Microsoft ICM（Image Color Management）コンポーネントのMicrosoft Color Management System（MSCMS）モジュールに脆弱性が存在する。細工された画像ファイルを開くと、脆弱性が悪用され、任意のコードが実行される危険性がある。

　攻撃は、細工された画像ファイルを含む電子メールや、細工された画像ファイルが埋め込まれたOfficeファイルを添付した電子メールを送付し、それを開くように誘導することで実行される可能性がある。また細工した画像ファイルが貼られたWebページに誘導し、そのWebページを開くことでも、攻撃が実行される。画像掲示板などを悪用した攻撃が実行されることも懸念される。

　カラー・マネージメント・システムを提供するICMに含まれるMSCMSモジュールが不適切にメモリを割り当てることに起因する脆弱性が存在する。細工された画像ファイルを開くと、ヒープ・オーバーフローが起こり、任意のコードが実行される危険性がある。

　Windows VistaとWindows Server 2008は、この脆弱性の影響を受けない。

■適用テストの結果
　DA Labでは、以下のプラットフォームで修正プログラムの適用テストを行った。

■MBSA 2.1の結果
　MS08-046の修正プログラムが正しく適用されているかどうかは、MBSA 2.1で確認可能だ。未適用の場合は、「Windowsのセキュリティの更新」の「結果の詳細情報」に以下のいずれかが表示される。

• Windows 2000 用セキュリティ更新プログラム (KB952954)
• Windows XP 用セキュリティ更新プログラム (KB952954)
• Windows Server 2003 用セキュリティ更新プログラム (KB952954)

　修正プログラムが正しく適用できたかどうかは、以下のレジストリ・キーにある値を調べることで確認できる。

・Windows 2000 SP4：
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows 2000\SP5\KB952954\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows XP SP2／SP3：
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows XP\SP4\KB952954\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows Server 2003 SP1／SP2：
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\SP3\KB952954\Filelist以下のファイル一覧を確認する

・Windows 2000 SP4：
［展開ビュー］−［OS］タブに「名前：Windows2000-KB952954-x86-JPN.EXE」で登録

・Windows XP SP2／SP3：
［展開ビュー］−［OS］タブに「名前：WindowsXP-KB952954-x86-JPN.exe」で登録

・Windows Server 2003 SP1／SP2：
［展開ビュー］−［OS］タブに「名前：WindowsServer2003-KB952954-x86-JPN.exe」で登録