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HotFix Report
/セキュリティTIPS/

■修正プログラムによって作られるレジストリ・キーを調べる方法
 ほとんどの修正プログラムは、適用時にレジストリにキーを作成します。つまり、レジストリ・キーは、修正プログラムが正しくインストールされているかどうかの1つの判断材料になるわけです。ただし、修正プログラムを手動でアンインストールするとレジストリ・キーはそのまま残ってしまいます。また、アンインストール・オプションを指定した正しいアンインストール手順を実行してもレジストリ・キーを削除しない修正プログラムもあるので、あくまで目安としてください。また、修正プログラムによって作成されるレジストリ・キーの位置が異なっているので注意が必要です。ここでは、代表的な修正プログラムの種類と、それによって作成されるレジストリ・キーの位置を紹介します。

 なおレジストリ・キーは、レジストリ・エディタで見ることが可能です。レジストリ・エディタは、レジストリを編集するための標準ツールですが、誤ってレジストリを変更した場合、システムが起動しなくなるなどの不具合が発生するので十分ご注意ください。レジストリ・エディタを起動するには、[スタート]−[ファイル名を指定して実行]メニューで、「regedit」と入力して、[OK]ボタンを押します。

・OS用のセキュリティ修正プログラム
 以下のレジストリの下に修正プログラムのサポート技術情報番号(KB329115など)のキーが作成されます。最近の修正プログラムでは「KB」がつく番号、2002年以前だと「Q」が付く番号で登録されます。[Windows][SP]は、それぞれOSの名前(「Windows 2000」や「Windows XP」など)、サービスパックのバージョン(「SP1」や「SP2」など)が入ります。Windows 2000の場合、[SP]の値は原則として、修正プログラムがリリースされた時点で最新のサービスパックのバージョンに1を加えた値(最新のサービスパックのバージョンが4である現在ならばSP5)となります。適用した環境のサービスパックのバージョンとは連動しません。一方Windows XPとWindows Server 2003の場合は、修正プログラムを適用した環境におけるOSのサービスパックのバージョンに1を加えた値(Windows XP SP1に適用した場合はSP2)となります。

・Windows NT 4.0:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Hotfix\

・Windows 2000/Windows XP/Windows Server 2003:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Hotfix\
および
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\[Windows]\[SP]\

 OS用のセキュリティ修正プログラムは、コントロール パネルの[アプリケーションの追加と削除]/[プログラムの追加と削除]でアンインストールした場合、このレジストリ・キーが削除されます。なお、IIS用修正プログラムはOS用修正プログラムと仕組みが同等なため、上記と同様にレジストリ・キーを作成します。

・Internet Explorer(IE)/Outlook Express(OE)用の修正プログラム
 IE/OE用の修正プログラムは、セキュリティ対策の累積型修正プログラムと不具合対策の単発型修正プログラムの2種類に分類できます。前者の場合、Windows NT 4.0/Windows 2000/Windows XP向けの修正プログラムでは、OSのセキュリティ修正プログラムとは異なる位置にレジストリを作成します。具体的には、以下のレジストリ・キーの下に{032A6019-9DAA-40f9-A3B3-34ABB0AA0947}といったキーを作成します(この文字列の値は修正プログラムによって異なります)。このキーのComponentID値にサポート技術情報番号(「Q813951」など)が登録されるので、この値で修正プログラムを識別できます。

・Windows NT 4.0/Windows 2000/Windows XP:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Active Setup\Installed Components\

・Windows Server 2003:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Hotfix\
および
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\Windows Server 2003\[SP]\

 一方、不具合対策の修正プログラムは、以下のレジストリ・キーのMinorVersion値にサポート技術情報番号を追加します。このほかには、特に有意な値をレジストリには書き込まないようです。

・Windows NT 4.0/Windows 2000/Windows XP:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
※Windows Server 2003では、このレジストリ・キーは使われません。

 MinorVersion値には、IE/OE用修正プログラムのサポート技術情報番号がセミコロンで区切られて列挙されます。セキュリティ対策の修正プログラムもこの値に番号を追加します。

 IE用の修正プログラムの中には、アンインストールしてもレジストリ・キーが削除されないものがあります。そのため、IsInstalled値が1であることも確認してください(アンインストールした場合は、この値が0になるだけでキー自体は削除されないことがあります)。

・Windows Media PlayerやDirectX、MDAC用の修正プログラム
 OSの追加コンポーネントであるWindows Media PlayerやDirectX、MDAC用の修正プログラムは、以下のレジストリ・キーの下に「Windows Media Player」「DirectX」「Data Access」といったコンポーネント名のキーを作成し、その下に「wm819639」「dx819696」「Q823718」といったキーが作成されます。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Updates\

 なお、サーバ・アプリケーションであるExchange Server用修正プログラムも同様に、上記のレジストリ・キーに「Exchange Server 5.5」「Exchange Server 2000」というキーを作ります。

・Office 2000/XP用の修正プログラム
 Office 2000/XPおよびその単体版に適用される修正プログラムは、以下のレジストリ・キーに「240B254EC53798B4E93F33E4FFEF8E7D」といったキーを作成することがあります(このキー名は修正プログラムによって異なります)。そして、修正プログラムのインストール元パスなどの情報が格納されます。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\Installer\Patches\

 しかし、修正プログラムのリリース時期やインストール方法によっては、上記のキーが作成されない場合もあることが確認されています。Office 2000/XP用修正プログラムについては、レジストリ・キーではなく、置き換えられるファイルのバージョンを確認する方がよいでしょう。

 これらの作成されたレジストリ・キーを見ることで、修正プログラムに関する情報を得ることも可能です。レジストリ・キーの見方については、別の機会に解説します。

 
 
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