深刻度 |
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1(緊急) |
→ |
2(重要) |
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3(警告) |
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4(注意) |
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攻撃コードの有無 |
なし |
対策 |
早期適用 |
再起動の必要性 |
必要 |
アンインストール |
可能 |
対象環境 |
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セキュリティ情報 |
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サポート技術情報 |
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含まれる過去の修正 |
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脆弱性識別番号 |
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MS07-065/937894 |
MSMQの未チェック・バッファの脆弱性により、リモートで任意のコードが実行される危険性 |
(メッセージ キューの脆弱性により、リモートでコードが実行される) |
対応の緊急性:早期適用 [攻撃コード未公開][攻撃事例なし]
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危険性 |
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脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。 |
可能性のある攻撃
攻撃手法 |
脆弱性の影響 |
リモート攻撃 |
ウイルス/ワーム |
電子メール添付 |
Webサイトへの誘導 |
コードの実行 |
特権の昇格 |
情報の漏えい |
サービス拒否 |
なりすまし |
○ |
○ |
|
|
○ |
○ |
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MSMQ(メッセージ・キュー・サービス)に未チェック・バッファの脆弱性が存在する。細工されたメッセージをMSMQが受信すると、Windows
2000 Serverの場合は、リモートで任意のコードが実行される危険性がある。またWindows 2000 Professional/Windows XPでは特権の昇格が起きるため、ウイルスやトロイの木馬などがこの脆弱性を悪用することが懸念される。
Windows 2000 Serverの場合、匿名ユーザーがインターネットを介してリモートで攻撃することも可能なので、MSMQがインストールされている場合は非常に危険だ。
マイクロソフトによれば、MSMQはすべてのWindows OSにおいてデフォルトではインストールされておらず、手動でインストールした場合にのみ、MS07-065の脆弱性の影響を受けるとしている。ただしBizTalk
Serverを利用している場合はMSMQもインストールされるため、この脆弱性の影響を必ず受けることになる。一般的なクライアントとしての利用においては、MSMQをインストールすることはないと思われる。またWindows
Server 2003には、MS07-065の脆弱性は存在しないとしている。
マイクロソフトによれば、MS07-065の脆弱性は非公開で報告されたとしており、攻撃例は確認されていないという。ただし脆弱性の内容が公開されたことから、実証コードが開発され、攻撃に悪用されることが懸念される。早急に修正プログラムを適用した方がよい。
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脆弱性の内容
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MSMQは、さまざまなネットワークを越えて通信したり、オフラインの可能性のあるコンピュータと通信したりすることを可能にする、メッセージの一時的な格納場所を提供し、メッセージが送信先に確実に到着するようにするための技術である。
MSMQが入力された文字列をバッファに渡す前に、十分にチェックしないことに起因する脆弱性が存在する。その結果、スタック・オーバーフローが起こる。Windows
2000 Serverの実装では、スタック・オーバーフローにより、任意のコードが実行される危険がある。Windows 2000 Professional/Windows
XPの実装では、コードの実行はできないものの、特権の昇格が起きる危険性があるということだ。
BizTalk Serverやサードパーティ製Webアプリケーション・サーバ・ソフトウェアなどがMSMQを利用している。これらを利用しているサーバは特に注意が必要だ。 |
対象プラットフォーム
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影響を受けるソフトウェア |
対象プラットフォーム |
Windows 2000 |
Windows 2000 SP4 |
Windows XP |
Windows XP SP2 |
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‥‥‥
DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥ |
■適用テストの結果
DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。
プラットフォーム |
適用テスト結果 |
Windows 2000 Professional SP4 |
○ |
Windows 2000 Server SP4 |
○ |
Windows 2000 Advanced Server SP4 |
○ |
Windows XP Professional SP2 |
○ |
○は問題なし、△は一部に問題あり、×は適用による障害あり |
■MBSA 2.0.1の結果
MS07-067の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0.1で確認可能だ。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新」の「結果の詳細情報」に以下のいずれかが表示される。
- Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB937894)
- Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB937894)
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適用時の注意点
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■MSMQをインストールしていない場合でも適用を求められる
MS07-065の脆弱性は、MSMQをインストールしている場合にのみ影響を受ける。しかしWindows Update/Microsoft Update/自動更新において、MSMQのインストールの有無にかかわらず、MS07-065の修正プログラムの適用が求められる。
これはMSMQのインストールの有無にかかわらず、MSMQを構成するDLLファイルなどがインストールされている場合があるためと推測される(サービスは起動していない)。
しかしMSMQを明示的にインストールしていない場合、MS07-065の修正プログラムの適用は不要だ。またMS07-065の修正プログラムが適用済みであっても、後からMSMQをインストール(サービスを起動)した場合、改めてMS07-065の修正プログラムを適用しないと、脆弱性が残ったままとなる場合があるので注意が必要だ(脆弱性を解消したファイルに置き換わらない場合がある)。
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プラットフォーム |
ダウンロード・センター |
WU/MU/WSUSの表示 |
Windows 2000 SP4 |
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Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB937894) |
Windows XP SP2 |
|
Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB937894) |
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以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
