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Windowsプラットフォーム向けHotFix情報サービス
HotFix Alert:2008/04/10版
 
【登録日】2008/04/09
【更新日】2008/04/10
HFR BBS会議室
 
深刻度
1(緊急)
  2(重要)
  3(警告)
  4(注意)
攻撃コードの有無
なし
対策
至急適用
再起動の必要性
必要
アンインストール
可能
対象環境
サーバ
クライアント
セキュリティ情報
MS08-021(日本)
MS08-021(US)
サポート技術情報
含まれる過去の修正
脆弱性識別番号
MS08-021/948590
GDIのヒープ・オーバーフローの脆弱性などにより、リモートで任意のコードが実行される危険性
(GDI の脆弱性により、リモートでコードが実行される)


対応の緊急性:至急適用 [攻撃コード未公開][攻撃事例なし]

危険性
                 
SP待ち
 
早期適用
 
緊急適用
脆弱性による危険性を示す。「緊急適用」の場合、すでに攻撃コードが公開されているなど、脆弱性を悪用した攻撃が開始される可能性がある。「SP待ち」の場合、現時点では危険性がそれほど高くないため、サービスパックに反映されるまで待つことが可能であることを示す。

可能性のある攻撃
攻撃手法
脆弱性の影響
リモート攻撃 ウイルス/ワーム 電子メール添付 Webサイトへの誘導 コードの実行 権限の昇格 情報の漏えい サービス拒否 なりすまし
   
       
 
‥‥‥ 概要 ‥‥‥

 Graphics Device Interface(GDI)が拡張メタファイル(EMF)/Windowsメタファイル(WMF)画像を処理する過程に脆弱性が存在し、リモートで任意のコードが実行される危険性がある。

 細工されたEMF画像/WMF画像を表示すると、画像ファイルに含まれる任意のコードが実行されてしまう。攻撃は、細工した画像を画像掲示板などで公開したり、電子メール添付型のウイルスとしてばらまいたりすることで実行される可能性がある。また細工した画像をOffice文書に埋め込み、ユーザーにそのファイルを開かせるように誘導することでも攻撃が可能だ。特定の企業などをターゲットにした攻撃に悪用されることが懸念される。

 
脆弱性の内容

 MS08-021の修正プログラムは、以下の2件の脆弱性を解消する。

■GDIのヒープ・オーバーフローの脆弱性
最大深刻度 CVE番号 脆弱性の公開 実証コード 攻撃事例
緊急 CVE-2008-1083 未公開 未公開 なし

 GDIが細工されたEMF画像/WMF画像ファイル内のヘッダを適切に処理しないことに起因するバッファ・オーバーフローの脆弱性が存在する。細工されたEMF画像/WMF画像ファイルを開くだけで、任意のコードが実行されてしまう。

 なお現時点では、実証コードや攻撃事例は報告されていない。

■GDIのスタック・オーバーフローの脆弱性
最大深刻度 CVE番号 脆弱性の公開 実証コード 攻撃事例
緊急 CVE-2008-1087 未公開 未公開 なし

 GDIが細工されたEMF画像ファイル内のファイル名を適切に処理しないことに起因するスタック・オーバーフローの脆弱性が存在する。細工されたEMF画像ファイルを開くだけで、任意のコードが実行されてしまう。

 なお現時点では、実証コードや攻撃事例は報告されていない。

 
対象プラットフォーム

影響を受けるソフトウェア 対象プラットフォーム
Windows 2000 Windows 2000 SP4
Windows XP Windows XP SP2
Windows Server 2003 Windows Server 2003 SP1/SP2
Windows Vista Windows Vista SP 未適用/SP1
Windows Server 2008 Windows Server 2008
 
‥‥‥ DA Lab:HotFixテスティング・チームからのコメント ‥‥‥

■適用テストの結果
 DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

プラットフォーム
適用テスト結果
Windows 2000 Professional SP4
Windows 2000 Server SP4
Windows 2000 Advanced Server SP4
Windows XP Professional SP2
Windows Server 2003 Standard SP1
Windows Server 2003 R2 Enterprise
Windows Server 2003 R2 Standard SP2
Windows Server 2003 Enterprise SP2
Windows Vista Ultimate
Windows Vista Business SP1
Windows Server 2008 Enterprise
○は問題なし、△は一部に問題あり、×は適用による障害あり

■MBSA 2.0.1の結果
 MS08-021の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.0.1で確認可能だ。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新」の「結果の詳細情報」に、OSのバージョンによって以下のいずれかが表示される。

  • Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB948590)
  • Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB948590)
  • Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB948590)
  • Windows Vista 用セキュリティ更新プログラム (KB948590)
  • Windows Server 2008 用セキュリティ更新プログラム (KB948590)
 
適用時の注意点

■Windows Vista SP未適用/SP1向けとWindows Server 2008向けの修正プログラムは同じもの
  MS08-021のWindows Vista SP未適用/SP1向けとWindows Server 2008向けの修正プログラムは、ダウンロード・センターなどでは別のものとして扱われているが、修正プログラム自体はまったく同じものである。DA Labでは、Windows Server 2008向けの修正プログラムをWindows Vista Businessに適用できることを確認している。

