MS07-061/943460 |
WindowsシェルのURI処理の脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性 |
(Windows URI 処理の脆弱性により、リモートでコードが実行される) |
対応の緊急性:至急適用 [攻撃コード公開済み][攻撃事例あり]
|
危険性 |
|
脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。 |
可能性のある攻撃
攻撃手法 |
脆弱性の影響 |
リモート攻撃 |
ウイルス/ワーム |
電子メール添付 |
Webサイトへの誘導 |
コードの実行 |
権限の昇格 |
情報の漏えい |
サービス拒否 |
なりすまし |
|
|
○ |
○ |
○ |
|
|
|
|
|
|
|
|
Windowsシェルに、URIの検証処理が不十分なことに起因する脆弱性が存在する。細工されたURIを受け取ると、任意のコードが実行される危険性がある。
攻撃は、Webページの細工したリンクをクリックさせたり、細工した電子メールを開かせたりするように誘導することで実行される。アドウェアやトロイの木馬のインストール、電子メール添付型のウイルスなどに悪用されることが懸念される脆弱性である。
直接脆弱性の影響を受けるのは、Internet Explorer(IE) 7がインストールされたWindows XP SP2とWindows Server
2003 SP1/R2/SP2である。IE 7をインストールしていない場合は、現時点では脆弱性を悪用する方法は報告されていない。なおWindows 2000とWindows
Vistaは脆弱性の影響を受けない。
MS07-061の脆弱性は、すでに実証コードが公開されており、攻撃事例も報告されている。今後、さらに攻撃が拡大することが懸念されるので、至急、修正プログラムを適用した方がよい。 |
脆弱性の内容
|
「http:」や「https:」などといったURI(Uniform Resource Identifier)が十分に検証されずにWindowsシェルに引き渡されることで、任意のコードが実行される危険性がある。MS07-061の修正プログラムでは、URIの受け側であるWindowsシェルを修正することで、脆弱性の解消を図っている。
脆弱性は、Windows XP SP2、Windows Server 2003 SP1/R2/SP2において、IE 7がインストールされるとWindowsコンポーネントが更新され、URIの処理方法が変更されることに起因する。この変更にともない、FirefoxやAcrobat
Readerなどによって正しく検証されていないURIがWindowsシェルに引き渡され、その結果、URIに含まれる任意のコードやコマンドが実行されてしまう。
・HotFix Weekly 2007/08/01日付け(Internet Explorer 7などのURI処理にコード実行の脆弱性):
http://www.hotfix.jp/archives/alert/2007/news07-0801.html#01
・HotFix Weekly 2007/10/17日付け(Windows XP/Windows Server 2003+Internet Explorer
7におけるURL処理の脆弱性により、任意のコードが実行される危険性):
http://www.hotfix.jp/archives/alert/2007/news07-1017.html#01 |
対象プラットフォーム
|
影響を受けるソフトウェア |
対象プラットフォーム |
Windows XP |
Windows XP SP2 |
Windows Server 2003 |
Windows Server 2003 SP1/R2/SP2 |
|
|
‥‥‥
DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥ |
■適用テストの結果
DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。
プラットフォーム |
適用テスト結果 |
Windows XP Professional SP2 |
○ |
Windows Server 2003, Standard Edition SP1 |
○ |
Windows Server 2003, Enterprise
Edition SP1 |
○ |
Windows Server 2003 R2, Enterprise Edition |
○ |
Windows Server 2003 R2, Standard Edition SP2 |
○ |
Windows Server 2003, Enterprise Edition SP2 |
○ |
○は問題なし、△は一部に問題あり、×は適用による障害あり |
■MBSA 2.0の結果
MS07-061の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0.1で確認可能だ。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新」の「結果の詳細情報」に以下のいずれかが表示される。
- Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB943460)
- Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB943460)
|
適用時の注意点
|
■IE 7をインストールしていない環境にも適用の必要あり
MS07-061の修正プログラムは、IE 7をインストールしたWindows XP SP2、Windows Server 2003 SP1/R2/SP2に存在する脆弱性を解消するものである。しかしマイクロソフトによれば、この脆弱性はOS本体に含まれるshell32.dllに存在するとしており、IE
7がインストールされていないWindows XP SP2、Windows Server 2003 SP1/R2/SP2も修正プログラムの適用対象となっている。
現時点では、IE 7がインストールされていないWindows XP SP2、Windows Server 2003 SP1/R2/SP2に対しては脆弱性を悪用する方法が見つかっていないため、危険性はそれほど高くない。しかし脆弱性の存在が明らかになったことから、攻撃手法が開発されることが懸念される。IE
7をインストールしていない場合でも、早期に修正プログラムを適用した方がよい。