Windows 2000 SP4:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
Windows2000-KB937894-x86-JPN.EXE |
2007/10/17 |
1.0.0.0 |
1,384,304 |
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ
|
%SystemRoot%\system32\ |
mq1repl.dll |
2007/10/17 |
5.0.0.805 |
292,112 |
Windows NT, MSMQ 2.0 Replication |
mq1sync.exe |
2007/10/16 |
5.0.0.805 |
14,096 |
Windows NT MQ Replication Service |
mqads.dll |
2007/10/17 |
5.0.0.805 |
218,384 |
Windows NT MQ Active Directory Service |
mqbkup.exe |
2007/10/17 |
5.0.0.805 |
25,360 |
Windows NT, MSMQ messages Backup/Restore Utility |
mqcertui.dll |
2007/10/17 |
5.0.0.805 |
29,456 |
Windows NT Certificate Dialogs |
mqclus.dll |
2007/10/17 |
5.0.0.805 |
50,448 |
Windows NT MQ Cluster DLL |
mqdbodbc.dll |
2007/10/17 |
5.0.0.805 |
29,968 |
Windows NT MQ ODBC interface |
mqdscli.dll |
2007/10/17 |
5.0.0.805 |
77,072 |
Windows NT MQ Client Directory Service |
mqdssrv.dll |
2007/10/17 |
5.0.0.805 |
42,256 |
Windows NT MQ Server Directory Service |
mqlogmgr.dll |
2007/10/17 |
2000.2.3516.0 |
96,016 |
MS DTC log manager DLL |
mqmig.exe |
2007/10/16 |
5.0.0.805 |
98,064 |
Windows NT, MSMQ 2.0 Migration |
mqmigrat.dll |
2007/10/17 |
5.0.0.805 |
267,536 |
Windows NT, MSMQ 2.0 Migration |
mqoa.dll |
2007/10/17 |
5.0.0.805 |
222,480 |
Windows NT MQ ActiveX Components |
mqperf.dll |
2007/10/17 |
5.0.0.805 |
10,000 |
Windows NT MQ Performance Coutners |
mqqm.dll |
2007/10/17 |
5.0.0.805 |
440,592 |
Windows NT MQ Queue Manager |
mqrperf.dll |
2007/10/17 |
5.0.0.805 |
8,464 |
Windows 2000 - MSMQ Replication performance counters |
mqrt.dll |
2007/10/17 |
5.0.0.805 |
102,672 |
Windows NT MQ Run time DLL |
mqsec.dll |
2007/10/17 |
5.0.0.805 |
70,928 |
Windows NT, MSMQ 2.0 Security |
mqsnap.dll |
2007/10/17 |
5.0.0.805 |
400,656 |
Windows NT MSMQ Admin |
mqsvc.exe |
2007/10/16 |
5.0.0.805 |
14,096 |
Windows NT MQ Service |
mqupgrd.dll |
2007/10/17 |
5.0.0.805 |
23,824 |
MSMQ Upgrade |
mqutil.dll |
2007/10/17 |
5.0.0.805 |
147,728 |
Windows NT MQ Utility DLL |
msmq.cpl |
2007/10/17 |
5.0.0.801 |
64,784 |
Windows NT MSMQ Control Panel |
|
%SystemRoot%\system32\drivers\ |
mqac.sys |
2007/10/16 |
5.0.0.805 |
77,712 |
Windows NT MQ Access Control Device Driver |
|
%SystemRoot%\system32\Setup\ |
msmqocm.dll |
2007/10/17 |
5.0.0.805 |
159,504 |
Message Queue Setup |
Windows XP SP2:
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
WindowsXP-KB937894-x86-JPN.exe |
2007/07/06 |
1.0.0.0 |
1,018,760 |
ファイル名 |
日付 |
バージョン |
サイズ |
機能 |
展開フォルダ
(SP2GDR/
SP2QFE) |
%SystemRoot%\system32\ |
mqad.dll |
2007/07/06 |
5.1.0.1109 |
138,240 |
Windows NT MQ Client AD Access |
mqdscli.dll |
2007/07/06 |
5.1.0.1109 |
47,104 |
Windows NT MQ Client Directory Service |
mqise.dll |
2007/07/06 |
5.1.0.1109 |
16,896 |
MSMQ ISAPI EXTENSION |
mqqm.dll |
2007/07/06 |
5.1.0.1109 |
660,992 |
Windows NT MQ Queue Manager |
mqrt.dll |
2007/07/06 |
5.1.0.1109 |
177,152 |
Windows NT MQ Run time DLL |
mqsec.dll |
2007/07/06 |
5.1.0.1109 |
95,744 |
Windows NT, MSMQ 2.0 Security |
mqupgrd.dll |
2007/07/06 |
5.1.0.1109 |
48,640 |
MSMQ Upgrade |
mqutil.dll |
2007/07/06 |
5.1.0.1109 |
353,792 |
Windows NT MQ Utility DLL |
|
%SystemRoot%\system32\drivers\ |
mqac.sys |
2007/07/06 |
5.1.0.1109 |
72,960 |
Windows NT MQ Access Control Device Driver |
|
|
|
修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。
・Windows 2000 SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB937894\Filelist以下のファイル一覧を確認する
・Windows XP SP2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP3\KB937894\Filelist以下のファイル一覧を確認する |
予想適用時間
|
修正プログラム名 |
50台 |
100台 |
250台 |
500台 |
Windows2000-KB937894-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 SP4) |
19分 |
27分 |
53分 |
1時間35分 |
WindowsXP-KB937894-x86-JPN.exe
(Windows XP SP2) |
18分 |
27分 |
52分 |
1時間35分 |
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。 |
UpdateEXPERT上の表示
|
・Windows 2000 SP4:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:Windows2000-KB937894-x86-JPN.EXE」で登録予定
・Windows XP SP2:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsXP-KB937894-x86-JPN.exe」で登録予定 |
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