MS07-051/938827 |
Windows 2000のMicrosoftエージェントにおけるURL解析のメモリ破損の脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性 |
(Microsoft エージェントの脆弱性により、リモートでコードが実行される) |
対応の緊急性:至急適用 [攻撃コード未公開][攻撃事例なし]
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危険性 |
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脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。 |
可能性のある攻撃
攻撃手法 |
脆弱性の影響 |
リモート攻撃 |
ウイルス/ワーム |
電子メール添付 |
Webサイトへの誘導 |
コードの実行 |
特権の昇格 |
情報の漏えい |
サービス拒否 |
なりすまし |
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○ |
○ |
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Windows 2000のMicrosoftエージェント・コントロールがURLを処理する過程に脆弱性が存在する。細工されたURLがMicrosoftエージェント・コントロールに渡されると、メモリ破損が起こり、任意のコードが実行される危険性がある。
攻撃は、細工したWebページをInternet Explorer(IE)で開くように誘導することで実行される。Webページを開くと、MicrosoftエージェントのActiveXコントロールが呼び出され、ユーザーの操作なしに攻撃が実行されてしまう可能性がある(インターネット・ゾーンのセキュリティ・レベルが[中]以下の場合)。スパイウェアやトロイの木馬のインストールなどに悪用される懸念がある。
なおこの脆弱性は、Windows 2000のみが影響を受ける。Windows XP/Server 2003/Vistaは影響を受けない。
マイクロソフトによれば、MS07-051の脆弱性は非公開で報告されたとしており、攻撃例は確認されていないという。ただし脆弱性の内容が公開されたことから、実証コードが開発され、攻撃に悪用されることが懸念される。至急、修正プログラムを適用した方がよい。 |
脆弱性の内容
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Microsoftエージェントとは、アニメーションによるキャラクターを用いて、ユーザーとのインタラクティブなユーザー・インターフェイスを提供するソフトウェア技術であり、Windows
OSに標準で組み込まれている。WindowsやOfficeでは、このMicrosoftエージェントを利用し、犬やイルカなどのキャラクターを利用したユーザー・サポート機能を提供している。
Microsoftエージェント・コントロールがURLを処理する過程にメモリ破損の脆弱性が存在する。細工されたURLをMicrosoftエージェント・コントロールに渡すようにWebページをIEで開くと、任意のコードが実行されてしまう。
同様の脆弱性は、MS07-020で解消されているが、MS07-051の脆弱性はそれとは異なる部分に存在している。
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対象プラットフォーム
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影響を受けるソフトウェア |
対象プラットフォーム |
Windows 2000 |
Windows 2000 SP4 |
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‥‥‥
DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥ |
■適用テストの結果
DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。
プラットフォーム |
適用テスト結果 |
Windows 2000 Professional SP4 |
○ |
Windows 2000 Server SP4 |
○ |
Windows 2000 Advanced Server SP4 |
○ |
○は問題なし、△は一部に問題あり、×は適用による障害あり |
■MBSA 2.0.1の結果
MS07-051の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0.1で確認可能である。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新プログラム」の「結果の詳細情報」に以下のいずれかが表示される。
- Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB938827)
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適用時の注意点
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■MS07-051の修正プログラムにはMS06-068は含まれない
Microsoftエージェントの脆弱性は、MS05-032/MS06-068/MS07-020でも解消している。しかしながらMS07-051の修正プログラムは、MS05-032とMS07-020のWindows
2000向け修正プログラムを完全に置き換えるものの、MS06-068で置き換えるファイルの一部しか含んでおらず、MS06-068を置き換えるものとなっていない。MS06-068の修正プログラムが未適用ならば、MS07-051と併せて適用した方がよい。MS05-032/MS07-020については、MS07-051に含まれているので、未適用の場合でも別途適用する必要はない。
・HotFix Alert MS05-032(Microsoftエージェントの脆弱性により、インターネット・コンテンツの詐称が行われる危険性):
http://www.hotfix.jp/archives/alert/2005/ms05-032.html
・HotFix Alert MS06-068(Microsoftエージェントのメモリ破損の脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性):
http://www.hotfix.jp/archives/alert/2006/ms06-068.html
■MicrosoftエージェントのActiveXコントロール バージョン1.5は廃止される
MS07-051の修正プログラムを適用すると、MS05-032と同様、MicrosoftエージェントのActiveXコントロールのバージョン1.5に対して新たにkillbitが設定され、利用できなくなる(MS07-020では、バージョン1.5に対するkillbitは設定されなかった)。これにより、バージョン1.5を利用するMicrosoftエージェントのコンテンツが正常に閲覧できなくなる可能性がある。
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プラットフォーム |
ダウンロード・センター |
WU/MU/WSUSの表示 |
Windows 2000 SP4 |
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Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB938827) |
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以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
Windows 2000 SP4:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
Windows2000-KB938827-x86-JPN.EXE |
2007/06/25 |
1.0.0.0 |
590,704 |
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ |
%SystemRoot%\msagent\ |
agentdpv.dll |
2007/06/25 |
2.0.0.3426 |
53,008 |
Microsoft Agent Data Provider |
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%SystemRoot%\system32\ |
sp3res.dll |
2007/05/28 |
5.0.2195.7136 |
503,296 |
Service Pack 3 Messages |
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修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。
・Windows 2000 SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB938827\Filelist以下のファイル一覧を確認する |
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何らかの理由で直ちに修正プログラムを適用できない場合には、以下に示す方法で回避が可能だ。ただしこの回避策は、脆弱性を根本的に解決するものではない。
■MicrosoftエージェントのActiveXコントロールにkillbitを設定する
脆弱性を回避するには、以下のCLSIDにkillbitを個別に設定すればよい。killbitを設定する方法は、「セキュリティTIPS:Internet
ExplorerでActiveXコントロールの実行を個別に禁止する方法」を参照してほしい。ただしMicrosoftエージェントに対してkillbitを設定すると、Microsoftエージェントを利用しているWebページがIEで正しく機能しなくなるので注意が必要だ。
ActivXコントロール |
クラス識別子 |
Microsoftエージェント |
D45FD31B-5C6E-11D1-9EC1-00C04FD7081F |
F5BE8BD2-7DE6-11D0-91FE-00C04FD701A5 |
4BAC124B-78C8-11D1-B9A8-00C04FD97575 |
D45FD31D-5C6E-11D1-9EC1-00C04FD7081F |
D45FD31E-5C6E-11D1-9EC1-00C04FD7081F |
・セキュリティTIPS(Internet ExplorerでActiveXコントロールの実行を個別に禁止する方法):
http://www.hotfix.jp/archives/tips/2005/tips05-04.html
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予想適用時間
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修正プログラム名 |
50台 |
100台 |
250台 |
500台 |
Windows2000-KB938827-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 SP4) |
18分 |
27分 |
52分 |
1時間34分 |
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。 |
UpdateEXPERT上の表示
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・Windows 2000 SP4:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:Windows2000-KB938827-x86-JPN.EXE」で登録 |
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