■攻撃に悪用されるアプリケーションに対する修正プログラムも適用した方がよい
MS07-061の脆弱性については、攻撃の入り口(URIを引き渡す側)として悪用可能なFirefoxやAcrobat Readerに対して、すでに修正プログラムまたは更新版が公開されている。MS07-061の修正プログラムを適用することで、これら入り口となるアプリケーションへの対処は不要になるが、安全性を高める意味で、これらのアプリケーションも更新した方がよい。
・HotFix Weekly 2007/08/01日付け(URI処理の脆弱性を解消したFirefox 2.0.0.6の提供を開始):
http://www.hotfix.jp/archives/alert/2007/news07-0801.html#02
#現時点でFirefoxの最新版は2.0.0.9
・アドビシステムズ(Adobe Reader 8.1.1 アップデート - 全言語対応版):
http://www.adobe.com/jp/support/downloads/3806.html |
|
|
プラットフォーム |
ダウンロード・センター |
WU/MU/WSUSの表示 |
Windows XP SP2 |
|
Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB943460) |
Windows Server 2003 SP1/R2/SP2
|
|
Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB943460) |
|
|
|
以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
Windows XP SP2:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
WindowsXP-KB943460-x86-JPN.exe |
2007/10/30 |
1.0.0.0 |
3,129,896 |
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ
(SP2GDR) |
%SystemRoot%\system32\ |
shell32.dll |
2007/10/26 |
6.0.2900.3241 |
8,360,448 |
Windows Shell Common Dll |
spru0411.dll* |
2007/10/29 |
5.1.2600.3243 |
216,576 |
Service Pack 3 Messages |
展開フォルダ
(SP2QFE ) |
%SystemRoot%\system32\ |
shell32.dll |
2007/10/26 |
6.0.2900.3241 |
8,366,080 |
Windows Shell Common Dll |
spru0411.dll* |
2007/10/29 |
5.1.2600.3243 |
656,896 |
Service Pack 3 Messages |
*spru0411.dllは、xpsp3res.dllにファイル名が変更されてコピーされる。
Windows Server 2003 SP1/R2/SP2:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
WindowsServer2003-KB943460-x86-JPN.exe |
2007/11/08 |
1.0.0.0 |
3,340,336 |
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ
(SP1GDR) |
%SystemRoot%\system32\ |
shell32.dll |
2007/10/26 |
6.0.3790.3033 |
8,289,280 |
Windows Shell Common Dll |
展開フォルダ
(SP1QFE) |
%SystemRoot%\system32\ |
shell32.dll |
2007/10/26 |
6.0.3790.3033 |
8,291,328 |
Windows Shell Common Dll |
w03s2411.dll* |
2007/11/08 |
5.2.3790.2957 |
49,152 |
Service Pack Messages |
展開フォルダ
(SP2GDR/
SP2QFE ) |
%SystemRoot%\system32\ |
shell32.dll |
2007/11/07 |
6.0.3790.4184 |
8,266,240 |
Windows Shell Common Dll |
*w03s2411.dllはw03a2409.dllにファイル名が変更されてコピーされる。 |
|
|
修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。
・Windows XP SP2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP3\KB943460\Filelist以下のファイル一覧を確認する
・Windows Server 2003 SP1/R2/SP2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\SP3\KB943460\Filelist以下のファイル一覧を確認する |
予想適用時間
|
修正プログラム名 |
50台 |
100台 |
250台 |
500台 |
WindowsXP-KB943460-x86-JPN.exe
(Windows XP SP2) |
19分 |
27分 |
54分 |
1時間37分 |
WindowsServer2003-KB943460-x86-JPN.exe
(Windows Server 2003 SP1/R2/SP2) |
19分 |
28分 |
54分 |
1時間38分 |
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。 |
UpdateEXPERT上の表示
|
・Windows XP SP2:
[展開ビュー]-[OS]タブに「名前:WindowsXP-KB943460-x86-JPN.exe」で登録
・Windows Server 2003 SP1/R2/SP2:
[展開ビュー]-[OS]タブに「名前:WindowsServer2003-KB943460-x86-JPN.exe」で登録 |
|