 
‥‥‥ 修正プログラムのダウンロード先 ‥‥‥
プラットフォーム ダウンロード・センター WU/MU/WSUSの表示
Windows 2000 SP4 Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB948590)
Windows XP SP2 Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB948590)
Windows Server 2003 SP1/SP2 Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB948590)
Windows Vista SP未適用/SP1 Windows Vista 用セキュリティ更新プログラム (KB948590)
Windows Server 2008 Windows Server 2008 用セキュリティ更新プログラム (KB948590)
 
‥‥‥ 適用されるファイル情報 ‥‥‥
 以下のファイルにパッチが適用される。障害の発生が懸念される場合は、これらのファイルのバックアップを取っておくとよい。
   
Windows 2000 SP4:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
Windows2000-KB948590-x86-JPN.EXE 2008/02/20 1.0.0.0
621,936
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ %SystemRoot%\system32\
gdi32.dll 2008/02/19 5.0.2195.7153
236,304
GDI Client DLL
mf3216.dll 2007/03/06 5.0.2195.7133
38,160
32-bit to 16-bit Metafile Conversion DLL

Windows XP SP2:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsXP-KB948590-x86-JPN.exe 2008/02/29 1.0.0.0
625,704
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(SP2GDR/
SP2QFE)
%SystemRoot%\system32\
gdi32.dll 2008/02/20 5.1.2600.3316
282,624
GDI Client DLL
 
Windows Server 2003 SP1/SP2:
ファイル名 日付 バージョン サイズ
WindowsServer2003-KB948590-x86-JPN.exe 2008/02/19 1.0.0.0
688,176
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ
(SP1GDR)
%SystemRoot%\system32\
gdi32.dll 2008/02/18 5.2.3790.3091
284,672
GDI Client DLL
展開フォルダ
(SP1QFE)
%SystemRoot%\system32\
gdi32.dll 2008/02/18 5.2.3790.3091
285,184
GDI Client DLL
展開フォルダ
(SP2GDR)
%SystemRoot%\system32\
gdi32.dll 2008/02/18 5.2.3790.4237
283,136
GDI Client DLL
展開フォルダ
(SP2QFE)
%SystemRoot%\system32\
gdi32.dll 2008/02/18 5.2.3790.4237
283,648
GDI Client DLL
 
Windows Vista SP未適用/SP1、Windows Server 2008
ファイル名 日付 バージョン サイズ
Windows6.0-KB948590-x86.msu 2008/02/23
377,161
 
ファイル名 日付 バージョン サイズ 機能
展開フォルダ \x86_microsoft-windows-gdi32_31bf3856ad364e35_
6.0.6000.16643_none_57702c844c48b643\
gdi32.dll 2008/02/21 6.0.6000.16643
296,448
GDI Client DLL
  \x86_microsoft-windows-gdi32_31bf3856ad364e35_
6.0.6000.20777_none_57dd5ab3657b0f3c\
gdi32.dll 2008/02/22 6.0.6000.20777
296,448
GDI Client DLL
  \x86_microsoft-windows-gdi32_31bf3856ad364e35_
6.0.6001.18023_none_596c0b02495f0f52\
gdi32.dll 2008/02/22 6.0.6001.18023
295,936
GDI Client DLL
  \x86_microsoft-windows-gdi32_31bf3856ad364e35_
6.0.6001.22120_none_59f2a6ef627f6317\
gdi32.dll 2008/02/22 6.0.6001.22120
295,936
GDI Client DLL
展開フォルダは、%SystemRoot%\winsxs\以下を示す。
 
‥‥‥ 確認方法 ‥‥‥

 修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。

・Windows 2000 SP4:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB948590\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows XP SP2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP3\KB948590\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows Server 2003 SP1/SP2:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\SP3\KB948590\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows Vista SP未適用/SP1:
置き換わるファイルのバージョンで確認する

・Windows Server 2008:
置き換わるファイルのバージョンで確認する

 
予想適用時間

修正プログラム名 50台 100台 250台 500台
Windows2000-KB948590-x86-JPN.EXE
(Windows 2000 SP4)
18分 27分 52分 1時間34分
WindowsXP-KB948590-x86-JPN.exe
(Windows XP SP2)
18分 27分 52分 1時間34分
WindowsServer2003-KB948590-x86-JPN.exe
(Windows Sever 2003 SP1/SP2)
18分 27分 52分 1時間34分
1コンソールのUpdateEXPERT 6.1で、今回の修正プログラムを適用するのにかかる時間を概算したもの。ネットワーク環境や適用するコンピュータの性能などによって適用時間は異なる。あくまでも目安として利用してほしい。
 
UpdateEXPERT上の表示

・Windows 2000 SP4:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:Windows2000-KB948590-x86-JPN.EXE」で登録

・Windows XP SP2:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsXP-KB948590-x86-JPN.exe」で登録

・Windows Server 2003 SP1/SP2:
[展開ビュー]−[OS]タブに「名前:WindowsServer2003-KB948590-x86-JPN.exe」で登録

・Windows Vista SP未適用/SP1:
現在のところサポート対象外

・Windows Server 2008:
現在のところサポート対象外

 

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