■[UE 6.1]単体版OfficeアプリケーションのOfficeセットアップ・パスを設定する方法
UpdateEXPERTは、単体版Officeアプリケーションを管理対象としてサポートしていない。また、管理対象コンピュータにOfficeスイート(Office
2000 Professionalなど)がインストールされている環境に、FrontPage 2000などの単体版Officeアプリケーションが混在して導入されている場合も、修正プログラムによっては適用に失敗することがある。
これは、修正プログラムが単体版にも作用するもので、かつ修正プログラムが単体版OfficeアプリケーションのインストールCDを要求する場合に発生する。UpdateEXPERTがインストールCDのセットアップ・パス(Officeセットアップ・パス)を自動で設定できるのはOfficeスイートだけであるため、単体版が存在すると修正プログラムはそのインストールCDにアクセスできず、エラーになってしまうわけだ。この問題を回避するには、サポート対象外の単体版アプリケーションに対し、手動でOfficeセットアップ・パスを「管理対象コンピュータ」に設定すればよい。
具体的には、管理対象コンピュータ上のレジストリを編集し、単体版Officeアプリケーションに対して、Officeセットアップ・パスを設定する。Officeアプリケーションのレジストリ・キーは、Officeのバージョンとアプリケーションによって異なっている。下表がOfficeのバージョンと後述する「Products」キー以下のサブ・キー名である。
Officeのバージョン |
「Products」キー以下のサブ・キー名 |
Office 2000系 |
1140**001E872D116BF00006799C897E |
Office XP系 |
1140***900063D11C8EF00054038389C |
Office 2003系 |
1140***900063D11C8EF10054038389C |
「*」は任意の16進数値が入る。いずれも日本語版Officeが対象 |
ここでは、単体版FrontPage 2000を例に手順を解説する。この作業は、各管理対象コンピュータで1回だけ実施すればよい。ただし、レジストリに設定したOfficeセットアップ・パスが編集されたり、削除されたりした場合は、改めて同じ作業を実行する必要がある。
- レジストリ・エディタを使って管理対象コンピュータ上の以下のレジストリ・キーを検索する。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\Installer\Products |
- 前述した「Products」キー以下のサブ・キーの一覧表を参考に、単体版Officeアプリケーションのためのサブ・キーを探す。単体版FrontPage
2000の場合、以下の値とデータが格納されているサブ・キーが対象となる。
サブ・キー |
114021001E872D116BF00006799C897E |
値名 |
ProductName |
データ |
Microsoft FrontPage 2000 |
このように、前述の一覧表に合致する16進数のサブ・キーを見つけ、その中の「ProductName」という値に対象の単体版Officeアプリケーションの製品名が格納されていることを確認すればよい。
- Officeセットアップ・パスをレジストリに設定する。2で見つけたレジストリ・キーのサブ・キー「SourceList」に、「Net」というサブ・キーを作成する(すでに存在している場合、新規作成は不要)。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\Installer\Products\
1140510900063D11C8EF00054038389C\SourceList\Net
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- このキーに以下の値を作成する。
種類 |
文字列 (REG_SZ) または展開可能な文字列 (REG_EXPAND_SZ) |
値名 |
1 |
データ |
<Officeセットアップ・パス> |
データに設定する<Officeセットアップ・パス>は、「\\Server\InstCD\FrontPage2000」といったネットワーク共有フォルダへのパスをUNC形式で記述する。管理対象コンピュータのハードディスクにインストールCDの内容をコピーしている場合は、そのコピー先フォルダのパスを記述してもよい。
なお、すでにキーに「1」という値が存在していた場合、まずその値名を「2」以降の数値に変更し、「1」を空ける。その後に別途、値名「1」を作成してOfficeセットアップ・パスを設定する。また、以下の値に無効なパスが記録されていた場合は、その値のみを削除した方がよい(キー自体を削除してはいけない)。
キー名 |
HKLM\SOFTWARE\Classes\Installer\Products\
1140510900063D11C8EF00054038389C\SourceList |
値名 |
LastUsedSource |
データ |
文字列 (REG_SZ) または展開可能な文字列 (REG_EXPAND_SZ) |
この操作で、単体版FrontPage 2000に対するOfficeセットアップ・パスの設定が完了する。以降、単体版FrontPage 2000がインストールされている環境でも、UpdateEXPERTからOfficeスイートに対する修正プログラムの適用でエラーが発生することはなくなるはずだ。
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