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Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:2007/08/17版
 
【登録日】2007/08/16
【更新日】2007/08/17
HFR BBS会議室
 
深刻度
1(緊急)
  2(重要)
  3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
なし
対策
至急適用
再起動の必要性
必要
アンインストール
可能
対象環境
サーバ
クライアント
セキュリティ情報
MS07-046(日本)
MS07-046(US)
サポート技術情報
含まれる過去の修正
脆弱性識別番号
MS07-046/938829
Graphics Rendering Engineの画像処理過程の脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性
(GDI の脆弱性により、リモートでコードが実行される)


対応の緊急性:至急適用 [攻撃コード未公開][攻撃事例なし]

危険性
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用
脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。

可能性のある攻撃
攻撃手法
脆弱性の影響
リモート攻撃 ウイルス/ワーム 電子メール添付 Webサイトへの誘導 コードの実行 特権の昇格 情報の漏えい サービス拒否 なりすまし
 
 
       
 
‥‥‥ 概要 ‥‥‥

 Graphics Rendering Engine(画像描画エンジン)がWindowsメタファイル(WMF)画像を処理する過程に脆弱性が存在し、リモートで任意のコードが実行される危険性がある。同様のGraphics Rendering Engineの脆弱性は、MS06-001/MS07-017でも解消されているが、MS07-046の脆弱性はそれとは異なる部分に起因する。

 細工されたWMF画像を表示すると、画像ファイルに含まれる任意のコードが実行されてしまう。攻撃は、細工した画像を画像掲示板などで公開したり、電子メール添付型のウイルスとしてばらまいたりすることで実行される可能性がある。また細工した画像をOffice 文書に埋め込み、ユーザーにそれを開かせることで攻撃が実行される可能性もある。なおWMF画像は、拡張子が変更されていても、Graphics Rendering EngineによってWMF画像として処理されるため、ほかの画像ファイルに偽装した攻撃が実行される危険もある。

 マイクロソフトによれば、MS07-046の脆弱性は非公開で報告されたとしており、現時点では実証コードや攻撃事例は見つかっていないという。しかし修正プログラムがリリースされたことから、脆弱性を発見したeEye Digital Securityがこの脆弱性に関するレポートを公開した。レポートには、攻撃コード作成のヒントになる情報も含まれている。早々に実証コードが公開され、悪用される可能性が高いものと思われる。至急、修正プログラムを適用した方がよい。

・eEye Digital Security(Windows Metafile AttemptWrite Heap Overflow):
http://research.eeye.com/html/advisories/published/AD20070814b.html

 
脆弱性の内容

 Graphics Rendering EngineがWMF画像を処理する過程に、WMF画像に含まれる値を十分に検証しないことに起因する脆弱性が存在する。非常に大きなレコード長が指定されたWMF画像を開くと、ヒープ・オーバーフローが起こり、任意のコードが実行される危険性がある。

 なおWindows Server 2003 SP2とWindows Vistaは、この脆弱性の影響を受けない。

 
対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
Windows 2000 Windows 2000 SP4
Windows XP Windows XP SP2
Windows Server 2003 Windows Server 2003 SP1/R2
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Windows 2000 Professional SP4
Windows 2000 Server SP4
Windows 2000 Advanced Server SP4
Windows XP Professional SP2
Windows Server 2003, Standard Edition SP1
Windows Server 2003, Enterprise Edition SP1
Windows Server 2003 R2, Standard Edition
Windows Server 2003 R2, Enterprise Edition
○は問題なし、△は一部に問題あり、×は適用による障害あり

■MBSA 2.0.1の結果
 MS07-046の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0.1で確認可能だ。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新」の「結果の詳細情報」に、IEのバージョンによって以下のいずれかが表示される。

  • Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB921503)
  • Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB921503)
  • Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB921503)
 
適用時の注意点

■MS07-017の修正プログラムはMS07-046に含まれていない
 gdi32.dllに関連する脆弱性としては4月にMS07-017が公表されている。

・HotFix Alert MS07-017(Windows OSのアニメーション・カーソル処理の脆弱性などにより、リモートで任意のコードが実行される危険性):
http://www.hotfix.jp/archives/alert/2007/ms07-017.html

・TechNetセキュリティ情報 MS07-017(GDI の脆弱性により、リモートでコードが実行される):
http://www.microsoft.com/japan/technet/security/bulletin/ms07-017.mspx

 しかしこの修正プログラムは、MS07-046の修正プログラムに含まれていない。つまり、Graphics Rendering Engineの脆弱性を解消するにはMS07-017とMS07-046の両方の修正プログラムを適用しなければならない。

 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター WU/MU/WSUSの表示
Windows 2000 SP4 Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB938829)
Windows XP SP2 Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB938829)
Windows Server 2003 SP1/R2 Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB938829)
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥
 以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
 
Windows 2000 SP4:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
Windows2000-KB938829-x86-JPN.EXE 2007/06/26 1.0.0.0
620,912
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\system32\
gdi32.dll 2007/06/26 5.0.2195.7138
235,280
GDI Client DLL
mf3216.dll 2007/03/06 5.0.2195.7133
38,160
32-bit to 16-bit Metafile Conversion DLL
 
Windows XP SP2:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsXP-KB938829-x86-JPN.exe 2007/06/19 1.0.0.0
626,056
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(SP2GDR/
SP2QFE )
%SystemRoot%\system32\
gdi32.dll 2007/06/19 5.1.2600.3159
282,112
GDI Client DLL
 
Windows Server 2003 SP1/R2:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsServer2003-KB938829-x86-JPN.exe 2007/06/22 1.0.0.0
626,056
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(SP1GDR)
%SystemRoot%\system32\
gdi32.dll 2007/06/22 5.2.3790.2960
283,648
GDI Client DLL
展開フォルダ
(SP1QFE)
%SystemRoot%\system32\
gdi32.dll 2007/06/22 5.2.3790.2960
284,672
GDI Client DLL
 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。

・Windows 2000 SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB938829\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows XP SP2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP3\KB938829\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows Server 2003 SP1/R2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\SP3\KB938829\Filelist以下のファイル一覧を確認する

 
予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
Windows2000-KB938829-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 SP4)
18分 27分 52分 1時間34分
WindowsXP-KB938829-x86-JPN.exe
(Windows XP SP2)
18分 27分 52分 1時間34分
WindowsServer2003-KB938829-x86-JPN.exe
(Windows Server 2003 SP1/R2)
18分 27分 52分 1時間34分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 
UpdateEXPERT上の表示

・Windows 2000 SP4:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:Windows2000-KB938829-x86-JPN.EXE」で登録

・Windows XP SP2:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsXP-KB938829-x86-JPN.exe」で登録

・Windows Server 2003 SP1/R2:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsServer2003-KB938829-x86-JPN.exe」で登録

 

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