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Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:2007/09/12版
 
【登録日】2007/09/12
【更新日】2007/09/12
HFR BBS会議室
 
深刻度
1(緊急)
  2(重要)
  3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
なし
対策
至急適用
再起動の必要性
必要
アンインストール
可能
対象環境
サーバ
クライアント
セキュリティ情報
MS07-051(日本)
MS07-051(US)
サポート技術情報
含まれる過去の修正
脆弱性識別番号
MS07-051/938827
Windows 2000のMicrosoftエージェントにおけるURL解析のメモリ破損の脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性
(Microsoft エージェントの脆弱性により、リモートでコードが実行される)


対応の緊急性:至急適用 [攻撃コード未公開][攻撃事例なし]

危険性
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用
脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。

可能性のある攻撃
攻撃手法
脆弱性の影響
リモート攻撃 ウイルス/ワーム 電子メール添付 Webサイトへの誘導 コードの実行 特権の昇格 情報の漏えい サービス拒否 なりすまし
     
       
 
‥‥‥ 概要 ‥‥‥

 Windows 2000のMicrosoftエージェント・コントロールがURLを処理する過程に脆弱性が存在する。細工されたURLがMicrosoftエージェント・コントロールに渡されると、メモリ破損が起こり、任意のコードが実行される危険性がある。

 攻撃は、細工したWebページをInternet Explorer(IE)で開くように誘導することで実行される。Webページを開くと、MicrosoftエージェントのActiveXコントロールが呼び出され、ユーザーの操作なしに攻撃が実行されてしまう可能性がある(インターネット・ゾーンのセキュリティ・レベルが[中]以下の場合)。スパイウェアやトロイの木馬のインストールなどに悪用される懸念がある。

 なおこの脆弱性は、Windows 2000のみが影響を受ける。Windows XP/Server 2003/Vistaは影響を受けない。

 マイクロソフトによれば、MS07-051の脆弱性は非公開で報告されたとしており、攻撃例は確認されていないという。ただし脆弱性の内容が公開されたことから、実証コードが開発され、攻撃に悪用されることが懸念される。至急、修正プログラムを適用した方がよい。

 
脆弱性の内容

 Microsoftエージェントとは、アニメーションによるキャラクターを用いて、ユーザーとのインタラクティブなユーザー・インターフェイスを提供するソフトウェア技術であり、Windows OSに標準で組み込まれている。WindowsやOfficeでは、このMicrosoftエージェントを利用し、犬やイルカなどのキャラクターを利用したユーザー・サポート機能を提供している。

 Microsoftエージェント・コントロールがURLを処理する過程にメモリ破損の脆弱性が存在する。細工されたURLをMicrosoftエージェント・コントロールに渡すようにWebページをIEで開くと、任意のコードが実行されてしまう。

 同様の脆弱性は、MS07-020で解消されているが、MS07-051の脆弱性はそれとは異なる部分に存在している。

 
対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
Windows 2000 Windows 2000 SP4
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Windows 2000 Professional SP4
Windows 2000 Server SP4
Windows 2000 Advanced Server SP4
○は問題なし、△は一部に問題あり、×は適用による障害あり

■MBSA 2.0.1の結果
 MS07-051の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0.1で確認可能である。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新プログラム」の「結果の詳細情報」に以下のいずれかが表示される。

  • Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB938827)
 
適用時の注意点

■MS07-051の修正プログラムにはMS06-068は含まれない
 Microsoftエージェントの脆弱性は、MS05-032/MS06-068/MS07-020でも解消している。しかしながらMS07-051の修正プログラムは、MS05-032とMS07-020のWindows 2000向け修正プログラムを完全に置き換えるものの、MS06-068で置き換えるファイルの一部しか含んでおらず、MS06-068を置き換えるものとなっていない。MS06-068の修正プログラムが未適用ならば、MS07-051と併せて適用した方がよい。MS05-032/MS07-020については、MS07-051に含まれているので、未適用の場合でも別途適用する必要はない。

・HotFix Alert MS05-032(Microsoftエージェントの脆弱性により、インターネット・コンテンツの詐称が行われる危険性):
http://www.hotfix.jp/archives/alert/2005/ms05-032.html

・HotFix Alert MS06-068(Microsoftエージェントのメモリ破損の脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性):
http://www.hotfix.jp/archives/alert/2006/ms06-068.html

■MicrosoftエージェントのActiveXコントロール バージョン1.5は廃止される
 MS07-051の修正プログラムを適用すると、MS05-032と同様、MicrosoftエージェントのActiveXコントロールのバージョン1.5に対して新たにkillbitが設定され、利用できなくなる(MS07-020では、バージョン1.5に対するkillbitは設定されなかった)。これにより、バージョン1.5を利用するMicrosoftエージェントのコンテンツが正常に閲覧できなくなる可能性がある。

 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター WU/MU/WSUSの表示
Windows 2000 SP4 Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB938827)
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥
 以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
 
Windows 2000 SP4:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
Windows2000-KB938827-x86-JPN.EXE 2007/06/25 1.0.0.0
590,704
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\msagent\
agentdpv.dll 2007/06/25 2.0.0.3426
53,008
Microsoft Agent Data Provider
  %SystemRoot%\system32\
sp3res.dll 2007/05/28 5.0.2195.7136
503,296
Service Pack 3 Messages
 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。

・Windows 2000 SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB938827\Filelist以下のファイル一覧を確認する

 
‥‥‥ 参考情報 ‥‥‥

 何らかの理由で直ちに修正プログラムを適用できない場合には、以下に示す方法で回避が可能だ。ただしこの回避策は、脆弱性を根本的に解決するものではない。

■MicrosoftエージェントのActiveXコントロールにkillbitを設定する
 脆弱性を回避するには、以下のCLSIDにkillbitを個別に設定すればよい。killbitを設定する方法は、「セキュリティTIPS:Internet ExplorerでActiveXコントロールの実行を個別に禁止する方法」を参照してほしい。ただしMicrosoftエージェントに対してkillbitを設定すると、Microsoftエージェントを利用しているWebページがIEで正しく機能しなくなるので注意が必要だ。

ActivXコントロール クラス識別子
Microsoftエージェント D45FD31B-5C6E-11D1-9EC1-00C04FD7081F
F5BE8BD2-7DE6-11D0-91FE-00C04FD701A5
4BAC124B-78C8-11D1-B9A8-00C04FD97575
D45FD31D-5C6E-11D1-9EC1-00C04FD7081F
D45FD31E-5C6E-11D1-9EC1-00C04FD7081F

・セキュリティTIPS(Internet ExplorerでActiveXコントロールの実行を個別に禁止する方法):
http://www.hotfix.jp/archives/tips/2005/tips05-04.html

 
予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
Windows2000-KB938827-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 SP4)
18分 27分 52分 1時間34分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 
UpdateEXPERT上の表示

・Windows 2000 SP4:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:Windows2000-KB938827-x86-JPN.EXE」で登録

 

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