.9792.0 |
1,011,774
|
MFCDLL Shared Library - Retail Version |
msvcp60.dll |
2007/01/25 |
6.0.8972.0 |
401,462
|
Microsoft C++ Runtime Library |
展開フォルダ
(SP1QFE)
|
%SystemRoot%\system32\ |
mfc40u.dll |
2006/11/01 |
4.1.0.6141 |
927,504
|
MFCDLL Shared Library - Retail Version |
mfc42u.dll |
2006/11/01 |
6.6.8063.0 |
1,163,776
|
MFCDLL Shared Library - Retail Version |
|
%SystemRoot%\WinSxS\x86_Microsoft.Tools.VisualCPlusPlus.
Runtime-Libraries_6595b64144ccf1df_6.0.9792.0_x-ww_08A6620A¥ |
atl.dll |
2007/01/23 |
3.0.9238.0 |
74,802
|
ATL Module for Windows NT (Unicode) |
mfc42.dll |
2007/01/23 |
6.0.8665.0 |
995,383
|
MFCDLL Shared Library - Retail Version |
mfc42u.dll |
2007/01/23 |
6.0.9792.0 |
1,011,774
|
MFCDLL Shared Library - Retail Version |
msvcp60.dll |
2007/01/23 |
6.0.8972.0 |
401,462
|
Microsoft C++ Runtime Library |
Visual Studio .NET 2002 SP未適用:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
VS7.0-KB924641-X86.exe |
2006/11/07 |
1.0.1454.4238 |
66,566,000
|
Visual Studio .NET 2002 SP1:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
VS7.0sp1-KB924642-X86.exe |
2006/11/02 |
1.0.1455.4228 |
65,317,744
|
Visual Studio .NET 2003 SP未適用:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
VS7.1-KB924643-X86.exe |
2006/11/08 |
1.0.1456.4241 |
64,622,960
|
Visual Studio .NET 2003 SP1:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
VS7.1sp1-KB927696-X86.exe |
2006/11/08 |
1.0.1473.4243 |
63,349,104
|
|
|
|
修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。
・Windows 2000 SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB926436\Filelist以下のファイル一覧を確認する
・Windows XP SP2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP3\KB926436\Filelist以下のファイル一覧を確認する
・Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\SP2\KB926436\Filelist以下のファイル一覧を確認する
・Visual Studio .NET 2002 SP未適用:
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Updates\Visual Studio\7.0\M924641の値「Installed(DWORD値)」が「1」であることを確認する
・Visual Studio .NET 2002 SP1:
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Updates\Visual Studio\7.0\M924642の値「Installed(DWORD値)」が「1」であることを確認する
・Visual Studio .NET 2003 SP未適用:
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Updates\Visual Studio\7.1\M924643の値「Installed(DWORD値)」が「1」であることを確認する
・Visual Studio .NET 2003 SP1:
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Updates\Visual Studio\7.1\M927696の値「Installed(DWORD値)」が「1」であることを確認する
|
予想適用時間
|
修正プログラム名 |
50台 |
100台 |
250台 |
500台 |
Windows2000-KB924667-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 SP4) |
18分 |
27分 |
52分 |
1時間35分 |
WindowsXP-KB924667-x86-JPN.exe
(Windows XP SP2) |
18分 |
27分 |
52分 |
1時間34分 |
WindowsServer2003-KB924667-x86-JPN.exe
(Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2) |
19分 |
27分 |
53分 |
1時間37分 |
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
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UpdateEXPERT上の表示
|
・Windows 2000 SP4:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:Windows2000-KB924667-x86-JPN.EXE」で登録
・Windows XP SP2:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsXP-KB924667-x86-JPN.exe」で登録
・Windows Server 2003 SP未適用/SP1/R2:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsServer2003-KB924667-x86-JPN.exe」で登録
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