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Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:2007/11/14版
 
【登録日】2007/11/14
【更新日】2007/11/14
HFR BBS会議室
 
深刻度
  1(緊急)
2(重要)
  3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
あり
対策
早期適用
再起動の必要性
必要
アンインストール
可能
対象環境
サーバ
  クライアント
セキュリティ情報
MS07-062(日本)
MS07-062(US)
サポート技術情報
含まれる過去の修正
脆弱性識別番号
MS07-062/941672
Windows DNSサーバのトランザクションID生成の脆弱性により、なりすましが行われる危険性
(DNS の脆弱性により、なりすましが行われる)


対応の緊急性:早期適用 [攻撃コード未公開][攻撃事例なし]

危険性
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用
脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。

可能性のある攻撃
攻撃手法
脆弱性の影響
リモート攻撃 ウイルス/ワーム 電子メール添付 Webサイトへの誘導 コードの実行 特権の昇格 情報の漏えい サービス拒否 なりすまし
             
 
‥‥‥ 概要 ‥‥‥

 Windowsドメイン・ネーム・システム(DNS)サーバのトランザクションIDが予測可能である脆弱性が存在する。DNSサーバからの要求に対して、細工された応答を返すことで、本来とは異なる接続先に誘導されてしまう危険性がある。

 DNSサーバが細工されてしまうと、ユーザーは本物か偽のWebサイトかをURLなどで判断できず、Webサイトの偽装を見破るのが困難になってしまう。ユーザーが目的とする本来のサイト(銀行やクレジット・カード会社など)のURLを正しく入力しても、自動的に偽のWebサイトへと誘導されるからだ。特定の企業をターゲットとした攻撃に悪用される危険性もあるので注意が必要だ。

 脆弱性の影響を受けるDNSサーバ・サービスは、Windows Server OSにデフォルトで実装されている機能で、DNSサーバとして運用している場合はもちろん、ドメイン・コントローラやSmall Business Serverでもこのサービスが有効になっている。Windows 2000 Professional、Windows XP、Windows Vistaでは、DNSサーバ・サービスは実装されていないので、この脆弱性の影響を受けない。

 マイクロソフトによれば、MS07-062の脆弱性は非公開で報告されたとしており、攻撃例は確認されていないという。ただし脆弱性の内容が公開されたことから、実証コードが開発され、攻撃に悪用されることが懸念される。なるべく早急に修正プログラムを適用した方がよい。

 
脆弱性の内容

 DNSサーバがトランザクションIDを生成するアルゴリズムに乱数生成の不規則性が足りず、予測可能となる脆弱性が存在する。トランザクションIDとはDNSサーバからの各要求に割り当てられる識別用の番号で、これを予測できると本来の返答者になりすましてDNSサーバに返答することができる。

 DNSサーバからの要求に対して、攻撃者がトランザクションIDを予測し、細工した返答を返すことで、DNSのホスト名とIPアドレスの対応テーブルを書き換えることを可能にする。これにより、DNSサーバで名前解決をしているコンピュータが、本来とは異なる接続先に誘導される危険性がある。

 
対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
Windows 2000 Server Windows 2000 Server/Advanced Server SP4
Windows Server 2003 Windows Server 2003 SP1/R2/SP2
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Windows 2000 Server SP4
Windows 2000 Advanced Server SP4
Windows Server 2003, Standard Edition SP1
Windows Server 2003, Enterprise Edition SP1
Windows Server 2003 R2, Standard Edition
Windows Server 2003 R2, Enterprise Edition
Windows Server 2003, Enterprise Edition SP2
Windows Server 2003 R2, Standard Edition SP2
○は問題なし、△は一部に問題あり、×は適用による障害あり

■MBSA 2.0.1の結果
 MS07-062の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0.1で確認可能である。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新プログラム」の「結果の詳細情報」に以下のいずれかが表示される。

  • Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB941672)
  • Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB941672)
 
適用時の注意点

■適用にはDNSサーバがインストールされていることが条件
 MS07-062の修正プログラムは、DNSサーバ(dns.exe)がインストールされていることが適用条件となっている。Windows 2000 Server SP4、Windows Server 2003 SP1/R2/SP2であっても、DNSサーバをインストールしていない場合は、以下のようなメッセージのエラー・ダイアログが表示され、修正プログラムの適用はできない。

「KB941672 のインストールのための必要条件がひとつ以上失敗したので、セットアップを続行できません。詳細については、ログ ファイル c:\winnt\KB941672.log を確認してください。」

 Windows Update/Microsoft Update/自動更新においても、DNSサーバがインストールされていなければ、MS07-062の修正プログラムは表示されない。

 しかし後からDNSサーバをインストールした場合は、その時点で修正プログラムの適用が必要になるので注意が必要だ。特にMS07-062の脆弱性を悪用するウイルスなどが広まった場合、DNSサーバをインストールした時点で攻撃を受ける危険性がある。ネットワークを一時的に遮断して修正プログラムを適用するなどの細心の注意を払った方がよい。

■Windows Server 2003でシステムの再起動なしに適用する方法
 Windows Server 2003の場合、修正プログラムの適用前にDNSサーバ・サービスを停止すれば、システムの再起動なしに適用可能とのことだ。ただし、適用後にDNSサーバ・サービスを手動で起動しなければならない点は要注意だ。

 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター WU/MU/WSUSの表示
Windows 2000 Server SP4 Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB941672)
Windows Server 2003 SP1/R2/SP2 Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB941672)
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥
 以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
 
Windows 2000 Server SP4:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
Windows2000-KB941672-x86-JPN.EXE 2007/10/17 1.0.0.0
620,912
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\system32\
dns.exe 2007/10/17 5.0.2195.7147
330,512
Domain Name System (DNS) Server
   
Windows Server 2003 SP1/R2/SP2:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsServer2003-KB941672-x86-JPN.exe 2007/10/17 1.0.0.0
769,584
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(SP1GDR)
%SystemRoot%\system32\
dns.exe 2007/10/17 5.2.3790.3027
398,336
Domain Name System (DNS) Server
展開フォルダ
(SP1QFE)
%SystemRoot%\system32\
dns.exe 2007/10/17 5.2.3790.3027
398,848
Domain Name System (DNS) Server
w03s2411.dll 2007/10/17 5.2.3790.2957
49,152
Service Pack Messages
展開フォルダ
(SP2GDR)
%SystemRoot%\system32\
dns.exe 2007/10/17 5.2.3790.4171
398,848
Domain Name System (DNS) Server
展開フォルダ
(SP2QFE)
%SystemRoot%\system32\
dns.exe 2007/10/17 5.2.3790.4171
399,360
Domain Name System (DNS) Server
w03s2411.dll 2007/10/17 5.2.3790.4106
775,680
Service Pack Messages
w03s2411.dllは、w03a2409.dllにファイル名が変更されてコピーされる。
 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。

・Windows 2000 Server SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB941672\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows Server 2003 SP1/R2/SP2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\SP3\KB941672\Filelist以下のファイル一覧を確認する

 
予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
Windows2000-KB941672-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 Server SP4)
18分 27分 52分 1時間34分
WindowsServer2003-KB941672-x86-JPN.exe
(Windows Server 2003 SP1/R2/SP2)
18分 27分 52分 1時間34分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 
UpdateEXPERT上の表示

・Windows 2000 Server SP4:
[展開ビュー]−[IIS]タブに「名前:Windows2000-KB941672-x86-JPN.EXE」で登録

・Windows Server 2003 SP1/R2/SP2:
[展開ビュー]−[IIS]タブに「名前:WindowsServer2003-KB941672-x86-JPN.exe」で登録

 

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